| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿部 達夫 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】稲田 英二 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】拠点を中心とする広がりのある地域をEV走行可能な地域として、自宅からの早朝出勤時や深夜帰宅時にEV走行を可能とする。
【解決手段】EV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両において、前記バッテリ(3)を外部電源を用いて充電する外部充電装置(23)と、車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置(17)と、前記外部電源の設置されている地点を前記地図情報装置(17)の有する地図データ上に拠点として登録する拠点登録手段(16、18)と、前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置(17)の有する地図データ上に登録するEV走行地域登録手段(16、18)と、前記外部充電装置により外部電源を用いて充電されたバッテリの状態で前記拠点から出発するときにこのEV走行が可能な地域でEV走行を行う往路EV走行手段(16)とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、走行用電動機と、バッテリとを備え、エンジンを運転せずバッテリに蓄えられた電力のみで走行用電動機を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジンを運転した状態でエンジンまたは走行用電動機の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両において、前記バッテリを外部電源を用いて充電する外部充電装置と、車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置と、前記外部電源の設置されている地点を前記地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録する拠点登録手段と、前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するEV走行地域登録手段と、前記外部充電装置により外部電源を用いて充電されたバッテリの状態で前記拠点から出発するときにこのEV走行が可能な地域でEV走行を行う往路EV走行手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】EV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行うことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、走行用電動機と、バッテリとを備え、エンジンを運転せずバッテリに蓄えられた電力のみで走行用電動機を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジンを運転した状態でエンジンまたは走行用電動機の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両において、前記バッテリを外部電源を用いて充電する外部充電装置と、車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置と、前記外部電源の設置されている地点を前記地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録する拠点登録手段と、前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するEV走行地域登録手段と、EV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行う復路EV走行手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項4】EV走行が可能な地域は、バッテリのSOCが予め定めた下限値へと低下する前に拠点に到着できる地域であることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項5】EV走行が可能な地域を拠点到着時にバッテリのSOCが予め定めた下限値と一致するように定めることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項6】前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録する手順が、■SOCを上限値まで充電した状態で拠点よりEV走行を行い、■SOCが下限値にまで低下したときそのタイミングでの車両の位置を境界地点として前記地図情報装置の有する地図データ上に登録し、■拠点から境界地点までのルート上の距離をEV走行距離としてこのEV走行距離を前記地図情報装置の有する地図データを用いて算出し、■前記地図情報装置の有する地図データ上で拠点を同じくするも前記EV走行距離を算出したルートと異なるルートを対象として拠点からのルート上の距離が前記EV走行距離と一致する地点を検索し、■この検索した地点と前記境界地点に囲まれた領域をEV走行が可能な地域として前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するという手順であることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項7】EV走行が可能な地域の境界より拠点に向かってEV走行を行った際のSOCの推移に基づいてEV走行が可能な地域を、拠点到着時にSOCが予め定めた下限値と一致するように学習制御することを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項8】EV走行が可能な地域の境界地点より拠点に向かってEV走行を行った場合に拠点に到達する前にSOCが下限値に低下したとき、そのときの地点と拠点までのルート上の距離を算出し、拠点に向けてこの距離だけ狭めた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項9】EV走行が可能な地域の境界地点より拠点に向かってEV走行を行った場合に拠点でSOCが下限値にまで低下していないとき、拠点でのSOCが下限値へと低下するまでEV走行を継続させたと仮定したときのEV走行距離を推定し、拠点に向けてこの推定距離だけ拡げた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項10】前記SOCに代えて残存容量を用いることを特徴とする請求項4から9までのいずれか一つに記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項11】拠点を地図情報装置の有する地図データ上に登録するための条件は、外部充電装置により外部電源を用いての充電が行なわれた際に外部充電装置の属性が車両側の保持する属性と合致するときであることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はハイブリッド車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、走行用電動機と、バッテリとを備え、エンジンを運転せずバッテリに蓄えられた電力のみで走行用電動機を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジンを運転した状態でエンジンまたは走行用電動機の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両が提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッド車両のメリットにEV走行時の静粛性や無公害性があり、このため特定の場所や時間帯ではEV走行を行うことが望ましい。例えば自宅から早朝に出勤する時や深夜に帰宅する時にエンジンが運転されるHEV走行を行えばエンジンの発する騒音により隣近所に迷惑を及ぼしかねないのであるが、EV走行であれば騒音が少ない分近所に迷惑を及ぼすことがない。 【0004】しかしながら、ハイブリッド車両のこのような使い方のアイデアを記載する文献は見あたらない。 【0005】そこで本発明は、外部電源を用いてバッテリを充電する外部充電装置を自宅や会社に備えさせると共に車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置(例えばナビゲーションシステム)を車両に備えさせておき、外部電源の設置されている地点を地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録し、拠点を中心としてEV走行が可能な地域を地図情報装置の有する地図データ上に登録し、外部電源を用いて充電されたバッテリの状態で拠点から出発するときにこのEV走行が可能な地域でEV走行を行うことにより、あるいはEV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行うことにより、自宅や会社を中心とする広がりのある地域をEV走行可能な地域として、自宅からの早朝出勤時や深夜帰宅時にEV走行を可能とすることを目的とする。 【0006】なお一部の文献には大気汚染防止強化地域、市街地、渋滞地など予め定められている地域になるとHEV走行からEV走行に切換えるものが提案されている(特開平7−75210号、特開2000−320364号、特開2000−134719号公報参照)。しかしながら、これらのものではEV走行に伴ってバッテリのSOC(State of Charge)が低下したときにはHEV走行に切換えエンジンを始動し発電するものに過ぎず、外部充電を利用することは考えていない。従ってこのものは外部充電を有効に利用することを目的とする本願発明と技術的思想が相違している。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、走行用電動機と、バッテリとを備え、エンジンを運転せずバッテリに蓄えられた電力のみで走行用電動機を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジンを運転した状態でエンジンまたは走行用電動機の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両において、前記バッテリを外部電源を用いて充電する外部充電装置と、車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置(例えばナビゲーション装置)と、前記外部電源の設置されている地点を前記地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録する拠点登録手段と、前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するEV走行地域登録手段と、前記外部充電装置により外部電源を用いて充電されたバッテリの状態で前記拠点から出発するときにこのEV走行が可能な地域でEV走行を行う往路EV走行手段とを備える。 【0008】第2の発明では、第1の発明においてEV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行う。 【0009】第3の発明は、発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、走行用電動機と、バッテリとを備え、エンジンを運転せずバッテリに蓄えられた電力のみで走行用電動機を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジンを運転した状態でエンジンまたは走行用電動機の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能なハイブリッド車両において、前記バッテリを外部電源を用いて充電する外部充電装置と、車両の現在位置を地図データ上で認識可能な地図情報装置(ナビゲーション装置)と、前記外部電源の設置されている地点を前記地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録する拠点登録手段と、前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するEV走行地域登録手段と、EV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行う復路EV走行手段とを備える。 【0010】第4の発明では、第2または第3の発明においてEV走行が可能な地域が、バッテリのSOCが予め定めた下限値へと低下する前に拠点に到着できる地域である。 【0011】第5の発明では、第2または第3の発明においてEV走行が可能な地域を拠点到着時にバッテリのSOCが予め定めた下限値と一致するように定める。 【0012】第6の発明では、第1または第2の発明において前記拠点を中心としてEV走行が可能な地域を前記地図情報装置の有する地図データ上に登録する手順が、■SOCを上限値(例えば80%)まで充電した状態で拠点AよりEV走行を行い、■SOCが下限値(例えば10%)にまで低下したときそのタイミングでの車両の位置を境界地点Bとして前記地図情報装置の有する地図データ上に登録し、■拠点Aから境界地点Bまでのルート上の距離をEV走行距離としてこのEV走行距離を前記地図情報装置の有する地図データを用いて算出し(距離1)、■前記地図情報装置の有する地図データ上で拠点を同じくするも前記EV走行距離を算出したルートと異なるルートを対象として拠点Aからのルート上の距離が前記EV走行距離と一致する地点Bnを検索し、■この検索した地点Bnと前記境界地点Bに囲まれた領域をEV走行が可能な地域として前記地図情報装置の有する地図データ上に登録するという手順である。 【0013】第7の発明では、第2または第3の発明においてEV走行が可能な地域の境界より拠点Aに向かってEV走行を行った際のSOCの推移に基づいてEV走行が可能な地域を、拠点到着時にSOCが予め定めた下限値と一致するように学習制御する。 【0014】第8の発明では、第7の発明においてEV走行が可能な地域の境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に拠点Aに到達する前にSOCが下限値に低下したとき、そのときの地点Eと拠点Aまでのルート上の距離L3を算出し、拠点Aに向けてこの距離L3だけ狭めた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新する。 【0015】第9の発明では、第7の発明においてEV走行が可能な地域の境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に拠点AでSOCが下限値にまで低下していないとき、拠点でのSOCが下限値へと低下するまでEV走行を継続させたと仮定したときのEV走行距離L4を推定し、拠点Aに向けてこの推定距離L4だけ拡げた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新する。 【0016】第10の発明では、第4から第9までのいずれか一つの発明において前記SOCに代えて残存容量を用いる。 【0017】第11の発明では、第1から第10までのいずれか一つの発明において拠点を地図情報装置の有する地図データ上に登録するための条件が、外部充電装置により外部電源を用いての充電が行なわれた際に外部充電装置の属性が車両側の保持する属性と合致するとき(例えば外部充電装置のコネクタの形状が車両側の有するコネクタの形状と一致するとき、外部充電装置の充電パターンが車両側の有する充電パターンと一致するとき、外部充電装置の充電能力がバッテリの充電に十分であるとき)である。 【0018】 【発明の効果】第1、第2、第3、第4の発明によれば、外部電源の設置されている地点を地図情報装置の有する地図データ上に拠点として登録し、拠点を中心としてEV走行が可能な地域を地図情報装置の有する地図データ上に登録し、外部充電装置により外部電源を用いて充電されたバッテリの状態で拠点から出発するときにこのEV走行が可能な地域でEV走行を行い、あるいはEV走行が可能な地域の外から拠点に戻る場合に車両がEV走行が可能な地域内に進入したらEV走行を行うので、自宅や会社を中心とする広がりのある地域がEV走行可能な地域となり、例えば自宅から早朝に出勤する時や深夜に帰宅する時に特に車両の騒音を減らすことができると共にエンジン発電よりも運用コストが低い外部充電エネルギーを有効に利用できる。 【0019】第5の発明によれば、拠点到着時にバッテリを使い切ることができるので、運用コストが安く環境負荷の少ない外部電源(商用電源)を最大限に利用できる。 【0020】第6の発明によれば拠点から出発して1のルートを経てEV走行が可能な地域の外へ出れば、そのタイミングで拠点を同じくする他のルートについてもEV走行が可能な地域の境界地点が検索され、この境界地点も地図情報装置の有する地図データ上に登録されるので、往路と異なるルートを経てEV走行が可能な地域へとHEV走行で近づく場合にEV走行へ切換える地点を予測できる。 【0021】EV走行が可能な地域の境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に電力消費率がその後の走行負荷や補機負荷の影響を受けて大きく異なることから、ア)拠点Aへの到達前にバッテリを使い切ってしまったり、イ)拠点Aに到達したときにバッテリが使い切れていない事態が生じることが考えられ、ア)の場合にはEV走行が可能な地域にありながら拠点までのEV走行が不可能となりHEV走行への切換を余儀なくされてエンジンによる発電の頻度が増し、イ)の場合にはもっと早くからEV走行を行うことができたたはずであるからEV走行が可能な地域を無用に狭めた結果となるのであるが、第7、第8の発明によればア)の事態を回避してエンジンによる発電の頻度を抑制でき、第7、第9の発明によればイ)の事態を回避してEV走行が可能な地域を拡大できる。 【0022】SOCは残存容量を最大残存容量で除した値をパーセント表示したものであるためバッテリが低温状態になったり劣化したときにはこの分母である最大残存容量が減じるので残存容量は同じであるのにSOCが変化しその分だけSOCを用いての制御に誤差が生じてしまうのであるが、第10の発明によればSOCに代えて残存容量を用いるので、バッテリが低温状態になったときや劣化した状態になっても制御に誤差が生じることがない。 【0023】拠点での設置型充電器による充電を予定している場合に、拠点以外の場所で設置型充電器と異なる移動式充電器により充電が行われたときにまで拠点登録を行ったのでは、EV走行状態で拠点に到達できない事態が生じることがあるが、第11の発明によれば移動式充電器により充電が行われたときにはその移動式充電器の属性が車両側に保持する属性と合致しないめ拠点を地図情報装置の有する地図データ上に登録するための条件が成立せず登録が行われることがないので、EV走行状態で拠点に到達できない事態を回避できる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明をパラレル方式のハイブリッド車両に適用した場合の車両の全体構成を示している。 【0025】パラレル方式のハイブリッド車両では、パワートレインが、エンジン1と、エンジン1に直結されエンジン1のパワーを電力に変換する発電モータの機能を兼ねるスタータ2と、エンジン始動時にスタータ2に電力を供給したり発電モータとしてのスタータ2で発電された電力を蓄えておくためのバッテリ3と、バッテリ3の電力により車両を駆動したり減速時に車両の運動エネルギーを回生してバッテリ3に電力を供給する駆動モータ4(走行用電動機)と、エンジン1と駆動モータ4を締結または開放するクラッチ5と、無段変速機(CVT)6とで構成される。 【0026】なお無段変速機6は可変プーリに掛け回した金属ベルトからなり、エンジン1および駆動モータ4のトルクは無段変速機6の入力側に入力され、出力側からリダクションギヤ7、ディファレンシャルギヤ8を介して駆動輪9に伝達される。 【0027】CVTコントローラ10では統合コントローラ16からの目標入力回転速度指令値と無段変速機6の入力側の回転速度が等しくなるようにプライマリ圧とセカンダリ圧を油圧アクチュエータで調整して変速比を制御し、CVTコントローラ10において無段変速機6の入力側の回転速度と出力側の回転速度から実変速比を演算しその結果を統合コントローラ16に送る。エンジンコントローラ11では統合コントローラ16からのエンジントルク指令値に基づきスロットル開度を制御してトルクを制御する。 【0028】また、駆動モータコントローラ12では統合コントローラ16からのトルク指令値に基づき駆動モータ4のトルクを制御し、バッテリコントローラ13ではセンサで検出したバッテリ3の電圧と電流に基づいてSOCと放電可能電力を演算し、その結果を統合コントローラ16に送る。 【0029】発電モータの機能を兼ねるスタータ2を制御するためスタータコントローラ14を備える。スタータコントローラ14は統合コントローラ16からのトルク指令値に基づいてスタータ2のトルクを制御する。例えば車両の一時停止時などにエンジン1を自動的に停止し、その後に発進させるときにエンジン1を自動的に再始動させるようにしている。 【0030】クラッチコントローラ15は統合コントローラ16からのクラッチ締結指令に基づいてクラッチ5の締結と開放を制御する。例えばエンジンの効率が悪くなる極低速走行時にはクラッチ5を開放して駆動モータ4のみで走行させる。減速時にはクラッチ5を開放して駆動モータ4を発電機として働かせてエネルギーを回収する。また全開加速時にはクラッチ5を締結してエンジン1と駆動モータ4の両方で走行させる。 【0031】図示しないアクセルセンサと車速センサの信号が入力される統合コントローラ16では、これらに基づいて3つの指令値(目標入力回転速度指令値、エンジントルク指令値、駆動モータトルク指令値)を求め、目標入力回転速度指令値をCVTコントローラ10に、エンジントルク指令値をエンジンコントローラ14に、駆動モータトルク指令値を駆動モータコントローラ12に出力する。 【0032】車両にはナビゲーション装置17(地図情報装置)を備える。ナビゲーション装置17はナビゲーションコントローラ18、ジャイロ(角速度センサ)19、地図デーを蓄えているDVD−ROM20、GPSアンテナ21、液晶ディスプレー22などからなり、このうちナビゲーションコントローラ18ではジャイロ19からの信号、車速信号、GPSアンテナ21からの信号に加えて、地図情報を蓄えているDVD−ROM20からのデータに基づいて車両の現在位置と進行方向を算出する。これらの情報はユーザーが必要としたときに液晶ディスプレー22上に表示される。なお、GPSアンテナ21からの信号に代えてビーコン信号を用いるものでもかまわない。 【0033】さて上記のハイブリッド車両では、エンジン1を運転せずバッテリ3に蓄えられた電力のみで駆動モータ4(走行用電動機)を駆動して走行するのをEV走行、これに対してエンジン1を運転した状態でエンジン1または駆動モータ4の少なくとも一方により走行するのをHEV走行とし、これらEV走行とHEV走行とを切換え可能となっている。なおエンジン1が駆動されている状態は全てHEV走行であり、次のような場合はHEV走行である。 【0034】■クラッチ5を接続しエンジン1のみで車両を走行させる場合、■クラッチ5を接続しエンジン1および駆動モータ4で車両を走行させる場合、■クラッチ5を切り離しエンジン1で発電しながら駆動モータ4のみで車両を走行させる場合、この場合に本実施形態ではハイブリッド車両を次のように運転させる。すなわちハイブリッド車両に商用電源を用いて充電を行う設置型充電器23(外部充電装置)により定期的に充電を行う場所(例えば自宅)を拠点Aとして定め、出発前にはバッテリのSOCを最大SOC(SOC chg)にまで充電しておき、拠点Aより目的地(例えば会社)Cに向かってEV走行を行わせる。そしてEV走行の結果SOCが減って下限値(SOC low)になった(バッテリ3を使い切った)ときにHEV走行に切換えると共にその切換えた車両の位置を地図データ上に地点Bとして登録する。その際、地点Bに基づいて拠点Aを中心とするEV走行エリア(EV走行が可能な地域)を定める(後述する)。HEV走行に切換えた後は発電制御を行いSOCが通常時の目標SOC(SOC normal)に達したら以後はそのSOCを維持する制御を行いつつ目標地へ向かう。この様子を図6の上段に示す。 【0035】これに対して目的地から帰ってくるときには例えば同じルートを辿るとすると、上記の地点BよりEV走行エリアの内に入るのでHEV走行からEV走行に切換え、EV走行のまま拠点Aに到達するようにする。拠点Aに到達したときにはSOCが下限値になっている(バッテリを使い切っている)ようにし、拠点Aにおいて次回の走行に備えて設置型充電器23により充電を行っておく。 【0036】このように1往復のたびに拠点Aで外部充電を行わせるわけであるが、外部充電は拠点A以外の場所で移動式(ポータブル)の充電器によっても行われることがあり、こうした予定外の外部充電が行われたときにもその外部充電が行われた場所を拠点として認識させることは誤認識となり、設置型外部充電器23のある本来の拠点AにEV走行状態でたどり着けない事態が生じる。従って統合コントローラ16、ナビゲーションコントローラ18では協力して拠点Aの登録は次のように行う。 〈1〉拠点登録:1)次の2つの条件を共に満たす場合に設置型充電器23に外部充電がより行われたと判定する。 【0037】■セレクトスイッチからの信号又は外部充電器からの認識信号が設置型充電器23によることを示していること、■充電パターンが設置型充電器18による充電パターンと一致すること、ここで、■のセレクトスイッチはユーザーが予め充電器の種類がわかっている場合に拠点での外部充電に使用する充電器のタイプを(設置型か移動型か)選択する切換スイッチのことで、本信号は統合コントローラ16に入力させる。■の外部充電器からの認識信号とはユーザーが充電器の種類を選ばなくても自動的に外部充電器からコネクタ接続時に統合コントローラ16に送信される判定信号のことである。 【0038】■の充電パターンにはCC(Constant Current Charge:定電流充電)、CV(Constant Voltage Charge:定電圧充電)、CP(Constant Power Charge:定電力充電)あるいはこれらの組み合わせがあり、充電器により予め定まっている。 拠点Aに設置すべき充電器の充電パターンを予め記憶させておき、これと現在の充電パターンとが一致するか否かで外部充電が拠点に設置されている充電器によるものであるのか、それともそれ以外の移動式(ポータブル)の充電器によるものであるのかを判定できる。 【0039】2)外部充電が終了しかつその外部充電が設置型充電器23によるものであった場合にその外部充電が行われた位置を拠点Aとしてナビゲーションシステム内蔵の地図データ上に登録する。 【0040】次に、統合コントローラ16、ナビゲーションコントローラ18では協力してEV走行エリアの登録を次のようにして行う。 〈2〉EV走行エリア登録:1)拠点A登録後のEV走行開始後にSOCが低下して下限値となりHEV走行に切換えたときその切換タイミングでの車両の現在位置を地点Bとしてナビゲーションシステム内蔵の地図データ上に登録する。 【0041】2)さらに地図データ上で拠点Aと地点Bの間の実EV走行距離を算出し、拠点Aからこの算出した実EV走行距離と等距離の位置をルート検索し、その検索した位置を地点Bnとしてナビゲーションシステム内蔵の地図データ上に登録する。これを図2を用いて具体的に説明する。 【0042】図2はナビゲーションシステム内蔵の地図データを地図として表示したものであり、同図において拠点Aより目的地Cに向かうルートが3本あるとした場合に、今回はルート1を辿ったとすれば、地点Bはこのルート1上にある。そこで、拠点Aと地点Bの間の実走行距離L1を計算し、拠点Aを中心として実走行距離L1と等距離にある別ルート2、3上の位置を検索しその検索したこれらの位置を地点B1、B2として登録する。このようにEV走行エリア(つまりBおよびB1、B2)の登録を行うのは、設置型充電器23を用いての充電が可能な拠点Aを中心としてその車両固有のEV走行可能な限界を知るためである。ユーザーが他のルート2や3に代えて目的地Cより拠点Aに戻る場合でも地点B1やB2よりEV走行へと切換えることができる。 【0043】統合コントローラ16、ナビゲーションコントローラ18で協力して実行される上記〈1〉の拠点登録、〈2〉のEV走行エリア登録を以下のフローチャートに基づいて詳述する。 【0044】図3は拠点登録を実行するためのもので外部充電の開始後に一定時間毎に実行する。なお拠点は1つに限らないが、拠点が2以上である場合や拠点が一つでも移動することがある場合を扱うとそれだけ制御が複雑になるので、ここでは拠点が1つだけで以後移動をしない簡単な場合で述べる。この場合には拠点登録は一度だけ行えば足りる。 【0045】ステップ1では拠点登録済フラグをみる。拠点登録済フラグ=0であれば拠点登録が終了していないことを、拠点登録済フラグ=1であれば拠点登録が終了していることを表す。拠点登録済フラグ=0であればステップ2に進み外部充電終了フラグをみる。図示しないが統合コントローラ16では次のような場合に外部充電終了フラグ=1として設定するようにしている。 【0046】■外部充電中にユーザーが充電コネクタを外した場合、■外部充電中にユーザーが外部充電器の電源をOFFにした場合、■外部充電中にバッテリコントローラ13からのSOCに基づいて統合コントローラ16が外部充電が完了したと判断する場合、外部充電終了フラグ=1のときにはステップ3に進みSOCと所定値(例えば最大SOCより余裕をみて例えば80%)を比較する。これはEV走行に必要な電力がバッテリ3に充電されたかどうかを判定するためのものである。SOCが所定値以上であればステップ5に進み設置型充電器フラグをみる。このフラグの設定については図4のフローにより説明する。図4のフローは車両が施錠状態にあるときなど待機中に実行する。 【0047】図4においてステップ11、12では充電コネクタが接続されているかどうか、現在の充電パターンが、予め記憶されている充電パターンと一致するかどうかをみる。車両にはバッテリ3への外部充電を行わせるため充電口が設けられ、外部よりこの充電口に外部充電器の充電コネクタを接続し外部充電器の電源をONにすることで外部充電が開始される。この場合、設置型充電器23には充電コネクタを充電口に接続するとONとなる検出スイッチを充電コネクタに設けており、この検出スイッチからの信号がコネクタ接続信号として統合コントローラ16に入力されている。予め記憶されている充電パターンとは設置型充電器23による充電パターンである。 【0048】従って統合コントローラ16では検出スイッチからの信号がONでありかつ充電パターンが一致すれば拠点に設置されている充電器による充電であると判断し、ステップ13に進み設置型充電器フラグ=1とし、検出スイッチからの信号がOFFであるかまたは検出スイッチからの信号がONであっても充電パターンが一致しなければ設置型充電器による充電でないと判断しステップ14に進み設置型充電器フラグ=0とする。 【0049】図3に戻り設置型充電器フラグ=1であればステップ5、6に進み拠点判定フラグ=1とすると共に現在位置を拠点Aとして地図データ上に登録するようにナビゲーションコントローラ18に指示する。ナビゲーションコントローラ18ではこの指示を受けて現在位置を地図データ上で拠点Aとして登録する。 【0050】これで拠点登録を終了するので、ステップ7で拠点登録済フラグ=1とする。この拠点登録済フラグ=1により次回にはステップ1よりステップ2以降に進むことができない。 【0051】一方、設置型充電器フラグ=0のときにはステップ4よりステップ8に進み拠点判定フラグ=0とした処理を終了する。移動式の充電器によりSOCが所定値以上に充電された場合でもその充電された場所が拠点として登録されることはない。移動式の充電器による場合に拠点登録をしないのは移動式充電器との併用による拠点の誤認識を防止するためである。すなわちバッテリ3をちょうど使い切るように拠点に到着することを考えているので、拠点でない場所で移動式の充電器により外部充電が行われた場合にもその場所を誤って拠点登録してしまったのでは、本来の拠点に到達する前にバッテリ3を使い切ってしまいHEV走行に移行せざるを得ない場合が生じてしまうことがあるからである。 【0052】図5はEV走行エリアを登録するためのものである。ハイブリッド車両でも運転はイグニッションスイッチのONにより開始される。従ってイグニッションスイッチがONとなったとき図5のフローを一定時間毎に実行する。 【0053】なお、拠点が一カ所であり以後拠点を動かさない場合を対象としているので、拠点を中心とするここでのEV走行エリアの登録も一度だけ行えば足りることになる。 【0054】ステップ21ではEV走行エリア登録済フラグをみる。EV走行エリア登録済フラグ=0であればEV走行エリアの登録が終了していないことを、EV走行エリア登録済フラグ=1であればEV走行エリアの登録が終了していることを表す。初期状態ではEV走行エリア登録済フラグ=0であるのでステップ22に進みEV走行許可フラグをみる。EV走行許可フラグは初期状態でEV走行許可フラグ=0である。従ってEV走行許可フラグ=0であればステップ23、24、25に進み次の条件が全て成立するかどうかをみる。 【0055】■拠点判定フラグ=1(拠点Aが判定されている)であること、■SOCが所定値(例えば80%)以上であること、■ルートが設定されていること、ここで■を条件とするのは、EV走行エリアは拠点Aを中心として定まるので、拠点Aであることが判定されていないとEV走行エリアを定めることができないからである。■を条件とするのは、外部充電が終了してSOCが所定値以上なければEV走行エリアの全域でEV走行ができないからである。 【0056】■を条件としたのは本願発明のハイブリッド車両では運転開始の前に(つまり拠点Aで)ユーザーが目的地を入力することを前提としているためである。ユーザーが目的地を入力するとナビゲーションコントローラ18では目的地へのルートを検索すると共にこの情報を統合コントローラ16に送信する。 【0057】上記■〜■のいずれかの条件を満たさないときにはそのまま処理を終了する(EV走行エリアの登録を行わない)。なお■や■の条件を満たさないときには外部充電をやり直すことやルートの設定を行うことをユーザーに促すようにすることもできる。 【0058】上記■〜■の条件を総て満たすときにはステップ26、27に進みEV走行許可フラグ=1とする共にEVモードでの運転(つまりEV走行)を指示する。EV走行許可フラグ=1により次回にはステップ22よりステップ28以降に進む。ステップ28では現在のSOCとEV走行下限SOC(下限値)を比較する。ここでEV走行下限SOCとはEV走行に必要なバッテリ出力が出せなくなるバッテリ残存容量になったときのSOCのことである。 【0059】現在のSOCがEV走行下限SOCを超えていればEV走行が可能であるのでステップ29に進みEVモードでの運転を継続する。EVモードでの運転を継続して拠点Aを離れるほどにSOCが減ってゆく。やがて現在のSOCがEV走行下限SOC以下となればこれ以上EV走行を継続することが不可能となるのでステップ28よりステップ30に進んでHEVモードでの運転(つまりHEV走行)に切換え、ステップ31でこのタイミングでの現在位置を地点Bとして地図データ上に登録するようにナビゲーションコントローラ18に指示する。この指示を受けてナビゲーションコントローラ18では地図データ上でこのタイミングでの現在位置を地点Bとして登録する。地点BはEV走行エリアの境界を表す。 【0060】さらにステップ32ではナビゲーションコントローラ18に対して拠点Aを中心としたEV走行エリアの登録を指示する。この指示を受けてナビゲーションコントローラ18では図2で前述したようにして地図データ上でEV走行エリアの登録を行う。 【0061】次に、目的地Cからの復路では統合コントローラ16とナビゲーションコントローラ18とが協力してEV走行前の高SOCシフト制御を行い、またナビゲーションコントローラ17がEV走行エリアの学習制御を行う。これを図6に示した制御モデルにより概説する。 【0062】図6において上段が図2に示したルート1を辿る往路の、また同図下段が同じルート1を辿る復路のSOCの動きを示している。図2と同様に左端のAが拠点、Bが往路においてEVモードからHEVモードへと切換えた地点、右端のCが目的地である。 〈3〉EV走行前の高SOCシフト制御:1)目的地Cからの復路はHEV走行で出発しEV走行エリアの境界である地点Bに近づいた場合、地点Bの手前の地点Dで充電目標を通常目標SOCであるSOC normalより高シフト目標SOCであるSOC hiへとステップ的に切換え(図8の二点鎖線参照)、これによりエンジン1による発電量を増加させ予めバッテリ3の放電可能容量(残存容量)を確保する。 【0063】上記の高シフト目標SOCは一定値である。これはHEV走行中のエンジンや回生による充電では外部充電のように適切な充電電流にコントロールできない(走行負荷が刻々と変化するので)ためである。従って最大SOC(外部充電可能な最大のSOC)であるSOC chgより10〜20%程度低い値を高シフト目標SOCとして設定している。エンジン1により発電量を増加させる方法にはエンジン回転速度(発電機回転速度)を上昇させる方法と発電機の負荷(吸収トルク)を増大させる方法とがありエンジン効率の良い方を選ぶ。なお、エンジン回転速度を上昇させる場合には無段変速機6の変速比を適切に変更することにより、車速を維持する。 【0064】2)高SOCシフト制御を開始する位置である地点Dは以下の通り決定する。 【0065】■高シフト目標SOCであるSOC hiまでの発電必要時間tを、 t[hr]=(SOC hi[%]−現SOC[%]) /発電電力相当値[%/h]…(1) ただし、SOC hi:一定値、の式により算出する。(1)式右辺の発電電力相当値は発電量を増加させたときの発電電力相当値である。 【0066】なおSOCは残存容量を最大残存容量で除した値をパーセント表示したものであるが、バッテリ3が低温状態になったり劣化したときにはこの分母である最大残存容量が減じるので残存容量が同じでありながらSOCが変化しその分だけSOCを用いての制御に誤差が生じてしまう。そこで低温状態になったときや劣化した状態まで考慮するときにはSOC[%]に代えて残存容量[Wh]を用いる必要がある。この場合には図6の縦軸をSOC[%]に代えて残存容量[Wh]とするだけでよく、(1)式に代えて高シフト目標残存容量までの発電必要時間tを t[hr]=(高シフト目標残存容量[Wh]−現在残存容量[Wh]) /発電電力[W]…(補1) の式により算出すればよい。ここで高シフト目標残存容量はバッテリのコンディション(低温や劣化で最大残存容量が減じた場合)によって変化する。現在残存容量は公知の手段を用いて測定する(例えば電力積算、バッテリの内部抵抗測定など)。 【0067】■高シフト目標SOC(高シフト目標残存容量)までの必要走行距離L2を、 L2[km]=t[hr]×平均車速[km/h] …(2) の式により算出する。(2)式右辺の平均車速には一定距離毎の移動平均値を使用する。 【0068】■地点BからL2の距離だけ目的地C側に遡った位置を地点Dとして決定し、現在位置が地点Dに達すると発電モードに移行する。この発電モードへの移行で実SOCが高シフト目標SOCを追いかける(図6下段の地点Dからの破線参照)。この追いかける動きを簡単のため直線で近似しており、図6下段において理論的には地点Dより破線で示したようにSOC hi(高シフト目標SOC)に向けて大きくなり地点BでSOC hiに達するはずであるが、実際には実線で示したように破線よりも緩やかな傾きとなり地点BでSOC hiまで達していない事態が生じる。こうした事態は運転条件によりバッテリ電力が駆動用に使われて(例えば上り坂や急加速等の駆動負荷が高い場合)予定通りの充電ができない場合に生じる。そこでこうした事態が生じ得ることを考慮して次のようにEV走行エリアの学習制御を行う。 〈4〉EV走行エリアの学習制御:1)地点Dより発電モードで走行しながら、逐次、現SOC(現在残存容量)を更新する。この現SOC(現在残存容量)でEV走行を行ったとしたときのEV走行可能な距離Levを次式により算出する。 【0069】 Lev[km]=(現SOC−SOC low) /往路電力消費率相当値[%/km] …(3) ただし、SOC low:EV走行下限SOC、の式により算出する。(3)式右辺分母の往路電力消費率相当値は図6上段の拠点Aと地点Bの間の実線の傾きである。 【0070】なおSOCに代えて残存容量を用いるときには(3)式に代えて、現在残存容量でEV走行を行ったとしたときのEV走行可能な距離Levを次式により算出する。 【0071】 Lev[km]=(現在残存容量−EV走行下限残存容量) /往路電力消費率[Wh/km] …(補3) 2)高SOCシフト制御を開始した当初は現在位置から拠点Aまでの残存距離LrestのほうがEV走行可能な距離Levより長いが(図8下段の地点FでのLevとLrest参照)、高SOCシフト制御を続けるほど(地点Dから拠点Aへと近づくほど)に現SOCが増加しEV走行可能な距離Levが大きくなってゆく。そして現在位置から拠点Aまでの残存距離LrestがEV走行可能な距離Levと一致したとき拠点AまでのEV走行が可能となるので、エンジン1を停止しEVモードでの運転に切換える。また残存距離LrestがEV走行可能な距離Levと一致したときの位置を地点bとして登録する(図8下段参照)。 【0072】3)地点bよりEV走行に入れば理論的には拠点AでちょうどSOCがSOClow(EV走行下限SOC)に達するはずであるが(図8下段の地点bからの実線参照)、実際には地点bからの走行負荷や補機負荷の影響を受けて電力消費率が変化することから、ア)拠点Aへの到達前にバッテリ3を使い切りSOCがSOC lowになってしまったり(図6下段の地点bからの実線参照)、イ)拠点Aに到達したときにバッテリ3を使い切っておらずSOCがSOC lowより大きいままである(図7の地点bからの実線参照)事態が生じることが考えられ、ア)の場合にはEV走行エリアでありながら拠点AまでのEV走行が不可能となり、イ)の場合にはもっと早くからEV走行を行うことができたはずであるからEV走行エリアを無用に狭めた結果となる。なお、ア)の事態はバッテリ電力が例えばエアコンディショナー(補機負荷)の駆動のために余計に使われたり上り坂になって平坦地よりも駆動力が必要となる場合に、またイ)の事態は例えば下り坂になって回生によるバッテリへの充電が行われる場合に生じる。 【0073】そこで、ア)やイ)の場合には次回からは拠点AでちょうどSOCがSOC lowと一致する(バッテリ3を使い切る)ようにEV走行エリアの境界を更新する。 【0074】ア)拠点A到達前にSOC lowになった場合:この場合にEV走行エリアの境界を更新する方法を図6下段を参照して説明する。 【0075】■SOC low(EV走行下限SOC)に達した位置よりそのSOC lowを維持したまま、エンジン1を始動し駆動に必要な電力をリアルタイムで発電するHEV走行(HEVモードでの運転)へ切換える。 【0076】■地点bよりHEVモードに切換えた位置までの走行距離を実際にEV走行した距離l1として記憶する。 【0077】■拠点Aからこの実EV走行距離l1だけ目的地C側に遡った位置を地点bbとして検索する。 【0078】■さらに地点Dから地点bまでの発電率相当値Rgen(図6下段で地点Dから地点bまでの実線の傾きを表す)を、 Rgen=(SOC b−SOC normal)/Lgen …(4) ただし、SOC b :地点bでのSOC、SOC normal:EV走行下限SOC、Lgen:復路で実際に高シフトSOC制御で走行した距離、の式により算出し、この発電率相当値Rgen(初期値は予め与えておく)でSOC normal(通常目標SOC)からSOC hi(高シフト目標SOC)にまで増加させるのに必要であった走行距離lgenを、 lgen=(SOC hi−SOC normal)/Rgen …(5) の式により算出する。 【0079】なおSOCに代えて残存容量を用いるときは(4)式に代えて、地点Dから地点bまでの発電率Rgenを、 Rgen=(地点bでの残存容量−通常目標残存容量)/Lgen …(補4) の式により算出し、この発電率Rgen(初期値は予め与えておく)で通常目標残存容量から高シフト目標残存容量にまで増加させるのに必要であった走行距離lgenを(5)式に代えて、 lgen=(高シフト目標残存容量−通常目標残存容量)/Rgen …(補5) の式により算出する。 【0080】■地点bbからこの距離lgenの分だけ目的地C側に遡った位置を新しい地点Dとし、この新しい地点Dに更新する。 【0081】例えば次回の走行時に同じ目的地Cからのルートと同じ目的地Cからの復路での走行条件とが同じであったとすれば、次回の走行時にはこの更新後の地点D(新D)より高SOCシフト制御に移行するため実SOCは図6下段で地点D〜地点b間の実線と同じ傾きで新Dより上昇して地点bbでSOC hiに達し、そのタイミングでEVモードに切換えられるため今度は地点b〜地点E間の実線と同じ傾きで下降し、拠点でSOC lowとなる(図6下段で新Dからの一点鎖線参照)。このように図6下段で示したようにして地点Dを更新すれば、次回の走行時に同じ目的地Cからのルートと同じ目的地Cからの復路での走行条件とが同じであったとすれば、次回の走行時に拠点までEV走行を行うことができる。 【0082】イ)拠点Aに到達したときにSOC lowになっていない場合:この場合(あるいは拠点Aでの設置型充電器を用いての充電開始時にSOC lowになっていない場合)にEV走行エリアの境界を更新する方法を図7を参照して説明する。 【0083】■地点bより拠点Aまでの走行距離を実際にEV走行した距離l2として記憶する。 【0084】■地点bから拠点AまでのEV走行中の実電力消費率相当値(平均値)Rcon(図7で地点bから拠点Aまでの実線の傾きを表す)を、 Rcon=(SOC b−SOC A)/l2 …(6) ただし、SOC b:地点bでのSOC、SOC A:地点AでのSOC、の式により算出し、この実電力消費率相当値Rconを用いて、拠点Aでの現SOCでまだEV走行すればできるであろう走行距離を余剰EV走行推定距離L4として、 L4=(SOC A−SOC low)/Rcon …(7) の式により算出する。 【0085】なおSOCに代えて残存容量を用いるときは(6)式に代えて、地点bから拠点AまでのEV走行中の実電力消費率(平均値)Rconを、 Rcon=(地点bでの残存容量−拠点Aでの残存容量)/l2 …(補6) の式により算出し、この実電力消費率Rconを用いて拠点Aでの現残存容量でまだEV走行すればできるであろう走行距離を余剰EV走行推定距離L4として(7)式に代えて、 L4=(拠点Aで残存容量−EV走行下限残存容量)/Rcon …(補7) の式により算出する。 【0086】■拠点Aからこの余剰EV走行推定距離L4と実EV走行距離l2の合計だけ目的地C側に遡った位置を地点bbとして検索する。 【0087】■後は上記ア)の■、■と同様である。すなわち通常目標SOC(通常目標残存容量)から高シフト目標SOC(高シフト目標残存容量)にまで増加させるのに必要であった走行距離lgenを算出し、地点bbからこの距離lgenの分だけ目的地C側に遡った位置を新しい地点Dとし、この新しい地点Dに更新する。 【0088】例えば次回の走行時に同じ目的地Cからのルートと同じ目的地Cからの復路での走行条件とが同じであったとすれば、次回の走行時にはこの更新後の地点D(新D)より高SOCシフト制御に移行するため実SOCは図7で地点D〜地点b間の実線と同じ傾きで新Dより上昇して地点bbでSOC hiに達し、そのタイミングでEVモードに切換えられるため今度は地点b〜拠点A間の実線と同じ傾きで下降し、拠点でSOC lowとなる(図7で新Dからの一点鎖線参照)。このように図7で示したようにして地点Dを更新すれば、次回の走行時に同じ目的地Cからのルートと同じ目的地Cからの復路での走行条件とが同じであったとすれば、次回の走行時に拠点Aでちょうどバッテリ3を使い切ることができる。 【0089】統合コントローラ16で実行される上記〈3〉のEV走行前の高SOCシフト制御、ナビゲーションコントローラ18で実行される上記〈4〉のEV走行エリアの学習制御を以下のフローチャートに基づいて詳述する。 【0090】なお、以下のフローでは制御にSOCを用いる場合で説明する。 【0091】図9、図10はEV走行前の高SOCシフト制御を行うためのもので、目的地Cからの復路になると一定時間毎に実行する。 【0092】ステップ31では高シフト目標フラグをみる。高シフト目標フラグ=0であれば充電目標を高シフト目標SOCであるSOC hiにしていないことを、高シフト目標フラグ=1であれば充電目標を高シフト目標SOCにしていることを表す。目的地Cでの初期状態では高シフト目標フラグ=0であるのでステップ32、33、34に進み次の条件が全て成立するかどうかをみる。 【0093】■拠点登録済フラグ=1であること、■EV走行エリア登録済フラグ=1であること、■車両の進行方向が拠点Aに戻る方向であること、■〜■の条件を総て満たすときにはステップ35に進み地点Bを終点としてSOC hi(高シフト目標SOC)に達するために必要な発電時間tを上記(1)式により算出し、ステップ36において同じく地点Bを終点としてSOC hiに達するために必要な走行距離L2を上記(2)式により算出し、ステップ37で地点BからこのL2の走行距離だけ目的地C側に遡ったルート上の位置を地点Dとして決定する。 【0094】ステップ38では現在位置とこのようにして決定した地点Dとを比較する。現在位置が地点Dより目的地C側に近ければステップ39、40、41に進み充電目標をSOC normal(通常目標SOC)としてSOC維持モードとすると共に高シフト目標フラグ=0とする。やがて現在位置が地点Dに到達すればステップ42、43、44に進み充電目標を高シフト目標SOCであるSOC hi(例えば90%)に切換えてSOC hiが得られるように発電モードとすると共に高シフト目標フラグ=1とする。 【0095】高シフト目標フラグ=1へのセットにより次回からは図9のステップ31より図10のステップ45に進み地点b登録済フラグをみる。このフラグは目的地Cからの復路走行の開始時に地点b登録済フラグ=0となっているので当初はステップ46に進み現SOCでEV走行が可能な距離Levを上記(3)式により算出する。 【0096】ステップ47では現在位置から拠点Aまでのルート上の距離の算出をナビゲーションコントローラ18に指示し、得られた結果を拠点Aまでの残存距離Lrestとしこの残存距離Lrestと現SOCでEV走行可能な距離Levとをステップ48において比較する。 【0097】高SOCシフト制御に入った当初は拠点Aまでの残存距離Lrestのほうが長いためステップ49に進み発電モードでの運転を行う(図6、図7では「発電制御」で記載している)。 【0098】高SOCシフト制御に入ると発電モードでの運転によりSOCが増加していくので上記(3)式のEV走行可能距離Levが徐々に大きくなってゆき、この反対に現在位置が拠点Aへと近づいてゆくため拠点Aまでの残存距離Lrestが徐々に小さくなる。この結果やがてEV走行可能距離Levが残存距離Lrestを超えると拠点Aに到達するまでEV走行が可能となるのでステップ48よりステップ50、51に進みEVモードでの運転に切換え、この切換タイミングでの現在位置を地点bとして登録するようにナビゲーションコントローラ18に指示する。この指示を受けてナビゲーションコントローラ18では地図データ上に地点bを登録する。これで地点bの登録が終了するためステップ52で地点b登録済フラグ=1とすると共にステップ53で学習許可フラグ(目的地Cからの復路の開始時に0に初期設定)=1とする。この地点b登録済フラグ=1により次回からはステップ45、56と進むことになりEVモードでの運転を継続する。 【0099】また、EVモードに切り換えた位置である地点bでのSOCをSOC bとしてメモリに格納し、さらに地点Dと地点bの間のルート上の距離の算出をナビゲーションコントローラ18に指示し、得られた結果を、復路で実際に高SOCシフト制御で走行した距離Lgenとしてこれもメモリに格納する(ステップ54、55)。これらのSOC b、Lgenの値は次に説明するEV走行エリアの学習制御に必要となるものである。 【0100】図11はEV走行エリアの学習制御(具体的には高SOCシフト制御を開始する地点Dの更新)を行うためのもので、目的地Cからの復路になるとナビゲーションコントローラ18が一定時間毎に実行する。 【0101】ステップ61では学習許可フラグをみる。学習許可フラグは地点bを登録したタイミングで学習許可フラグ=1となるフラグである(図10のステップ53参照)。 【0102】学習許可フラグ=1であるときにはステップ62に進み現在位置から拠点Aまでのルート上の距離を算出し、得られた結果を拠点Aまでの残存距離Lrestとする。 【0103】ステップ63、64は拠点Aへの到達前に現SOCがSOC low(EV走行下限SOC)になったかどうかを判定する部分である。すなわちLrest≠0(拠点Aに到達する前)かつ現SOCがSOC lowと一致すれば拠点Aに到達する前に現SOCがSOC lowになったと判断し、このときにはEV走行の継続が不可能となるのでステップ65に進んでHEVモードに切換えることを統合コントローラ16に指示する。この指示を受けて統合コントローラ16ではHEVモードでの運転に切換える。 【0104】ステップ66〜70は次回の往復走行時に高SOCシフト制御の開始タイミングが最適となるように地点Dを更新する部分である。すなわちステップ66で現在位置と地点bまでのルート上の距離を算出し得られた結果を実EV走行距離l1としステップ67において拠点Aからこの実EV走行距離l1だけ目的地C側に遡った位置をルート上で検索しその検索した位置を地点bbとして確定する。ステップ68では既に得られているSOC b、Lgenを用い高SOCシフト制御中の実発電率相当値Rgenを上記(4)式により算出し、この実発電率相当値Rgenを用いステップ69で上記(5)式により高SOCシフト制御中の実発電率相当値RgenでSOC normalよりSOC hiまで増加させるのに必要であった走行距離lgenを算出する。 【0105】ステップ70では地点bbよりこの走行距離lgenだけ目的地C側に遡ったルート上の位置を検索し、その検索した位置を新しい地点Dとして更新する。 【0106】一方、残存距離Lrest=0のとき(拠点Aに到達したとき)にはステップ63よりステップ71に進み現SOCを拠点AでのSOCを表すSOC Aに移した後、ステップ72で拠点Aから地点bまでのルート上の距離を算出してこれを実EV走行距離l2とし、このl2の距離に基づいてステップ73で地点bから拠点AまでのEV走行中の実電力消費率相当値(平均値)Rconを上記(6)式により算出し、この実電力消費率相当値Rconを用いステップ74で上記(7)式により余剰EV走行推定距離L4を算出する。L4は拠点Aでバッテリを使い切れなかった場合になおもバッテリを使い切るまでEV走行させたと仮定したときの拠点Aからバッテリを使い切るまでの走行距離のことである。 【0107】なおL4には拠点Aでちょうどバッテリを使い切った場合も含まれている。拠点Aでバッテリを使い切っていればSOC A=SOC lowよりL4=0となるためである。 【0108】ステップ75では拠点Aからこの余剰EV走行推定距離L4と実EV走行距離l2の合計だけ目的地C側に遡った位置をルート上で検索しその検索した位置を地点bbとして確定し、後はステップ68、69、70の処理を行って新しい地点Dを検索し更新する。 【0109】ここで本実施形態の作用を説明する。 【0110】本実施形態によれば、自宅や会社といった商用電源(外部電源)の設置されている地点をナビゲーション装置(地図情報装置)の有する地図データ上に拠点Aとして登録し、拠点Aを中心としてEV走行エリア(EV走行が可能な地域)を地図データ上に登録し、設置型充電器23(外部充電装置)により商用電源を用いて充電されたバッテリ3の状態で拠点Aから出発するときにこのEV走行エリアでEV走行を行い、あるいはEV走行エリアの外から拠点Aに戻る場合に車両がEV走行エリア内に進入したらEV走行を行うので、自宅や会社を中心とする広がりのある地域がEV走行エリアとなり、自宅から早朝に出勤する時や深夜に帰宅する時に特に車両の騒音を減らすことができると共にエンジン発電よりも運用コストが低い外部充電エネルギーを有効に利用できる。 【0111】また、EV走行エリアを拠点A到着時にバッテリのSOCが予め定めた下限値であるSOC lowと一致するように定めているので、拠点到着時にバッテリを使い切ることができ、運用コストが安く環境負荷の少ない商用電源(外部電源)を最大限に利用できる。 【0112】また、EV走行エリアを前記地図情報装置の有する地図データ上に登録する手順が、■SOCを上限値(例えば80%)まで充電した状態で拠点AよりEV走行を行い、■SOCがSOC low(下限値)にまで低下したときそのタイミングでの車両の位置を地点Bとして地図データ上に登録し、■拠点Aから地点Bまでのルート上の距離をEV走行距離L1としてこのEV走行距離L1を地図データを用いて算出し、■地図データ上で拠点Aを同じくするもEV走行距離L1を算出したルートと異なるルートを対象として拠点Aからのルート上の距離がEV走行距離L1と一致する地点Bnを検索し、■この検索した地点Bnと地点Bに囲まれた領域をEV走行エリアとして地図データ上に登録するという手順であるので、図2において拠点Aから出発してルート1を経て地点BよりEV走行エリアの外へ出れば、そのタイミングで拠点Aを同じくする他のルート2と3についてもEV走行エリアの境界地点B1とB2が検索され、この境界地点B1とB2も地図情報装置の有する地図データ上に登録されるので、往路と異なるルート2または3を経てEV走行エリアへとHEV走行で近づく場合にEV走行へ切換える地点を予測できる。 【0113】また、EV走行エリアの境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に電力消費率がその後の走行負荷や補機負荷の影響を受けて大きく異なることから、ア)拠点Aへの到達前にバッテリ3を使い切ってしまったり、イ)拠点Aに到達したときにバッテリ3が使い切れていない事態が生じることが考えられ、ア)の場合にはEV走行エリアにありながら拠点AまでのEV走行が不可能となりHEV走行への切換を余儀なくされてエンジン1による発電の頻度が増し、イ)の場合にはもっと早くからEV走行を行うことができたたはずであるからEV走行エリアを無用に狭めた結果となるのであるが、本実施形態によればEV走行エリアの境界より拠点Aに向かってEV走行を行った際のSOCの推移に基づいてEV走行エリアを、拠点A到着時にSOCがSOC low(下限値)と一致するように学習制御するので、ア)の事態を回避してエンジン1による発電の頻度を抑制でき、またイ)の事態を回避してEV走行エリアを拡大できる。 【0114】また、SOCは残存容量を最大残存容量で除した値をパーセント表示したものであるためバッテリ3が低温状態になったり劣化したときにはこの分母である最大残存容量が減じるので残存容量は同じであるのにSOCが変化しその分だけSOCを用いての制御に誤差が生じてしまうのであるが、SOCに代えて残存容量を用いることで、バッテリ3が低温状態になったときや劣化した状態になっても制御に誤差が生じることがない。 【0115】また、拠点Aでの設置型充電器23による充電を予定している場合に、拠点A以外の場所で設置型充電器23と異なる移動式充電器により充電が行われたときにまで拠点登録を行ったのでは、EV走行状態で拠点Aに到達できない事態が生じることがあるが、本実施形態によれば移動式充電器により充電が行われたときにはその移動式充電器の属性が車両側に保持する属性と合致しないめ拠点をナビゲーション装置の有する地図データ上に登録するための条件が成立せず登録が行われることがないので、EV走行状態で拠点に到達できない事態を回避できる。 【0116】なお、実施形態では外部充電装置の属性が車両側の保持する属性と合致するときとして、充電コネクタに設けた検出スイッチがONであり(つまり外部充電装置のコネクタの形状が車両側の有するコネクタの形状と一致している)、かつ外部充電装置の充電パターンが車両側の有する充電パターンと一致するときを挙げたが、さらに外部充電装置の充電能力がバッテリの充電に十分であるときを加えることもできる。 【0117】また、外部充電装置の設置場所として自宅や会社を挙げたが、この他に公共施設やガソリンスタンドを外部充電装置の設置場所にすることが考えられる。 【0118】実施形態は高SOCシフト制御と組み合わせたEV走行エリアの学習制御であるため、EV走行エリアそのものでなく、高SOCシフト制御を開始する地点Dを更新する場合で説明したが、高SOCシフト制御を行わない場合にも本発明を適用することができる。例えばEV走行が可能な地域の境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に拠点Aに到達する前にSOCが下限値に低下したとき、そのときの地点Eと拠点Aまでのルート上の距離L3を算出し、拠点Aに向けてこの距離L3だけ狭めた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新すればよい。また、EV走行が可能な地域の境界地点B(またはBn)より拠点Aに向かってEV走行を行った場合に拠点AでSOCが下限値にまで低下していないとき、拠点でのSOCが下限値へと低下するまでEV走行を継続させたと仮定したときのEV走行距離L4を推定し、拠点Aに向けてこの推定距離L4だけ拡げた地域を改めてEV走行が可能な地域として更新する。 【0119】実施形態ではパラレル方式のハイブリッド車両に適用した場合で説明したが、これに限られないことはいうまでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成13年7月18日(2001.7.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−32803(P2003−32803A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月31日(2003.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−217477(P2001−217477) |
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