| 【発明の名称】 |
ハイブリッドカー用の電源装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠矢 正一 【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】駆動用二次電池と電装用二次電池の好ましい特性を有効に活用し、駆動用二次電池と電装用二次電池をより理想に近い状態で使用できるようにする。
【解決手段】ハイブリッドカー用の電源装置は、走行用のモーター8を駆動する駆動用二次電池1と、電装用二次電池2と、駆動用二次電池1の出力電圧を電装用二次電池2を充電する電圧に変換する降圧回路3と、電装用二次電池2の出力電圧を駆動用二次電池1を充電する電圧に変換する昇圧回路4と、降圧回路3を介して駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電する共に、昇圧回路4を介して電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する電池制御回路5とを備える。電源装置は、電池制御回路5が降圧回路3と昇圧回路4を制御して、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で相互に充放電する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用のモーター(8)を駆動する駆動用二次電池(1)と、電装用二次電池(2)と、駆動用二次電池(1)の出力電圧を電装用二次電池(2)を充電する電圧に変換する降圧回路(3)と、電装用二次電池(2)の出力電圧を駆動用二次電池(1)を充電する電圧に変換する昇圧回路(4)と、降圧回路(3)を介して駆動用二次電池(1)で電装用二次電池(2)を充電する共に、昇圧回路(4)を介して電装用二次電池(2)で駆動用二次電池(1)を充電する電池制御回路(5)とを備え、電池制御回路(5)が降圧回路(3)と昇圧回路(4)を制御して、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の間で相互に充放電することを特徴とするハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項2】 駆動用二次電池(1)がニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン二次電池のいずれかである請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項3】 電装用二次電池(2)が鉛電池、リチウム二次電池のいずれかである請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項4】 駆動用二次電池(1)がニッケル−水素電池で、電装用二次電池(2)が鉛電池である請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項5】 電池制御回路(5)が、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の電池電圧を検出し、電池電圧が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の間で充放電させる請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項6】 電池制御回路(5)が、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の残容量を検出し、残容量が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の間で充放電させる請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項7】 電池制御回路(5)が、駆動用二次電池(1)の残容量と電装用二次電池(2)の電池電圧を検出し、残容量と電池電圧が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の間で充放電させる請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項8】 電池制御回路(5)が、電装用二次電池(2)と駆動用二次電池(1)が充放電していないことを確認し、電装用二次電池(2)で駆動用二次電池(1)を定電流充電して、駆動用二次電池(1)の残容量または内部抵抗を検出する請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項9】 電池制御回路(5)が駆動用二次電池(1)の電池温度を検出し、電池温度が設定温度よりも低い状態にあると、電装用二次電池(2)と駆動用二次電池(1)との間で交互に充放電する請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項10】 駆動用二次電池(1)の内部抵抗を検出し、内部抵抗が設定値よりも大きくなると、降圧回路(3)でもって駆動用二次電池(1)で電装用二次電池(2)を充電して駆動用二次電池(1)を設定値まで放電する請求項1に記載されるハイブリッドカーの電源装置。 【請求項11】 駆動用二次電池(1)の電圧または残容量が設定値まで低下すると、電装用二次電池(2)で駆動用二次電池(1)を充電する請求項10に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項12】 電装用二次電池(2)と駆動用二次電池(1)が充電されない状態で、駆動用二次電池(1)の残容量が設定容量よりも小さくなると、電装用二次電池(2)で駆動用二次電池(1)を充電する請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項13】 駆動用二次電池(1)が複数の電池を直列に接続しており、電池の容量差が設定値よりも大きくなると、電池制御回路(5)が昇圧回路(4)を制御して電装用二次電池(2)で駆動用二次電池(1)を充電し、駆動用二次電池(1)の残容量または電圧が設定値になると充電を停止させる請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項14】 駆動用二次電池(1)を充電する主発電機(7A)を備えており、この主発電機(7A)が、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)の両方の電池を充電する請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。 【請求項15】 駆動用二次電池(1)を充電する主発電機(7A)と、電装用二次電池(2)を充電する副発電機(7B)とを備え、主発電機(7A)と副発電機(7B)の両方で、駆動用二次電池(1)と電装用二次電池(2)を充電する請求項1に記載されるハイブリッドカー用の電源装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンとモーターの両方で走行するハイブリッドカーに搭載される電源装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ハイブリッドカーは、走行用のモーターを駆動する駆動用二次電池と、電装品に電力を供給するための電装用二次電池を備える電源装置を搭載している。駆動用二次電池と電装用二次電池は、各々の用途に要求される特性から、駆動用二次電池として、主としてニッケル−水素電池が使用され、電装用二次電池として鉛電池が使用される。駆動用二次電池のニッケル−水素電池は、重量と容量に対する容量を大きくできる特長がある。電装用二次電池の鉛電池は低コストで内部抵抗が小さく、低電圧でセルモーターを駆動できる特長がある。 【0003】駆動用二次電池と電装用二次電池には、異なるタイプの電池が使用されるので、各々の電池特性は長所と短所がある。たとえば、駆動用二次電池に主に使用されるニッケル−水素電池は、鉛電池に比較して充電効率が高く、高エネルギー密度にできる特長はあるが、温度特性が鉛電池に比較して悪く、また自己放電が多くて長期保存特性が悪くなる欠点がある。これに対して電装用二次電池の鉛電池は、ニッケル−水素電池に比較して温度特性と長期保存特性は優れているが、充電効率が悪い欠点がある。さらに、駆動用二次電池は、多数の二次電池を直列に接続しているので、電装用二次電池に比較して極めて高価である。このため、いかにして長い寿命にできるかが極めて大切である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来のハイブリッドカーの電源装置は、駆動用二次電池と電装用二次電池を各々独立して制御しているので、駆動用二次電池を必ずしも理想的な状態で使用できない欠点がある。たとえば、温度が低いときに駆動用二次電池でモーターを駆動するとき、駆動用二次電池が効率よくモーターを駆動できなくなる欠点がある。駆動用二次電池に使用されるニッケル−水素電池が温度特性が低温で低下するからである。また、ハイブリッドカーを長い期間使用しないときに、駆動用二次電池の劣化が甚だしくなることがある。駆動用二次電池の残容量が少なくなって過放電状態となることがあるからである。ハイブリッドカーは、エンジンで発電機を駆動して充電するので、走行しないと充電されず、過放電状態となることがある。さらに、多数の二次電池を直列に接続している駆動用二次電池は、使用するにしたがって、各々の電池特性にアンバランスが発生する。電池のアンバランスは、特定の二次電池の劣化を甚だしくする。残容量が少なくなる二次電池が過放電ぎみになり、残容量の大きい電池が過充電ぎみになるからである。 【0005】本発明は、駆動用二次電池と電装用二次電池を相互に充放電することにより、両電池の好ましい特性を有効に活用し、駆動用二次電池と電装用二次電池をより理想に近い状態で使用できるようにしてなるハイブリッドカー用の電源装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のハイブリッドカー用の電源装置は、走行用のモーター8を駆動する駆動用二次電池1と、電装用二次電池2と、駆動用二次電池1の出力電圧を電装用二次電池2を充電する電圧に変換する降圧回路3と、電装用二次電池2の出力電圧を駆動用二次電池1を充電する電圧に変換する昇圧回路4と、降圧回路3を介して駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電する共に、昇圧回路4を介して電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する電池制御回路5とを備える。電源装置は、電池制御回路5が降圧回路3と昇圧回路4を制御して、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で相互に充放電する。 【0007】駆動用二次電池1は、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、リチウムイオン二次電池のいずれかとすることができる。電装用二次電池2は、鉛電池、リチウム二次電池のいずれかとすることができる。電源装置、好ましくは、駆動用二次電池1をニッケル−水素電池とし、電装用二次電池2を鉛電池とする。 【0008】電池制御回路5は、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の電池電圧を検出し、電池電圧が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で充放電させることができる。さらに、電池制御回路5は、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の残容量を検出し、残容量が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で充放電させることもできる。電池制御回路5は、好ましくは、駆動用二次電池1の残容量と電装用二次電池2の電池電圧を検出し、これらの残容量と電池電圧が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で充放電させる。 【0009】本発明の請求項8の電源装置は、電池制御回路5が電装用二次電池2と駆動用二次電池1が充放電していないことを確認し、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を定電流充電して、駆動用二次電池1の残容量または内部抵抗を検出する。この電源装置は、駆動用二次電池1が充放電されない電圧の安定した状態で定電流充電して内部抵抗と残容量を検出するので、電池電圧から内部抵抗と残容量を正確に検出できる特長がある。 【0010】さらに、本発明の請求項9の電源装置は、電池制御回路5が駆動用二次電池1の電池温度を検出し、電池温度が設定温度よりも低い状態にあると、電装用二次電池2と駆動用二次電池1との間で交互に充放電して駆動用二次電池1を加温する。この電源装置は、電装用二次電池2と駆動用二次電池1を交互に充放電するので、電力を無駄に消費することなく駆動用二次電池1を有効に加温して、低温に起因する出力低下を解消できる特長がある。 【0011】さらに、本発明の請求項10の電源装置は、駆動用二次電池1の内部抵抗を検出し、内部抵抗が設定値よりも大きくなると、降圧回路3でもって駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電して駆動用二次電池1を設定値まで放電する。この電源装置は、駆動用二次電池1のメモリ効果を有効に解消できる特長がある。さらに、この電源装置は、好ましくは、駆動用二次電池1の電圧または残容量が設定値まで低下すると、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。この電源装置は、放電される駆動用二次電池1の電力を無駄に消費することなく電装用二次電池2の充電に有効利用しながら駆動用二次電池1のメモリ効果を解消できる。 【0012】さらに、本発明の請求項12の電源装置は、電装用二次電池2と駆動用二次電池1が充電されない状態で、駆動用二次電池1の残容量が設定容量よりも小さくなると、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。この電源装置は、とくに、長期間充電されないで残容量が少なくなった駆動用二次電池1を、電装用二次電池2で充電するので、駆動用二次電池1の長期保存特性を向上できる。 【0013】さらに、本発明の請求項13の電源装置は、駆動用二次電池1が複数の電池を直列に接続しており、電池の容量差が設定値よりも大きくなると、電池制御回路5が昇圧回路4を制御して電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電し、駆動用二次電池1の残容量または電圧が設定値になると充電を停止させる。この電源装置は、電池の容量差が大きくなった駆動用二次電池1を電装用二次電池2で充電するので、残容量の差を少なくして電池特性のアンバランスを解消できる。とくに、この電源装置は、低電流で駆動用二次電池1を充電できるので、過充電による電池特性の低下を最小限にしながら、いいかえると過充電気味に充電しながら極めて効果的に残容量の差を解消できる。 【0014】さらに、本発明の請求項14の電源装置は、駆動用二次電池1を充電する主発電機7Aを備えており、この主発電機7Aが、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の両方の電池を充電する。さらに、本発明の請求項15の電源装置は、駆動用二次電池1を充電する主発電機7Aと、電装用二次電池2を充電する副発電機7Bとを備え、主発電機7Aと副発電機7Bの両方で、駆動用二次電池1と電装用二次電池2を充電する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのハイブリッドカーを例示するものであって、本発明はハイブリッドカーを以下のものに特定しない。 【0016】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。 【0017】図1に示すハイブリッドカーの電源装置は、走行用のモーター8を駆動する駆動用二次電池1と、ハイブリッドカーの電装品9に電力を供給する電装用二次電池2と、駆動用二次電池1の出力電圧を電装用二次電池2を充電する電圧に変換する降圧回路3と、電装用二次電池2の出力電圧を駆動用二次電池1を充電する電圧に変換する昇圧回路4と、降圧回路3を介して駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電する共に、昇圧回路4を介して電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する電池制御回路5と、発電機7の出力を制御して駆動用二次電池1と電装用二次電池2を充電する電池充電回路6とを備える。 【0018】駆動用二次電池1は、複数の二次電池を直列に接続して、出力電圧を約150〜300Vとしている。二次電池はニッケル−水素電池である。ただ、駆動用二次電池1の二次電池には、ニッケル−カドミウム電池やリチウムイオン二次電池等の高エネルギー密度の電池も使用できる。駆動用二次電池1は、たとえば5〜6本の二次電池を直列に直線状に接続している電池モジュールを直列に接続している。 【0019】電装用二次電池2は、出力電圧を12Vとする鉛電池である。ただし、電装用二次電池2には、出力電圧を24〜36Vとする鉛電池も使用できる。さらに、電装用二次電池2には、リチウム二次電池等の優れた保存特性の電池も使用できる。電装用二次電池2は、電装品9に電力を供給するので駆動用二次電池1よりも出力電圧が低い。電装品9の消費電力が、ハイブリッドカーを走行させるモーター8よりも小さいからである。 【0020】降圧回路3は、駆動用二次電池1の出力で電装用二次電池2を充電するために、駆動用二次電池1の出力電圧を低下させる。たとえば、降圧回路3は、駆動用二次電池1の出力電圧を電装用二次電池2を充電できる出力電圧である13〜15Vに降圧する。駆動用二次電池1と電装用二次電池2は直流であるから、この降圧回路3はDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータは、直流をスイッチングして交流に変換し、交流をトランスで所定の電圧に降圧し、トランスの出力をダイオードで整流して直流に変換する。降圧回路3は、電池制御回路5に制御されて、電装用二次電池2の充電電流を制御する。たとえば、降圧回路3は、スイッチングするデューティー比を調整して、電装用二次電池2の充電電流を制御する。 【0021】昇圧回路4は、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電するために、電装用二次電池2の出力電圧を、駆動用二次電池1を出力できる電圧まで高くする。この昇圧回路4もDC/DCコンバータである。したがって、降圧回路3と同じように、スイッチングするデューティー比を調整して、駆動用二次電池1の充電電流を制御することができる。 【0022】電池制御回路5は、高圧回路3と昇圧回路4を制御して、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で相互に充放電して、すなわち、駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電し、また電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電することにより、両方の電池を理想に近い状態で充放電させる。電池制御回路5は、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の過放電を防止するために、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の電池電圧を検出して、電池電圧が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で充放電させる。また、電池制御回路5は、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の残容量を検出し、残容量が設定値よりも低下しないように、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の間で充放電して、過放電を防止することもできる。 【0023】図2ないし図6は、電池制御回路5が、駆動用二次電池1と電装用二次電池2を相互に充放電するフローチャートを示している。図2は、駆動用二次電池1を電装用二次電池2で充電して、駆動用二次電池1の残容量と内部抵抗を検出する。駆動用二次電池1は、内部抵抗が高くなると瞬時に大きな出力を発揮できなくなる。このため、内部抵抗が大きくなると、モーター8の出力が低下してハイブリッドカーをスムーズに走行できなくなる。駆動用二次電池1の内部抵抗は、メモリ効果で高くなり、また電極が不活性になって大きくなる。駆動用二次電池1の残容量が少なくなって過放電すると、電池性能が著しく低下するので、残容量を正確に検出することも大切である。ハイブリッドカーを走行させる状態で、駆動用二次電池1は大きく電流が変化して充放電されるので、内部抵抗と残容量を電圧から検出することができない。ハイブリッドカーを停止し、駆動用二次電池1が充放電されないで電圧が安定したことを検出して、定電流充電して内部抵抗と残容量を検出することは非常に有効である。電池電圧から内部抵抗と残容量を正確に検出できるからである。 【0024】図2は、以下のステップで駆動用二次電池1の内部抵抗と残容量を検出する。 [n=1〜2のステップ]機器が停止していること、すなわちハイブリッドカーが停止して、駆動用二次電池1が充放電されないことを確認する。駆動用二次電池1は、充放電させると、電池電圧が変動するので、ハイブリッドカーを停止して、駆動用二次電池1の電圧が変動しないことも確認する。すなわち、ハイブリッドカーが停止されて一定時間経過すると、駆動用二次電池1の電圧は安定する。 [n=3のステップ]電池制御回路5が昇圧回路4を制御し、電装用二次電池2でもって駆動用二次電池1を定電流充電する。このステップは、駆動用二次電池1を一定の時間充電する。 [n=4のステップ]一定時間にわたって定電流充電される駆動用二次電池1は、電圧が次第に上昇する。電池制御回路5は、駆動用二次電池1の電圧を検出する。 [n=5のステップ]電池制御回路5は、駆動用二次電池1の電圧から残容量を検出する。駆動用二次電池1の残容量が大きいと電池電圧は高くなり、残容量が少ないと電池電圧は低くなる。したがって、電池制御回路5は、駆動用二次電池1の電圧をパラメターとして残容量を検出する。 [n=6のステップ]電池制御回路5は、駆動用二次電池1の電圧から内部抵抗を算出する。駆動用二次電池1は、内部抵抗が高いと充電している電池電圧が高くなり、内部抵抗が低いと充電している電圧が低くなる。したがって、電池電圧を検出して駆動用二次電池1の内部抵抗を検出できる。 [n=7のステップ]駆動用二次電池1の残容量と内部抵抗を検出した後、駆動用二次電池1の充電を停止する。 以上のフローチャートは、残容量と内部抵抗を検出した後に、駆動用二次電池1の充電を停止するが、駆動用二次電池1の充電を停止した後、残容量と内部抵抗を検出することもできる。 【0025】さらに、駆動用二次電池1は、電池温度が低くなると所定の出力を発揮できなくなる。とくに、駆動用二次電池1として使用されるニッケル−水素電池は、低温になると出力が低下する特性がある。電装用二次電池2に使用される鉛電池は、駆動用二次電池1に比較して低温特性が優れている。したがって、図3のフローチャートで示すように、電装用二次電池2を利用して駆動用二次電池1を加温することができる。このフローチャートは、以下のステップで駆動用二次電池1を加温する。 [n=1のステップ]電池制御回路5は、駆動用二次電池1の電池温度が設定値よりも低下したかどうか、あるいは電池がさらに冷え続けるかどうかを検出する。 [n=2のステップ]駆動用二次電池1の電池温度が設定値よりも低くなり、あるいは電池がさらに冷え続けるときは、駆動用二次電池1の出力が低下するので、電池制御回路5は、昇圧回路4を制御して電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。このステップは、タイマーで設定された時間が経過し、あるいは、充電容量が設定値となり、あるいはまた、駆動用二次電池1の電圧が設定値となると終了される。 [n=3のステップ]電池制御回路5は、降圧回路3を制御して駆動用二次電池1で電装用二次電池2を充電する。いいかえると、駆動用二次電池1を放電して電装用二次電池2を充電する。このステップは、タイマーで設定された時間が経過し、あるいは、放電容量が設定値となり、あるいはまた、電装用二次電池2の電圧が設定値となると終了される。 [n=4のステップ]駆動用二次電池1の残容量を検出し、検出した残容量が設定値以上のときは、n=2のステップにジャンプし、駆動用二次電池1の充放電を繰り返す。検出した残容量が設定値より小さいときは、n=5のステップに進む。 [n=5のステップ]駆動用二次電池1と電装用二次電池2との相互の充放電を停止させる。以上の工程で、駆動用二次電池1は、放電と充電が繰り返されて、電池温度が次第に上昇する。以上のように、駆動用二次電池1を充放電させると、駆動用二次電池1の放電電力は電装用二次電池2の充電に利用され、さらに、駆動用二次電池1で充電された電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電するので、電池の電力を無駄に消費することなく、駆動用二次電池1を有効に加温できる。 【0026】図4は、電池制御回路5が駆動用二次電池1のメモリ効果を解消するフローチャートを示す。駆動用二次電池1がメモリ効果で内部抵抗が大きくなって、そのまま増加し続けると期待できる出力を発揮できなくなる。このとき、メモリ効果を解消するために深く放電する。とくに、ハイブリッドカーの駆動用二次電池1は、できるかぎり電池性能を低下させないように充放電されるので、メモリ効果で内部抵抗が増加しやすい。すなわち、電池性能の低下を少なくするために、駆動用二次電池1は、残容量を50%を中心する近傍に制御しながら充放電される。残容量がこの領域となるように充放電される二次電池は、過充電や過放電を防止して電池性能の低下を最も少なくできる。ただ、この領域での充放電は、メモリ効果が発生しやすい。メモリ効果は、ニッケル−水素電池やニッケル−カドミウム電池等の二次電池の内部抵抗を増加させ、また電極を不活性にする。 【0027】電池制御回路5は、図4のフローチャートで示すように、電装用二次電池2を放電して、以上の弊害を解消する。 [n=1のステップ]電池制御回路5は、電池の内部抵抗が設定値よりも大きいかどうか、あるいは内部抵抗がさらに増加し続けるかどうかを検出する。 [n=2〜4のステップ]電池の内部抵抗が設定値よりも大きく、あるいは増加し続けると、電池制御回路5は、降圧回路3を制御して、駆動用二次電池1を放電して電装用二次電池2を充電する。駆動用二次電池1の電圧を検出して、電池電圧が設定値に低下するまで駆動用二次電池1を放電し、電池電圧が設定電圧まで低下すると、放電を停止させる。駆動用二次電池1の放電を停止する電圧は、駆動用二次電池1を深く放電してメモリ効果を解消できる電圧に設定している。駆動用二次電池1の放電は、駆動用二次電池1の残容量を検出して、残容量が設定値まで低下すると停止することもできる。 [n=5のステップ]放電された駆動用二次電池1は残容量が少なくなり、充電された電装用二次電池2は残容量が大きくなっているので、電池制御回路5は、昇圧回路4を制御して、電装用二次電池2を放電して駆動用二次電池1を充電する。駆動用二次電池1が所定容量となるまで充電して、駆動用二次電池1の電圧が設定値となり、あるいは電装用二次電池2の残容量や電圧が設定値になると駆動用二次電池1の充電を停止する。 【0028】ハイブリッドカーが長期間使用されないとき、駆動用二次電池1の残容量は次第に小さくなる。そのまま放置すると、駆動用二次電池1が所定の出力を発揮できなくなり、あるいは、駆動用二次電池1の残容量がさらに減少し続けて、電池性能が低下する。このとき、電池制御回路5は、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。駆動用二次電池1のニッケル−水素電池は、電装用二次電池2の鉛電池に比較して長期保存特性が悪い。このため、駆動用二次電池1が長期間充電されないで残容量が少なくなったとき、電装用二次電池2は駆動用二次電池1を充電できる残容量となる。電池制御回路5は、この状態を検出すると、図5に示すフローチャートで電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。この制御は、電装用二次電池2で駆動用二次電池1の長期保存特性を向上できる。 【0029】[n=1のステップ]電池制御回路5は、駆動用二次電池1の残容量が設定値よりも少なくなったかどうか、あるいは残容量がさらに減り続けるかどうか検出する。 [n=2のステップ]駆動用二次電池1の残容量が設定値よりも少なくなり、あるいはさらに減少し続けるとき、駆動用二次電池1が所定の出力を発揮できなくなり、あるいは電池性能が低下する。したがって、この状態になると、電池制御回路5は昇圧回路4を制御して、電装用二次電池2を放電して駆動用二次電池1を充電する。 [n=3〜4のステップ]電池制御回路5は、放電している電装用二次電池2の残容量を検出し、残容量が設定値になるまで、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。電池制御回路5は、電装用二次電池2の電圧を検出して、電池電圧が設定値に低下するまで、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電することもできる。電装用二次電池2の残容量または電池電圧が設定値まで低下すると、電池制御回路5は電装用二次電池2の放電を停止させる。 【0030】駆動用二次電池1は、多数の電池を直列に接続して出力電圧を高くしている。多数の二次電池が直列に接続されて同じ電流で充放電されるとき、各々の電池に残容量(SOC)の差が発生する。ハイブリッドカーの駆動用二次電池1は、複数の二次電池を直列に接続して電池モジュールとし、この電池モジュールを複数個直列に接続している。この構造の駆動用二次電池1は、充放電を繰り返すにしたがって、各々の二次電池の残容量に差が発生し、また、各々の電池モジュールの残容量にも差ができる。電池の容量差は、電池を設置している場所による温度差等が原因で発生する。残容量の差が発生すると、駆動用二次電池1全体としての性能に悪影響がある。たとえば、残容量の大きい電池は過充電されやすく、残容量の小さい電池は過放電されやすくなる。電池制御回路5は、各々の二次電池の残容量の差を検出し、あるいは各々の電池モジュールの残容量の差を検出し、残容量の差が大きくなると、駆動用二次電池1を深く充電して、残容量の差を少なくする。電池制御回路5は、昇圧回路4を制御して、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電するので、低電流で駆動用二次電池1を充電することができる。低電流で充電される駆動用二次電池1は、過充電するまで充電すると残容量の差を最も少なくできる。すなわち、過充電するまで充電することによって、電池の残容量のばらつきを有効に解消できる。また、低電流で充電される駆動用二次電池1は、過充電による電池性能の低下を最も少なくできる。さらに、電装用二次電池2も低電流放電されて、駆動用二次電池1を効率よく充電できる。 【0031】この制御は、図6のフローチャートで示すように、次のステップで駆動用二次電池1を深く充電して残容量の差を少なくする。 [n=1のステップ]電池制御回路5は、電池の残容量の差が設定値よりも大きいかどうか、あるいは残容量の差がさらに増加し続けるかどうかを検出する。 [n=2〜4のステップ]電池の残容量の差が設定値よりも大きく、あるいは残容量の差が設定値よりも増加し続けると、電池制御回路5は、昇圧回路4を制御して、電装用二次電池2で駆動用二次電池1を充電する。電池制御回路5は、低電流で駆動用二次電池1を充電する。電装用二次電池2は、放電されて残容量が少なくなる。電装用二次電池2が過放電しないように、電池制御回路5は電装用二次電池2の残容量を検出する。電装用二次電池2の残容量が設定値になると、駆動用二次電池1の充電を停止する。電池制御回路5は、電装用二次電池2の電圧を検出し、電圧が設定値まで低下すると、駆動用二次電池1の充電を停止することもできる。 [n=5のステップ]放電された電装用二次電池2は残容量が少なくなり、充電された駆動用二次電池1は残容量が大きくなっているので、電池制御回路5は、降圧回路3を制御して、駆動用二次電池1を放電して電装用二次電池2を充電する。電池制御回路5は、駆動用二次電池1の残容量を検出して、残容量が設定値に低下するまで駆動用二次電池1を放電する。駆動用二次電池1が所定の残容量となると、放電を停止する。 【0032】駆動用二次電池1は、負荷であるモーター8に電力を供給して放電される。駆動用二次電池1がモーター8に供給する電力は、ハイブリッドカーのメインコントローラーで制御される。電装用二次電池2は、電装品9に電力を供給する。駆動用二次電池1と電装用二次電池2は、放電されて残容量が減少する。電池充電回路6は、ハイブリッドカーが走行するときに、発電機7で駆動用二次電池1と電装用二次電池2を別々に制御して充電する。 【0033】図の電源装置は、主発電機7Aと副発電機7Bとを備えている。主発電機7Aは、ハイブリッドカーのエンジンで駆動され、さらにハイブリッドカーを回生制動するときに、ハイブリッドカーの慣性制動によっても駆動される。副発電機7Bは、ハイブリッドカーのエンジンのみで駆動される。副発電機7Bは、エンジンのみで駆動されるので、エンジンの出力を消費する。また、副発電機7Bは、出力電流が小さいときに、発電効率が悪くなる特性がある。したがって、副発電機7Bによらず、主発電機7Aで駆動用二次電池1と電装用二次電池2の両方を充電して発電効率を高くできる。とくに、主発電機7Aが回生制動で発電するとき、駆動用二次電池1の残容量が設定値よりも大きくて、充電する必要がないことがある。このとき、電池充電回路6は、主発電機7Aで電装用二次電池2を充電して効率よく充電できる。 【0034】図の電源装置は、電装用二次電池2を充電する副発電機7Bも備える。副発電機7Bは、駆動用二次電池1を充電することなく、電装用二次電池2のみを充電する。副発電機7Bと主発電機7Aの両方を備えるハイブリッドカーの電源装置は、主発電機7Aが故障して駆動用二次電池1を充電できない状態となっても、電装用二次電池2を副発電機7Bで充電しながらエンジンで走行できる。 【0035】この電源装置は、駆動用二次電池1と電装用二次電池2の両方を、主として主発電機7Aで充電し、主発電機7Aで電装用二次電池2を充電できないとき、あるいは主発電機7Aの出力で、電装用二次電池2の充電電力が不足するときに、副発電機7Bで電装用二次電池2を充電する。 【0036】 【発明の効果】本発明は、駆動用二次電池と電装用二次電池の特性を有効に活用しながら、駆動用二次電池と電装用二次電池をより理想に近い状態で使用できる特長がある。それは、本発明の電源装置が、駆動用二次電池の出力電圧を電装用二次電池を充電する電圧に変換する降圧回路と、電装用二次電池の出力電圧を駆動用二次電池を充電する電圧に変換する昇圧回路とを備え、電池制御回路で降圧回路と昇圧回路を制御して、駆動用二次電池と電装用二次電池の間で相互に充放電しているからである。とくに、本発明は、温度特性や長期保存特性が悪い駆動用二次電池を温度特性と長期保存特性に優れている電装用二次電池で充電し、充電効率が悪い電装用二次電池を充電効率に優れた駆動用二次電池で充電するので、両電池のもつ好ましい特性を有効に活用しながら、高価である駆動用二次電池を理想的な状態で使用して長寿命にできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社 【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
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| 【出願日】 |
平成13年9月20日(2001.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074354 【弁理士】 【氏名又は名称】豊栖 康弘
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| 【公開番号】 |
特開2003−92805(P2003−92805A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月28日(2003.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−286687(P2001−286687) |
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