| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の発電制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 達雄 【住所又は居所】神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユニシアジェックス内
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| 【要約】 |
【課題】エンジンで発電機を駆動して発電し、得られた電力で電動機を駆動して走行するモードを含んだハイブリッド車両の発電量を安定して確保する。
【解決手段】要求発電エネルギの小さい条件で、発電機は、負荷トルクを指令値に維持するトルク制御を行う一方、エンジンは、回転変動を出力トルクで調整する回転速度制御を行う構成とし、発電エネルギの変動を回転変動だけにして小さく抑制するようにした。目標角度(回転位相の目標値)の変化率を制限する目標角度変化率制限値を、進遅角制御方向とエンジン回転速度とに基づいて設定して制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンによって発電機を同期回転駆動して発電し、得られた電力で駆動する電動機により車軸を駆動する走行モードを含んで構成されたハイブリッド車両において、所定の条件で、前記発電機の負荷トルクを設定された指令値に維持するように制御すると共に、前記エンジンの出力トルクを該エンジン及び前記発電機の回転速度を目標値に維持するように制御することを特徴とするハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項2】前記発電機の負荷トルクの指令値は、要求発電エネルギを発電機の回転速度で除算して設定されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項3】前記所定の条件は、要求発電エネルギが所定量以下のときであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項4】前記所定の条件以外の条件では、前記エンジンの出力トルクを設定された指令値に維持するように制御すると共に、前記発電機の負荷トルクを前記エンジン及び発電機の回転速度を目標値に維持するように制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項5】前記エンジンの出力トルクを、スロットル開度によって制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の発電制御装置。 【請求項6】エンジンの主吸気通路のスロットル弁装着部をバイパスしてアイドル制御弁を介装したバイパス通路が接続され、前記所定の条件でのエンジンの出力トルクを、前記アイドル制御弁の開度によって制御することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の発電制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド車両、特に、エンジンによって発電機を同期回転駆動して発電し、得られた電力で駆動する電動機により車軸を駆動する走行モードを含んで構成されたハイブリッド車両における発電制御に関する。 【0002】 【従来の技術】走行駆動源に電動機を用い、バッテリの残容量が低下するとエンジンにより発電機を駆動してバッテリおよび電動機に電力を供給するシリーズ・ハイブリッド車両が知られている。また、走行駆動源として電動機と共にエンジンを用いるパラレル・ハイブリッド車両においても、アイドル時等では、エンジンを車軸と伝達を切り離して発電機を駆動し、バッテリを充電している。 【0003】この種のハイブリッド車両の発電制御時に、エンジンと発電機を同時に目標回転速度にフィードバック制御する場合の相互干渉による回転変動を抑制するため、エンジンの出力トルクは固定的に制御し、発電機の負荷トルクのみで回転変動を抑制するように制御するようにしたものが提案されている(特開平10−288060号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の発電制御では以下のような問題を生じていた。以下、図6を参照して説明する。この発電制御では、エンジンは回転速度を目標値とはせず、所定の指令値に維持する制御(以下トルク制御という)を行い、外乱による回転変動を目標回転速度と実回転速度との偏差に応じて発電機の負荷トルクを制御する(以下回転速度制御という)ことで抑制している。 【0005】すなわち、エンジン及び該エンジンに同期して回転する発電機の回転速度が目標速度より増大したときは、減速させるように発電機の負荷トルクを増大し、目標速度より減少したときは、増速させるように負荷トルクを減少する。発電エネルギは、エンジン回転速度に比例する発電機の回転速度に、負荷トルクを乗じた値として算出される。ここで、回転速度の増大時は負荷トルクも増大し、回転速度の減少時は負荷トルクも減少するので、発電エネルギは回転変動と負荷トルクの変動の影響を同時に受けて大きく変動してしまう。 【0006】また、外乱が大きい場合は、要求発電量を確保するため、目標回転速度や目標トルク(指令値)を切り換えたりせざるをえず、安定した制御を行えなくなることがあった。本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、ハイブリッド車両において、安定して発電量を確保できるようにしたハイブリッド車両の発電制御装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係る発明は、エンジンによって発電機を同期回転駆動して発電し、得られた電力で駆動する電動機により車軸を駆動する走行モードを含んで構成されたハイブリッド車両において、所定の条件で、前記発電機の負荷トルクを設定された指令値に維持するように制御すると共に、前記エンジンの出力トルクを該エンジン及び前記発電機の回転速度を目標値に維持するように制御することを特徴とする。 【0008】請求項1に係る発明によると、前記所定の条件で、エンジンの出力トルクを制御することによって回転変動を抑制し、発電機の負荷トルクは指令値に維持するように制御する。ここで、回転変動に対してエンジンの出力トルクのみを制御するので、前記相互干渉を生じることなく、回転変動を効果的に抑制できる。 【0009】そして、発電機の負荷トルクは回転変動の影響を受けず、回転速度に負荷トルクを乗じて算出される発電エネルギは、回転変動分にのみ影響されるので、変動が少なく、発電量を安定して確保できる。また、請求項2に係る発明は、前記発電機の負荷トルクの指令値は、要求発電エネルギを発電機の回転速度で除算して設定されることを特徴とする。 【0010】請求項2に係る発明によると、発電エネルギは、発電機の負荷トルクと回転速度の積で表されるので、負荷トルクの指令値は、要求発電エネルギを発電機の回転速度で除算して設定することにより、要求発電エネルギを得ることができる。また、請求項3に係る発明は、前記所定の条件は、要求発電エネルギが所定量以下のときであることを特徴とする。 【0011】請求項3に係る発明によると、要求発電エネルギが少ないときは、要求発電エネルギに対して発電量の変動の影響が出やすいので、発電量を安定する効果が大きく、一方、要求発電エネルギが大きいときは、回転速度制御をエンジントルク制御で行うことが困難になるので行わない。 【0012】請求項4に係る発明によると、前記所定の条件以外の条件では、前記エンジンの出力トルクを設定された指令値に維持するように制御すると共に、前記発電機の負荷トルクを前記エンジン及び発電機の回転速度を目標値に維持するように制御することを特徴とする。請求項4に係る発明によると、例えば、要求発電エネルギが大きい前記所定の条件以外の条件では、上記のように回転速度制御をエンジントルク制御で行うことが困難になるので、エンジンの出力トルクを指令値に維持し、発電機で回転速度制御を行うことにより安定した制御を行うことができる。 【0013】また、請求項5に係る発明は、前記エンジンの出力トルクを、スロットル開度によって制御することを特徴とする。請求項5に係る発明によると、エンジンの出力トルクが、スロットル開度により吸入空気量を制御することによって制御される。 【0014】また、請求項6に係る発明は、エンジンの主吸気通路のスロットル弁装着部をバイパスしてアイドル制御弁を介装したバイパス通路が接続され、前記所定の条件でのエンジンの出力トルクを、前記アイドル制御弁の開度によって制御することを特徴とする。 【0015】請求項6に係る発明によると、前記所定の条件でのエンジンの出力トルクを、前記アイドル制御弁の開度によって高精度に制御することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】図1は、一実施形態にかかるシリーズ型ハイブリッド車両の全体構成を示す。図1において、エンジン(内燃機関)1の出力軸に、ギアトレイン2を介して発電機3が連結され、前記エンジン1により前記発電機3がエンジン回転に同期して駆動される。 【0017】前記発電機3により発電された電力は、バッテリ4に充電される。前記バッテリ4から電力を供給される電動機5の出力軸に、ギアトレイン6、トランスミッション7、ファイナルギア8を介して車軸9が連結され、電動機5によって車軸9が駆動され走行する。前記エンジン1の吸気マニホールド(主吸気通路)11には、開度を電子制御されるスロットル弁12が介装され、該スロットル弁12をバイパスして吸気マニホールド11に接続されたバイパス通路13にアイドル制御弁14が介装されている。 【0018】また、エンジン1の各気筒に燃料噴射弁15が装着されている。コントロールユニット16には、クランク角センサ17によって検出されるエンジン回転速度Ne、エアフローメータ18によって検出される吸入空気量Q、水温センサ19によって検出されるエンジン水温Tw等が入力される。そして、コントロールユニット16は、前記各センサ類からの検出信号に基づいて検出された運転状態に基づいて前記スロットル弁12あるいはアイドル制御弁14の開度を制御して吸入空気量Qを制御し、所定の空燃比となるように前記燃料噴射弁15からの燃料噴射量Tiを制御することによって、出力トルクを制御する。また、発電制御時は、前記発電機3の界磁電流を制御して負荷トルクを制御する。 【0019】そして、本発明にかかる構成として、要求発電エネルギが所定量以下の低エネルギ条件では、前記発電機3は、負荷トルクを指令値に維持するトルク制御を行い、エンジン1は、エンジン1及び該エンジン1に同期して回転する発電機3の回転速度を目標値に維持するように出力トルクを制御する回転速度制御を行うようにする。また、要求発電エネルギが前記所定量を超える条件では、エンジン1の出力トルクを指令値に維持するトルク制御を行い、発電機3の負荷トルクで回転速度を目標値に維持する回転速度制御を行うように切り換える。 【0020】以下、上記制御を図2以下に示したフローチャートに従って説明する。図2は、上記制御のメインルーチンであり、ステップ1では、前記要求発電エネルギが所定量以下の小エネルギであるか否かを判定する。前記所定量は、例えば、要求発電エネルギ/アイドル回転速度(=目標トルク)がエンジン1の前記スロットル弁によるトルク制御分解能の100倍程度の値に設定する。 【0021】そして、前記ステップ1で前記要求発電エネルギが所定量以下と判定されたときは、ステップ2へ進んで発電機3の制御モードをトルク制御モードとする。ステップ3では、エンジン1の制御モードを前記アイドル制御弁14の開度制御による回転速度制御モードとする。また、ステップ1で要求発電エネルギが所定量より大きいと判定されたときは、ステップ4へ進み、発電機3の制御モードを回転速度制御モードとする。 【0022】ステップ5では、エンジン1の制御モードを前記スロットル弁12の開度制御によるトルク制御モードとする。図3は、発電機3の制御ルーチンを示す。ステップ11では、発電機3の制御モードを判別する。そして、図2のステップ2でトルク制御モードに設定されたと判別されたときは、ステップ12へ進んで、発電機3のトルク制御における負荷トルクの指令値TLを次式により算出する。 【0023】負荷トルク指令値TL=要求発電エネルギEg/発電機回転速度Ngiここで、発電機回転速度Ngiは、エンジンの所定のアイドル回転速度指令値Neiに対応する(ギヤトレイン2のギア比で決定される)速度である。ステップ11で発電機3の制御モードが、図2のステップ4で回転速度制御モードに設定されたと判別されたときは、ステップ13へ進んで、回転速度制御における発電機3の回転速度指令値NgLを、要求発電エネルギEgに対する回転速度変換関数f(Gen)によって算出する。具体的には、要求発電エネルギEgが増大するほど回転速度指令値NgLが増大して設定される。 【0024】ステップ14では、発電機3の基本負荷トルクTLbを次式により算出する。 基本負荷トルクTLb=要求発電エネルギEg/発電機回転速度NgLここで、発電機回転速度として、前記ステップ13で算出された指令値NgLが使用される。次いで、ステップ15では、発電機3の回転速度制御におけるフィードバックトルクを次式により算出する。 【0025】フィードバック負荷トルクTLfb=(目標発電機回転速度NgL−実発電機回転速度Ngr)×Gtgここで、目標発電機回転速度NgLは前記ステップ13で算出された指令値NgLであり、Gtgは発電機回転速度偏差を負荷トルクに変換するフィードバックゲインである。 【0026】ステップ16では、次式のように、前記基本負荷トルクTLbとフィードバック負荷トルクTLfbとを加算して最終的な負荷トルクTLを算出する。 TL=TLb+TLfbステップ17では、以上のようにトルク制御時にステップ12で指令値として算出され、又は、回転速度制御時にステップ16で算出された負荷トルクTL相当の制御量(界磁電流)を発電機3に出力する。 【0027】図4は、エンジンの制御ルーチンを示す。ステップ21では、エンジン1の制御モードを判別する。そして、図2のステップ3で回転速度制御モードに設定されたと判別されたときは、ステップ22へ進む。ステップ22では、エンジン1の回転速度指令値を所定のアイドル回転速度Neiに設定する。 【0028】ステップ23では、エンジン1の回転制御におけるアイドル制御弁14の基本制御量(ベースデューティ)ISCbを次式により算出する。 基本制御量ISCb=基本アイドルトルクTei×Giscここで、前記基本アイドルトルクISCbは、前記発電機3のトルク制御時にステップ12で算出された負荷トルクの指令値TLに対応するエンジン1の発電分トルク(ギヤトレイン2のギア比で決定される)に、エンジン1を無負荷状態において前記アイドル回転速度Neiで回転させるのに必要なアイドル回転トルクを加算して算出される。 【0029】また、前記トルク−ISC制御量変換ゲインGiscは、アイドル制御弁14の開度制御量に変換するゲインであり、前記基本アイドルトルクISCbに該変換ゲインGiscを乗じることで、アイドル制御弁14の基本制御量ISCbが算出される。次に、ステップ24では、エンジン1の回転制御におけるアイドル制御弁14のフィードバック制御量ISCfbを次式により算出する。 【0030】フィードバック制御量ISCfb=(目標エンジン回転速度Nei−実エンジン回転速度Nir)×Gteここで、Gteは、回転速度偏差フィードバックゲインであり、目標エンジン回転速度として前記ステップ22で設定された指令値Neiが使用される。ステップ25では、前記基本制御量ISCbに前記フィードバック制御量ISCfbを加算して、アイドル制御弁14の最終的な制御量ISCを算出する。 【0031】ステップ26では、前記制御量ISC(デューティ)をアイドル制御弁14に出力して、アイドル制御弁14を目標開度となるように制御する。一方、ステップ21で、エンジン1の制御モードがトルク制御モードに設定されたと判別されたときは、ステップ27へ進む。ステップ27では、エンジン1の出力トルクの指令値Teを、発電機3の回転速度制御における基本負荷トルクTLb相当の発電トルク(ギヤトレイン2のギア比で決定される)に、エンジン1を前記発電機3の回転速度指令値NgLに対応するエンジン回転速度で回転させるのに必要な回転トルクを加算して算出する。 【0032】ステップ28では、前記出力トルク指令値Teを得るためのスロットル弁開度制御量TVOを次式により算出する。 スロットル弁開度制御量TVO=出力トルク指令値Te×GpGp:トルク−スロットル開度変換ゲインステップ29では、スロットル弁開度制御量TVOを出力してスロットル弁開度を目標開度に制御する。 【0033】次に作用を説明する。要求発電エネルギが小さい低負荷時には、発電機3の負荷トルクを指令値に維持するトルク制御を行いつつ、エンジン1の出力トルク調整によって回転変動を抑制する回転速度制御を行うことで、発電の負荷トルクが略一定に維持され、発電エネルギは回転変動のみの変動しか受けることが無く、安定した発電エネルギを供給できる(図5参照)。 【0034】一方、要求発電エネルギが大きい高負荷時には、エンジン1の出力トルクを指令値に維持するトルク制御を行いつつ、発電機3の負荷トルク調整によって回転変動を抑制する回転速度制御を行うことで、安定したエンジンの出力トルク制御(スロットル制御)を行うことができる。なお、要求発電エネルギが大きいときは、発電エネルギの変動割合としては小さくなるので、変動の影響は小さい。 【0035】なお、本実施形態では、要求発電エネルギが小さいときのエンジン出力トルク制御を、アイドル制御弁によって行うものを示したが、アイドル制御弁を設けず、スロットル開度のみで制御する構成としてもよい。また、本発明はエンジンを発電専用に用いるシリーズ型ハイブリッド車両への適用に限らず、エンジンを走行用としても用いるパラレル・ハイブリッド車両において、アイドル時等に、エンジンを車軸と伝達を切り離して発電機を駆動し、バッテリを充電するときのモードに適用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000167406 【氏名又は名称】株式会社日立ユニシアオートモティブ 【住所又は居所】神奈川県厚木市恩名1370番地
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| 【出願日】 |
平成13年6月27日(2001.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078330 【弁理士】 【氏名又は名称】笹島 富二雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−18705(P2003−18705A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月17日(2003.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−195045(P2001−195045) |
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