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【発明の名称】 ハイブリッド車両の制御装置
【発明者】 【氏名】出口 欣高
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】走行経路の燃料消費量を抑制しながら制駆動力特性を改善する。

【解決手段】燃料を使って発電を行う発電装置1,2と、車両の駆動輪に連結されるモーター4と、発電装置1,2およびモーター4との間で電力の授受を行うバッテリー15とを有するハイブリッド車両の制御装置に適用される。そして、道路に関する情報(道路情報)を内蔵するとともに外部から入手し、道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置と、探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段と、分割区間ごとの道路情報に基づいてバッテリー15の充放電量を計画する手段であって、地点Pに近い区間の道路情報ほど充放電量計画に対する影響が小さくなるように充放電量を計画する充放電計画手段16と、充放電量の計画に応じて発電装置1,2とモーター4の運転点を調整する運転点調整手段16とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】燃料を使って発電を行う発電装置と、車両の駆動輪に連結されるモーターと、前記発電装置および前記モーターとの間で電力の授受を行うバッテリーとを有するハイブリッド車両の制御装置において、道路に関する情報(以下、道路情報と呼ぶ)を内蔵するとともに外部から入手し、前記道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置と、前記探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段と、前記分割区間ごとの前記道路情報に基づいて前記バッテリーの充放電量を計画する手段であって、前記地点Pに近い区間の前記道路情報ほど前記充放電量計画に対する影響が小さくなるように充放電量を計画する充放電計画手段と、前記充放電量の計画に応じて前記発電装置と前記モーターの運転点を調整する運転点調整手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】燃料を使って発電を行う発電装置と、車両の駆動輪に連結されるモーターと、前記発電装置および前記モーターとの間で電力の授受を行うバッテリーとを有するハイブリッド車両の制御装置において、道路に関する情報(以下、道路情報と呼ぶ)を内蔵するとともに外部から入手し、前記道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置と、前記探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段と、前記道路情報に基づいて前記分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測する渋滞度予測手段と、前記分割区間ごとの予測渋滞度に基づいて前記バッテリーの充放電量を計画する充放電計画手段と、前記充放電量計画に応じて前記発電装置と前記モーターの運転点を調整する運転点調整手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】燃料を使って発電を行う発電装置と、車両の駆動輪に連結されるモーターと、前記発電装置および前記モーターとの間で電力の授受を行うバッテリーとを有するハイブリッド車両の制御装置において、道路に関する情報(以下、道路情報と呼ぶ)を内蔵するとともに外部から入手し、前記道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置と、前記探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段と、前記道路情報に基づいて前記分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測する渋滞度予測手段と、前記分割区間ごとの前記道路情報と前記予測渋滞度とに基づいて前記バッテリーの充放電量を計画する手段であって、前記地点Pに近い区間の前記道路情報および前記予測渋滞度ほど前記充放電量計画に対する影響が小さくなるように充放電量を計画する充放電計画手段と、前記充放電量計画に応じて前記発電装置と前記モーターの運転点を調整する運転点調整手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】請求項1または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記充放電計画手段は、前記分割区間までの分岐道路数が多くなるほど前記分割区間の前記道路情報が前記充放電量計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】請求項1または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記充放電計画手段は、前記分割区間までの道のりが長くなるほど前記分割区間の前記道路情報が前記充放電計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】請求項1または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記充放電計画手段は、前記分割区間までの到達予想時間が長くなるほど前記分割区間の前記道路情報が前記充放電計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項7】請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記渋滞度予測手段は、現在地の前記道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて前記分割区間ごとの渋滞度に応じた平均通過車速mvsp1を演算するとともに、過去の走行履歴に基づいて前記分割区間ごとの平均通過車速mvsp2をを演算し、前記地点Pに近い区間ほど前記平均通過車速mvsp2に高い重みを付けて前記平均通過車速mvsp1と前記平均通過車速mvsp2とを加重加算し、前記分割区間ごとの渋滞度を表す平均通過車速mvspを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項8】請求項7に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記重みは、現在地から前記分割区間まで予測所要時間が長いほど小さい値を付けることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項9】請求項7または請求項8に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記分割区間ごとの平均通過車速mvsp2を実際の走行データに基づいて更新することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項10】請求項7〜9のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、過去の走行履歴に基づいて現在の前記道路情報に含まれる渋滞情報の確からしさを求め、前記確からしさにより前記平均通過車速mvspを補正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項11】請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記渋滞度予測手段は、現在の前記道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて前記分割区間ごとの渋滞度の変化を表す平均通過車速を演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項12】請求項11に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記渋滞度予測手段は、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント発生中を検出し、イベント発生中は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が悪化すると予測することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項13】請求項11または請求項12に記載のハイブリッド車両の制御装置において、前記渋滞度予測手段は、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント完了を検出し、イベント完了後は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が緩和すると予測することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の駆動源により走行するハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、燃料消費量を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】走行経路における渋滞情報、標高情報、車線数などの道路に関する情報(道路情報)を交通情報受信装置およびナビゲーション装置から入手し、それらの道路情報に基づいてバッテリーの充放電を計画するようにしたハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば特開平10−150701号公報参照)。この装置では、道路情報に基づいて良燃費を実現するように目的地までのバッテリー蓄電量目標値を計画するとともに、バッテリーの蓄電量が計画した目標値と一致するようにエンジンとモーターの運転点を調整している。
【0003】また、本出願人は、走行経路の道路情報に基づいてバッテリーの充放電を計画するハイブリッド車両の制御装置を提案している(特願2001−031030号)。この装置では、バッテリーの蓄電量や充放電量を直接、計画する代わりに、計画を決定づけるパラメーター「SOC換算指標」を演算し、その演算値に基づいてエンジンとモーターの運転点を調整する。「SOC換算指標」はエンジンの燃料消費効率と対応させた指標であり、目的地におけるバッテリー蓄電量を目標値に一致させるという条件を満たしつつ経路を良燃費で走行する値として、走行経路の道路情報を基に演算する。車両の制御装置は、演算した「SOC換算指標」、車速検出値および制駆動力指令値に基づいてエンジンとモーターの運転点を決定し、調整することによって、「SOC換算指標」に対応するエンジン燃料消費効率で車両を制駆動させ、燃料消費量を抑制するというものである。
【0004】ところで、ハイブリッド車両は、モーターのみ、あるいはモーターとエンジンを駆動源としているが、上り坂が続くような状況においてはモーターによる駆動力を長い時間にわたって維持するために、バッテリーの蓄電量を予め多くしておくことが望まれる。このような要望に対し、上記ハイブリッド車両の制御装置では、車両の走行経路上の各種道路情報に基づき上り坂手前でバッテリー蓄電量を所定値以上にしておくように、「SOC換算指標」を演算する方法も提案している。この方法によれば、上り坂でモーターによる駆動力をより長く維持できるといった効果を得ることができる。
【0005】このように、提案した上記ハイブリッド車両の制御装置は、車両が走行する経路上の道路情報を基に、バッテリーの充放電を直接的に、あるいは間接的に計画し、その計画に沿ってエンジンとモーターの運転点を調整することにより、良好な燃費や制駆動力特性を実現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置では、出発地から遠い地点ほど出発地で入手した道路情報と実際に通行するときの道路情報との差が大きくなることを考慮せずに、バッテリーの充放電を計画しているので、燃料消費量をより抑制し、制駆動力特性をさらに改善する余地がある。
【0007】出発地で入手した道路情報と実際に通行するときの道路情報との差が大きくなる要因としては、第1に走行経路の逸脱が上げられる。運転者は、常にナビゲーション装置の誘導する経路に沿って走行するとは限らず、道路状況に応じて経路を変更したり、寄り道の欲求により一時的あるいは完全に経路を逸脱することは、日常的によくあることである。特に、誘導経路上の出発地付近の地点Aを通過する確度と出発地から離れた地点Bを通過する確度とを比較すると、地点Bの方が脇道が多く経路を逸脱する機会が多いため、地点Bを通過する確度は地点Aを通過する確度よりも低いと考えられる。したがって、出発地から遠くなるほど、出発地で入手した道路情報と実際に通行するときの道路情報との差が大きくなる。
【0008】第2の要因として渋滞が上げられる。渋滞状況は時々刻々と変化するので、出発地で入手した渋滞情報と実際に通過するときの渋滞情報との間には差が生じやすい。特に、出発地から遠く離れた地点ほど車両がその地点へ到達するまでに時間を要するので、差は大きくなる。
【0009】本発明の目的は、走行経路の燃料消費量を抑制しながら制駆動力特性を改善することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一実施の形態の構成を示す図1および図2に対応づけて本発明を説明すると、(1) 請求項1の発明は、燃料を使って発電を行う発電装置1,2と、車両の駆動輪に連結されるモーター4と、発電装置1,2およびモーター4との間で電力の授受を行うバッテリー15とを有するハイブリッド車両の制御装置に適用される。そして、道路に関する情報(道路情報)を内蔵するとともに外部から入手し、道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置33と、探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段33と、分割区間ごとの道路情報に基づいてバッテリー15の充放電量を計画する手段であって、地点Pに近い区間の道路情報ほど充放電量計画に対する影響が小さくなるように充放電量を計画する充放電計画手段16と、充放電量の計画に応じて発電装置1,2とモーター4の運転点を調整する運転点調整手段16とを備え、これにより上記目的を達成する。
(2) 請求項2の発明は、燃料を使って発電を行う発電装置1,2と、車両の駆動輪に連結されるモーター4と、発電装置1,2およびモーター4との間で電力の授受を行うバッテリー15とを有するハイブリッド車両の制御装置に適用される。そして、道路に関する情報(道路情報)を内蔵するとともに外部から入手し、道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置33と、探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段56と、道路情報に基づいて分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測する渋滞度予測手段16と、分割区間ごとの予測渋滞度に基づいてバッテリー15の充放電量を計画する充放電計画手段16と、充放電量計画に応じて発電装置1,2とモーター4の運転点を調整する運転点調整手段16とを備え、これにより上記目的を達成する。
(3) 請求項3の発明は、燃料を使って発電を行う発電装置1,2と、車両の駆動輪に連結されるモーター4と、発電装置1,2およびモーター4との間で電力の授受を行うバッテリー15とを有するハイブリッド車両の制御装置に適用される。そして、道路に関する情報(道路情報)を内蔵するとともに外部から入手し、道路情報に基づいて車両の走行経路を探索または予測するナビゲーション装置33と、探索または予測した走行経路上の一地点Pまでを分割する経路分割手段33と、道路情報に基づいて分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測する渋滞度予測手段16と、分割区間ごとの道路情報と予測渋滞度とに基づいてバッテリー15の充放電量を計画する手段であって、地点Pに近い区間の道路情報および予測渋滞度ほど充放電量計画に対する影響が小さくなるように充放電量を計画する充放電計画手段16と、充放電量計画に応じて発電装置1,2とモーター4の運転点を調整する運転点調整手段16とを備え、これにより上記目的を達成する。
(4) 請求項4のハイブリッド車両の制御装置は、充放電計画手段16によって、分割区間までの分岐道路数が多くなるほど分割区間の道路情報が充放電量計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画するようにしたものである。
(5) 請求項5のハイブリッド車両の制御装置は、充放電計画手段16によって、分割区間までの道のりが長くなるほど分割区間の道路情報が充放電計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画するようにしたものである。
(6) 請求項6のハイブリッド車両の制御装置は、充放電計画手段16によって、分割区間までの到達予想時間が長くなるほど分割区間の道路情報が充放電計画に与える影響が小さくなるように、充放電量を計画するようにしたものである。
(7) 請求項7のハイブリッド車両の制御装置は、渋滞度予測手段16によって、現在地の前記道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて分割区間ごとの渋滞度に応じた平均通過車速mvsp1を演算するとともに、過去の走行履歴に基づいて分割区間ごとの平均通過車速mvsp2をを演算し、地点Pに近い区間ほど平均通過車速mvsp2に高い重みを付けて平均通過車速mvsp1と平均通過車速mvsp2とを加重加算し、分割区間ごとの渋滞度を表す平均通過車速mvspを演算するようにしたものである。
(8) 請求項8のハイブリッド車両の制御装置は、重みを、現在地から分割区間まで予測所要時間が長いほど小さい値を付けるようにしたものである。
(9) 請求項9のハイブリッド車両の制御装置は、分割区間ごとの平均通過車速mvsp2を実際の走行データに基づいて更新するようにしたものである。
(10) 請求項10のハイブリッド車両の制御装置は、過去の走行履歴に基づいて現在の道路情報に含まれる渋滞情報の確からしさを求め、この確からしさにより平均通過車速mvspを補正するようにしたものである。
(11) 請求項11のハイブリッド車両の制御装置は、渋滞度予測手段16によって、現在の道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて分割区間ごとの渋滞度の変化を表す平均通過車速を演算するようにしたものである。
(12) 請求項12のハイブリッド車両の制御装置は、渋滞度予測手段16によって、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント発生中を検出し、イベント発生中は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が悪化すると予測するようにしたものである。
(13) 請求項13のハイブリッド車両の制御装置は、渋滞度予測手段16によって、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント完了を検出し、イベント完了後は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が緩和すると予測するようにしたものである。
【0011】上述した課題を解決するための手段の項では、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、走行経路上の一地点Pに近い区間の道路情報ほどバッテリー充放電量の計画に対する影響が小さくなるように、分割区間ごとの道路情報に基づいてバッテリーの充放電量を計画し、その充放電量計画に応じて発電装置とモーターの運転点を調整するようにした。これにより、走行経路の逸脱に起因した、現在地から遠い区間ほど現在地で入手した道路情報と実際に走行するときの道路情報との差が大きくなるという問題が解消され、走行経路の燃料消費量を抑制しながら制駆動力特性を改善することができる。
(2) 請求項2の発明によれば、道路情報に基づいて分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測し、この予測渋滞度に基づいてバッテリーの充放電量を計画し、その充放電量計画に応じて発電装置とモーターの運転点を調整するようにした。これにより、渋滞状況の変化に起因した、現在地から遠い区間ほど現在地で入手した渋滞情報と実際に走行するときの渋滞状況との差が大きくなるという問題が解消され、走行経路の燃料消費量を抑制しながら制駆動力特性を改善することができる。
(3) 請求項3の発明によれば、道路情報に基づいて分割区間ごとの車両通過時点における渋滞度を予測し、走行経路上の一地点Pに近い区間の道路情報および予測渋滞度ほどバッテリー充放電量の計画に対する影響が小さくなるように、分割区間ごとの道路情報と予測渋滞度とに基づいてバッテリーの充放電量を計画し、その充放電量計画に応じて発電装置とモーターの運転点を調整するようにした。これにより、走行経路の逸脱と渋滞状況の変化に起因した、現在地から遠い区間ほど現在地で入手した道路情報と実際に走行するときの道路情報との差が大きくなるという問題が解消され、走行経路の燃料消費量を抑制しながら制駆動力特性を改善することができる。
(4) 請求項4の発明によれば、分割区間までの分岐道路数が多くなるほど分割区間の道路情報が充放電量計画に与える影響が小さくなるように充放電量を計画するようにしたので、走行経路上の道路分岐数の増加に応じて走行経路逸脱の可能性が増加する傾向を反映させた適切なバッテリー充放電量を計画することができる。
(5) 請求項5の発明によれば、分割区間までの道のりが長くなるほど分割区間の道路情報が充放電計画に与える影響が小さくなるように充放電量を計画するようにしたので、分割区間までの道のりの増加に応じて走行経路逸脱の可能性が増加する傾向を反映させた適切なバッテリー充放電量を計画することができる。
(6) 請求項6の発明によれば、分割区間までの到達予想時間が長くなるほど分割区間の道路情報が充放電計画に与える影響が小さくなるように充放電量を計画するようにしたので、分割区間までの到達予想時間の増加に応じて走行経路逸脱の可能性が増加する傾向を反映させた適切なバッテリー充放電量を計画することができる。
(7) 請求項7の発明によれば、現在地の道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて分割区間ごとの渋滞度に応じた平均通過車速mvsp1を演算するとともに、過去の走行履歴に基づいて分割区間ごとの平均通過車速mvsp2をを演算し、走行経路上の一地点Pに近い区間ほど平均通過車速mvsp2に高い重みを付けて平均通過車速mvsp1と平均通過車速mvsp2とを加重加算し、分割区間ごとの渋滞度を表す平均通過車速mvspを演算するようにした。これにより、走行経路上の一地点Pに近い区間の正確な渋滞度を表す平均通過車速mvspを求めることができる。
(8) 請求項8の発明によれば、現在地から分割区間まで予測所要時間が長いほど小さい重みを付けるようにしたので、分割区間への到達予想時間に応じた正確な渋滞度を表す平均通過車速mvspを演算することができる。
(9) 請求項9の発明によれば、分割区間ごとの平均通過車速mvsp2を実際の走行データに基づいて更新するようにした。周辺の道路整備などで通常の平均通過車速mvsp2が変化するような場合でも、常に最新の道路状況を反映した正確な平均通過車速mvspを得ることができる上に、運転者の運転個性を反映させた平均通過車速mvspを学習することができ、バッテリーの充放電量計画に運転者の運転個性を考慮することができる。
(10) 請求項10の発明によれば、過去の走行履歴に基づいて現在の道路情報に含まれる渋滞情報の確からしさを求め、その確からしさにより平均通過車速mvspを補正するようにした。VICSなどから得られる渋滞情報は、必ずしもバッテリー充放電量を計画する際の情報として適しているとは限らない。例えばある交差点において、走行経路は直進であり、直進車線が順調に流れているにも拘わらず、信号の「右折」レーンが混雑しているためにVICSが「渋滞中」の情報を提供する場合などがある。このような場合に対しても、VICSが「渋滞中」であるにも拘わらず実際には「渋滞なし」であったという確率を過去の走行履歴から割り出し、その確率を考慮してVICSから得られる渋滞情報を補正することができるようになった。このように、過去の履歴に基づいて渋滞情報の確からしさを演算し、その確からしさに応じた信頼度で渋滞度情報を活用できる。
(11) 請求項11の発明によれば、現在の道路情報に含まれる渋滞情報に基づいて分割区間ごとの渋滞度の変化を表す平均通過車速を演算するようにしたので、渋滞の悪化または緩和の傾向を考慮して各分割区間に到達する時点における渋滞度を正確に求めることができる。
(12) 請求項12および請求項13の発明によれば、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント発生中を検出し、イベント発生中は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が悪化すると予測する。また、渋滞を誘発するイベント情報に基づいてイベント完了を検出し、イベント完了後は走行経路上のイベント地点に向かう分割区間では渋滞が緩和すると予測するようにした。これにより、車両が到達する時点における正確な渋滞度を予測することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に一実施の形態の構成を示す。図において、太い実線は機械力の伝達経路を示し、破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。
【0014】このハイブリッド車両のパワートレインは、モーター1、エンジン2、クラッチ3、モーター4、無段変速機5、減速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。エンジン2とモーター4との間にはクラッチ3が介装され、モーター1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ3の入力軸が互いに連結されるとともに、クラッチ3の出力軸、モーター4の出力軸および無段変速機5の入力軸が互いに連結される。
【0015】クラッチ3締結時はエンジン2とモーター4が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモーター4のみが車両の推進源となる。エンジン2とモーター4のいずれか一方または両方の駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧装置9から圧油が供給され、ベルトのクランプと潤滑がなされる。油圧装置9のオイルポンプ(不図示)はモーター10により駆動される。
【0016】モータ1,4,10は三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、モーター1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モーター4は主として車両の推進と制動に用いられる。また、モーター10は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。なお、モーター1,4,10には交流機に限らず直流電動機を用いることもできる。また、クラッチ3締結時に、モーター1を車両の推進と制動に用いることもでき、モーター4をエンジン始動や発電に用いることもできる。
【0017】クラッチ3はパウダークラッチであり、伝達トルクを調節することができる。なお、このクラッチ3に乾式単板クラッチや湿式多板クラッチを用いることもできる。無段変速機5はベルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比を無段階に調節することができる。
【0018】モーター1,4,10はそれぞれ、インバーター11,12,13により駆動される。インバーター11〜13は共通のDCリンク14を介してメインバッテリー15に接続されており、メインバッテリー15の直流充電電力を交流電力に変換してモーター1,4,10へ供給するとともに、モーター1,4の交流発電電力を直流電力に変換してメインバッテリー15を充電する。なお、インバーター11〜13は互いにDCリンク14を介して接続されているので、回生運転中のモーターにより発電された電力をメインバッテリー15を介さずに直接、力行運転中のモーターへ供給することができる。メインバッテリー15には、リチウム・イオン電池、ニッケル・水素電池、鉛電池などの各種電池や、電機二重層キャパシターいわゆるパワーキャパシターを用いることができる。
【0019】車両コントローラー16はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、モーター1、4、10の回転速度や出力トルク、エンジン2の回転速度や出力トルク、クラッチ3の締結と解放、無段変速機5の変速比など制御する。
【0020】車両コントローラー16には、図2に示すように、キースイッチ20、ブレーキスイッチ21、アクセル開度センサー22、車速センサー23、バッテリー温度センサー24、バッテリーSOCセンサー25、エンジン回転速度センサー26、スロットルセンサー27などが接続される。
【0021】キースイッチ20は車両のキーがON位置またはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。ブレーキスイッチ21はブレーキペダル(不図示)の踏み込み状態を検出し、アクセル開度センサー22はアクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出する。車速センサー23は車両の走行速度を検出し、バッテリー温度センサー24はメインバッテリー15の温度を検出する。また、バッテリーSOCセンサー25はメインバッテリー15の充電状態(SOC;State Of Charge)を検出し、エンジン回転速度センサー26はエンジン2の回転速度を検出する。さらに、スロットル開度センサー27はエンジン2のスロットルバルブ開度を検出する。
【0022】車両コントローラー16にはまた、エンジン2の燃料噴射装置30、点火装置31、スロットルバルブ制御装置32、ナビゲーションシステム33などが接続される。コントローラー16は燃料噴射装置30を制御してエンジン2への燃料の供給と停止および燃料噴射量を調節するとともに、点火装置31を制御してエンジン2の点火を行い、スロットルバルブ調整装置33を制御してエンジン2のトルクを調節する。
【0023】車両コントローラー16は、マイクロコンピューターのソフトウエア形態により構成されるSOC換算指標演算部16bとエンジン/モーター運転点演算部16cを有する。これらのSOC換算指標演算部16bとエンジン/モーター運転点演算部16cについては後述する。
【0024】ナビゲーションシステム33は、図2に示すように、現在地および走行方向を検出するGPS51、VICSから渋滞情報やイベント情報(工事・事故・祭りなどの地域イベント)を受信する路車間通信装置52、道路種別、車線数、道路曲率半径、標高あるいは道路勾配、過去の統計に基づいた通常の平均通過車速あるいは平均通過車速の変化率、交差点・トンネル・踏切・料金所などの有無、制限速度などの規制情報、市街路・山岳路などの地域情報など、種々の道路に関する情報(以下、道路情報と呼ぶ)を記憶したDVD−ROM形態の地図データベース53、運転者が目的地を設定する目的地設定パネル54、目的地までの誘導経路を探索するとともに、その誘導経路に沿って運転者を誘導する誘導/予測経路算出装置55の他に、探索あるいは予測した目的地までの経路を分割する経路分割部56と、目的地におけるメインバッテリー15の目標SOC(t_SOC)を設定する目標SOC設定部58とを備える。なお、道路情報には、地図データべーつ53に記憶されている情報の他に、GPS51により検出される車両の現在地、路車間通信装置52で受信される渋滞情報やイベント情報などが含まれる。
【0025】地図データベース53内の通常の平均通過車速あるいは平均通過車速の変化率については、統計データに基づき道路区間ごとに時間帯および曜日に応じて記憶されている。誘導/予測経路算出装置55は、経路誘導を行っていないときには車両の位置と進行方向の情報およびメモリに記憶している過去の走行経路から、車両の目的地および走行経路を予測する。例えば、車両が通勤経路や日常よく走行する経路を走行していることを検出し、過去の走行時の情報から通勤先やスーパーなどの目的地を特定して走行経路を予測する。
【0026】また、ナビゲーションシステム33の経路分割部56は、探索あるいは予測した目的地までの経路を分割し、分割した区間ごとの道路情報を車両コントローラー16へ送信する。この実施の形態では、目的地までの距離を単純にm(m>1)等分して区分する例を示す。なお、経路の分割方法はこの実施の形態に限定されず、例えば、勾配変化地点、交差点、道路種別変化地点、渋滞開始地点、渋滞終了地点、高速道路の料金所など、道路情報が変化する点や特徴ある点を経路の分割点として分割してもよい。車両コントローラー16へ送る区間ごとの道路情報としては、区間ごとの道のり、平均勾配、道路種別、車線数、VICSから受信した渋滞度合い、イベント地点までの道のり情報、現在の時間帯および曜日に応じた通常の平均通過車速あるいは平均通過車速の変化率、交差点数、料金所の有無、踏切の有無、制限速度、市街路・山岳路などの地域情報とする。
【0027】さらに、ナビゲーション装置33の目標SOC設定部58は、目的地におけるメインバッテリー15の目標SOC(t_SOC)を決定し、車両コントローラー16へ送信する。以下では、目標SOC(t_SOC)を道路環境によらず単純に一定値(例えば70%)とするが、他にも目的地の標高に応じて決定する方法、例えば標高が高いほど下り坂でのエネルギーをメインバッテリー15へ回収できることを期待して、小さい目標SOC(t_SOC)を設定してもよい。
【0028】ここで、目的地までの経路途中においては、メインバッテリー15のSOCが必ずしもこの目標SOC(t_SOC)となる必要はなく、走行中にこの目標SOC(t_SOC)に基づいてエンジン2とモーター1,4の運転点を決定するものではないことを補足しておく。
【0029】ナビゲーションシステム33は、目的地の変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを経路分割点通過ごと、あるいは一定時間ごと、あるいは一定走行距離ごとに確認する。そして、いずれかがあったときは、目的地までの誘導経路を再探索あるいは再予測した上で経路を分割し、分割した区間ごとの道路情報を車両コントローラー16へ再送信する。目的地が変更された場合は目標SOC(t_SOC)も再設定し、車両コントローラー16へ再送信する。
【0030】図3は、ナビゲーションシステム33の演算処理ルーチンを示すフローチャートである。ナビゲーションシステム33は、キースイッチ20がオンしている間、このルーチンを繰り返し実行する。ステップ1において車両の現在地を検出する。続くステップ2で目的地の新規入力または変更、あるいは誘導経路からの逸脱、渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、何もなかった場合はステップ8へ進み、現在位置情報を車両コントローラー16へ送信する。
【0031】一方、目的地の新規入力または変更、誘導経路からの逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあった場合はステップ3へ進み、誘導経路を探索する。次に、ステップ4で誘導経路をm分割し、ステップ5ではm分割された経路区間ごとの道路環境情報を抽出する。ステップ6において目的地での目標SOC(t_SOC)を決定し、ステップ7でm分割された経路区間ごとの道路環境情報と目標SOC(t_SOC)とを車両コントローラー16へ送信する。
【0032】なお、この実施の形態では「目的地」までの誘導経路を分割し、そこまでの道路情報を車両コントローラー16へ送信するとしているが、目的地までの道のりが予め設定された道のりより長いと判断される場合には、目的地からD0[km]程度の距離にある経路上の1点(地点P)までを分割し、そこまでの道路情報を車両コントローラー16へ送信するようにしてもよい。D0[km]は、走行経路の逸脱や渋滞状況の変化があっても充分に燃料消費量を抑制でき、かつ制駆動力特性を改善できる値とするのが望ましい。
【0033】車両コントローラー16は、ナビゲーションシステム33から受信した分割区間ごとの道路情報および目的地の目標SOC(t_SOC)および現在位置と、バッテリーSOCセンサー25により検出したSOC検出値とに基づいて、SOC換算指標SOCcを演算する。そして、SOC換算指標SOCc、アクセル開度検出値および車速検出値に応じて、目的地までの経路途中のエンジン2、モーター1,4、クラッチ3および無段変速機5の運転点を演算し、実現する。
【0034】ここで、SOC換算指標SOCcが大きいときは、バッテリー充電のための単位燃料増加量当たりの充電電力増加量が多くなるような、つまりバッテリー充電時の燃料の利用効率が高くなるような場合にだけ充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定し、反対にSOC換算指標SOCcが小さいときにはバッテリー充電時の燃料の利用効率が低い場合でも充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定する。
【0035】図4はSOC換算指標SOCcの演算処理ルーチンを示すフローチャートである。車両コントローラー16は所定時間ごとにこの演算処理ルーチンを実行する。ステップ11において現在のSOCを検出し、d_SOCとする。続くステップ12ではナビゲーションシステム33から新しいデータ、すなわちm分割した区間way(j)(j=1〜m)ごとの道路情報を新しく受信したかどうかを確認し、新しいデータを受信した場合はステップ13へ進み、受信しなかった場合はステップ31へ進む。
【0036】区間way(j)ごとの道路情報を新しく受信した場合は、ステップ13で車両の動力性能を考慮して区間way(j)ごとの道路情報に応じたSOCの上下限値を設定する。例えば、図5に示すようにway(k)から先5kmにわたって上り坂が続くと見込まれる場合には、モーターによる駆動力を十分に持続させるためにway(k-1)における下限値を50%とし、10kmにわたって上り坂が続く場合には下限値を60%といった具合に設定する。同様に、下り坂が所定距離継続すると見込まれる場合には、下り坂での回生制動特性を確保すべく、下り坂の継続距離に応じたSOC上限値を設定する。
【0037】ステップ14では、SOC換算指標に対する各区間ごとの重み付けλ(j)を設定する。重み付けλ(j)の設定に際して、出発点から各区間way(j)の始点までにわたって存在する分岐道路の数num(j)を各区間の道路情報に基づいて演算する。このとき、num(1)≦num(2)≦num(3)≦・・・≦num(m)である。分岐数num(j)に対し、予め記憶させてある図6に示す特性テーブルを表引き演算することによって、区間ごとの重み付けλ(j)を導出する。なお、num(j)に数える分岐経路は、主要な幹線道路のみとしてもよい。また、車両が通行する頻度を記憶しておき、通行する頻度が高い分岐を頻度に応じて整数倍して数えるなどの工夫をしてもよい。重み付けλ(j)の演算結果例を図7に示す。
【0038】重み付けλ(j)を演算する別の方法としては、出発地点からの道のりに応じて決める方法がある。重み付けλ(j)の設定に際して、出発点から各区間way(j)の始点までの道のりdst(j)[km]を各区間の道路情報に基づいて演算する。このとき、dst(1)≦dst(2)≦dst(3)≦・・・≦dst(m)である。道のりdst(j)に対し、予め記憶させてある図6と同様の特性テーブルを表引き演算することによって、区間ごとの重み付けλ(j)を導出する。道のりdst(j)としては、出発点から各区間の中間点までの道のりとする方法などとしてもよい。
【0039】重み付けλ(j)を演算する別の方法としては、出発地点からの予測到達時間に応じて求める方法がある。重み付けλ(j)の設定に際して、出発点から各区間way(j)の始点までの予測所要時間rch(j)[h]を各区間の道路情報に基づいて演算する。この予測所要時間の演算方法については後述する。予測所要時間rch(j)〔rch(1)≦rch(2)≦rch(3)≦・・・≦rch(m)〕に対し、予め記憶させてある図6と同様の特性テーブルを表引き演算することによって、区間ごとの重み付けλ(j)を導出する。
【0040】より簡便に重み付けλ(j)を設定する方法としては、区間番号jに対して単調減少となる特性値を表引き演算して設定する方法や、ρ(0<ρ<1、例えばρ=0.99)の(j-1)乗値として、j番目の区間の重みを設定する方法などもある。
【0041】図4のステップ15において、車両到達時における各区間の渋滞度を演算する。渋滞度の演算方法を図8のフローチャートにより説明する。図8のステップ41においてカウンター値kに1を設定する。続くステップ42で、VICSから得られたk番目の区間の渋滞度jam0(k)に基づいてk番目の区間の平均通過車速mvsp1(k)[km/h]を求める。
【0042】なお、この実施の形態では「順調」の場合はjam0(k)=1、「混雑」の場合はjam0(k)=2、「渋滞」の場合はjam0(k)=3とする。平均通過車速mvsp1(j)は、道路種別と渋滞度合いjam0(j)とによって図9に示すように予め対応づけられている。例えば、道路種別が都市間高速道路で渋滞度jam0(j)が1のときには平均通過車速mvsp1(j)=90km/hとし、道路種別が片側2車線の一般道で渋滞度jam0(j)が1のときには平均通過車速mvsp1(j)=30km/hとし、道路種別が片側2車線の一般道で渋滞度jam0(j)が3のときには平均通過車速mvsp1(j)=8km/hとする。
【0043】ステップ43では、k番目の区間の始点に到達するまでの予測所要時間rch(k)を演算する。k=1のときrch(1)=0とし、k≧2のときには予測所要時間rch(k)を、上述した道のりdst(j)を用いて次式で求める。
【数1】rch(k)=rch(k-1)+dst(k-1)/mvsp(k-1)なお、mvsp(k-1)については後述する。ステップ44では、k番目の区間の道路リンク番号ID、走行日の曜日DY、k番目の区間の始点に到達するまでの予測所要時間rch(k)にしたがって、k番目の区間における通常の平均通過車速mvsp2(k)を算出する。具体的には、ナビゲーションシステム33の地図データベース53から該当するデータを読み出してメモリmvsp2(k)にその値をセットする。
【0044】ステップ45において、k番目の区間での車両通過時の平均通過車速mvsp(k)を導出する際に用いる重み付けα(k)を求める。α(k)[1≧α(k)≧0]は、予測所要時間rch(k)を用いて図10に示す特性から表引き演算する。重み付けα(k)は予測所要時間rchが0のとき1をとり、予測所要時間rchの増加につれて0まで単調減少する特性としておく。ステップ46では、渋滞度に応じた平均通過車速mvsp1(k)と通常の平均通過車速mvsp2(k)とに基づいて、k番目の区間における渋滞度を表す平均通過車速mvsp(k)[km/h]を次式で演算する。
【数2】
mvsp(k)=α(k)×mvsp1(k)+(1−α(k))×mvsp2(k)【0045】ステップ47において、カウンター値kをインクリメントし、kがmと等しいかどうかを判定する。k=mのときは処理を終了し、そうでなければステップ42へ戻って上述した処理を繰り返す。この渋滞度演算処理を実行することによって、各区間に車両が到達する時点を予測し、予測到達時間が長いほどVICS情報の重みを小さくして、車両が区間に到達する時点での渋滞度を平均通過車速として演算することができる。
【0046】上述したように、この実施の形態では、走行経路の道路情報に基づいてバッテリーの充放電を計画する際に、出発地で入手した道路情報と実際に通行するときの道路情報との差が大きくなることを考慮する。道路情報の差が大きくなる要因としては、走行経路の逸脱と渋滞状況の変化があげられる。渋滞状況の変化おいて、出発地に近い区間では現時点で取得した渋滞情報による状況が実際の走行時も維持される確率が高いので、出発地に近い区間でSOC変化量を予測する演算を行う際には、現時点で取得した渋滞情報をそのまま採用する。具体的には、図10に示すように、現時点で取得した渋滞度に応じた区間平均通過車速に対する重み付けαを1とし、通常の区間平均通過車速に対する重みつけ(1−α)を0とする。これに対し出発地から遠い、つまり目的地に近い区間ほど現時点で取得した渋滞情報による状況が実際の走行時には変化している確率が高くなるため、出発地から遠い区間では現時点で取得した渋滞情報をそのまま採用しない。具体的には、現時点で取得した渋滞度に応じた区間平均通過車速に対する重み付けαを0とし、通常の区間平均通過車速に対する重み付け(1−α)を1とする。
【0047】なお、図8のステップ44で使用する地図データベース53の通常の平均通過車速のデータnu_mvspは、道路リンク番号ID、曜日DYおよび時間帯TTに対応づけられて記憶されている。このデータnu_mvsp(ID,DY,TT)の初期値は、その道路の法定速度などに基づいて設定されており、実際にその道路を走行したときの情報を使って、例えば次式によりデータを更新する。
【数3】nv_mvsp(ID,DY,TT)=0.8×nv_mvsp(ID,DY,TT)+0.2×realvsp上式において、realvspは、車両がリンク番号IDの道路を曜日DY、時間帯TTに実際に通過したときの平均通過車速である。このようにすることで、周辺の道路整備などで通常の平均通過車速が変化するような場合においても、適切な通常の平均通過車速を演算することができる。また、運転者の運転個性(平均車速違い)を反映させた通常の平均通過車速を学習することになるので、結果的に運転者の運転個性を考慮した充放電計画を演算することができる。
【0048】また、VICS渋滞情報の確からしさFpを道路リンクごとにナビゲーションシステム33内で学習し、経路上の区間に対する確からしさFpを車両コントローラー16へ送信し、次式により反映させるようにしてもよい。
【数4】mvsp(k)=α(k)×Fp(k)×mvsp1(k)+(1−α(k)×Fp(k))×mvsp2(k)この場合、過去に5回以上走行した道路リンクについては、過去に通過した際の実際の平均通過車速とVICS渋滞情報に対応する平均通過車速とが誤差±30%以内である確率をVICS渋滞情報の確からしさFpとして、ナビゲーションシステム33内に道路リンクごとに記憶しておく。ここで、過去の走行回数が5回未満の道路リンクについてはFp=1とする。
【0049】車両到達時における各区間の渋滞度の他の演算方法を図11のフローチャートにより説明する。この演算方法では、各区間の渋滞度をナビゲーションシステム33から受信する平均通過車速の変化率から演算するものである。ステップ51においてカウンター値kに1を設定する。続くステップ52で、VICSから得られたk番目の区間の平均通過車速mvsp(k)を図8のステップ42と同様な方法で求める。ステップ53で、ナビゲーションシステム33から受信する通常の平均通過車速の変化率をdvsp0(j)[km/h/h]としてメモリに記憶する。
【0050】ステップ54において、k番目の区間の始点に到達する予測所要時間rch(k)[h]を演算する。k=1のときrch(1)=0とし、k≧2のときには予測所要時間rch(k)を、上述した道のりdst(j)を用いて次式により演算する。
【数5】rch(k)=rch(k-1)+dst(k-1)/mvsp(k-1)ステップ55では通常の平均通過車速の変化率dvsp0(j)の補正度合いβ(k)を求める。β(k)は、予測所要時間rch(k)を用いて予め記憶してある図12に示す単調減少特性マップを表引き演算して求める。
【0051】ステップ56で、イベント情報(工事、事故、祭りなどの地域イベント)による平均通過車速補正値dvsp_e(k)を演算する。イベント発生中(例えば事故発生から事故処理完了まで)は、VICSから得たイベント地点までの道のり情報dst_e(k)とイベント発生からの経過時間time_eに応じて、予め記憶してある図13に示す特性マップMAP_A1を表引き演算する。
【数6】dvsp_e(k)={MAP_A1(time_e+rch(k),dst_e(k))−MAP_A1(time_e,dst_e(k))}×DIFF13(k)ここで、DIFF13は、区間way(k)の道路種別に応じて割り当てられる。区間way(k)の道路種別において、渋滞度jam0が1のときの平均通過車速と、渋滞度が3のときの平均通過車速との差分値として割り当てられている。図8のステップ42で示した例では、片側2車線の一般道の場合、【数7】DIFF13=30[km/h]−8[km/h]=22[km/h]である。
【0052】また、イベント完了後(事故処理完了後)には、VICSから得たイベント地点までの道のり情報dst_e(k)とイベント完了からの経過時間time_fに応じて、予め記憶してある図14に示す特性マップMAP_A2を表引き演算する。
【数8】dvsp_e(k)={MAP_A2(time_f+rch(k),dst_e(k))−MAP_A2(time_f,dst_e(k))}×DIFF13ただし、上式においてdvsp_e(k)の最大値は0に制限するものとする。イベント発生前は、すべてのkにおいてdvsp(k)=0とする。
【0053】ステップ57では、k番目の区間における平均通過車速暫定値mvsp0(k)[km/h]を次式により演算する。
【数9】mvsp0(k)=mvsp1(k)+β(k)×rch(k)×dvsp0(k)+dvsp_e(k)ステップ58で平均通過車速暫定値mvsp0(k)の上下限値を制限することによって平均通過車速mvsp(k)[km/h]を求める。このとき、上下限値は、区間way(k)の道路種別に応じて予め割り当てられており、VICS情報で渋滞度jam0が1のときの平均通か車速を上限とし、3のときの平均通過車速を下限とする。
【0054】ステップ59では、カウンター値kをインクリメントし、kがmになったら処理を終了し、そうでなければステップ52へ戻って上述した処理を繰り返す。この渋滞度演算処理を実行することによって、渋滞悪化あるいは渋滞緩和傾向を予測した上で、車両が区間に到達する時点での渋滞度を平均通過車速として演算することができる。
【0055】渋滞度を演算後、図4へリターンしてステップ16へ進む。ステップ16では、SOC換算指標SOCcの初期値SOCc_0に例えば50%を設定する。続くステップ21では、各区間way(j)ごとのSOC予測値p_SOC(j)を演算する。予め道路情報や渋滞度合いごとに走行パターンを想定しておき、その走行パターンをSOC換算指標SOCcで走行した場合の単位距離当たりのSOC変化量のデータマップ(MAP2DSOC)として予めROMに記憶してある。ここでは、各区間way(j)ごとの道路情報、上述した分割区間到達時点での渋滞度を表す平均通過車速、およびSOC換算指標SOCcに対応した区間SOC変化量p_dSOC(j)を、データマップMAP2DSOCの表引き演算によって現時点から目的地にわたって演算する。その各分割区間のp_dSOC(j)と重み付けλ(j)との積λ(j)×p_dSOC(j)を現在のSOC(d_SOC)を初期値として積分することによって、各分割区間における予測SOC(p_SOC(j))と目的地における予測SOC(p_SOC(m))を求める。このようにして演算した目的地における予測SOC(p_SOC(m))は、目的地における目標SOC(t_SOC)に一致するとは限らないので、予測SOC(p_SOC(m))と目標SOC(t_SOC)とが一致するまで以下に示すようにステップ21〜25にしたがって収束演算を実行していく。
【0056】上述したように、この実施の形態では、走行経路の道路情報に基づいてバッテリーの充放電を計画する際に、出発地で入手した道路情報と実際に通行するときの道路情報との差が大きくなることを考慮する。道路情報の差が大きくなる要因としては、走行経路の逸脱と渋滞状況の変化があげられる。走行経路の逸脱においては、出発地に近いほど逸脱発生の確率が低いため、目的地におけるSOCを予測する際には出発地に近い区間ほど区間SOCの変化量をそのまま使用する。具体的には、出発地に近い区間のSOC換算指標に対する重み付けλに1を設定する。これに対し出発地から遠い、つまり目的地に近い区間ほど走行経路を逸脱する確率が高くなり、ナビゲーションシステム33が探索または予測した経路と異なる経路を走行することが多くなる。しかし、この場合、出発地から遠い区間における区間SOCの変化量をどの程度にすればよいのか分からないので、区間SOCの変化は少ないと仮定する。具体的には、出発地から遠い区間のSOC換算指標に対する重み付けλを0に近づける。図6に示す特性テーブルでは、出発地に近い区間ほど分岐数が少ないから重み付けλは1となり、出発地から遠い区間ほど分岐数が多くなるから重み付けλが0に近づく。また、上述したように、分岐数に代えて出発地からの道のりや予測所要時間、あるいは区間番目としても、出発地に近い区間では重み付けλは1となり、出発地から遠い区間ほど重み付けλが0に近づく。
【0057】SOC換算指標は大きくすれば目的地における予測SOC(p_SOC(m))が小さくなる関係にあるから、目的地における予測SOC(p_SOC(m))を計算したときに、目的地における予測SOC(p_SOC(m))が目的地における目標SOC(t_SOC)より大きい場合はステップ23へ移行し、SOC換算指標を、【数10】SOCc=SOCc+α1 (α1>0)
に増加させ再計算する。逆に、目的地における予測SOC(p_SOC(m))が目的地における目標SOC(t_SOC)より小さい場合はステップ25へ移行し、SOC換算指標を、【数11】SOCc=SOCc−α1 (α1>0)
に減少させ、再計算する。
【0058】以上の計算を、目的地における予測SOC(p_SOC(m))が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで(誤差がEPS[>0]となるまで)、つまり両者の差が所定値以下になるまで繰り返し、両者がほぼ一致した場合のSOCcをSOC換算指標SOCcに決定する。ここで、α1は繰り返し演算が発散しない程度の固定とする。
【0059】ステップ26において、予測したp_SOC(j)がバッテリー保護のために設定されている上下限値を超えていないかどうかを確認する。超えていない場合は処理を終了し、超えている場合はステップ27へ進む。ステップ27ではSOC換算指標SOCcを再計算する。図16に示すように、下限値を下回る(■の線)場合には、SOC予測値が下限値を超える(■の線)までSOCcを上記数式11にしたがって小さく補正し、上限値を上まわる場合にはSOC予測値が上限値を下回るまでSOCcを上記数式10にしたがって大きく補正する。ただし、補正の過程で上限値を超え、かつ下限値を下回るケースが生じた場合には、車両の現在に近い方(jの値が小さい方)のSOC予測値p_SOC(j)をより優先させて制限内に収まるようにSOCcを数式1または数式2にしたがって補正していく。また、予測SOCが制限内に収まるようになった地点(図16の点PA)を記憶しておく。このときの目的地における予測SOC(p_SOC(m))は目標SOCに一致しないため、ステップ27で演算したSOC換算指標SOCcを目的地まで使用すれば、目的地における実SOCは目標SOCに一致しないことになる。そこで、車両が地点PAに達するまではステップ27で演算したSOC換算指標SOCcを使用し、車両が地点PAに達したことを後述のステップ31で判定した後は、SOC換算指標SOCcを演算し直し、その値に基づいて車両の運転点を決定していくことで、結果として目的地における実SOCを目標SOCにほぼ一致させる。
【0060】ステップ12でナビゲーションシステム33からm分割した区間way(j)(j=1〜m)の道路情報を新しく受信しなかったと判断した場合には、ステップ31へ移行する。ステップ31ではSOC換算指標を再計算するか否かを判定する。以下の[判定1]から[判定4]までのいずれかにより再計算を実行すると判定された場合はステップ14へ進み、それ以外の場合は処理を終了する。
【0061】まず、判定1について説明する。各分割区間way(j)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(j))とのずれが所定値より大きいか否かを判断し、大きい場合は再計算を実行する。なお、ずれの指標としては、例えば次式に示すようなものがある。
【数12】ERR_3=(d_SOC−p_SOC(i))2判定2では、現在のSOC(d_SOC)とSOC上限値または下限値との差がδSOC(例えば3%)以下(上下限の制約を受けている場合も含む)の場合には、再計算を実行する。また、判定3では、ステップ27で演算記憶した図16の地点PAに車両が到達したら再計算を実行する。さらに、判定4では、前回SOCcを演算してから5分以上経過していたら再計算を実行する。
【0062】以上の形態により、目的地までの経路に基づいて適切な燃料消費効率値であるSOC換算指標SOCcを導出する。そして、その指標値に対応する効率を達成するエンジン2とモーター1,4の運転点を決定する。
【0063】《エンジン/モーターの運転点決定方法》次に、図17および図18により、クラッチ締結時のエンジン/モーター運転点の決定方法を説明する。なお、図17の運転点A、N、B、C、D、Eは図18の運転点A、N、B、C、D、Eにそれぞれ対応する。
【0064】SOC換算指標SOCcを決定するための演算を行っているときには、仮設定中のSOCcと、各分割区間way(i)ごとの予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、エンジン2およびモーター1,4の仮の運転点を決定する。また一方、SOC換算指標SOCcの決定が終了し、実際に目的地へ向かって走行しているときには、決定したSOC換算指標SOCcと、車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいて、エンジン2およびモーター1,4の走行時の正式な運転点を決定する。なお、制駆動力指令値の演算値d_tTdは、車速検出値d_vspとアクセル開度検出値とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから表引き演算して求める。
【0065】いずれの運転点決定時においても、SOC換算指標SOCcが大きいほどバッテリー充電時の燃料利用効率が高くなる場合にだけ充電を行うように運転点を決定する。
【0066】図17は車速50km/h、制駆動力指令値1000Nのときのエンジン/モーター運転点を示し、図18は同一の車速および制駆動力指令値におけるエンジン/モーター運転点とバッテリー充電量との関係を示す。図17において、太線は同一エンジン出力を得る場合に燃料消費量が最少となる運転点を結んでできる最適燃費線であり、エンジン2、モーター1,4、無段変速機5の効率を考慮したものとなっている。エンジン/モーター運転点は、必ずこの太線上に定められる。点Aは、できる限りモーター1,4で車両を駆動(例えばメインバッテリー15から取り出せる最大の電力をモーター1,4へ供給して車両を駆動)し、不足分をエンジン2の出力でまかなう場合の運転点である。一方、点Eは、バッテリー15の充電量を多くするためにエンジン2で車両を駆動するとともにモーター1,4を駆動して発電させる場合の運転点である。
【0067】今、メインバッテリー15が放電している運転点Aにおいて、エンジン2への燃料供給量を増加していくと点Nでメインバッテリー15の充放電量が0となり、さらに点B→C→D→Eの順にメインバッテリー15の充電量が増加していく。ちなみに、図18に示すように、点Bにおける充電量はc_b[kW]、点Cにおける充電量はc_c[kW]、点Dにおける充電量はc_d[kW]、点Eにおける充電量はc_e[kW]である。
【0068】点Aにおける燃料供給量を基準として、燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatと充電電力Batの関係を図18の曲線■に示す。また、曲線■から燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatの比(=Δbat/Δfuel)を求めたものが曲線■であり、この明細書ではこの比を感度Sと呼ぶ。なお、これらの曲線■、■は予め実験などにより車速と制駆動力の条件ごとに求めておく。
【0069】図18に示すように、SOC換算指標が大きいほど大きな感度Sに対応づける。この例では、SOC換算指標=70%に対して感度Sをs170に、SOC換算指標=50%に対して感度Sをs150に、SOC換算指標=30%に対して感度Sをs130にそれぞれ設定している。
【0070】そして、SOC換算指標に応じた感度Sの充電電力Batを実現するエンジン/モーター運転点を演算する。例えば、SOC換算指標が70%の場合には、感度曲線■上の感度S=s170を満たす点B1を求め、さらに感度s170を実現する燃料供給量の曲線■上の点Bを求め、この点Bに対応する図4の点Bをエンジン2およびモーター1,4の運転点とすればよい。なお、感度Sを満たす曲線■上の点が2個ある場合は、充電電力Batが多い点を採用する。また、感度Sを満たす点が曲線■上にない場合、すなわち感度Sで充電を行うことができる運転点が今現在の車速と制駆動力の条件下では存在しない場合、図17の点Aをエンジン2およびモーター1,4の運転点とする。曲線■、■は、車速と制駆動力の条件ごとに異なるので、感度Sの最高値も車速と制駆動力の条件ごとに異なる。よって、SOC換算指標が大きい場合は、限られた車速と制駆動力の条件下でのみ、感度Sを満たす運転点を取ることができる。反対にSOC換算指標が小さい場合は、広い範囲の車速と制駆動力の条件下で感度Sを満たす運転点を取ることができる。
【0071】これにより、SOC換算指標が大きいほど、バッテリーへの充電を行う機会が少なくなり、反対にSOC換算指標が小さいほど充電の機会は多くなる。また、SOC換算指標が大きいほど充電実行時の燃料利用効率が高くなり、反対にSOC換算指標が小さいほど充電実行時の燃料利用効率が低くなる。
【0072】なお、以上の説明では、SOC換算指標に応じた感度Sを求め、さらに感度Sを実現する充電電力Batを求め、充電電力Batに対応するエンジン/モーター運転点を求める例を示したが、SOC換算指標に対する充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を関連付けたデータを記憶しておき、そのデータを読み出して充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を求めるようにしてもよい。これにより、エンジン/モーター運転点の演算を容易にできる。
【0073】また、図18の特性曲線■については、電装品の消費電力を考慮した上で、点Nより左側の放電時についてはメインバッテリー15の放電効率を、点Nより右側の充電時についてはメインバッテリー15の充電効率を考慮して関連づけるとよい。
【0074】無段変速機5の変速比は、車速とエンジン/モーター運転点の回転速度を実現する変速比に調整する。さらに、モーター1と4のトルクは、予め設定した配分にし、モーター1,4とエンジン2により目標制駆動力指令値を実現できる値を演算する。
【0075】クラッチ3の動作点は予め図19に示すように関係づけておき、この関係にしたがって締結と解放を制御する。クラッチ解放時は、エンジン2とモーター1の回転速度が一致し、定常的にはエンジン2のトルクと、モーター1のトルクのエンジン軸回り換算値とが等しいという条件のもとに、図17および図18により説明した方法によりエンジン2およびモーター1,4の運転点を決定する。
【0076】これにより、目的地までの誘導経路において、SOC換算指標SOCcを用いてエンジン2とモーター1,4の運転点が決定されることになり、目的地までの誘導経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、目的地におけるメインバッテリー15のSOCをその目標値t_SOCにすることができる。なお、エンジンとモーターの運転点の決定方法は上述した例に限定されない。
【0077】SOC換算指標SOCcを導出する他の方法として、渋滞情報を含めた道路情報から車速パターンと制駆動力パターンとを予測した上で、SOC換算指標SOCcを演算してもよい。
【0078】また、SOC換算指標SOCcの他の導出方法として、SOC換算指標SOCcを導入せずに、特開平10−150701号公報に開示されているように経路上の道路情報から区間ごとに目標SOCを設定し、その目標SOCを達成する充放電量を実現するようにエンジン2とモーター1,4の運転点を決定してもよい。この場合、車両が区間を通過する際の予測渋滞度を図8または図11の渋滞度演算処理にしたがって演算し、その渋滞度情報を含めた道路情報を基に目標SOCを設定する。また、道路情報に対する目標SOCの影響度を図6に示す重み付けλで予め関連付けておき、重み付けλに比例した補正量に基づいて目標SOCを設定する。
【0079】上述した一実施の形態ではクラッチ3の締結によりパラレルハイブリッド走行を実現するとともに、クラッチ3の解放によりシリーズハイブリッド走行も行う車両を例に上げて説明したが、もちろん、パラレルハイブリッド走行のみ、あるいはシリーズハイブリッド走行のみを行う車両へも同様に適用することができる。また、変速機の種類(無段変速機や有段変速機)やその配置、あるいは駆動方式(前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動)とその駆動源の形態(エンジンで前輪を駆動し、モーターで後輪を駆動するなど)についても、この実施の形態に限定されるものではない。
【0080】また、上述した一実施の形態では渋滞情報、イベント情報の情報源としてVICSを用いる例をあげたが、現時点における渋滞情報やイベント情報の情報源はVICSに限定されず、プローブカーや他の情報基地局から得られた情報を用いてもよい。渋滞度2の更新やVICS情報の確度の学習を行う情報源としても、自車の過去の走行履歴に限らず、他車(プローブカー)から取得した情報を情報源としてもよい。
【0081】上述した一実施の形態ではエンジンとモーターを駆動源とするハイブリッド車両を例に上げて説明したが、本願発明は発電装置として燃料電池を搭載し、モーターを走行駆動源とする車両へも適用可能であり、上述したような効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成13年6月25日(2001.6.25)
【代理人】 【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
【公開番号】 特開2003−9310(P2003−9310A)
【公開日】 平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願番号】 特願2001−191165(P2001−191165)