トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 自動車用蓄電システム
【発明者】 【氏名】井上 照久
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

【要約】 【課題】電力損失を低減して燃費を向上しガス排出を抑制し、短時間に大電力の蓄電・放電が可能であり、且つ長時間に亘って電力を供給できる自動車用蓄電システムを提供する。

【解決手段】自動車の動力源であるエンジンに連結された発電機が発電した電力を負荷に供給する電源線に、電力を蓄積する電気二重層キャパシタからなる蓄電装置と補助発電装置とを接続する。回生エネルギー回収時には、内部抵抗が小さく出力密度が大きい蓄電装置が回生余剰電力を低電力損失で短時間に蓄電し、自動車加速時には、蓄電装置が電動機に低電力損失で短時間に大電力を供給する。停車時には、エネルギー密度の大きい燃料電池等の補助発電装置が出力密度の小さい蓄電装置を補って、負荷に長時間に亘り電力を供給し、エンジン始動時には蓄電装置がスターターに大電力を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車の動力源として用いられるエンジンと、前記エンジンに連結されて電力を発生する発電機と、前記発電機が発電した電力を負荷に供給する電源線に接続されて、前記電力を蓄積する電気二重層キャパシタからなる蓄電装置と、前記電源線に選択的に接続されて、前記発電機の発電する電力が前記負荷の消費電力よりも少ない場合には、前記蓄電装置と共に前記負荷に電力を供給する補助発電装置とを備えたことを特徴とする自動車用蓄電システム。
【請求項2】 前記蓄電装置で蓄電された電圧が所定の電圧まで低下した場合には、前記補助発電装置が前記蓄電装置に接続されて電源線に電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の自動車用蓄電システム。
【請求項3】 前記補助発電装置は自動車用燃料で発電を行う燃料電池または亜鉛・空気電池からなることを特徴とする請求項1に記載の自動車用蓄電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用蓄電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化防止に対応するため、自動車の燃費向上が求められ、燃費向上の一環として、電力損失が少なく小型・軽量な自動車用蓄電システムが求められている。この種の自動車用蓄電システムは、基本的には発電機が負荷の消費電力を超えて発電した電力(余剰電力)を蓄電装置に蓄電し、その電力を自動車の電装装置に供給するものである。なお、ハイブリッド車においては、エンジンが動力源として出力不足の場合には、蓄電装置に蓄電された電力で駆動される電動機によってエンジンの出力不足を補ったり(加速パワーアシスト機能)、さらに、自動車の減速時においては、上記発電機の回生エネルギーを回生電力として回収し、回生電力を蓄電装置に蓄電する(回生エネルギー回収機能)ことも行われる。
【0003】こうした自動車用蓄電システムでは、電力損失低減を実現するために、自動車用蓄電システムの電源電圧を現在の14Vからより高い電源電圧に昇圧することが行われ、さらに、電源電圧を42Vと14Vの2系統にすることも提案されている。また、自動車用蓄電システムが長時間に亘って負荷に電力を供給するためには、大きいエネルギー密度(単位重量当たり蓄電できる電力量、単位はワット時/kg)の蓄電装置が必要であり、自動車用蓄電システムが短時間に大電力を蓄電・放電(供給)するためには、大きい出力密度(単位重量あたり蓄電または放電できる電力、単位はワット/kg)の蓄電装置が必要である。そして、低電力損失で蓄電・放電を行うためには、蓄電装置の内部抵抗が小さいことが求められ、さらに、長期に亘って蓄電・放電を可能とするため、蓄電・放電サイクル寿命(以下「サイクル寿命」)の長いことが求められる。
【0004】このような蓄電装置として従来から使用されている鉛電池は、比較的大きなエネルギー密度を有するが、その内部抵抗による電力損失低減に限界があること、サイクル寿命が短いこと、および出力密度が比較的小さいために短時間に大電力を蓄電・放電することが困難である、といった問題がある。近年、二次電池として使用され始めたニッケル水素電池、リチウムイオン電池等は、エネルギー密度が鉛電池よりも大きく、且つ、サイクル寿命が鉛電池に比べ改善されてはいるが、出力密度が未だ充分ではなく、短時間における電力の蓄電・放電の要求を満たすことができない。
【0005】このため、上記二次電池に比べて内部抵抗が小さく出力密度が大きく(したがって、小型・軽量かつ低電力損失で短時間に大電力の蓄電・放電が可能)、しかもサイクル寿命が長く(二次電池の数百倍)かつ使用温度範囲が広い(鉛電池等の二次電池より高温で使用できる)といった特徴を有する電気二重層キャパシタが蓄電装置として使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二次電池に比べて上記の特徴を有している電気二重層キャパシタは、反面、エネルギー密度が小さいために、長時間に亘って電力を供給することが困難である、といった問題がある。また、二次電池は充放電時に電池電圧が殆ど変化しないが、コンデンサである電気二重層キャパシタが蓄電する電圧は、一定電流で蓄電すると時間に比例して上昇し、一定電流で放電すると時間に比例して低下する。このため、電気二重層キャパシタからなる蓄電装置に蓄電された電圧(以下「蓄電装置電圧」)が電源電圧より低下した場合には、DC・DCコンバータによって蓄電装置電圧を電源電圧まで昇圧する方法が提案されている。しかし、DC・DCコンバータは電力損失を伴う(特に昇圧においては電力損失が増加する)といった問題がある。
【0007】また、上記のように、DC・DCコンバータを使用して、蓄電装置電圧の低下を補償しても、電気二重層キャパシタはエネルギー密度(単位重量当たり蓄電できる電力量)が小さいため、長時間に亘って負荷に電力を供給できないといった問題は何ら改善されないと共に、上記昇圧に伴う電力損失増加は、電気二重層キャパシタからなる蓄電装置による電力供給時間をさらに短くしてしまうという新たな問題を生じることになる。
【0008】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、燃費向上のため電力損失を低減して小型・軽量、且つ、自動車停車中、長時間に亘る電力供給することができ、さらに、低電力損失で短時間に大電力の蓄電・放電を可能として回生エネルギー回収機能および加速パワーアシスト機能にすぐれた自動車用蓄電システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明によれば、請求項1では、自動車の動力源として用いられるエンジンと、前記エンジンに連結されて電力を発生する発電機と、前記発電機が発電した電力を負荷に供給する電源線に接続されて、前記電力を蓄積する電気二重層キャパシタからなる蓄電装置と、前記電源線に選択的に接続されて、前記発電機の発電する電力が前記負荷の消費電力よりも少ない場合には、前記蓄電装置と共に前記負荷に電力を供給する補助発電装置とを備えた自動車用蓄電システムが提供される。
【0010】このように構成された自動車用蓄電システムでは、内部抵抗が小さく出力密度が大きい電気二重層キャパシタからなる蓄電装置が、余剰電力を低電力損失且つ短時間で蓄電でき、一方、発電機の発電する電力が負荷の消費電力よりも少ないときには、蓄電装置は蓄えた電力を低電力損失且つ短時間で負荷に供給することができる。また、電力供給に伴う蓄電装置電圧の低下は、エネルギー密度の大きい補助発電装置によって補われるので、電力損失を伴うDC・DCコンバータによる昇圧が不必要であると共に、補助発電装置が長時間に亘って負荷に電力を供給することができる。
【0011】すなわち、電力損失が少なく、短時間に大電力を蓄電・放電することができると共に、長時間に亘って負荷に電力を供給することができる小型・軽量の自動車用蓄電システムが実現される。請求項2では、前記蓄電装置で蓄電された電圧が所定の電圧まで低下した場合には、前記補助発電装置が前記蓄電装置に接続されて電源線に電力を供給する自動車用蓄電システムが提供される。
【0012】このように構成された自動車用蓄電システムでは、蓄電装置が負荷に電力を供給することによって蓄電装置が蓄電している電圧が低下した場合、補助発電装置が蓄電装置に接続されて負荷に電力を供給するので、長時間に亘って負荷に電力を供給することができる。また、蓄電装置が蓄電している電圧は補助発電装置の発電電圧に維持され、エンジン始動時等に必要な大電力は、蓄電装置から供給されるので、アイドルストップ機能が実現される。
【0013】請求項3においては、補助発電装置として自動車用燃料、たとえばガソリンや軽油から直接電力を得る燃料電池、または、亜鉛と空気中の酸素とが酸化する際のエネルギーを電気エネルギーに変換する亜鉛・空気電池が使用される。ここで、電気二重層キャパシタのエネルギー密度、例えば5ワット時/kgに対して、ガソリンや軽油を使用する燃料電池(例えば固体酸化型燃料電池)のエネルギー密度は、例えば100〜1000ワット時/kgであり、固体酸化型燃料電池は、小型・軽量、且つ、二次電池や電気二重層キャパシタに比べて長時間に亘って負荷に電力を供給できる。したがって、補助発電装置を固体酸化型燃料電池で構成すれば、電気二重層キャパシタが有する低電力損失で短時間に電力を蓄電・放電できる特性(出力密度が、例えば1000ワット/kg)と、長時間に亘って負荷に電力を供給できる固体酸化型燃料電池の特性とが共に発揮される小型・軽量な自動車用蓄電システムが実現される。
【0014】また、亜鉛・空気電池のエネルギー密度は、例えば300ワット時/kgであり、補助発電装置を亜鉛・空気電池で構成すれば、電気二重層キャパシタが有する低電力損失で短時間に電力の蓄電・放電特性と、長時間に亘って負荷に電力を供給できる亜鉛・空気電池の特性とが共に発揮される小型・軽量な自動車用蓄電システムが実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る自動車用蓄電システムを説明する。図1は、本発明に係る自動車用蓄電システムのハイブリッド車における一実施形態の概略要部構成図である。自動車用蓄電システム1は、動力源であるエンジン2、エンジン2に連結されて電力を発電する発電機3、エンジン2と共に自動車の動力源となる電動機4、発電機3が発電した電力および電動機4が回生発電機として作動して回収した回生電力を蓄える主蓄電装置(蓄電装置)5、並びに主蓄電装置5を補助する補助発電装置6を備えている。
【0016】ここで、主蓄電装置5および補助発電装置6は、インバータ7を介して、電動機4と接続される。この自動車用蓄電システム1では、電力損失を低減するため、電源電圧は従来の自動車の電源電圧14Vよりも高い42Vとされ、発電機3の発電電圧も42Vである。発電機3が発電する電力は、42Vの電源線8とグランド線9を介して、負荷10およびコンバータ11に供給される。なお、負荷10は、42Vの電源線8とグランド線9との間に接続される複数の電装装置をまとめて一つの負荷として表示したものである。
【0017】また、42Vの電源線8とグランド線9との間には、主蓄電装置5と補助発電装置6とが接続されており、主蓄電装置5は発電機3の余剰電力を蓄電する。発電機3の発電電力が不足した場合には、主蓄電装置5に蓄えられた電力と補助発電装置6によって発電された電力とが電力不足を補う。なお、上記のようにして電力供給を受けるコンバータ11が出力する14Vの電力は、14Vの電源線12とグランド線9との間に接続された低電圧負荷13に供給されると共に、副蓄電装置14に蓄えられる。副蓄電装置14は、たとえば、二次電池または電気二重層キャパシタによって構成される。なお、低電圧負荷13は14Vの電源線12とグランド線9との間に接続される複数の電装装置をまとめて一つの負荷として表示したものである。
【0018】さて、ハイブリッド車は、低燃費かつ低排気ガスの状態でエンジン2を運転し、該状態において、エンジン2はハイブリッド車の動力源として図示しない駆動輪を駆動してハイブリッド車を走行させる。このとき、エンジン2に連結された発電機3は、電力を発電して負荷10およびコンバータ11に供給し、発電機3の余剰電力が主蓄電装置5に蓄電される。
【0019】ハイブリッド車が減速された場合、駆動輪と連結した電動機4は、回生発電機として作動し、ハイブリッド車の運動エネルギーを回生エネルギーとして回収し回生電力に変換する。こうして得られた回生電力は、インバータ7によって42Vの電源線8とグランド線9との間に供給される。通常、負荷10およびコンバータ11に供給される電力は、前記発電機3が発電する電力よって賄われており、比較的短時間に大電力として発電される回生電力は余剰電力となって主蓄電装置5に蓄電される。
【0020】ここで、電気二重層キャパシタによって構成される主蓄電装置5は、前述のように、二次電池に比べ内部抵抗が小さく出力密度が大きいので、主蓄電装置5は、二次電池に比べて低電力損失で短時間に大電力を蓄電することが可能である。したがって、自動車用蓄電システム1は、前述通常運転時には、低電力損失で余剰電力を蓄電すると共に、減速時には、大きな回生電力を短時間に低電力損失で蓄電する回生エネルギー回収機能を実現することができる。
【0021】一方、ハイブリッド車を加速する場合、低電力損失で短時間に大電力を放電できる主蓄電装置5は、インバータ7を介して電動機4に電力を供給することができる。かくして、ハイブリッド車の加速時においても、エンジン2は加速に必要なエネルギーを供給する必要がないので、エンジン2は燃費が少なくかつ排気ガスが少ない運転状態で運転される。こうして加速パワーアシスト機能が低燃費状態のもと実現される。
【0022】さらに、停車時においては、ハイブリッド車はエンジンを停止して排気ガスの排出を抑制する。このとき、自動車用蓄電システム1は、負荷10およびコンバータ11に電力を供給し続ける必要があり、かつ、エンジン2の始動時には、図示しないスターターに大電力を供給する必要がある。しかし、前述のように、電気二重層キャパシタによって構成される主蓄電装置5は大電力の蓄電・放電に優れるが、エネルギー密度が二次電池に比べて小さいため、長時間に亘って電力を供給し続けることができない。また、電気二重層キャパシタは放電に伴い電圧が低下するので、主蓄電装置5の蓄電装置電圧も低下する。
【0023】ここで主蓄電装置5の蓄電装置電圧が所定の電圧よりも低下した場合(例えば、42−4.2=37.8Vよりも低下した場合)、主蓄電装置5に選択的に並列に接続された補助発電装置6が42Vの電源線8とグランド線9との間に電力を供給する。図2は係る補助発電装置6と主蓄電装置5との要部概略構成を示す図である。ここで、61は固体酸化型燃料電池からなる燃料電池スタック、62は高温(例えば650〜800℃)で動作する固体酸化型燃料電池の排出熱エネルギーを回収する排出エネルギー回収器であり、そして、63は、上記排出エネルギー回収器が回収した熱エネルギーを利用して、図示しない燃料タンクより供給される燃料(例えばガソリン)から、水素と一酸化炭素を得て燃料電池スタック61へ供給する改質器である。一方、主蓄電装置5は複数の電気二重層キャパシタ5a〜5nが直列に接続されて構成されている。また、主蓄電装置5の蓄電装置電圧は電圧検出器64によって監視されている。
【0024】長時間に亘る停車によって、主蓄電装置5の蓄電装置電圧が所定の電圧よりも低下したことが電圧検出器64によって検出されたときには、スイッチ65が電圧検出器64によってオンされ、補助発電装置6の有する燃料電池スタック61が、主蓄電装置5と並列接続されて、負荷10等に電力の供給を開始する。主蓄電装置5に燃料電池スタック61が接続されると、燃料電池スタック61は、電気二重層キャパシタに比べて非常にエネルギー密度が大きいので、長時間に亘って負荷10等に電力を供給することができ、一方、エンジン2の始動時等、大電力を負荷10等に供給しなければならないときには、燃料電池スタック61と並列接続された主蓄電装置5からスターター等に大電力が供給され、アイドルストップ機能が実現される。
【0025】なお、負荷10等に発電機3から充分な電力が供給されている場合には、余剰電力によって主蓄電装置5は蓄電されて、やがて蓄電装置電圧が所定の電圧よりも高くなり、電圧検出器64によりスイッチ65はオフされて、補助発電装置6の燃料電池スタック61は電力供給を停止する。ここで、電圧検出器64は、補助発電装置6とは別個に構成されて、主蓄電装置5の蓄電装置電圧を検出し、スイッチ65をオン/オフしてもよい。
【0026】図3は、亜鉛・空気電池を使用した補助発電装置6と主蓄電装置5との要部の概略構成を示す図である。なお、図2と同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。補助発電装置6は、電圧検出回器64、亜鉛・空気電池66およびスイッチ65を備えている。長時間に亘る停車によって、主蓄電装置5の蓄電装置電圧が所定の電圧よりも低下した場合、亜鉛・空気電池66は、スイッチ65によって42Vの電源線8に接続され、42Vの電源線8とグランド線9との間に電力を供給する。亜鉛・空気電池66も電気二重層キャパシタに比べて非常にエネルギー密度が大きいので、長時間に亘って電力供給が可能である。また、エンジン2の始動時等、大電力を負荷10等に供給しなければならないときには、亜鉛・空気電池66と並列接続された主蓄電装置5がスターター等に大電力を供給するので、亜鉛・空気電池66は大電力を供給する必要がない。
【0027】さて、図2、3において、主蓄電装置5を構成する電気二重層キャパシタ5a〜5nのそれそれが蓄電した電圧(以下「キャパシタ単体蓄電電圧」)は揃っていることが望ましい。直列接続された電気二重層キャパシタ5a〜5nそれぞれのキャパシタ単体蓄電電圧が均一でない(各電気二重層キャパシタに蓄電された電力が均一でない)場合には、最も少ない電力を蓄電している電気二重層キャパシタの放電終了時が、主蓄電装置5の放電終了時となる。したがって、キャパシタ単体蓄電電圧が均一の電圧(各電気二重層キャパシタに蓄電された電力が均一)であるとき、主蓄電装置5は蓄電した電力をより多く放電することができる。したがって、主蓄電装置5が電力をより多く蓄電・放電するためには、図4に示すように、各電気二重層キャパシタと補助発電装置6の電池(固体酸化型燃料電池等の各電池)の各セルとが接続されることが望ましい。
【0028】具体的には、電気二重層キャパシタ5a〜5nのそれぞれには、固体酸化型燃料電池スタック61を構成するセル61a〜61nのそれぞれが、スイッチ65a〜65nを介して接続される。ここでスイッチ65a〜65nは前述したスイッチ65と同様にオン/オフされる。このように構成される主蓄電装置5と補助発電装置6とにおいては、スイッチ65a〜65nがオンのとき、電気二重層キャパシタ5a〜5nは、各セル61a〜61nと並列接続されるので、電気二重層キャパシタ5a〜5nのキャパシタ単体蓄電電圧に違いが生じ難い。したがって、直列接続された電気二重層キャパシタ5a〜5nに蓄電される電力が均一化されて、主蓄電装置5は蓄電した電力をより多く放電することができる。
【0029】なお、自動車用蓄電システムの補助発電装置の電池は、固体酸化型燃料電池や亜鉛・空気電池に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、他の電池を使用することができる。ここで、補助発電装置の電池は、常時蓄電装置に接続されるものであってもよい。常時、蓄電装置と補助発電装置の電池とが接続されている場合には、蓄電装置が短時間に大電力を供給し、補助発電装置の電池が長時間に亘って電力を供給する。こうして、両者の特性が自動車用蓄電システムに対する要求を満たすからである。
【0030】また、本発明にかかる自動車用蓄電システムは、ハイブリッド車に限定されるものではなく、エンジンを補助する電動機を有しない従来の自動車にも適用可能である。さらに、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車用蓄電システムよれば、出力密度が大きい電気二重層キャパシタからなる主蓄電装置によって発電機の余剰電力を低電力損失で短時間に蓄電することができ、停車中にエンジンを停止した場合でもエネルギー密度の大きい補助発電装置によって長時間に亘って負荷に電力を供給することができ、エンジン始動時に必要な大電力は主蓄電装置によって供給され、自動車減速時の回生エネルギーは低電力損失で短時間に主蓄電装置によって蓄電され、自動車加速時にエンジンを補助する電動機の電力は低電力損失で短時間に主蓄電装置によって供給され、小型・軽量であり、自動車の燃費が向上し、排気ガスの排出が抑制され、且つ、二次電池よりも長いサイクル寿命の自動車蓄電システムが得られるという効果が発揮される。
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号
【出願日】 平成13年8月28日(2001.8.28)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二 (外2名)
【公開番号】 特開2003−70106(P2003−70106A)
【公開日】 平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願番号】 特願2001−257860(P2001−257860)