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【発明の名称】 鉄道車両用ブレーキ制御装置
【発明者】 【氏名】秋山 弘之
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会社日立製作所交通システム事業部内

【氏名】石田 啓二
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会社日立製作所交通システム事業部内

【氏名】北林 英朗
【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

【要約】 【課題】コストを抑えながら、駆動軸と付随軸とが混在する台車におけるブレーキ制御方式を実現する。

【解決手段】2軸のうちの1軸は、1台の電動機4が当該軸を駆動する駆動軸2Mであって、他の1軸は電動機を有しない付随軸2Tである鉄道車両用の2軸台車のブレーキ制御装置において、電動機4によって駆動される駆動軸2Mにはオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置3Tを設け、他の付随軸2Tには連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置3Mを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機により駆動される駆動軸と電動機を有さない付随軸を有する鉄道車両用ブレーキ制御装置において、駆動軸に、電動機による電気ブレーキ装置と、オンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設けたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ装置。
【請求項2】 2軸のうちの1軸は1台の電動機が当該軸を駆動する駆動軸であって、他の1軸は電動機を有しない付随軸である鉄道車両用の2軸台車において、電動機によって駆動される駆動軸には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、他の付随軸には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の鉄道車両用ブレーキ装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロ、すなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を有することを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の鉄道車両用ブレーキ装置において、運転士または自動運転装置によって与えられるブレーキ力指令を車両の各台車毎に配分し、各台車においては、そのブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であれば、全て電動機で負担するように、電動機を制御する装置に当該指令が与えられ、電動機が実際に出力するブレーキ力を入力し、ブレーキ指令との差分を付随軸の機械ブレーキで補うよう、機械ブレーキのブレーキ力調整装置に、差分のブレーキ指令を与える演算手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項5】 請求項4に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、万一電動機によるブレーキ力が不足し、付随軸の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても、台車全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動軸の機械ブレーキをオンすると共に駆動軸の機械ブレーキと台車全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随軸の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項6】 2台車のうちの1台車は回生制動制御可能な電動機が装荷され当該台車軸を駆動する駆動台車であって、他の1台車は電動機を有しない付随台車である鉄道車両のブレーキ制御装置において、電動機によって駆動される駆動台車には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、他の付随台車には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項7】 請求項6に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロ、すなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を有することを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項8】 請求項6に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、運転士または自動運転装置によってあたえられるブレーキ力指令を列車の各車両毎に配分し、各車両においては、そのブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であれば、全て駆動台車で負担するように、電動機を制御する装置に当該指令が与えられ、電動機が実際に出力するブレーキ力を入力し、ブレーキ指令との差分を付随台車の機械ブレーキで補うよう、機械ブレーキのブレーキ力調整装置に、差分のブレーキ指令を与える演算手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項9】 請求項6に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、万一電動機によるブレーキ力が不足し、付随台車の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても、車両全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動台車の機械ブレーキをオンすると共に駆動台車の機械ブレーキと車両全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項10】 電動機が装荷された駆動台車を有する駆動車両と、電動機を有しない付随台車を有する付随車両を連結した鉄道車両のブレーキ制御装置において、駆動台車には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、付随台車には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項11】 請求項10に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロすなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を有することを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項12】 請求項10に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、運転士または自動運転装置によってあたえられるブレーキ力指令を列車の各車両毎に配分し、駆動車両に、駆動台車の電動機の駆動力および電気ブレーキ力を制御する電動機制御装置を設け、ブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であるかを判断し、範囲内であればブレーキ力を全て駆動台車で負担するように電動機制御装置に当該指令を与え、電動機が実際に出力するブレーキ力とブレーキ力指令との差分を演算して、差分のブレーキ指令を付随車両の付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に与える演算手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【請求項13】 請求項10に記載の鉄道車両用ブレーキ制御装置において、電動機によるブレーキ力が不足し、付随台車の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動台車の機械ブレーキをオンすると共に駆動台車の機械ブレーキと全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電気鉄道のブレーキ制御に係り、特に、駆動軸と付随軸、または駆動台車と付随台車の両方を有する鉄道車両のブレーキ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両用台車は、通常、同1台車内の2軸には2軸とも電動機が接続されているいわゆるM台車(駆動台車)か、2軸とも電動機を持たない付随軸で構成されるいわゆるT台車(付随台車)の2種類の台車を編成中に使用する場合がほとんどであった。従来のM台車におけるブレーキ制御装置の構成を図6を用いて説明する。ブレーキ制御装置は、レール1の上に位置する2軸の車輪2と、各車輪2に作用するブレーキユニット3と、各軸を駆動する2台の電動機4と、各ブレーキユニット7の動作量を制御するブレーキ制御装置5と、主回路制御装置6と、ブレーキシリンダ7と、空気源9とを有して構成される。
【0003】各軸には電動機4が図示を省略した駆動装置を介して接続され、電動機4は加速時には駆動力を、減速時にはブレーキ力を発生する。電動機4は、現在多くは回生を行なう機能を持ったものが使用され電動機がブレーキ力を発生し得るが、回生運転時は電源側の負荷状態、或いは電動機の回転数によっては、十分なブレーキ力が得られないことがある。この場合、不足するブレーキ力は他の手段、具体的には機械ブレーキによって補うため、M軸にも機械ブレーキ3が取り付けられている。ブレーキ力の強弱は運転台などから指令されるが、その指令量に応じて、電動機であれば回生電流を、機械ブレーキであれば空気圧を調整する装置が必要になる。従来は、指令量に応じてモータの電流を制御する、主回路制御装置6に内蔵された電流調整機能と、指令量に応じて空気圧を制御する、ブレーキ制御装置5に内蔵された空気圧調整装置が、設けられていた。
【0004】上述の装置の構成において、駆動軸を1軸のみとして残りの1軸を付随軸とした場合には、電動機4による駆動軸の回生ブレーキ力だけでは全体としてブレーキ力が不足することが考えられる。したがって、駆動軸を1軸のみとした場合には、機械ブレーキ3にブレーキ力の不足分を補なわせるべく、ブレーキ制御措置5は相応の空気圧を供給するが、図示の構成では電動機が接続されていない付随軸に加わるブレーキ力と、電動機4が接続された駆動軸の機械ブレーキ力が同一であることから、付随軸は問題ないが、駆動軸の合成のブレーキ力が過大となり、滑走(すべり)が生じてしまう恐れがある。
【0005】これを防ぐには、図7に示すように、ブレーキ制御装置5を2系統設けて駆動軸2Mと付随軸2Tの機械ブレーキ3の空気圧を別々に調整する構成とすれば良い。ただし、この場合、空気圧調整装置5が2台必要となり、従来よりコストが上昇するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コストを抑えながら、駆動軸と付随軸とが混在する場合のブレーキ制御方式を実現することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、電動機により駆動される駆動軸と電動機を有さない付随軸を有する鉄道車両用ブレーキ制御装置において、駆動軸に、電動機による電気ブレーキ装置と、オンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設けた。
【0008】上記課題を解決するために、本発明は、2軸のうちの1軸は1台の電動機が当該軸を駆動する駆動軸であって、他の1軸は電動機を有しない付随軸である鉄道車両用の2軸台車において、電動機によって駆動される駆動軸には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、他の付随軸には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けた。
【0009】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロすなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を行う。
【0010】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、運転士または自動運転装置によって与えられるブレーキ力指令を車両の各台車毎に配分し、各台車においては、そのブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であれば、全て電動機で負担するように、電動機を制御する装置に当該指令が与えられ、電動機が実際に出力するブレーキ力を入力し、ブレーキ指令との差分を付随軸の機械ブレーキで補うよう、機械ブレーキのブレーキ力調整装置に、差分のブレーキ指令を与える演算手段を備えた。
【0011】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、万一電動機によるブレーキ力が不足し、付随軸の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても、台車全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動軸の機械ブレーキをオンすると共に駆動軸の機械ブレーキと台車全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随軸の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えた。
【0012】上記課題を解決するために、本発明は、2台車のうちの1台車は回生制動制御可能な電動機が装荷され当該台車軸を駆動する駆動台車であって、他の1台車は電動機を有しない付随台車である鉄道車両のブレーキ制御装置において、電動機によって駆動される駆動台車には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、他の付随台車には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けた。
【0013】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロ、すなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を行う。
【0014】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、運転士または自動運転装置によってあたえられるブレーキ力指令を列車の各車両毎に配分し、各車両においては、そのブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であれば、全て駆動台車で負担するように、電動機を制御する装置に当該指令が与えられ、電動機が実際に出力するブレーキ力を入力し、ブレーキ指令との差分を付随台車の機械ブレーキで補うよう、機械ブレーキのブレーキ力調整装置に、差分のブレーキ指令を与える演算手段を備えた。
【0015】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、万一電動機によるブレーキ力が不足し、付随台車の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても、車両全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動台車の機械ブレーキをオンすると共に駆動台車の機械ブレーキと車両全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えた。
【0016】上記課題を解決するために、本発明は、電動機が装荷された駆動台車を有する駆動車両と、電動機を有しない付随台車を有する付随車両を連結した鉄道車両のブレーキ制御装置において、駆動台車には電動機による電気ブレーキ装置およびオンオフ制御のみが可能な機械式ブレーキ装置を設け、付随台車には連続的または段階的に強弱を調整可能な機械式ブレーキ装置を設けた。
【0017】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、電動機による電気ブレーキ装置は、回生制動ブレーキ力を得ることが可能であり、そのブレーキ力は速度ゼロすなわち完全停止に至るまで有効である、いわゆる全電気ブレーキ方式の制御を行う。
【0018】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、運転士または自動運転装置によってあたえられるブレーキ力指令を列車の各車両毎に配分し、駆動車両に、駆動台車の電動機の駆動力および電気ブレーキ力を制御する電動機制御装置を設け、ブレーキ力指令が電動機により出力可能なブレーキ力の範囲内であるかを判断し、範囲内であればブレーキ力を全て駆動台車で負担するように電動機制御装置に当該指令を与え、電動機が実際に出力するブレーキ力とブレーキ力指令との差分を演算して、差分のブレーキ指令を付随車両の付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に与える演算手段を備えた。
【0019】本発明は、上記鉄道車両用ブレーキ装置において、電動機によるブレーキ力が不足し、付随台車の機械ブレーキを許容限度最大まで指令しても全体としてのブレーキ力が不足する場合に、駆動台車の機械ブレーキをオンすると共に駆動台車の機械ブレーキと全体として必要なブレーキ力指令の差分を改めて付随台車の機械ブレーキのブレーキ力調整装置に指令する手段を備えた。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるブレーキ制御装置の第1の実施の形態について図1、図2を用いて説明する。図1は、本発明にかかるブレーキ制御装置の構成を説明するブロック図であり、図2は、本発明にかかるブレーキ制御装置の演算装置の機能構成を説明するブロック図である。
【0021】本発明にかかるブレーキ制御装置は、レール1の上に位置する1軸の駆動2Mと1軸の付随車輪2Tと、駆動車輪2Mに作用するブレーキユニット3Mと、付随車輪2Tに作用するブレーキユニット3Tと、駆動車輪2Mを駆動する電動機4と、ブレーキユニット3Tの動作量を制御するブレーキ制御装置5と、主回路制御装置6と、ブレーキシリンダ7と、各ブレーキ手段のブレーキ力指令値を演算する演算装置8と、空気源9と、ブレーキユニット3Mをオンオフ動作させる電磁弁10とを有して構成される。
【0022】付随車輪2Tには従来例と同様のブレーキ制御装置5により制御されるブレーキユニット3Tが接続され、ブレーキ制御装置5に内蔵された空気圧調整装置によって発生された空気圧がブレーキユニットに伝えられ車輪2Tに指令値に見合ったブレーキ力を発生する。駆動車輪2Mにはブレーキユニット3Mが設けられているが、このブレーキユニット3Mへ供給される空気圧は電磁弁10で空気源9からの作動空気をオンオフ制御する構成になっている。
【0023】演算装置8は、ブレーキ力指令12を運転台から受取り、主回路制御装置6空の実回生ブレーキ地116を勘案して、各装置に対し、各々が受け持つべきブレーキ力(回生ブレーキ指令値13、機会ブレーキ指令値14、電磁弁オン指令値15)を演算する手段である。
【0024】演算装置8の構成を、図2を用いて説明する。演算装置8は、第1の論理81と、第2の論理82と、減算手段83とを有して構成される。第1の論理81及び減算手段83には、運転台などから車両として必要なブレーキ力がブレーキ力指令値12として入力される。さらに、第1の論理81には、第2の論理82が出力した電磁弁オン指令がカットオフ指令として入力され、回生ブレーキ指令値13を主回路制御装置6へ出力する。第2の論理82には、減算手段83の出力が入力され、機械ブレーキ指令値14をブレーキ制御装置5へ、電磁弁オン指令(カットオフ指令)15を電磁弁10と第1の論理81へ出力する。
【0025】減算手段83には、ブレーキ力指令値12が入力され、主回路制御装置6からの実回生ブレーキ力16を減算した結果を、第2の論理82へ出力する。
【0026】演算装置8における演算処理の流れを、図3を用いて説明する。
【0027】ブレーキ力指令値12が入力されると(S1)、演算装置8は、まず省エネルギーの観点から、電動機4によりブレーキ力を負担するよう回生ブレーキ指令値13を出力する。すなわち、回生制動により負担できるブレーキ力には限界があり、また回生制動時における電源側の負荷の状況によっては、車両に要求される全てのブレーキ力を電動機に負担させることは不可能であるので、第1の論理81により判断して回生ブレーキ指令値13として主回路制御装置6に出力する(S2)。
【0028】主回路制御装置6は、実際に流れている電流などを監視して回生制御を実行する。実際に流れている電流などから実ブレーキ力検出して、その値を実回生ブレーキ力16として演算装置8へ出力する(S3)。
【0029】減算手段83は、ブレーキ力指令値12からこの実回生ブレーキ力16を差し引いて、不足ブレーキ力がを演算し(S4)、その不足ブレーキ力を機械ブレーキ力に負担させるべく機械ブレーキ指令値14としてブレーキ制御装置5に出力する。但し、付随車輪も過大なブレーキ力を発生すると滑走などの危険があり、自ずから負担し得るブレーキ力にも限界がある。そこで、第2の論理82は、演算した不足ブレーキ力が機械ブレーキ力の限界値を超えているか否かを判断し(S5)、不足ブレーキ力が機械ブレーキ力の限界値以下の場合は、機械ブレーキ指令値14をブレーキ制御装置5へ出力して駆動車輪2Tを制動する(S6)。
【0030】ステップ5の判断で、不足ブレーキ力が機械ブレーキ力の限界値を超える場合は、機械ブレーキ指令値14と電磁弁オン指令15を出力する(S7)。この電磁弁オン指令15を出した場合は、カットオフ指令を出力して、回生ブレーキをカットして駆動車輪2Mのブレーキ力が過大になることを防止する(S8)。
【0031】なお、本方式において、電動機4並びに主回路制御装置6が、回生運転を行う際、速度がゼロ、即ち停止に至るまで回生ブレーキが作用可能な方式、いわゆる全電気ブレーキを採用することによって、駆動車輪は、通常は機械ブレーキを作用させることがなくなり、実際にはオンオフ式の機械ブレーキを使うことなく、駆動車輪の機械ブレーキのオンオフと、付随軸の機械ブレーキの制御とのタイミングで発生し得るショックを生じないという利点がある。
【0032】第1の実施の形態によれば、2軸中、1軸を電動機1台で駆動する台車において、電動機軸にはブレーキ制御装置を使用せず、単なるオンオフ機構のみにより機械ブレーキを作用させるので、コストを抑えて、従来と同等の性能のブレーキ制御方法を提供することができる。
【0033】図4を用いて、本発明の第2の実施の形態を説明する。この実施の形態は、1車両11の中で、一つが駆動台車と他の一つが付随台車となっている構成の場合である。駆動台車においては電動機4が各駆動車輪2Mに接続されているとともに、当該車輪に設置される機械ブレーキ3Mは、単にオンオフ制御のみ可能なものとなっている。一方、付随台車についてはブレーキ装置から供給される調整された空気圧による任意の力が出力可能なブレーキ装置3Tが設置されている。電動機4による回生ブレーキと、付随軸の機械ブレーキと、駆動軸のオンオフ制御のブレーキのそれぞれの出力は、演算装置8によって、先の実施例で述べたと同様に制御される。
【0034】図5を用いて、本発明の第3の実施の形態を説明する。この実施の形態では、編成の中で少なくとも1車両が駆動台車のみを有する駆動車両11M、他の車両が付随台車のみを有する付随車両11Tの場合である。前記の実施の形態と同様に、駆動台車にはオンオフのみ可能な機械ブレーキ3Mが設けられ、付随台車には力の調整可能な機械ブレーキ3Tが設けられ、電動機4による回生ブレーキと、付随軸の機械ブレーキと、駆動軸のオンオフ制御のブレーキのそれぞれの出力は、演算装置8によって、先の実施の形態で述べたと同様に制御される。
【0035】なお、上記では作用する力の媒体が空気であるブレーキ装置を念頭に述べているが、他の媒体、例えば油圧や電磁力を使用した機械ブレーキでも同様に実施可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、1台車において、2軸中1軸を駆動軸とし残り1軸を付随軸とする、または、1車両において、2台車中1台車を駆動台車とし1台車を付随台車とする、もしくは、1編成中、1車両を駆動台車のみからなる電動車両とし一車両を付随台車のみからなる付随車両として構成するものにおいて、コストを抑えて、性能の良いブレーキ制御方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
【出願日】 平成13年9月20日(2001.9.20)
【代理人】 【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
【公開番号】 特開2003−92801(P2003−92801A)
【公開日】 平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願番号】 特願2001−286668(P2001−286668)