トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 電動車両用電池管理装置
【発明者】 【氏名】寺田 潤史
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株式会社内

【氏名】近藤 敏郎
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動電源として複数のセルを直列及び並列に接続して構成される充電可能なバッテリを備える電動車両の前記バッテリを管理する装置であって、前記バッテリに流れる電流を電流検出手段によって検出することによって該バッテリの残存容量を求める電動車両用電池管理装置において、前記電流検出手段を前記バッテリのセル端子と並列に接続された接続点の間に配置したことを特徴とする電動車両用電池管理装置。
【請求項2】 前記電流検出手段以外に前記バッテリの温度を検出する温度検出手段を設け、該温度検出手段によって検出されたバッテリの温度に基づいて該バッテリの残存容量を補正することを特徴とする請求項1記載の電動車両用電池管理装置。
【請求項3】 前記電流検出手段以外に前記バッテリの温度を検出する温度検出手段とバッテリの電圧を検出する電圧検出手段を設け、該温度検出手段と電圧検出手段によって検出されたバッテリの温度と電圧に基づいて該バッテリの残存容量を補正することを特徴とする請求項1記載の電動車両用電池管理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動電源として複数のセルを直列及び並列に接続して構成される充電可能なバッテリを管理するための電動車両用電池管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動車椅子、電動自転車、電動スクータ等の電動車両には駆動源として充電可能なバッテリが使用されるが、このバッテリは複数のセルを直列及び並列に接続して構成されている。
【0003】ところで、この種のバッテリには、その残存容量を演算して表示する電池管理装置が設けられており、電池管理装置においては、電流検出手段を通過する電流の方向によって充電か放電かを判断してバッテリの残存容量を検出電流の積算によって求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来はバッテリの残存容量の演算においては、バッテリモジュールの端部でシステム全体に流れる電流(充電又は放電電流)の全てが検出されていたため、特に放電電流が大きな電動車両用バッテリの残存容量の演算に際しては、大電流を検出することができる電流検出手段が必要となり、コストアップを招くとともに、シャント(抵抗)を使用した場合の接続用コネクタ等の信頼性確保に問題があった。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、電流検出手段を小容量化してコストダウンを図ることができるとともに、接点部に高信頼性を確保することができる電動車両用電池管理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、駆動電源として複数のセルを直列及び並列に接続して構成される充電可能なバッテリを備える電動車両の前記バッテリを管理する装置であって、前記バッテリに流れる電流を電流検出手段によって検出することによって該バッテリの残存容量を求める電動車両用電池管理装置において、前記電流検出手段を前記バッテリのセル端子と並列に接続された接続点の間に配置したことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電流検出手段以外に前記バッテリの温度を検出する温度検出手段を設け、該温度検出手段によって検出されたバッテリの温度に基づいて該バッテリの残存容量を補正することを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電流検出手段以外に前記バッテリの温度を検出する温度検出手段とバッテリの電圧を検出する電圧検出手段を設け、該温度検出手段と電圧検出手段によって検出されたバッテリの温度と電圧に基づいて該バッテリの残存容量を補正することを特徴とする。
【0009】従って、請求項1記載の発明によれば、電流検出手段をバッテリのセル端子と並列に接続された接続点の間に配置したため、該電流検出手段にはバッテリに流れる電流の(1/並列接続数)の値の小さな電流が流れるため、電流検出手段としては大電流を検出することができる大容量のものは不要となる。この結果、電流検出手段を小容量化して装置全体のコストダウンを図ることができる。又、シャントを使用した場合でも、配線接続部に流れる電流は(1/並列接続数)の値に抑えられるため、接点部に高い信頼性を確保することができる。
【0010】請求項2記載の発明によれば、バッテリの温度に基づいて該バッテリの残存容量を補正するようにしたため、バッテリの残存容量を正確に求めることができる。
【0011】請求項3記載の発明によれば、バッテリの温度と電圧に基づいて該バッテリの残存容量を補正するようにしたため、バッテリの残存容量をより一層正確に求めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】図1は電動スクータ1の側面図であり、図示の電動スクータ1は、車体前部にヘッドパイプ2を備え、このヘッドパイプ2にはステアリング軸3が回動自在に挿通している。そして、ステアリング軸3の上端にはハンドル4が取り付けられ、同ステアリング軸3の下端にはフロントフォーク5が取り付けられ、該フロントフォーク5の下端には前輪6が回転自在に軸支されている。
【0014】又、上記ヘッドパイプ2からはダンンチューブ7が車体方向に向かって斜め下方に傾斜して延出しており、該ダウンチューブ7の左右からは左右一対のメインフレーム8が車体後方に向かって延出している。そして、このメインフレーム8の後部に結着された三角状のブラケット9には、駆動源としてのパワーユニット10がその前端をピボット軸11にて上下に揺動自在に軸支されており、該パワーユニット10の後端部はリヤクッション12を介してメインフレーム8の後端部に支持されている。
【0015】上記パワーユニット10は、電動モータ13及び不図示の減速機構を内蔵しており、その後部から車体内側に向かって水平に延出する出力軸14には後輪15が回転自在に支承されている。尚、図1において、16はシートである。
【0016】而して、前記電動モータ13は、前記メインフレーム8の後部に設置されたバッテリ20を駆動電源として回転駆動され、この電動モータ13の回転は不図示の減速機構を経て出力軸14に伝達され、該出力軸14とこれに取り付けられた後輪15が回転駆動されて電動スクータ1が走行せしめられる。尚、本実施の形態では、バッテリ20には充電器30が一体的に設けられており、バッテリ20及び充電器30を車載したまま、充電器30によってバッテリ20の充電を行うことができる。
【0017】次に、本発明に係る電池管理装置を図2に基づいて説明する。尚、図2はバッテリと充電器のシステム構成を示すブロック図である。
【0018】バッテリ20は、複数のセル(2次電池)21aを直列に接続して成る2組の組電池21を並列に接続して構成され、そのケース内には、本発明に係る電池管理装置の要部を構成するCPU22、表示装置23等が組み込まれている。尚、CPU22には、電池管理制御部と車両制御部が組み込まれており、これには記憶装置としてEEPROM24が接続されている。
【0019】而して、上記バッテリ20は、充電器30とモータ駆動回路17に接続されており、モータ駆動回路17に給電して前記電動モータ13を駆動するとともに、必要に応じて充電器30によって充電される。
【0020】ところで、バッテリ20には、組電池21の温度(バッテリ温度)を検出するためのサーミスタ25と、組電池21に流れる電流を検出するための電流検出部26及びバッテリ20の端子間電圧を検出するための電圧検出部27が組み込まれており、これらのサーミスタ25によって検出されたバッテリ温度と電流検出部26によって検出されたバッテリ電流及び電圧検出部27によって検出されたバッテリ電圧は前記CPU22の電池管理制御部に入力される。すると、CPU22の電池管理制御部は、検出されたバッテリ電流の積算値(充電又は放電時に流れた電流の加算/減算値)に基づいてバッテリ20の残存容量を演算によって求め、その結果を表示装置23に表示するとともに、EEPROM24に記憶する。
【0021】ここで、以上のようにバッテリ電流の積算値によって演算されたバッテリ20の残存容量と実際の残存容量との差はバッテリ温度及びバッテリ電圧に依存するため、CPU22は、検出されたバッテリ温度とバッテリ電圧に基づいてバッテリ残存容量の演算値を補正する(具体的にはバッテリ電流を補正積算する)。この結果、バッテリ20の残存容量を正確に求められる。尚、本実施の形態では、バッテリ温度とバッテリ温度の双方に基づいてバッテリ残存容量の演算値を補正するようにしたが、バッテリ温度のみに基づいてバッテリ残存容量の演算値を補正するようにしても良い。
【0022】而して、本実施の形態では、電流検出部26を並列に接続された一方の組電池21に直列に接続したため、該電流検出部26にはバッテリ20全体に流れる電流の1/2の小さな電流が流れることとなる。このため、電流検出部26としては大電流を検出することができる大容量のものは不要となり、該電流検出部26を小容量化して電池管理装置全体のコストダウンを図ることができる。又、シャントを使用した場合でも、配線接続部に流れる電流は1/2に抑えられるため、接点部に高い信頼性を確保することができる。尚、本実施の形態では、組電池21の並列接続数を2としたため、電流検出部26に流れる電流はバッテリ20全体に流れる電流の1/2となるが、並列接続数を3,4,…,n(nは正整数)とすれば、電流検出部26に流れる電流はバッテリ20全体に流れる電流の1/3,1/4,…,1/nと順次小さくなる。
【0023】一方、図2に示すように、前記充電器30は、コンセントプラグ31から給電される交流電源をAC/DCコンバータ32によって直流に変換し、この直流電流を充電電流としてバッテリ20に供給して該バッテリ20を充電する。
【0024】具体的には、充電器30は、バッテリ20側のCPU22に設定された値の充電電流を流すために充電器制御部33を備えており、該充電器制御部33は、CPU22からの信号を受信したり、CPU22への信号を発信するためのものであって、充電指示信号や充電停止信号を受信してこれらを出力制御部34に発信するとともに、充電開始後の経過時間(充電時間)をタイマーで計時し、充電時間がCPU22から送出されたトータルタイマー値を超えたときに出力制御部34に対して充電停止信号を発信する。尚、充電時には、充電器制御部33に接続された表示ドライバ35によってLED等の表示部36が点灯される。
【0025】そして、充電器制御部33は、CPU22から受信した充電指示信号から目標とする充電電流を求め、AC/DCコンバータ32の下流側に接続された電流検出部37と電圧検出部38の出力に基づいて充電電流が目標充電電流に一致するように出力制御部34をフィードバック制御し、出力制御部34はAC/DCコンバータ32の出力を制御(PWM制御)する。
【0026】尚、バッテリ20が車体に対して着脱されるタイプのものである場合の充電器とバッテリボックス及び車両のシステム構成を図3のブロック図に示す。この場合は、バッテリ20側のCPU22は、通信インターフェイス(通信I/F)41及び通信用端子42,43を介して充電器に接続されるとともに、通信インターフェイス(通信I/F)44及び通信用端子45,46を介してモータ駆動回路17に接続される。他の構成は図2に示すものと同様である。
【0027】又、図4に示すように、バッテリ20の構成において2つのセル(2次電池)21aを並列に接続されて構成される複数の組電池21を直列に接続し、1つの組電池21の一方のセル(2次電池)21aに直列に電流検出部26を接続しても、前記実施の形態と同様に、電流検出部26に流れる電流はバッテリ20全体に流れる電流の1/2となり、前記と同様の効果が得られる。そして、この場合も、並列接続数を3,4,…,n(nは正整数)とすれば、電流検出部26に流れる電流はバッテリ20全体に流れる電流の1/3,1/4,…,1/nと順次小さくなる。
【0028】ところで、以上は電動スクータに搭載されたバッテリの電池管理装置について説明したが、本発明に係る電池管理装置は電動車椅子、電動自転車、その他任意の電動車両に搭載されるバッテリに対して同様に適用可能であることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、駆動電源として複数のセルを直列及び並列に接続して構成される充電可能なバッテリを備える電動車両の前記バッテリを管理する装置であって、前記バッテリに流れる電流を電流検出手段によって検出することによって該バッテリの残存容量を求める電動車両用電池管理装置において、前記電流検出手段を前記バッテリのセル端子と並列に接続された接続点の間に配置したため、電流検出手段の小容量化してコストダウンを図ることができるとともに、接点部に高信頼性を確保することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地
【出願日】 平成13年8月8日(2001.8.8)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
【公開番号】 特開2003−61202(P2003−61202A)
【公開日】 平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願番号】 特願2001−241174(P2001−241174)