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【発明の名称】 車両用パワーコントロールユニット
【発明者】 【氏名】久須美 秀年
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】八木 克典
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに電圧の異なる第1電源と第2電源と、前記第1電源と前記第2電源との少なくとも一方と回転電機とに接続されるインバータと、前記第1電源と前記第2電源とに接続されるコンバータと、を備える車両に搭載され、前記インバータと前記コンバータとをユニットケースに内蔵する車両用パワーコントロールユニットであって、前記ユニットケースは導電性部材で成形されるとともにアース端子が一体に形成され、前記インバータと前記コンバータとは前記ユニットケースを介して前記アース端子に接続されることを特徴とする車両用パワーコントロールユニット。
【請求項2】 前記ユニットケース内には、前記インバータの鉛直下方に前記コンバータが内蔵されることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項3】 前記インバータと前記コンバータとの間に冷却手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項4】 前記アース端子は、前記ユニットケースの鉛直上面に形成されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項5】 前記ユニットケースは、前記アース端子を備える第1ケース部材と、第2ケース部材と、から成り、前記インバータと前記コンバータとのうちの少なくとも一方が前記第2ケース部材に接続され、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材とが通電可能に固着されることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項6】 前記インバータが前記第1ケース部材に接続され、前記コンバータが前記第2ケース部材に接続されることを特徴とする請求項5記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項7】 前記第1ケース部材と前記第2ケース部材とは、前記第1及び第2ケースの外部に取り付けられるバスバーを介して電気的に接続されることを特徴とする請求項5または6記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項8】 前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との接続部は、シール部と金属タッチ部とを備えることを特徴とする請求項5または6記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項9】 前記回転電機の励磁巻線と前記インバータとは電力線を介して接続され、前記ユニットケースの鉛直上面に前記電力線が接続される端子部を配設したことを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項10】 前記端子部は、前記ユニットケースの鉛直上面より突出し、且つ前記ユニットケース側方に向けて延設されることを特徴とする請求項9記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項11】 前記ユニットケースは、ケース本体と、鉛直方向に沿って前記ケース本体に対し脱着可能な上側ケースと、から成り、前記上側ケースの鉛直上面に、前記上側ケースの脱着時において前記端子部が挿通可能な開口部が穿設されることを特徴とする請求項10記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項12】 前記端子部と前記上側ケースの鉛直上面との間に、前記ユニットケース側方方向に沿って出し入れ可能であり、且つ前記開口部を跨いで前記上側ケースの鉛直上面に設置されて、前記端子部を支持する端子台を備えることを特徴とする請求項11記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項13】 前記端子台が、前記開口部を被覆可能に形成されることを特徴とする請求項12記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項14】 前記回転電機は三相交流回転電機であって、前記端子部は前記三相交流回転電機の励磁コイルの各相に対応して設けられることを特徴とする請求項9ないし13記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項15】 前記端子部外部を被覆するカバー部材を備え、前記カバー部材には誤組み付けを防止すべく突起又は窪みが形成されることを特徴とする請求項9ないし14いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項16】 前記ユニットケースは、車両のエンジンルーム内に配置されることを特徴とする請求項1ないし15いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項17】 前記ユニットケースは、前記エンジンルーム内車両側方のバッテリトレイに配置可能な大きさに形成されることを特徴とする請求項16記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項18】 前記ユニットケースは、前記エンジンルーム内車両側方の客室側に配置されることを特徴とする請求項16記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項19】 前記第1電源は、定格電圧が12Vの直流電源であり、前記第2電源は、定格電圧が12Vより高電圧である直流電源であって、前記ユニットケースには、前記第1電源の正極端子が取り付けられることを特徴とする請求項17記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項20】 複数の車載機器との結線用コネクタを一体化ケースに収めたことを特徴とする請求項1ないし19いずれか記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項21】 前記一体化ケースは、前記ユニットケースに脱着可能に取り付けられることを特徴する請求項20記載の車両用パワーコントロールユニット。
【請求項22】 前記複数の車載機器は作動電圧が異なる車載機器から成り、作動電圧が等しい車載機器との結線用コネクタ同士が前記一体化ケースに収められることを特徴とする請求項20または21記載の車両用電力供給装置。
【請求項23】 定格電圧12Vの第1電源系と定格電圧36Vの第2電源系とに接続される車両用パワーコントロールユニットにおいて、前記第1電源系における接続線と前記第2電源系における接続線とは互いに異なる色の被覆を有し、前記第2電源系における接続線は山吹色の被覆であることを特徴とする車両用パワーコントロールユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は、電圧の異なる2つの電源と、インバータと、コンバータとを備える車両に関し、特にインバータとコンバータとがユニット化された車両用パワーコントロールユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の異なる2つの電源とインバータとコンバータとを備える車両として、電気自動車やハイブリッド車両が知られている。この種の電気自動車やハイブリッド車両においては、車両への搭載性や作業性の向上を考慮して、インバータとコンバータとがユニット化されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような従来の電気自動車やハイブリッド車両では、一般的に、インバータやコンバータのアース線が各々に独立して備えられ、夫々のアース線を車体に接続することでアースされている。その為、部品点数の増大や配索構造の複雑化により、製造コストの増大や作業性の悪化を招く可能性が有るという問題点を有していた。
【0004】本発明は、電圧の異なる2つの電源とインバータとコンバータとを備える車両において、前述した製造コストの増大や作業性の悪化を抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の車両用パワーコントロールユニットは、互いに電圧の異なる第1電源と第2電源と、第1電源と第2電源との少なくとも一方と回転電機とに接続されるインバータと、第1電源と第2電源とに接続されるコンバータと、を備える車両に搭載され、インバータとコンバータとをユニットケースに内蔵する車両用パワーコントロールユニットであって、ユニットケースは導電性部材で成形されるとともにアース端子が一体に形成され、インバータとコンバータとはユニットケースを介してアース端子に接続されることを特徴とする。
【0006】インバータとコンバータとが、導電性部材で成形されるユニットケースを介して共通のアース端子に接続されるので、インバータとコンバータとの各々に車体に対して接続するアース線が不要となる。その結果、部品点数の減少や配索構造の簡素化が図られ、製造コストを低減することができ、また、作業性を向上させることができる。
【0007】請求項2記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1記載の構成において、ユニットケース内には、インバータの鉛直下方にコンバータが内蔵されることを特徴とする。
【0008】ユニットケース内において、インバータの鉛直下方にコンバータを内蔵しても良い。
【0009】請求項3記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1または2記載の構成において、インバータとコンバータとの間に冷却手段を備えることを特徴とする。
【0010】インバータやコンバータは作動中に熱を発生する為、冷却する必要性がある。インバータとコンバータとの間に冷却手段を備えることによって、インバータとコンバータとの両者を冷却することができるので、冷却構造の簡素化を図ることができる。
【0011】請求項4記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1ないし3いずれか記載の構成において、アース端子は、ユニットケースの鉛直上面に形成されることを特徴とする。
【0012】アース端子がユニットケースの鉛直上面に形成されるので、作業性を向上させることができる。
【0013】請求項5記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1ないし4いずれか記載の構成において、ユニットケースは、アース端子を備える第1ケース部材と、第2ケース部材と、から成り、インバータとコンバータとのうちの少なくとも一方が第2ケース部材に接続され、第1ケース部材と第2ケース部材とが通電可能に固着されることを特徴とする。
【0014】ユニットケースが第1ケース部材と第2ケース部材とで構成されるので、第1及び第2ケース部材を分解することでサービス作業性が向上する。さらに、設計上の諸事情等により、アース端子が形成されない第2ケース部材側にインバータやコンバータが接続された場合においても、アース端子が形成される第1ケース部材と第2ケース部材とが通電可能に固着されるので、インバータやコンバータはアース端子に接続され、インバータやコンバータの作動に支障をきたすおそれがない。
【0015】請求項6記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項5記載の構成において、インバータが第1ケース部材に接続され、コンバータが第2ケース部材に接続されることを特徴とする。
【0016】インバータを第1ケース部材に接続し、コンバータを第2ケース部材に接続しても良い。
【0017】請求項7記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項5または6記載の構成において、第1ケース部材と第2ケース部材とは、第1及び第2ケースの外部に取り付けられるバスバーを介して電気的に接続されることを特徴とする。
【0018】第1ケース部材と第2ケース部材とが各々の外部に取り付けられるバスバーを介して電気的に接続されるので、簡素な構成で第1ケース部材と第2ケース部材との通電を可能とすることができ、作業性を向上させることができる。また、例えば、第1ケース部材と第2ケース部材との接続部に、防水等を目的として樹脂製のシール材を介在させた場合においても、バスバーによって第1ケース部材と第2ケース部材との通電が可能となり、インバータやコンバータはアース端子に接続され、インバータやコンバータの作動に支障をきたすおそれがない。
【0019】請求項8記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項5または6記載の構成において、第1ケース部材と第2ケース部材との接続部は、シール部と金属タッチ部とを備えることを特徴とする。
【0020】第1ケース部材と第2ケース部材との接続部にシール部と金属タッチ部とを備えることで、第1ケース部材と第2ケース部材との接続部におけるシール性を確保するとともに、バスバー等の別部品を使用することなく第1ケース部材と第2ケース部材との通電を可能とすることができる。
【0021】請求項9記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1ないし8いずれか記載の構成において、回転電機の励磁巻線とインバータとは電力線を介して接続され、ユニットケースの鉛直上面に電力線が接続される端子部を配設したことを特徴とする。
【0022】ユニットケースの鉛直上面に端子部が配設されるので、端子部と電力線との結線作業時における作業性が向上する。
【0023】請求項10記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項9記載の構成において、端子部は、ユニットケースの鉛直上面より突出し、且つユニットケース側方に向けて延設されることを特徴とする。
【0024】端子部がユニットケースの鉛直上面より突出しているので、電力線との結線作業が向上する。さらに、端子部はユニットケース側方に向けて延設されるので、端子部と電力線とが結線された状態において、電力線が鉛直上方へ孕むことがなく、端子部周辺のコンパクト化を図ることができるとともに、結線作業時における作業性が向上する。
【0025】請求項11記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項10記載の構成において、ユニットケースは、ケース本体と、鉛直方向に沿ってケース本体に対し脱着可能な上側ケースと、から成り、上側ケースの鉛直上面に、上側ケースの脱着時において端子部が挿通可能な開口部が穿設されることを特徴とする。
【0026】上側ケースが鉛直方向に沿ってケース本体から脱着可能であるので、サービス作業性が向上する。さらに、上側ケースの脱着時に、端子部が開口部を挿通するので、脱着作業に支障をきたすことがない。
【0027】請求項12記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項11記載の構成において、端子部と上側ケースの鉛直上面との間に、ユニットケース側方方向に沿って出し入れ可能であり、且つ開口部を跨いで上側ケースの鉛直上面に設置されて、端子部を支持する端子台を備えることを特徴とする。
【0028】端子台によって端子部を支持することができる。さらに、上側ケースを取り外す際には、端子部と上側ケースの鉛直上面との間からユニットケース側方にスライドさせて取り出すことができ、且つ上側ケースを取り付ける際には、端子部と上側ケースの鉛直上面との間にユニットケース側方よりスライドさせて挿入することができるので、上側ケースの脱着作業時における作業性が向上する。
【0029】請求項13記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項12記載の構成において、端子台が、開口部を被覆可能に形成されることを特徴とする。
【0030】端子台によって開口部が被覆されるので、開口部から異物や水等がユニットケース内に入り込むこがない。
【0031】請求項14記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項9ないし13記載の構成において、回転電機は三相交流回転電機であって、端子部は三相交流回転電機の励磁コイルの各相に対応して設けられることを特徴とする。
【0032】端子部は、三相交流回転電機の励磁コイルの各相に対応して設けることができる。
【0033】請求項15記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項9ないし14いずれか記載の構成において、端子部外部を被覆するカバー部材を備え、カバー部材には誤組み付けを防止すべく突起又は窪みが形成されることを特徴とする。
【0034】カバー部材を取り付け方向を誤って取り付けることを回避することができる。
【0035】請求項16記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1ないし15いずれか記載の構成において、ユニットケースは、車両のエンジンルーム内に配置されることを特徴とする。
【0036】好ましくは、ユニットケースは車両のエンジンルーム内に配置されるとよい。
【0037】請求項17記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項16記載の構成において、ユニットケースは、エンジンルーム内車両側方のバッテリトレイに配置可能な大きさに形成されることを特徴とする。
【0038】電圧の異なる2つの電源とインバータとコンバータとを備える車両と、1つの電源のみを備える車両とでエンジンルーム内の設計変更を最小限とすることができる。
【0039】請求項18記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項16記載の構成において、ユニットケースは、エンジンルーム内車両側方の客室側に配置されることを特徴とする。
【0040】好ましくは、ユニットケースはエンジンルーム内車両側方の客室側に配置されるとよい。
【0041】請求項19記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項17記載の構成において、第1電源は、定格電圧が12Vの直流電源であり、第2電源は、定格電圧が12Vより高電圧である直流電源であって、ユニットケースには、第1電源の正極端子が取り付けられることを特徴とする。
【0042】従来より、一般的に、定格電圧が12Vの直流電源(12V直流バッテリ)のみを備え、その12V直流バッテリをエンジンルーム内のバッテリトレイに配置された車両が多い。例えば、12V直流バッテリを備える他車両から電力の供給を受けてエンジンを始動させる(所謂、ジャンパースタート)等の場合、パワーコントロールユニットのユニットケースがバッテリトレイに配置されていると、作業者が戸惑う可能性がある。
【0043】そこで、ユニットケースに12V直流バッテリの正極端子を取り付けることにより、作業者に戸惑いを与えることを抑制することができる。
【0044】請求項20記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項1ないし19いずれか記載の構成において、複数の車載機器との結線用コネクタを一体化ケースに収めたことを特徴とする。
【0045】パワーコントロールユニットと接続される車載機器との結線用コネクタを一体化ケースに収めることで、パワーコントロールユニットのコンパクト化を図ることができ、また、作業性が向上する。
【0046】請求項21記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項20記載の構成において、一体化ケースは、ユニットケースに脱着可能に取り付けられることを特徴する。
【0047】一体化ケースをユニットケースに対して脱着可能であるので、作業性が向上する。
【0048】請求項22記載の車両用パワーコントロールユニットは、請求項20または21記載の構成において、複数の車載機器は作動電圧が異なる車載機器から成り、作動電圧が等しい車載機器との結線用コネクタ同士が一体化ケースに収められることを特徴とする。
【0049】作動電圧が等しい車載機器との結線用コネクタ同士が一体化されるので、作業性がより一層向上する。
【0050】請求項23記載の車両用パワーコントロールユニットは、定格電圧12Vの第1電源系と定格電圧36Vの第2電源系とに接続される車両用パワーコントロールユニットにおいて、第1電源系における接続線と第2電源系における接続線とは互いに異なる色の被覆を有し、第2電源系における接続線は山吹色の被覆であることを特徴とする。
【0051】定格電圧12V系における接続線の被覆と定格電圧36V系における接続線の被覆とで色を異ならせることで、両電圧系に対する識別が容易となり作業性が向上する。
【0052】また、電力接続線の被覆色としてオレンジ色は人体に有害であることを示唆するものである。定格電圧36Vにおいては、人体に有害でないが危険ではある為、山吹色の被覆とすることで、人体に有害でないが危険ではあることを明確に示唆することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0054】図1は、本実施形態における車両のシステム構成図である。
【0055】エンジン2の出力は、トルクコンバータ4、自動変速機6を介して出力軸8に出力され、最終的に駆動輪(図示せず)に伝達される。また、これとは別にエンジン2の出力は、クランク軸2aに接続されている電磁クラッチ内蔵ダンパプーリ10を介して、ベルト14に伝達される。そして、ベルト14により伝達された出力により、プーリ16、18が回転される。尚、ダンパプーリ10に内蔵される電磁クラッチは必要に応じて接続/遮断されて、プーリ10とクランク軸2aとの間で出力の伝達/非伝達を切替可能にしている。
【0056】プーリ16には補機類20の回転軸が連結されて、ベルト14から伝達される回転力により補機類20が駆動可能とされている。補機類20としては、例えば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等が挙げられる。
【0057】プーリ18には回転電機としてのモータジェネレータ(以下、MGという)26の回転軸が連結される。MG26は、必要に応じて発電機として機能することで、プーリ18を介して伝達されるエンジン2あるいは駆動輪からの回転力を電気エネルギーに変換する。さらに、MG26は、必要に応じて電動機として機能することで、プーリ18とベルト14とを介してクランク軸2a及び補機類20の一方あるいは両方を回転させる。尚、MG26は、三相交流回転電機である。
【0058】パワーコントロールユニット100は、インバータ102とDC/DCコンバータ104とハイブリッドECU(以下、HV−ECUという)106とを備える。インバータ102とMG26とが、電力線131a、131b、131cにより接続されるとともに、インバータ102と第2電源である高電圧直流電源140(定格電圧36V)とが、電力線130bにより接続される。また、DC/DCコンバータ104とインバータ102及び高電圧直流電源140とが、電力線130cにより接続されるとともに、DC/DCコンバータ104と第1電源である低電圧直流電源150(定格電圧12V)とが、電力線130dにより接続される。尚、電力線131a、131b、131c、130b、130cの被覆は山吹色に着色され、電力線130dは黒色に着色される。
【0059】MG26が発電機として機能する場合、HV−ECU106により制御されるインバータ102は、スイッチングにより充電圧及び発電量を調整することにより、MG26が高電圧直流電源140に対して電気エネルギーの充電を行なう。また、DC/DCコンバータ104を介して低電圧直流電源150に対しても電気エネルギーの充電を行なう。
【0060】MG26による発電が行なわれていない場合においては、高電圧直流電源140と低電圧直流電源150とが接続されていることにより、高電圧直流電源140側から低電圧直流電源150側に電力が供給される。
【0061】MG26がモータとして機能する場合、HV−ECU106により制御されるインバータ102は、高電圧直流電源140からMG26へ電力を供給する。
【0062】HV−ECU106は、上述したインバータ102の制御の他に、所定のエンジン自動停止条件が成立した場合にエンジン2を自動停止させるとともに、所定のエンジン自動始動条件が成立した場合にエンジン2を自動始動させるエンジン自動停止始動制御を行なう。このエンジン自動始動時には、HV−ECU106は、プーリ10に内蔵される電磁クラッチを接続させるとともに、上述のように、インバータ102を制御して高電圧直流電源140からMG26へ電力を供給してMG26を駆動させ、エンジン2をクランキングする。また、HV−ECU106は、エンジン自動停止中においては、プーリ10に内蔵される電磁クラッチを遮断させるとともに、上述のように、インバータ102を制御して高電圧直流電源140からMG26へ電力を供給してMG26を駆動させ、補機類20を駆動させる。
【0063】次に、本実施形態における構成部品の車載位置について説明する。
【0064】図2は、本実施形態における構成部品の車載配置図である。
【0065】図2に示されるように、パワーコントロールユニット100は、エンジンルーム40内の車両側方の客室42側に配設される。パワーコントロールユニット100のユニットケース110は、12V直流電源のみを有する既存車両における該12V直流電源を配設するバッテリトレイ(図示せず)に配置可能な大きさに形成され、パワーコントロールユニット100は、該バッテリトレイ上に配設される。
【0066】また、高電圧直流電源140及び低電圧直流電源150は、車両後部に搭載される。
【0067】次に、本実施形態におけるパワーコントロールユニット100の構造について詳細に説明する。
【0068】図3は、本実施形態におけるパワーコントロールユニット100の縦断面を示す図である。図4は、カバー126を取り外した状態でのパワーコントロールユニット100の正面図である。図5は、カバー126を取り付けた状態でのパワーコントロールユニット100の正面図である。図6は、カバー126の斜視図である。図7は、図6におけるA−A線縦断面図である。
【0069】ユニットケース110は、金属等の導電性材料で成形される上側ケース110aとケース本体110bとから成り、上側ケース110aが鉛直上方に向けてケース本体110bに対して脱着可能に固着される。上側ケース110aとケース本体110bとは、一端が上側ケース110aの外部に接続され、他端がケース本体110bの外部に接続される金属製のバスバー118により、互いに通電可能とされる。また、上側ケース110aの上面には、アース端子112が一体に形成される。
【0070】ユニットケース110内では、インバータ102の鉛直下方にDC/DCコンバータ104が内蔵される。インバータ102のマイナス側端子は接点114aにて上側ケース110aに接続され、DC/DCコンバータ104のマイナス側端子は接点114bにてケース本体110bに接続される。したがって、上述のように、アース端子112が形成される上側ケース110aとケース本体110bとが通電可能に接続されているので、インバータ102とDC/DCコンバータ104とは、ユニットケース110を介して、共通のアース端子112に接続されることとなる。共通のアース端子112からは図示しない接続線によって、車体側にアースが取られる。
【0071】略L字状に形成されたバスバー160a、160b、160c(U相、V相、W相)は、一端部がインバータ102に接続され、他端部が上側ケース110aの上面に穿設される開口部120を挿通して上側ケース110aの上面より突出し、その先端部がユニットケース側方(車両前方)に向かうように延設されて、端子部162a、162b、162c(U相、V相、W相)を形成する。端子部162a、162b、162cには、MG26のステータコイル(図示せず)のU相、V相、W相各相からの電力線131a、131b、131cが結線され、インバータ102とMG26とが接続される。
【0072】開口部120は、端子部162a、162b、162cの鉛直上方視面積の総和より大きい開口面積を有し、上側ケース110aの脱着時に、端子部162a、162b、162cが挿通可能に穿設されている。
【0073】端子部162a、162b、162cと上側ケース110aとの間には、ユニットケース110側方方向にスライドさせて出し入れ可能で、さらに、端子部162a、162b、162cを支持しつつ開口部120を被覆する端子台122が設置される。
【0074】端子部162a、162b、162cの鉛直上方には、端子部162a、162b、162cの外部上方を被覆するカバー126が取り付けられる。図6および図7に示されるように、カバー126には、組み付け方向を誤って組み付けることを防止すべく、突起127と、上側ケース110aに形成される凸部に噛合する窪み128とが形成される。
【0075】上側ケース110aの上面には、低電圧直流電源150の正極端子152が、カバー154に被覆されて取り付けらている。カバー154の上面には、定格電圧12Vであることを作業者に明確に伝えるべく、「+12V」の表記がなされる。
【0076】インバータ102とDC/DCコンバータ104との間には冷却手段としての冷却水路180が設けられる。冷却水路180へは、配管180aから冷却水が注入され、配管180bから外部へ排出される。
【0077】パワーコントロールユニット100は、車載機器としての電流センサ190、温度センサ192、シャシーECU194、エンジンECU196等と接続する為のコネクタ170a、170b、170c、170dを備える。コネクタ170a〜170cは、それらが接続される電流センサ、温度センサ、シャシーECU等の作動電圧が12Vで等しい為、一体化ケース172に収納されている。一体化ケース172は、上側ケース110aの上面に脱着可能に取り付けられており、パワーコントロールユニット100内部と一体化ケース172とを接続するハーネス174は、ケース本体110bの側壁よりパワーコントロールユニット100内部に挿入されている。
【0078】また、コネクタ170eは、パワーコントロールユニット100内の界磁回路とMG26のロータに巻回される界磁コイルとを接続する為のものであり、電力線133の被覆は山吹色に着色されている。
【0079】尚、ここでの上側ケース110aは第1ケース部材に相当し、ケース本体110bは第2ケース部材に相当するものである。
【0080】以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
・インバータ102とコンバータ104とが、導電性部材で成形されるユニットケース110を介して共通のアース端子112に接続されるので、インバータ102とコンバータ104との各々に車体に対して接続するアース線が不要となる。その結果、部品点数の減少や配索構造の簡素化が図られ、製造コストを低減することができ、また、作業性を向上させることができる。
・インバータ102やコンバータ104は作動中に熱を発生する為、冷却する必要性があるが、インバータ102とコンバータ104との間に冷却水路180を備えることによって、インバータ102とコンバータ104との両者を冷却することができるので、冷却構造の簡素化を図ることができる。
・アース端子112がユニットケース110の鉛直上面に形成されるので、作業性を向上させることができる。
・ユニットケース110の鉛直上面に端子部162a〜162cが配設されるので、端子部162a〜162cと電力線131a〜131bとの結線作業時における作業性が向上する。
・端子部162a〜162cがユニットケース110の鉛直上面より突出しているので、電力線131a〜131bとの結線作業が向上する。さらに、端子部162a〜162cはユニットケース110側方に向けて延設されるので、端子部162a〜162cと電力線131a〜131bとが結線された状態において、電力線131a〜131bが鉛直上方へ孕むことがなく、端子部162a〜162c周辺のコンパクト化を図ることができるとともに、結線作業時における作業性が向上する。
・ユニットケース110が上側ケース110aとケース本体110bとで構成され、上側ケース110aが鉛直上方に向けてケース本体110bに対して脱着可能であるので、上側ケース110aを鉛直上方へ向けてケース本体110bから取り外すことで、容易にメンテナンス等を行なうことができ、サービス作業性が向上する。また、上側ケース110aの脱着時には、端子部162a〜162cを支持する端子台122を、端子部162a〜162cと上側ケース110aの鉛直上面との間からユニットケース110側方にスライドさせて取り出すことで、端子台122によって被覆されていた開口部120が開口し、端子部162a〜162cが干渉することなく、上側ケース110aの脱着作業を行なうことができる。また、上側ケース110aを取り付ける際に、端子台120を、端子部162a〜162cと上側ケース110aの鉛直上面との間にユニットケース110側方よりスライドさせて挿入するという容易な作業を行なうだけで、上側ケース110a取り付け後において、端子部162a〜162cの支持と、開口部120からの異物や水等の侵入防止と、を両立する構成が得られる。
・パワーコントロールユニット100と接続される車載機器との結線用コネクタ170a〜170cを一体化ケース172に収めることで、パワーコントロールユニット100のコンパクト化を図ることができ、また、作業性が向上する。さらに、一体化ケース172をユニットケース110に対して脱着可能であるので、上側ケース110aの脱着時等の作業性が向上する。さらに、作動電圧が等しい車載機器との結線用コネクタ同士が一体化されるので、作業性がより一層向上する。
・カバー126には、突起127と、上側ケース110aに形成される凸部に噛合する窪み128とが形成されるので、カバー126の取り付け方向を誤って取り付けることを回避することができる。
・ユニットケース110は、エンジンルーム内車両側方のバッテリトレイに配置可能な大きさに形成されるので、2電源系をを備える車両と、1つの電源のみを備える車両とでエンジンルーム内の設計変更を最小限とすることができる。
・ユニットケース110に、低電圧直流電源150(定格電圧12V)の正極端子を取り付けたので、例えば、12V直流バッテリを備える他車両から電力の供給を受けてエンジンを始動させる(所謂、ジャンパースタート)等の場合においても、作業者に戸惑いを与えることを抑制することができる。
・定格電圧12V系における接続線の被覆と定格電圧36V系における接続線の被覆とで色を異ならせることで、両電圧系に対する識別が容易となり作業性が向上する。また、定格電圧36Vにおいては、人体に有害でないが危険ではある為、接続線131a〜131c、130b、130c、133は山吹色の被覆とすることで、人体に有害でないが危険ではあることを明確に示唆することができる。
[その他の実施の形態]
・上記実施形態では、上側ケース110aとケース本体110bとの通電をバスバー118によって可能とした例を示したが、上側ケース110aとケース本体110bとの接続部において、金属同士で直接接続される金属タッチ部を形成してもよい。なお、この場合、接続部の一部に金属タッチ部を形成し、他の部位はシール部として構成すれば、接続部におけるシール性を確保するとともに、バスバー等の別部品を使用することなく上側ケース110aとケース本体110bとの通電を可能とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成13年6月15日(2001.6.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−9301(P2003−9301A)
【公開日】 平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願番号】 特願2001−182325(P2001−182325)