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【発明の名称】 電気自動車用電源制御装置
【発明者】 【氏名】佐藤 賢治
【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式会社内

【氏名】錦織 秀隆
【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式会社内

【要約】 【課題】正確かつ迅速にコンデンサを充電する。リレーの接触不良を検出する。リレーの溶着に関して正確かつ迅速に検出する。

【解決手段】電源制御装置10は、コントローラ12、バッテリ56の電圧値を検出する電圧計14、負荷58に並列接続されたコンデンサ62の電圧値を検出する電圧計54等を備えるとともに、バッテリ56と負荷58との正極側を直接接続するリレーRY1を開閉する機能と、バッテリ56と負荷58との負極側を直接接続するリレーRY2を開閉する機能と、リレーRY1に並列接続されバッテリ56と負荷58とを抵抗器60を介して接続するリレーRY3を開閉する機能とを備えている。バッテリ56とコンデンサ62との電圧値に基づきリレーRY1,RY2,RY3の開閉又は故障判断をする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、前記バッテリと前記負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、前記第一のリレーに並列接続され前記バッテリと前記負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能とを備えた電気自動車用電源制御装置において、前記バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、前記負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段及び前記コンデンサ電圧検出手段から前記バッテリの電圧値及び前記コンデンサの電圧値を入力し、当該バッテリの電圧値と当該コンデンサの電圧値とに基づき、前記第一乃至第三のリレーを開閉する又は前記第一乃至第三のリレーの故障を判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車用電源制御装置。
【請求項2】 バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、前記バッテリと前記負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、前記第一のリレーに並列接続され前記バッテリと前記負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能とを備えた電気自動車用電源制御装置において、前記バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、前記負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段及び前記コンデンサ電圧検出手段から前記バッテリの電圧値及び前記コンデンサの電圧値を入力するとともに、前記第一乃至第三のリレーが開である状態から当該第二及び第三のリレーを閉にし、一定時間経過時に当該バッテリの電圧値と当該コンデンサの電圧値との差が一定値以下である場合に当該第一のリレーを閉かつ当該第三のリレーを開にする制御手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車用電源制御装置。
【請求項3】 バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、前記バッテリと前記負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、前記第一のリレーに並列接続され前記バッテリと前記負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能とを備えた電気自動車用電源制御装置において、前記バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、前記負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段及び前記コンデンサ電圧検出手段から前記バッテリの電圧値及び前記コンデンサの電圧値を入力するとともに、前記第一及び第二のリレーが閉かつ前記第三のリレーが開である場合に、当該バッテリの電圧値と当該コンデンサの電圧値との差が一定値以上あれば当該第一及び第二のリレーに接触不良があると判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車用電源制御装置。
【請求項4】 バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、前記バッテリと前記負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、前記第一のリレーに並列接続され前記バッテリと前記負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能とを備えた電気自動車用電源制御装置において、前記バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、前記負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段及び前記コンデンサ電圧検出手段から前記バッテリの電圧値及び前記コンデンサの電圧値を入力するとともに、前記第一及び第二のリレーが閉かつ前記第三のリレーが開である場合に、当該バッテリの電圧値と当該コンデンサの電圧値との差が一定値未満であっても、当該コンデンサの電圧値が一定値未満であれば当該第一及び第二のリレーに異常があると判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車用電源制御装置。
【請求項5】 バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、前記バッテリと前記負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、前記第一のリレーに並列接続され前記バッテリと前記負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能と、前記負荷に電力を消費させる機能とを備えた電気自動車用電源制御装置において、前記バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、前記負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段及び前記コンデンサ電圧検出手段から前記バッテリの電圧値及び前記コンデンサの電圧値を入力するとともに、前記第一及び第二のリレーが閉かつ前記第三のリレーが開である状態から当該第一及び第二のリレーの少なくとも一方を開にするとともに前記負荷に電力を消費させても、当該バッテリの電圧値と当該コンデンサの電圧値との差が一定値以下であれば当該開にしたリレーが溶着していると判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車用電源制御装置。
【請求項6】 前記溶着の判断を車両の停止時に実行するようにした、請求項5記載の電気自動車用電源制御装置。
【請求項7】 前記停止時とは、前記車両が走行時又はバッテリ充電時から完全に停止状態になる直前である、請求項6記載の電気自動車用電源制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電気自動車に搭載され、バッテリと負荷とを接続又は遮断する電気自動車用電源制御装置(以下、単に「電源制御装置」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の電源制御装置を示す回路図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0003】従来の電源制御装置50は、コントローラ52及び電圧計54からなり、バッテリ56と負荷58との正極側を直接接続するリレーRY1を開閉する機能と、バッテリ56と負荷58との負極側を直接接続するリレーRY2を開閉する機能と、リレーRY1に並列接続されバッテリ56と負荷58とを抵抗器60を介して接続するリレーRY3を開閉する機能とを備えている。電圧計54は、負荷58に並列接続されたコンデンサ62の電圧値を検出する。負荷58は、図示しないが、駆動用モータ、及び駆動用モータに電力を供給するインバータ等からなる。コンデンサ62は、負荷変動やノイズに対して、バッテリ56の出力電圧を一定に保つ働きをする。例えば、バッテリ56の出力電圧は240V、抵抗器60の抵抗値は200Ωである。
【0004】次に、電源制御装置50の動作を説明する。
【0005】起動時に、リレーRY1,RY2をいきなり閉にすると、コンデンサ62への突入電流によってリレーRY1,RY2の接点が溶着するおそれがある。そこで、「プリチャージ」と呼ばれる動作を実行する。すなわち、最初にリレーRY1,RY2,RY3が開の状態からリレーRY2,RY3を閉にしてコンデンサ62を徐々に充電し、コンデンサ62が十分に充電された後にリレーRY3を開にし、同時にリレーRY1を閉にする。ここで、コンデンサ62が十分に充電されたか否かについては、コンデンサ62の電圧値が一定値に達したか否か、又は一定時間が経過したか否かに基づき判断する。
【0006】また、リレーRY1,RY2,RY3の溶着を検出する、次のような機能を有するものが知られている(例えば特開2000-134707号公報)。
【0007】起動時に、まずリレーRY1,RY2,RY3が開の状態からリレーRY3を閉にし、コンデンサ62の電圧が上昇した場合には、リレーRY2の溶着と判断する。続いて、リレーRY2を閉にしてリレーRY3を開にし負荷58に電力を消費させ、コンデンサ62の電圧が低下しない場合には、リレーRY1又はリレーRY3のいずれかが溶着していると判断する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の電源制御装置50では、次のような問題があった。
【0009】■.コンデンサ62の電圧値のみに基づきコンデンサ62が十分に充電されたと判断することは、正確さに欠ける。例えば、コンデンサ62の電圧値が一定値に達しても、それ以上にバッテリ56の電圧値が高ければ、リレーRY1,RY2が溶着するおそれがあった。
【0010】■.経過時間に基づきコンデンサ62が十分に充電されたと判断することは、どうしても判断に要する時間が長くなってしまう。なぜなら、充電時間が長くなる場合にも溶着が起きないようにするために、一定時間を十分に長く設定しておく必要があるからである。
【0011】■.リレーRY1,RY2の接点での接触不良を検出できなかった。なぜなら、コンデンサ62の電圧値が低下しても、それがバッテリ56の電圧値の低下によるものか、リレーRY1,RY2での電圧降下によるものか、を区別できないからである。この接触不良は、接点が酸化やゴミなどによって高抵抗化し、遂には溶着等に至るものである。なお、ここでいう「接触不良」とは、リレーRY1,RY2の駆動回路の故障や機械的故障により、リレー接点が正常に動作しなかった場合も含まれるものとする。
【0012】■.リレーRY1,RY2,RY3の溶着の判断にコンデンサ62の電圧値の時間的変化を利用するので、正確に検出するためには、それだけ時間がかかってしまう。
【0013】■.車両の起動時にリレーRY1,RY2,RY3の溶着を判断することにより、その判断にある程度の時間を要するので、迅速な発進ができないという問題があった。また、起動時に溶着が発見されると、その部品の調達及び交換にかなりの時間を要するので、事実上その車両を使用できなくなっていた。
【0014】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、第一に正確かつ迅速にコンデンサ62を充電でき、第二にリレーRY1,RY2の接触不良を検出でき、第三にリレーRY1,RY2の溶着に関して正確かつ迅速に検出できるとともに利便性も向上できる、電源制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電源制御装置は、バッテリと負荷との正極側又は負極側の一方を直接接続する第一のリレーを開閉する機能と、バッテリと負荷との正極側又は負極側の他方を直接接続する第二のリレーを開閉する機能と、第一のリレーに並列接続されバッテリと負荷とを抵抗器を介して接続する第三のリレーを開閉する機能と、を備えたものである。そして、この電源制御装置は、バッテリの電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段と、負荷に並列接続されたコンデンサの電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段と、バッテリ電圧検出手段及びコンデンサ電圧検出手段からバッテリの電圧値及びコンデンサの電圧値を入力し、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値とに基づき、第一乃至第三のリレーを開閉する又は第一乃至第三のリレーの故障を判断する制御手段と、を備えている(請求項1)。
【0016】例えば、制御手段は、バッテリ電圧検出手段及びコンデンサ電圧検出手段からバッテリの電圧値及びコンデンサの電圧値を入力するとともに、第一乃至第三のリレーが開である状態から第二及び第三のリレーを閉にし、一定時間経過時にバッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以下である場合に第一のリレーを閉かつ第三のリレーを開にする(請求項2)。
【0017】例えば、制御手段は、バッテリ電圧検出手段及びコンデンサ電圧検出手段からバッテリの電圧値及びコンデンサの電圧値を入力するとともに、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である場合に、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以上あれば第一及び第二のリレーに接触不良があると判断する(請求項3)。
【0018】例えば、制御手段は、バッテリ電圧検出手段及びコンデンサ電圧検出手段からバッテリの電圧値及びコンデンサの電圧値を入力するとともに、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である場合に、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値未満であっても、コンデンサの電圧値が一定値未満であれば第一及び第二のリレーに異常があると判断する(請求項4)。ここでいう「第一及び第二のリレーの異常」には、ヒューズ、バッテリケーブル等の高電圧系部品の異常も含まれるものとする。
【0019】例えば、電源制御装置は、負荷に電力を消費させる機能を更に備えている。このとき、制御手段は、バッテリ電圧検出手段及びコンデンサ電圧検出手段からバッテリの電圧値及びコンデンサの電圧値を入力するとともに、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である状態から第一及び第二のリレーの少なくとも一方を開にするとともに負荷に電力を消費させても、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以下であれば開にしたリレーが溶着していると判断する(請求項5)。ここで、「第一及び第二のリレーの少なくとも一方を開」であるから、第一のリレーのみを開、第二のリレーのみを開、第一及び第二のリレーの両方を開、の三通りがある。
【0020】このとき、溶着の判断を車両の停止時に実行するようにしてもよい(請求項6)。更に、停止時とは、車両が走行時又はバッテリ充電時から完全に停止状態になる直前である、としてもよい(請求項7)。例えば、車両の高電圧系が起動した状態から停止した状態に移るときである。実際には、イグニション・スイッチをオンからオフにした後の数秒間、又は充電が完了した後の数秒間である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る電源制御装置の一実施形態を示す回路図である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図5と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0022】本実施形態の電源制御装置10は、制御手段としてのコントローラ12、バッテリ56の電圧値を検出するバッテリ電圧検出手段としての電圧計14、負荷58に並列接続されたコンデンサ62の電圧値を検出するコンデンサ電圧検出手段としての電圧計54等を備えるとともに、バッテリ56と負荷58との正極側を直接接続するリレーRY1を開閉する機能と、バッテリ56と負荷58との負極側を直接接続するリレーRY2を開閉する機能と、リレーRY1に並列接続されバッテリ56と負荷58とを抵抗器60を介して接続するリレーRY3を開閉する機能と、負荷58に電力を消費させる機能とを備えている。
【0023】また、コントローラ12は、次の■〜■の各機能を備えている。
【0024】■.電圧計14及び電圧計54からバッテリ56の電圧値v1及びコンデンサ62の電圧値v2を入力するとともに、リレーRY1,RY2,RY3が開である状態からリレーRY2,RY3を閉にし、一定時間経過時にバッテリ56の電圧値v1とコンデンサ62の電圧値v2との差が一定値以下である場合に、リレーRY1を閉かつリレーRY3を開にする。
【0025】■.電圧計14及び電圧計54からバッテリ56の電圧値v1及びコンデンサ62の電圧値v2を入力するとともに、リレーRY1,RY2が閉かつリレーRY3が開である場合に、バッテリ56の電圧値v1とコンデンサ62の電圧値v2との差が一定値以上であればリレーRY1,RY2に接触不良があると判断する。
【0026】■.電圧計14及び電圧計54からバッテリ56の電圧値v1及びコンデンサ62の電圧値v2を入力するとともに、リレーRY1,RY2が閉かつリレーRY3が開である状態からリレーRY1,RY2の少なくとも一方を開にするとともに負荷58に電力を消費させても、バッテリ56の電圧値v1とコンデンサ62の電圧値v2との差が一定値以下であれば開にしたリレーRY1,RY2の少なくとも一方が溶着していると判断する。
【0027】コントローラ12は、例えばCPUを中心にROM、RAM、入出力インタフェース等から構成されたマイクロコンピュータであり、前述した多くの機能がプログラムによって実現されている。電圧計14及び電圧計54は、例えば分圧用抵抗器及びA/Dコンバータ等によって構成されたものである。
【0028】図2は、電源制御装置10の起動時の動作を示すフローチャートである。以下、図1及び図2に基づき説明する。なお、バッテリ56の電圧値v1及びコンデンサ62の電圧値v2を、以下「バッテリ電圧v1」及び「コンデンサ電圧v2」という。また、リレーのオンとはリレーの閉のことであり、リレーのオフとはリレーの開のことである。
【0029】まず、運転者がイグニション・スイッチをオンにしたり(走行開始)、充電用プラグを車両に差し込んだり(バッテリ充電開始)することにより、車両電源起動要求が発生する(ステップ101)。すると、バッテリ電圧v1が正常範囲内にあることすなわち一定電圧Va以上であること(v1>Va)を確認し(ステップ102)、リレーRY2,RY3をオンにする(ステップ103)。一方、ステップ102でv1>Vaでなければ、バッテリ電圧v1が異常に低いので、バッテリ電圧異常のフェール信号を出力し(ステップ104)、リレーRY1,RY2,RY3をオフにして起動を停止する(ステップ105)。
【0030】続いて、一定時間T1を経過してもコンデンサ電圧v2が一定電圧Vb未満であるならば(ステップ106)、何らかの理由によりコンデンサ62を正常に充電できないので、プリチャージ異常のフェール信号を出力し(ステップ107)、起動を停止する(ステップ105)。一方、ステップ106でv2<Vbでない場合に、一定時間T2を経過してもバッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2との差が一定電圧Vc以上であれば(ステップ108)、何らかの理由によりコンデンサ62を正常に充電できないので、プリチャージ異常のフェール信号を出力し(ステップ109)、起動を停止する(ステップ105)。なお、T1<T2であり、例えばT1は1秒程度、T2は10秒程度である。
【0031】続いて、ステップ108において、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2との差が一定電圧Vc未満であれば(ステップ110)、コンデンサ62を正常に充電できたので、リレーRY1をオンかつリレーRY3をオフにして起動を終了する(ステップ111)。リレーRY1をオンにしたとき、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2との差は僅少であるので、リレーRY1が溶着することはない。一定電圧Vcは、リレーRY1,RY2が溶着することのない電圧差であり、リレーRY1,RY2の接点性能やコンデンサ62の容量値等によって決められる。
【0032】バッテリ電圧をv1、コンデンサ62の容量値をC、抵抗器60の抵抗値をRとすると、t秒後のコンデンサ電圧v2(t)は、次式で与えられる。
v2=v1[1−exp{−t/(C・R)}]
T1秒後のコンデンサ電圧v2(T1)は、上式にt=T1=1を代入することによって得られる。一定電圧Vbは、v2(1)から余裕分を差し引いた値に設定する。
【0033】図3は、電源制御装置10の走行時又はバッテリ充電時の動作を示すフローチャートである。以下、図1及び図3に基づき説明する。
【0034】まず、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2とを比較し、それらの差が一定電圧Vd以上であれば(ステップ121)、リレーRY1,RY2での異常な電圧降下が認められるので、接触不良のフェール信号を出力し(ステップ122)、リレーRY1,RY2をオフにする(ステップ123)。一方、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2との差が一定電圧Vd未満であっても、コンデンサ電圧v2が一定電圧Ve未満であれば(ステップ124)、低電圧のフェール信号を出力し(ステップ125)、リレーRY1,RY2をオフにする(ステップ123)。
【0035】ステップ123でリレーRY1,RY2をオフにする理由は、接触が突然良くなると大電流が流れるので、リレーRY1,RY2が溶着するおそれがあるからである。したがって、一定電圧Vdは、リレーRY1,RY2が溶着する最小電流値に対応する電圧差に設定する。一定電圧Veは、通常検出されないような低い値に設定する。
【0036】図4は、電源制御装置10の停止時の動作を示すフローチャートである。以下、図1及び図4に基づき説明する。
【0037】(1)リレーRY1,RY2のどちらも溶着していない場合まず、運転者がイグニション・スイッチをオフにしたり(走行終了)、充電用プラグを車両から抜き外したり(バッテリ充電終了)することにより、車両電源停止要求が発生する(ステップ131)。すると、リレーRY1をオフにし(ステップ132)、負荷58で電力を消費させる(ステップ133)。続いて、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2とを比較し、それらの差が一定電圧Vf以上であれば正常であるので(ステップ134)、負荷58での電力消費を最小限にし(ステップ135)、リレーRY3をオンかつリレーRY2をオフにする(ステップ136)。続いて、コンデンサ電圧v2を監視し、上昇しなければ正常であるので(ステップ137)、リレーRY3をオフにする(ステップ138)。
【0038】(2)リレーRY1のみが溶着している場合ステップ134においてバッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2との差が一定電圧Vf未満であれば、リレーRY1が溶着しているので、リレーRY1溶着のフェール信号を出力し(ステップ139)、リレーRY2をオフにする(ステップ140)。
【0039】(3)リレーRY2のみが溶着している場合ステップ137においてコンデンサ電圧v2が上昇すれば、リレーRY2が溶着しているので、リレーRY2溶着のフェール信号を出力し(ステップ141)、リレーRY3をオフにする(ステップ138)。
【0040】(4)リレーRY1,RY2がどちらも溶着している場合ステップ140においてリレーRY2をオフにした後、バッテリ電圧v1とコンデンサ電圧v2とを比較し、それらの差が一定電圧Vf未満であれば(ステップ142)、リレーRY2も溶着しているので、リレーRY2溶着のフェール信号を出力する(ステップ143)。
【0041】なお、本発明は、言うまでもなく、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の名称を「電気自動車用…」としたが、電気自動車に限らず、大容量の電源及び負荷を備えたシステムに好適に用いることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る電源制御装置によれば、バッテリとコンデンサとの電圧値に基づきリレーの開閉又は故障判断をすることにより、正確かつ迅速にコンデンサを充電でき、リレーの接触不良を検出でき、かつリレーの溶着に関して正確かつ迅速に検出できる。
【0043】請求項2記載の電源制御装置によれば、一定時間経過時にバッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以下である場合に第一のリレーを閉かつ第三のリレーを開にすることにより、プリチャージの完了時期を正確に判断できるので、リレーの溶着を防止できるとともに、必要最小限の時間でプリチャージを完了できる。
【0044】請求項3記載の電源制御装置によれば、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である場合に、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以上あれば第一及び第二のリレーに接触不良があると判断することにより、リレーの接触不良を正確に検出できるので、リレーの溶着を未然に防止できる。
【0045】請求項4記載の電源制御装置によれば、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である場合に、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値未満であっても、コンデンサの電圧値が一定値未満であれば第一及び第二のリレーに異常があると判断することにより、車両走行中又はバッテリ充電中に、高電圧系部品の異常を検出できる。
【0046】請求項5記載の電源制御装置によれば、第一及び第二のリレーが閉かつ第三のリレーが開である状態から第一及び第二のリレーの少なくとも一方を開にするとともに負荷に電力を消費させても、バッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差が一定値以下であれば開にしたリレーが溶着していると判断することにより、コンデンサの電圧値の時間的変化ではなくバッテリの電圧値とコンデンサの電圧値との差を利用するので、正確かつ迅速にリレーの溶着を検出できる。
【0047】請求項6又は7記載の電源制御装置によれば、溶着の判断を車両の停止時に実行することにより、起動時に余計な時間を費やさないので、迅速に発進できる。しかも、停止時に溶着が発見されることにより、その部品の調達及び交換を停止中に行えばよいので、その車両を使用できなくなる時間が少ない。したがって、利便性を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地
【出願日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【代理人】 【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
【公開番号】 特開2003−102101(P2003−102101A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−291037(P2001−291037)