| 【発明の名称】 |
四輪駆動車の走行システム |
| 【発明者】 |
【氏名】野尻 博海 【住所又は居所】静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエヌ株式会社内
【氏名】永野 佳孝 【住所又は居所】静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエヌ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】4WDモード、2WDモードおよび4WDと2WDを自動的に切換えるAUTOモードを備えた四輪駆動車が四輪駆動状態であることを車両運転者に知らせることができるようにすることである。
【解決手段】前輪6に対する駆動トルクの伝達と遮断を切換えて二輪駆動と四輪駆動を選択できる回転伝達装置10をツーウェイクラッチ11と、そのツーウェイクラッチ11の係合を制御する電磁クラッチ12とで構成する。車両運転者の運転中に見える位置に係合中ランプ35を設ける。回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11が係合されている間、係合中ランプ35を点灯させ、その点灯によって四輪駆動車が四輪駆動状態であることを車両運転者に知らせるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪に対する駆動トルクの伝達と遮断を切換えて二輪駆動と四輪駆動を選択できる回転伝達装置を有し、その回転伝達装置が、ツーウェイクラッチと、そのツーウェイクラッチの係合を制御する電磁クラッチとで構成され、その回転伝達装置のツーウェイクラッチが係合しているか否かを判別する判別手段を具え、その判別手段の判別結果を表示手段によって表示する四輪駆動車の走行システム。 【請求項2】 前記判別手段が、前輪の回転に対応するパルス数と、後輪の回転に対応するパルス数のパルス数差が設定値を超えたかに基づいてツーウェイクラッチの係合を判別する構成とされ、前記電磁コイルに対する通電によって表示手段を係合表示とし、判別手段によりツーウェイクラッチの係合解除を判別した際に表示手段を解除表示とすることを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車の走行システム。 【請求項3】 前記電磁クラッチに対する通電を開始したのち、後輪の回転に対応するパルス数と、前輪の回転に対応するパルス数のパルス数差が設定値を超えた場合に表示手段を係合表示とする請求項1又は2に記載の四輪駆動車の走行システム。 【請求項4】 前記表示手段が、ランプから成り、点灯を係合表示とし、消灯を解除表示とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の四輪駆動車の走行システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車両の後輪を駆動する駆動経路上に、前輪に対して駆動力の伝達と遮断の切換えを行なう回転伝達装置を装着したFRベースの四輪駆動車における走行システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】図1に示すように、エンジン1からトランスミッション2に伝達される動力を後輪プロペラシャフト3に伝達して後輪4を駆動し、その後輪駆動経路上に回転伝達装置10を組込み、その回転伝達装置10により二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)の切換えを行ない、四輪駆動を選択した場合に、後輪プロペラシャフト3の回転を前輪プロペラシャフト5に伝達して前輪6を駆動するようにしたFRベースの四輪駆動車を本件出願人は既に提案している。 【0003】ここで、前記回転伝達装置10は、図2(I)、(II)に示すように、ツーウェイクラッチ11と、そのツーウェイクラッチ11の係合を制御する電磁コイル12とから成る。 【0004】ツーウェイクラッチ11には、ローラタイプのツーウェイクラッチとスプラグタイプのツーウェイクラッチとが存在する。 【0005】図2(I)、(II)では、ローラタイプのツーウェイクラッチ11が示されている。このツーウェイクラッチ11は、後輪プロペラシャフト3に連結される内輪13の外周にカム面14を形成し、そのカム面14と外輪15の円筒形内面16間にローラから成る係合子17を組込み、その係合子17を保持する保持器18にスイッチばね19の弾性力を付与して、係合子17がカム面14と円筒形内面16に対して係合しない係合解除位置に保持器18を保持するようにしている。 【0006】電磁コイル12は、保持器18に対して軸方向で対向する位置に配置され、その電磁コイル12と保持器18との間に、外輪15に対して回り止めされた摩擦フランジ20と、アーマチュア21とが組込まれ、前記アーマチュア21は保持器18に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能とされている。 【0007】上記の構成から成る回転伝達装置10においては、電磁コイル12に対する通電によってツーウェイクラッチ11を係合させ、内輪13の回転を外輪15に伝えるようにしている。外輪15の回転は、図1に示すように、チェーン伝動機構等の伝動機構7を介して前輪6を駆動する前輪プロペラシャフト5に伝達されるようになっている。 【0008】上記のような回転伝達装置10を装着した四輪駆動車においては、2WDモードや4WDモードという車両走行モードの他に、車両の走行状態に合わせて、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)を自動的に切換えるAUTOモードが追加されている。 【0009】AUTOモードの走行状態において、二輪駆動と四輪駆動を自動的に切換える制御として、後輪4および前輪6の回転数をABSセンサS1 乃至S4 で検出し、その後輪4と前輪6の回転数差または回転数変化を利用したものが知られている(特開平8−175206号公報、特開平11−201195号公報)。 【0010】AUTOモードでは、雪道や氷上などの路面の摩擦係数μが低い低μ路において、後輪4がスリップした場合、あるいはエンジンブレーキが発生した場合、車両のスピンを防止するため、回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11を係合させるようにしている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】ところで、AUTOモードや、4WDモードから2WDモードに切換えた場合に、電磁コイル12に対する通電を遮断するが、ツーウェイクラッチ11の係合時のトルクが残留して、車両が二輪駆動にならないことがある。 【0012】例えば、上記回転伝達装置10においては、図3(I)で示すように、内輪13が外輪15よりも速く回転している状態で図2(I)に示す電磁コイル12に通電していないとき、係合子17はカム面14および円筒形内面16に対して非係合の中立位置に保持され、ツーウェイクラッチ11は係合解除状態にある。 【0013】その係合解除状態において、電磁コイル12に通電すると、アーマチュア21が摩擦フランジ20に吸着され、保持器18に回転抵抗が付与されるため、内輪13と保持器18は相対的に回転し、図3(II)に示すように、係合子17がカム面14および円筒形内面16に係合する。 【0014】このとき、電磁コイル12に対する通電を遮断しても、係合子17は図3(III )で示すように、係合状態に保持され、内輪13の回転が外輪15に伝達され、両輪13、15は同速度で回転する。 【0015】上記のような回転伝達状態において、例えば、車両がコーナを曲がるときのように、前輪6を駆動する外輪15の回転速度が後輪4を駆動する内輪13の回転速度を上回ると、図3(IV)で示すように、係合子17の係合が解除され、内輪13から外輪15への回転伝達が遮断される。 【0016】したがって、AUTOモードや4WDモードで係合子17がカム面14および円筒形内面16に係合しているときに、2WDモードに切換えて電磁コイル12への通電を遮断しても、内・外輪13、15の回転数の大小関係が反対になるまで係合子17は係合状態に保持され、車両は四輪駆動状態に保持される。 【0017】このとき、車両運転者は、四輪駆動状態にあることを予測しておらず、車両操作に違和感を得ることになる。 【0018】この発明の課題は、4WDモード、2WDモードおよび4WDと2WDを自動的に切換えるAUTOモードを備えた四輪駆動車において、四輪駆動状態であることを車両運転者に知らせることができるようにすることである。 【0019】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、この発明においては、前輪に対する駆動トルクの伝達と遮断を切換えて二輪駆動と四輪駆動を選択できる回転伝達装置を有し、その回転伝達装置が、ツーウェイクラッチと、そのツーウェイクラッチの係合を制御する電磁クラッチとで構成され、その回転伝達装置のツーウェイクラッチが係合しているか否かを判別する判別手段を具え、その判別手段の判別結果を表示手段によって表示する構成を採用したのである。 【0020】上記のように構成すれば、表示手段の表示を確認することによって、四輪駆動状態にあるかどうかを判別することができる。 【0021】この発明に係る四輪駆動車の走行システムにおいて、前記判別手段として、前輪の回転に対応するパルス数と、後輪の回転に対応するパルス数のパルス数差が設定値を超えたかに基づいてツーウェイクラッチの係合を判別する構成のものを採用することができる。このような判別手段を採用する場合は、電磁コイルに対する通電によって表示手段を係合表示とし、前記判別手段によりツーウェイクラッチの係合解除を判別した際に表示手段を解除表示とする表示方法を採用することができる。また、表示手段として係合中ランプを点灯あるいは消灯させるようにしてもよい。この場合、点灯を係合表示とし、消灯を解除表示とする。 【0022】ここで、車両の停止状態において、電磁コイルに通電しても回転伝達装置のツーウェイクラッチは係合せず、アクセルを踏み込んで車両を走行させたときにツーウェイクラッチは係合状態とされる。 【0023】そのため、係合中ランプ等の表示手段の表示に際し、電磁コイルに対して通電を開始したのち、後輪の回転に対応するパルス数と前輪の回転に対応するパルス数のパルス数差が設定値を超えた場合に係合中ランプ等の表示装置を表示状態にするようにしている。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。FRベースのパートタイム四輪駆動車は図1乃至図3に示した通りであり、その四輪駆動車には、図4に示すように、車両の走行モードを切換えるモード切換えスイッチ30と、走行モードを表示するモード表示部31とが設けられている。 【0025】モード表示部31は、2WDモードランプ32、AUTOモードランプ33、4WDモードランプ34、係合中ランプ35を有し、前記モード切換えスイッチ30で2WDを選択すると、2WDモードランプ32が点灯されるようになっている。また、モード切換えスイッチ30でAUTOモードを選択すると、AUTOモードランプ33が点灯され、さらに、4WDモードを選択すると、4WDモードランプ34が点灯されるようになっている。 【0026】一方、係合中ランプ35は、回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11が係合状態にある間、点灯状態とされる。 【0027】ここで、4WDの走行状態では、ツーウェイクラッチ11が係合状態にあるため、4WDモードランプ34と係合中ランプ35を兼用することもできる。 【0028】上記のモード表示部31は、車両運転者が運転中において視認し得る位置に設けられている。 【0029】回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11は、前述のように、例えば、外輪15の回転速度が内輪13の回転速度とを下回るときに電磁コイル12に通電すると係合状態とされ、その通電が遮断され、外輪15の回転速度が内輪13の回転速度を上回ると係合解除状態とされるため、第1の実施形態では、ツーウェイクラッチ11の係合判定を行ない、係合と判定されたとき係合中ランプ35を点灯させるようにしている。 【0030】ツーウェイクラッチ11の係合判定に際し、パルス発生器としての回転エンコーダを使用している。使用する回転エンコーダは、図1に示すように、後輪プロペラシャフト3の回転速度を検出する後輪スピードセンサS5 と前輪プロペラシャフト5の回転速度を検出する前輪スピードセンサS6 の組み合わせか、または、アンチロックブレーキシステムに使用されている後輪左右のABSセンサS1、S2 から出力される回転数の平均値と前輪左右のABSセンサS3 、S4 から出力される回転数の平均値における回転差を利用している。 【0031】回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11の係合状態では、後輪プロペラシャフト3と前輪プロペラシャフト5は同速度で回転しているため、両者の回転差は発生しない。回転差は、後輪の回転に応じて回転エンコーダから出力される回転パルスと、前輪の回転に応じて回転エンコーダから出力される回転パルスを検出して求めるが、両者の回転エンコーダが全く同時に回転パルスを発生することはなく、図5に示すように、位相差が生じる状態で回転パルスが出力されることになる。 【0032】この場合、前輪回転パルスと後輪回転パルスとは最大1パルス分の位相差が生じる。このため、ツーウェイクラッチ11の係合時におけるパルス差は最大1パルスとなる。 【0033】回転伝達装置10のツーウェイクラッチ11が係合していない2WDでの走行状態では、摩擦力の高い平坦な道路を完全に直進走行していない限り、前輪6と後輪4に回転差が生じ、両者の間には必ず回転差が発生する。 【0034】このため、前輪6と後輪4の回転差を監視すれば、回転伝達装置10の係合状態を検出することができる。 【0035】図6に示すように、ツーウェイクラッチ11の係合を制御する電磁コイル12への通電中は前記ツーウェイクラッチ11が係合しているので、通電を開始したら係合と判断して係合中ランプ35を点灯させるようにしている。そして、電磁コイル12に対する通電を遮断してから、回転パルス差が所定の範囲内(実施形態では±2パルス内)に保たれている間まではツーウェイクラッチ11が係合していると判断し、一度でも所定の範囲を超えた場合に係合解除されたと判断して係合中ランプ35を消灯させるようにしている。 【0036】上記のように、ツーウェイクラッチ11が係合している間、係合中ランプ35を点灯状態としておくことによって、係合中ランプ35が点灯しているか否かによって、四輪駆動状態にあるかどうかを判別することができる。 【0037】第1の実施形態では、電磁コイル12に通電されると係合中ランプ35を点灯させるようにしたが、係合中ランプ35が点灯していても、回転駆動装置10のツーウェイクラッチ11は係合状態になっていない場合が考えられる。 【0038】例えば、車両の停止中に電磁コイル12に通電されると、ツーウェイクラッチ11の内・外輪13、15に回転差はなく、ツーウェイクラッチ11は係合しない。アクセルを踏んで車両が発進すると、FRベースの四輪駆動車では後輪4が先に回転し、そのとき、電磁コイル12が通電されていれば、後輪4と前輪6の相互間に発生する回転差によって、ツーウェイクラッチ11は係合することになる。 【0039】このように、停止中に電磁コイル12に通電してもツーウェイクラッチ11は係合していないので、第2の実施形態では、電磁コイル12に通電し、その通電中に後輪4と前輪6の相互間に回転差が発生したら、ツーウェイクラッチ11が係合状態にあると判断して係合中ランプ35を点灯させるようにしている。 【0040】後輪4と前輪6の回転差は、第1の実施形態と同様に、回転パルス数差で判定するが、後輪4と前輪6が等しい回転数であっても両者の回転エンコーダが同時に回転パルスを発生することはなく、最大1パルス分の位相差が存在するため、前記回転パルス数差は2パルス以上とする。 【0041】上記のような係合中ランプ35の点灯制御によって、ツーウェイクラッチ11が係合状態にあるか否かを正確に判別することができる。 【0042】 【発明の効果】以上のように、この発明においては、2WDモード、4WDモードおよび走行状態により2WDと4WDを自動的に切換えるAUTOモードを備えた四輪駆動車において、回転伝達装置のツーウェイクラッチが係合しているか否かを判別手段によって判別し、その判別手段の判別結果を表示手段により表示するようにしたので、表示手段の表示によって四輪駆動状態にあることを車両運転者に知らせることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102692 【氏名又は名称】NTN株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市西区京町堀1丁目3番17号
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| 【出願日】 |
平成14年3月19日(2002.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267083(P2003−267083A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−76324(P2002−76324) |
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