トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 変速機制御機構
【発明者】 【氏名】阿部 恭一
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】見市 善紀
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【要約】 【課題】車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した車両において、オートクルーズコントロール装置が不作動とされているとき、車間距離の縮小に応じてエンジンブレーキ力を増大させる。

【解決手段】オートクルーズコントロール装置2が車速設定スイッチ3、車速センサ4、及び、車間距離センサ5からそれぞれ検知信号を受けて、CVT7の変速比を制御するが、オートクルーズコントロール装置2が不作動とされているとき、車間距離センサ5から検知信号を受ける制御装置10は、前車との相対速度に関連して前車との距離が所定の安全値より小ならば、CVT7の変速比を大きく増大させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した車両において、上記オートクルーズコントロール装置が不作動とされているとき、上記車間距離センサにより検出された車間距離が前車との相対速度に関連した所定値より小さい場合に、上記オートクルーズコントロール装置が作動しているとき上記相対速度で上記車間距離の場合に設定される変速機の変速比よりも大きな変速比に上記変速機を調節する制御装置をそなえた変速機制御機構。
【請求項2】 請求項1において、上記制御装置により調節された上記変速比が一定値である変速機制御機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した車両における変速機制御機構、とくに、車間距離の縮小に応じて変速機の変速比を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した従来の車両においては、車速設定に応じてオートクルーズコントロール装置がエンジンの出力や変速機の変速比を制御することにより設定車速を維持し、かつ、設定車速と関連して前車との距離が縮小したために危険性が生じた場合には、変速機の変速比を増加させてエンジンブレーキ力を増大させることにより、車両が減速するように制御している。
【0003】しかしながら、変速機が、とくに、CVTや遊星歯車式変速機等の自動変速機である場合には、オートクルーズコントロール装置が不作動とされていると、アクセルペダルがオフとされたときのエンジンブレーキ力が一般に小さくて、結果的にブレーキペダルを踏む頻度が増加しやすくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した車両において、オートクルーズコントロール装置が不作動とされているとき、車間距離の縮小に応じてエンジンブレーキ力を増大させようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかかる変速機制御機構は、車間距離センサ付きオートクルーズコントロール装置を装備した車両において、上記オートクルーズコントロール装置が不作動とされているとき、上記車間距離センサにより検出された車間距離が前車との相対速度に関連した所定値より小さい場合に、上記オートクルーズコントロール装置が作動しているとき上記相対速度で上記車間距離の場合に設定される変速機の変速比よりも大きな変速比に上記変速機を調節する制御装置をそなえている。
【0006】すなわち、オートクルーズコントロール装置が不作動とされているとき、車間距離センサにより検出された車間距離が前車との相対速度に関連した所定値より小さいため車両に危険性が生じる場合に、制御装置が、オートクルーズコントロール装置が作動しているときにおける変速機の設定変速比よりも大きな変速比に変速機を調節するので、エンジンブレーキ力を増大させることができて、上記車両の危険性を容易に低減させることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施形態例について説明する。
【0008】図1において、車両に装備されてスイッチ1のオンオフにより作動あるいは不作動とされるオートクルーズコントロール装置2は、車速設定スイッチ3、車速センサ4、及び、車間距離センサ5からそれぞれ検知信号を受けていて、スイッチ1のオンにより作動とされているときには、上記検知信号に応じてエンジン6の出力、CVT7の変速比等を制御して、車両の走行速度を車速設定スイッチ3により選定された車速を保持し、また、車間距離センサ5からの検知信号に基づき計測した前車との相対速度に対応してそれぞれ前車との安全距離を設定していて、前車との距離がこの安全距離にまで縮小したときには、その距離を維持して前車を追尾しながら走行するように、エンジン6の出力、CVT7の変速比等を制御するようにすると共に、上記安全距離よりも車間距離が縮小した場合には、CVT7の変速比を増加させてエンジンブレーキ力を増大させることにより、車両が減速するように制御している。
【0009】他方、車間距離センサ5の検知信号が制御装置10へも送られ、制御装置10は、その検知信号に基づき図2のフローチャートに従ってCVT7の変速比を調節する。
【0010】すなわち、ステップS1においてスイッチ1のオンオフがチェックされ、スイッチ1がオンとなっていればステップS2へ移行して、制御装置10が車間距離センサ5からの検知信号に基づき前車との相対速度ΔV及び前車との距離Dを計測し、次のステップS3で相対速度ΔV及び前車との距離Dに応じてCVT7の変速比をオートクルーズコントロール装置2が制御するが、スイッチ1がオフとなっていればステップS4へ進む。
【0011】ステップS4では、制御装置10が車間距離センサ5からの検知信号に基づき前車との相対速度ΔV及び前車との距離Dを計測すると共に、相対速度ΔVに相応する前車との安全距離(前車との近接に伴う危険性を回避できる最小的な基準距離)D0 を演算して、ステップS5へ進む。
【0012】ステップS5では、制御装置10が距離Dと安全距離D0 との大小を比較し、D≧D0 ならばステップS4へ移行して、CVT7の変速比が通常のように制御されるが、D<D0 ならばステップS7へ進む。
【0013】ステップS7において、制御装置10は、オートクルーズコントロール装置2が作動しているとき、前車との相対速度が同じΔVで、かつ、前車との距離が同じDである場合に設定されるCVT7の変速比よりも大きな変速比となるように、例えば、変速比を一気に約10〜15%増加させ、あるいは、常に一定の大きな値に変化させるように、CVT7を調節する。
【0014】従って、エンジン6によるエンジンブレーキ力が増大して、車両の強制的な減速が実現されることとなり、前車との近接に伴う危険性を容易に回避して、車両の安全性を高めることができ、また、ブレーキペダルを踏む頻度を確実に低減させて、車両の操縦性を良好とすることができる。
【0015】しかも、オートクルーズコントロール装置2に付属されていた車間距離センサ5を、オートクルーズコントロール装置2の不作動時にもそのまま利用しているため、コストアップを最小限に抑制することができる大きな利点がある。
【0016】なお、上記実施形態例においては、変速機としてCVTが使用されているが、遊星歯車式自動変速機、歯車式手動変速機等の変速機における変速段やギヤ比を上記実施形態例の場合と同様に変化させることにより、上記実施形態例と同等の制御を行わせることができるのはいうまでもない。
【0017】
【発明の効果】本発明にかかる変速機制御機構にあっては、オートクルーズコントロール装置が不作動とされていても、前車との車間距離が前車との相対速度に関連した所定値より小さいため車両に危険性が生じる場合に、制御装置が変速機の変速比を大きく変化させて、エンジンブレーキ力を増大させることができるため、車両の危険性を容易に低減させることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
【出願日】 平成14年3月20日(2002.3.20)
【代理人】 【識別番号】100066278
【弁理士】
【氏名又は名称】日昔 吉武
【公開番号】 特開2003−267087(P2003−267087A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−77702(P2002−77702)