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【発明の名称】 電気的推進車両のパワーユニット
【発明者】 【氏名】豊島 巧
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【要約】 【課題】2つの電動機の回転位相ズレを吸収して歯車伝達機構の騒音を防止し、回転動力伝達効率を向上した電気的推進車両のパワーユニットを提供する。

【解決手段】回転軸線を平行に配置した2つの電動機1a、1bのうち一方の電動機1aの回転出力を第1入力軸2によって差動装置4の一方のデフサイドギヤ7aに入力し、他方の電動機1bの回転出力を第2入力軸3上に固設した第1ギヤ10から第1入力軸2上に自由回転可能に支持した第2ギヤ11に伝達し、第2ギヤ11とスプライン嵌合した他方のデフサイドギャ7bに入力し、両方のデフサイドギヤに噛合するデフピニオン9のデフピニオンシャフト8を介してデフケース6に2つの電動機の回転出力を併合して伝達し1つの回転力として出力し、これをデフケース6に結合した出力軸13により駆動車輪軸に伝達するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機を動力源とする電気的推進車両のパワーユニットであって、回転軸線を平行に配置した2つの電動機の各回転出力を差動装置に取り入れて1つの回転力に併合し、これを出力軸により駆動車輪軸に伝達するようにしたことを特徴とする電気的推進車両のパワーユニット。
【請求項2】 電動機を動力源とする電気的推進車両のパワーユニットであって、回転軸線を平行に配置した2つの電動機のうち一方の電動機の回転出力を第1入力軸によって差動装置の一方のデフサイドギヤに入力し、他方の電動機の回転出力を第2入力軸上に固設した第1ギヤから前記第1入力軸上に自由回転可能に支持した第2ギヤに伝達し、前記第2ギヤとスプライン嵌合した前記差動装置の他方のデフサイドギャに入力し、前記両方のデフサイドギヤに噛合するデフピニオンの支持軸を介してデフケースに前記2つの電動機の回転出力を前記差動装置によって併合した1つの回転力として出力し、これを前記デフケースに結合した出力軸により駆動車輪軸に伝達するようにしたことを特徴とする電気的推進車両のパワーユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機を動力源とする電気的推進車両のパワーユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気的推進車両、すなわち、バッテリによって回転する電動機を動力源として走行する電気自動車は周知であり、環境クリーン車として普及しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記電気自動車の電動機は走行に十分必要な回転出力を有していなければならない。1つの電動機で大きな回転出力、すなわち大きな馬力を求めようとすると大型の電動機が必要であり、配置スペースの制約や重量増加で採用することができず、そこで、2つの小型の電動機を直列若しくは並列して、それぞれの電動機の回転出力を歯車伝達機構で1つの回転力に併合し、これを駆動車輪軸に伝達するようにしている。
【0004】しかしながら、同じ回転出力をもった電動機でも微少な回転角の遅れや進みがあり、2つの電動機の回転位相ズレが生じる。この回転位相ズレにより歯車伝達機構において歯打ちによる騒音を発生することがあり、また、回転動力伝達効率を低下することにもなっている。
【0005】本発明の目的は、2つの電動機の回転位相ズレを吸収して歯車伝達機構の騒音を防止し、回転動力伝達効率を向上した電気的推進車両のパワーユニットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明の構成要旨は、請求項1に記載の通り、電動機を動力源とする電気的推進車両のパワーユニットであって、回転軸線を平行に配置した2つの電動機の各回転出力を差動装置に取り入れて1つの回転力に併合し、これを出力軸により駆動車輪軸に伝達するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に記載の通り、電動機を動力源とする電気的推進車両のパワーユニットであって、回転軸線を平行に配置した2つの電動機のうち一方の電動機の回転出力を第1入力軸によって差動装置の一方のデフサイドギヤに入力し、他方の電動機の回転出力を第2入力軸上に固設した第1ギヤから前記第1入力軸上に自由回転可能に支持した第2ギヤに伝達し、前記第2ギヤとスプライン嵌合した前記差動装置の他方のデフサイドギャに入力し、前記両方のデフサイドギヤに噛合するデフピニオンの支持軸を介してデフケースに前記2つの電動機の回転出力を前記差動装置によって併合した1つの回転力として出力し、これを前記デフケースに結合した出力軸により駆動車輪軸に伝達するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は図1で示すように、回転軸線を平行に配置した2つの第1電動機1a、第2電動機1bの各回転出力を差動装置4に取り入れて1つの回転力に併合し、これを出力軸13により駆動車輪軸に伝達するようにした構造である。
【0009】本発明の構造を以下詳述する。前記回転軸線を平行に配置した2つの第1電動機1a、第2電動機1bうち一方の第1電動機1aには、その回転出力を差動装置4に入力する第1入力軸2が設けられている。
【0010】前記差動装置4はデフキャリヤ5(ハウジング)内で前記第1入力軸2と同心線上で回転可能に軸受によって支持されたデフケース6と、このデフケース6内で前記第1入力軸2と同心線上で回転する第1デフサイドギヤ7a及び第2デフサイドギヤ7bと、前記デフケース6に結合され前記第1入力軸2と同心線回りに回転するデフピニオンシャフト8に、このデフピニオンシャフト8軸線回りに回転可能に嵌装され前記第1デフサイドギヤ7a及び第2デフサイドギヤ7b間に挟まれて、第1デフサイドギヤ7a及び第2デフサイドギヤ7bに噛合しているデフピニオン9とから構成されており、前記デフケース6の一端には駆動車輪軸に伝達する出力軸13がスプライン14で結合されている。
【0011】このような差動装置4の前記第1デフサイドギヤ7aに前記第1電動機1aの入力軸2の先端が結合され第1電動機1aの回転出力が第1デフサイドギヤ7aに入力されるようになっている。
【0012】前記他方の第2電動機1bにも、その回転出力を差動装置4に入力する第2入力軸3が前記第1入力軸2と平行な軸線で延在されている。この第2入力軸3上には第1ギヤ10が固設されており、この第1ギヤ10は第1入力軸2上に自由回転可能に支持した第2ギヤ11と噛合している。この第2ギヤ11は前記差動装置4の第2デフサイドギヤ7bとスプライン12によって結合されており、第2入力軸3からの第2電動機1bの回転出力を前記第1ギヤ10及び第2ギヤ11を介して第2デフサイドギヤ7bに入力するようにしている。
【0013】本発明は上記の通りの構造であるから、第1電動機1aの回転出力は第1入力軸2を介して差動装置4の第1デフサイドギヤ7aに入力し、同時に第2電動機1bの回転出力は第1ギヤ10及び第2ギヤ11を介して差動装置4の第2デフサイドギヤ7bに入力し、これら2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転出力をデフピニオン9によって1つの回転力に併合してデフケース6に伝達してデフケース6を回転する。
【0014】前記デフケース6の回転により2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転出力を併合した1つの回転力を出力軸13を介して駆動車輪軸に伝達するものである。
【0015】前記2つの第1電動機1a、第2電動機1bは同じ回転出力をもっていても微少な回転角の遅れや進みがあり、2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転位相ズレが生じる。そこで本発明ではこの2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転位相ズレが生じた場合は、第1ギヤ10から回転が伝達される第2ギヤ11は第1電動機1aの第1入力軸2上で自由回転可能であり、第1入力軸2の回転位相差に関係なく差動装置4の第2デフサイドギヤ7bに伝達され、差動装置4の第1デフサイドギヤ7a、第2デフサイドギヤ7b及びデフピニオン9による遊星歯車機構によって2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転位相ズレを吸収してデフケース6に回転伝達するため、第1ギヤ10と第2ギヤ11の回転伝達系において歯打ちによる騒音の発生を防止するのである。
【0016】また、2つの第1電動機1a、第2電動機1bの回転位相ズレを吸収してデフケース6に回転伝達するため、駆動車輪軸への回転動力伝達効率を向上することにもなる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によると、2つの電動機の各回転出力を差動装置に取り入れて1つの回転力に併合し、これを出力軸により駆動車輪軸に伝達するようにした構造であるから、2つの電動機に回転位相ズレが発生しても差動装置による遊星歯車機構によって回転位相ズレを吸収し、回転伝達系における歯車の歯打ちによる騒音の発生を防止すると共に、駆動車輪軸への回転動力伝達効率を向上する。また、差動装置は車両に使用している安価なインタアクスルデフを利用することができるので低コストでの実現が可能である等に利点を有してる。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
【出願日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【代理人】 【識別番号】100090435
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 義雄
【公開番号】 特開2003−18710(P2003−18710A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−198652(P2001−198652)