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【発明の名称】 自動変速機
【発明者】 【氏名】菊地 雅彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】レンジ位置以外の車両情報が表示されるときに画面上での車両情報表示面積を減少させることなく、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合、この即時性要求に応えることができる自動変速機を提供すること。

【解決手段】ナビゲーションシステムが搭載された車両に適用され、表示画面12上にレンジ位置を示す記号が表示されるシフトレンジ選択画面であるとき、レンジ位置を示す記号のいずれかを選択するナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを有する自動変速機において、表示画面12上にレンジ位置以外の車両情報が表示される車両情報メニュー選択画面等であるとき、表示画面12に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を行うナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを追加した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タッチパネル式の表示画面を有するナビゲーションシステムを搭載した車両であって、前記表示画面上にレンジ位置を示す記号が表示されている第1表示状態であるとき、表示画面の中から記号を表示している部分を触れることによりレンジ位置を選択すると、選択したレンジ位置への切り換えをアクチュエータにて行う自動変速機において、前記表示画面上にレンジ位置以外の車両情報が表示される第2表示状態であるとき、この第2表示状態の画面上にレンジ位置を表すシンボルを画面に触れながら表記すると、表記したシンボルに対応するレンジ位置への切り換えをアクチュエータにて行う画面表記レンジ切換制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機。
【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機において、前記表示画面上に入力された線軌跡が、予め定められたレンジ位置を表すシンボルと一致するか否かを判断するシンボル入力判断手段を設け、前記画面表記レンジ切換制御手段は、第2表示状態の画面上にレンジ位置を表すシンボルを画面に触れながら表記し、かつ、前記シンボル入力判断手段によりレンジ位置を表すシンボルのいずれかと一致すると判断されると、判断されたシンボルに対応するレンジ位置への切り換えをアクチュエータにて行うことを特徴とする自動変速機。
【請求項3】 請求項2に記載された自動変速機において、前記画面表記レンジ切換制御手段は、前記シンボル入力判断手段により、第2表示状態の画面上に表記したシンボルが、予め定められたレンジ位置を表すシンボルのいずれかと一致すると判断された場合、切り換えようとするレンジ位置を表示する画面に切り換え、その表示画面を触れることで運転者のレンジ切換意思を確認した後、アクチュエータによるレンジ切り換えを実行することを特徴とする自動変速機。
【請求項4】 請求項2または請求項3に記載された自動変速機において、前記シンボル入力判断手段により、第2表示状態の画面上に表記したシンボルが、予め定められたレンジ位置を表すいずれのシンボルとも一致しないと判断された場合、前記表示画面を、レンジ位置を示す記号が表示される第1表示状態に切り換える表示画面切換手段を設けたことを特徴とする自動変速機。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかに記載された自動変速機において、前記自動変速機は、シフトレバー操作によりレンジ位置を選択すると、シフトレバースイッチから電気的信号によるレンジ位置信号を出力し、このレンジ位置信号を入力した電子制御手段からコントロールバルブユニット内のマニュアルバルブを動作させるアクチュエータに対し、入力したレンジ位置信号に対応するレンジ位置への切り換え指令を出力するシフトバイワイヤ式変速機構を有することを特徴とする自動変速機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナビゲーションシステムが搭載された車両に適用され、レンジ位置の切り換え機能をナビ画面入力により与えた自動変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナビゲーションシステムが搭載された車両に適用され、レンジ位置の切り換え機能をナビ画面入力により与えた自動変速機としては、例えば、特開2000−240774号公報に記載のものが知られている。
【0003】この従来公報には、ナビゲーションシステムの表示画面上にレンジ位置(例えば、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,Lレンジ等)を示す記号(例えば、P,R,N,D,L等)が表示されているとき、表示画面の中から記号を表示している部分を触れることによりレンジ位置を選択すると、選択したレンジ位置への切り換えがアクチュエータにて行われる技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の自動変速機にあっては、ナビゲーションシステムの表示画面上にレンジ位置を表示させるためには、複数回のメニュー選択操作を必要とする場合が多いため、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合(例えば、下り坂でのシフトダウンによるエンジンブレーキの利用、車庫入れ時の前後進の切り換え等)、この即時性要求に応えることができない。
【0005】そこで、既存のシステムにて、即時性が求められる処理に関して、常時、画面上に選択ボタン表示を配置することによって対応することも可能である。
【0006】しかし、この場合、他の用途に使用される画面上の情報表示面積が、レンジ位置の選択ボタン表示により一部の面積が常に占有される分、減少することになるという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、レンジ位置以外の車両情報が表示されるときに画面上での車両情報表示面積を減少させることなく、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合、この即時性要求に応えることができる自動変速機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、ナビゲーションシステムが搭載された車両に適用され、表示画面上にレンジ位置を示す記号が表示される第1表示状態であるとき、レンジ位置を示す記号のいずれかを選択するナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを有する自動変速機において、表示画面上にレンジ位置以外の車両情報が表示される第2表示状態であるとき、画面に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を行うナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを追加した。
【0009】
【発明の効果】よって、本発明の自動変速機にあっては、第1表示状態以外の第2表示状態であっても、この第2表示状態の画面に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を行うナビ画面への入力によりレンジ位置が切り換えられるため、レンジ位置以外の車両情報が表示されるときに画面上での車両情報表示面積を減少させることなく、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合、この即時性要求に応えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動変速機を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4,5に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0011】(第1実施例)まず、構成を説明する。図1は第1実施例の自動変速機を示す全体システム図である。図1において、1は自動変速機、2はコントロールバルブユニット、3はアクチュエータ、4は第1シフトソレノイド、5は第2シフトソレノイド、6はATコントローラ(電子制御手段)、7はスロットル開度センサ、8は車速センサ、9はシフトレバー、10はシフトレバースイッチ、11はナビゲーションシステムのタッチパネル式の入力モニタ、12は入力モニタ11の表示画面である。
【0012】前記自動変速機1は、変速制御油圧回路を内臓したコントロールバルブユニット2を備え、該コントロールバルブユニット2には、レンジ位置に応じて油路を切り換えるマニュアルバルブと、Dレンジの変速位置に応じて油路を切り換える第1シフトバルブと第2シフトバルブとを有する。
【0013】前記アクチュエータ3は、各レンジ位置に対応した外部指令であるレンジ位置信号をATコントローラ6から受けて、コントロールバルブユニット2内のマニュアルバルブを動作させる。ここで、各レンジ位置とは、例えば、Pレンジ位置,Rレンジ位置,Nレンジ位置,Dレンジ位置,Lレンジ位置をいう。
【0014】前記第1シフトソレノイド4と第2シフトソレノイド5は、Dレンジの各変速位置に対応した外部指令である変速位置信号をATコントローラ6から受けて、コントロールバルブユニット2内の第1シフトバルブと第2シフトバルブを動作させる。ここで、変速位置とは、1速位置,2速位置,3速位置,4速位置をいい、第1シフトソレノイド4と第2シフトソレノイド5に対するON,OFF信号の組み合わせ(4通り)により、変速位置が選択される。
【0015】前記ATコントローラ6は、スロットル開度センサ7と、車速センサ8と、シフトレバー9により切り換えられるシフトレバースイッチ10と、ナビゲーションシステムのタッチパネル式の入力モニタ11と、からの信号を入力する。
【0016】このATコントローラ6での変速位置シフト制御は、スロットル開度情報と車速情報と、予め設定されている変速スケジュール(=変速マップ)に基づき、変速スケジュール上で表された運転点が属する変速位置が得られる変速指令を、両シフトソレノイド4,5に出力することで行われる。ここで、運転点とは、スロットル開度値と車速値とで表される変速スケジュール上の点をいう。
【0017】また、ATコントローラ6でのレンジ位置シフト制御は、シフトレバースイッチ10または入力モニタ11からの信号に基づき、レンジ位置に対応する駆動指令をアクチュエータ3に出力することで行われる。ここで、第1実施例におけるレンジ位置シフト制御は、下記の3モードの何れかにより行われる。
【0018】■シフトレバー9への操作によりレンジ位置を選択すると、シフトレバースイッチ10からレンジ位置を示すスイッチ信号を出力し、このスイッチ信号を入力したATコントローラ6からアクチュエータ3に対する駆動指令により、スイッチ信号に対応するレンジ位置へ切り換える(シフトバイワイヤによるレンジ切換モード)。
【0019】■入力モニタ11の表示画面12上にレンジ位置を示す記号が表示される第1表示状態(例えば、図8に示すシフトレンジ選択画面)であるとき、レンジ位置を示す記号のいずれかを選択する表示画面12への入力によりレンジ位置を切り換える(画面選択レンジ切換モード)。
【0020】■入力モニタ11の表示画面12上にレンジ位置以外の車両情報が表示される第2表示状態(例えば、図3に示す車両情報メニュー選択画面)であるとき、画面に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を行う表示画面12への入力によりレンジ位置を切り換える(画面表記レンジ切換モード)。
【0021】次に、作用を説明する。
【0022】[画面表記レンジ切換処理]図2はATコントローラ6の画面表記レンジ切換制御部により実行される画面表記レンジ切換処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0023】ステップS1(入力待機状態)では、入力モニタ11からのタッチ信号により表示画面12が押されたか否かが判断され、押されていない場合にはこの判断が繰り返され、表示画面12が押されるとステップS2へ移行する。
【0024】ステップS2(入力情報の判断)では、入力モニタ11の表示画面12への入力が点入力か否かが判断され、点入力である場合には、ステップS3へ移行し、通常メニュー処理またはシフト処理を行う。また、入力モニタ11の表示画面12へ線データが入力された場合には、文字認識処理を行うステップS4へ移行する。
【0025】ここで、点入力とは、通常のメニュー選択時には入力モニタ11の表示画面12上の1点を押す入力をいう。また、入力モニタ11の表示画面12上にレンジ位置を示す記号が表示される第1表示状態(例えば、図8に示すシフトレンジ選択画面)であるとき、レンジ位置を示す記号(P,R,N,D,L)のいずれかに触れて選択する入力も含まれる。
【0026】また、線入力とは、入力モニタ11の表示画面12上にレンジ位置以外の車両情報が表示される第2表示状態(例えば、図3に示す車両情報メニュー選択画面)であるとき、画面に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記(一筆書き文字、通常のアルファベットなど)を描くための入力をいう。なお、表記するシンボルは、書き順と文字形状がレンジ位置に対して予め登録設定してある(図4〜図6及び図9)。
【0027】ステップS3(通常メニュー処理またはシフト処理)では、例えば、図3に示す車両情報画像等を選択している時に点入力すると、入力した部分の表示内容に従って画面の切り換えが行われる(通常メニュー処理)。また、図8に示すシフトレンジ選択画面を選択している時に点入力すると、入力した記号(P,R,N,D,L)のいずれかに対応するレンジ位置信号が、入力モニタ11からATコントローラ6に出力される(シフト処理)。
【0028】ステップS4(文字認識処理)では、シフト位置に対応したシンボルと、入力された線軌跡との照合処理を行い、ステップS5へ移行する。
【0029】ステップS5(文字認識判断)では、予め登録されているシフト位置に対応したシンボルと、入力された線軌跡とが一致すると判断された場合、ステップS6へ移行する。ここで、シンボルと入力された線軌跡との一致とは、完全一致までもいうのではなく、多少のズレがあってもシンボルと確認できるものであれば、一致していると判断する。
【0030】また、ステップS5において、予め登録されているシフト位置に対応したシンボルと、入力された線軌跡とが一致しないと判断された場合には、図外のシフトレンジ入力ルーチンへ移行する。そして、シフトレンジ入力ルーチンでは、入力モニタ11の表示画面12が図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換えられる(請求項4の表示画面切換手段)。
【0031】なお、ステップS4及びステップS5は、請求項2にシンボル入力判断手段に相当する。
【0032】ステップS6(レンジ位置確認)では、ステップS5で判断されたシンボルに対応するレンジ位置を入力モニタ11の表示画面12に表示し(図7)、画面上の任意の点(取消ボタン以外)を押すか否かにより、運転者が表示されたレンジ位置への切り換えを意図しているか否かの意思確認が行われる。そして、意思確認が取れない場合には、シフトレンジ入力ルーチンへ移行して入力モニタ11の表示画面12を図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換える。また、意思確認が取れた場合には、ステップS7へ移行する。
【0033】ステップS7(シフト処理)では、ステップS6にて確定したレンジ位置信号に基づいて、アクチュエータ3に対し確定したレンジ位置を得る駆動指令が出力される。
【0034】[シフトバイワイヤによるレンジ切換作用]運転者がシフトレバー9を把持し、レバー操作により、例えば、NレンジからDレンジへとレンジ位置を選択する。
【0035】このシフトレバー操作により、シフトレバースイッチ10からレンジ位置の変化を示すスイッチ信号(Nレンジ位置信号からDレンジ位置信号)がATコントローラ6に出力される。
【0036】そして、このスイッチ信号を入力したATコントローラ6からは、アクチュエータ3に対する駆動指令により、スイッチ信号の変化に対応してレンジ位置がNレンジ位置からDレンジ位置へと切り換えられる。
【0037】[画面選択レンジ切換作用]まず、運転者が入力モニタ11の表示画面12を多数回触れることにより、メニューアイテムである図8に示すシフトレンジ選択画面を表示する。
【0038】このレンジ位置を示す記号(P,R,N,D,L)が表示されるシフトレンジ選択画面上で、レンジ位置を示す記号のいずれかに触れる点入力によりレンジ位置を選択する。
【0039】このシフトレンジ選択画面上でのレンジ位置選択操作により、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、例えば、記号Dに触れるとDレンジ位置信号に基づくアクチュエータ3に対する駆動指令により、例えば、Nレンジ位置からDレンジ位置へとレンジ位置が切り換えられる。
【0040】[画面表記レンジ切換作用]入力モニタ11の表示画面12が、レンジ位置以外の車両情報が表示される第2表示状態(例えば、図3に示す車両情報メニュー選択画面)であるとき、画面に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を線入力する。
【0041】例えば、運転者がPレンジ位置を希望しているときは、図4に示すように、指を触れたまま表示画面12の中央上部から中央下部へと引く線入力により1画目の入力を終了する(図5)。次いで、図6に示すように、表示画面12の中央上部に指を触れ、触れたままで右側にカーブを描きながら半円状の線を引き、Pレンジ位置を表すシンボルの線入力を終える。なお、他のR,D,N.Lについては、図9に示すように、シンボルの線入力を行う。
【0042】ここで、入力するシンボルが2画以上の場合、プログラムに指定された待ち時間内に次の線を引く動作を開始する。この待ち時間内に入力が無い場合には、図2のフローチャートにて、ステップS3からステップS4へ処理が移行する。
【0043】この車両情報メニュー画面上でのレンジ位置の表記操作により、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5へと進む流れとなる。つまり、ステップS4では、シフト位置に対応したシンボルと入力された線軌跡との照合処理が行われ、次のステップS5では、シンボルと入力された線軌跡とが一致するか否かが判断される。
【0044】そして、ステップS5でシンボルと入力された線軌跡とが一致すると判断された場合、ステップS6へ移行する。ステップS6では、図7に示すように、ステップS5で判断されたシンボルに対応するレンジ位置を入力モニタ11の表示画面12に表示する。この表示があった場合には、画面上の任意の点(取消ボタン以外)を押すことにより、運転者が表示されたレンジ位置への切り換えを意図しているとの意思確認が行われ、意思確認が取れると、ステップS7へ進む。
【0045】そして、運転者の意思確認が取れたレンジ位置(=表示されたレンジ位置)に基づいて、アクチュエータ3に対する駆動指令により、そのレンジ位置から表記したPレンジ位置へとレンジ位置が切り換えられる。
【0046】よって、例えば、下り坂でのシフトダウンによるエンジンブレーキの利用、車庫入れ時の前後進の切り換え等で、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合、入力モニタ11の表示画面12はそのままでシンボルを線入力するだけで行え、図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換える複数回のメニュー操作を必要としないため、この即時性要求に応えることができる。
【0047】加えて、常時、画面上にレンジ位置の選択ボタン表示を配置するものではないため、他の用途に使用される画面上の情報表示面積を減少させることもない。
【0048】[シンボルの認識不能時等におけるレンジ切換作用]上記画面表記レンジ切換作用と同様に、入力モニタ11の表示画面12に線入力したが、シンボルと入力された線軌跡とが一致しないと判断された場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→シフトレンジ入力ルーチンへと移行する。
【0049】そして、このシフトレンジ入力ルーチンでは、入力モニタ11の表示画面12が図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換えられることになり、レンジ位置を表す記号を指で触れる上記画面選択レンジ切換作用により、レンジ位置の切換を行うことができる。
【0050】また、ステップS6において、例えば、運転者の意思とは異なる文字認識により誤ったレンジ位置表示がなされたときに、運転者が取消ボタンを押すと、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS6→シフトレンジ入力ルーチンへと移行する。
【0051】そして、このシフトレンジ入力ルーチンでは、入力モニタ11の表示画面12が図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換えられることになり、レンジ位置を表す記号を指で触れる上記画面選択レンジ切換作用により、レンジ位置の切換を行うことができる。
【0052】さらに、ステップS6において、例えば、レンジ位置が表示されてから設定時間を経過しても運転者が画面上の任意の点(取消ボタン以外)を押さない場合にも、この設定された待ち時間を経過すると直ちにシフトレンジ入力ルーチンへ移行し、このシフトレンジ入力ルーチンでは、入力モニタ11の表示画面12が図8に示すシフトレンジ選択画面に切り換えられる。
【0053】このように、シンボルと入力された線軌跡とが一致しない場合、あるいは、いずれかのシンボルと入力された線軌跡とが一致しても確認操作がなされない場合において、シフトレンジ選択画面に切り換えるのは、運転者の希望するレンジ位置が明確でなかったり、希望するレンジ位置への変更でははないものの、少なくとも運転者が行う線入力によりレンジ位置の変更意思が明かであることによる。
【0054】次に、効果を説明する。第1実施例の自動変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0055】(1) ナビゲーションシステムが搭載された車両に適用され、表示画面12上にレンジ位置を示す記号が表示されるシフトレンジ選択画面であるとき、レンジ位置を示す記号のいずれかを選択するナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを有する自動変速機において、表示画面12上にレンジ位置以外の車両情報が表示される車両情報メニュー選択画面等であるとき、表示画面12に触れながら希望するレンジ位置を表すシンボル表記を行うナビ画面への入力によるレンジ位置の切り換えモードを追加したため、レンジ位置以外の車両情報が表示されるときに画面上での車両情報表示面積を減少させることなく、レンジ位置の切り換えに即時性を求められる場合、この即時性要求に応えることができる(請求項1に対応する実施例効果)。
【0056】(2) 表示画面12上に入力された線軌跡が、予め定められたレンジ位置を表すシンボルと一致するか否かを判断するステップS4及びステップS5を設け、車両情報メニュー選択画面等が表示されている表示画面12上にレンジ位置を表すシンボルを画面に触れながら表記し、かつ、ステップS4及びステップS5によりレンジ位置を表すシンボルのいずれかと一致すると判断されると、判断されたシンボルに対応するレンジ位置への切り換えをアクチュエータ3にて行うようにしたため、表示画面12に表記した文字が認識された場合に限り、レンジ位置への切り換えを行うことができる。言い換えると、レンジ位置の変更意思が無いのに、誤って表示画面12に指が触れ、これが線入力と判断された場合、レンジ位置への切り換えを防止することができる(請求項2に対応する実施例効果)。
【0057】(3) ステップS4及びステップS5において、車両情報メニュー選択画面等の表示画面12上に表記したシンボルが、予め定められたレンジ位置を表すシンボルのいずれかと一致すると判断された場合、切り換えようとするレンジ位置をその画面上に表示し、その表示画面を触れることで運転者のレンジ切換意思を確認した後、アクチュエータ3によるレンジ切り換えを実行するようにしたため、表示画面12に表記した文字が認識され、しかも、認識された文字が運転者の希望するレンジ位置を示すとの確認が取れた場合に限り、レンジ位置への切り換えを行うことができる。言い換えると、レンジ位置の変更意思はあるが、表示画面12に表記した文字の書き順や形状が正しくないことで、希望するレンジ位置とは異なるシンボルであると認識された場合、誤ったレンジ位置への切り換えを防止することができる(請求項3に対応する実施例効果)。
【0058】(4) ステップS5において、車両情報メニュー選択画面等の表示画面12上に表記したシンボルが、予め定められたレンジ位置を表すシンボルのいずれのシンボルとも一致しないと判断された場合、表示画面12を、レンジ位置を示す記号が表示されるシフトレンジ選択画面に切り換えるようにしたため、運転者のレンジ位置変更意思を反映し、その後、シフトレンジ選択画面への点入力操作により希望するレンジ位置へ切り換えることができる(請求項4に対応する実施例効果)。
【0059】(5) 自動変速機1は、シフトレバー9に対する操作によりレンジ位置を選択すると、シフトレバースイッチ10から電気的信号によるレンジ位置信号を出力し、このレンジ位置信号を入力したATコントローラ6からコントロールバルブユニット2内のマニュアルバルブを動作させるアクチュエータ3に対し、入力したレンジ位置信号に対応するレンジ位置への切り換え指令を出力するシフトバイワイヤ式変速機構を有するため、シフトバイワイヤによるレンジ切換モードと、画面選択レンジ切換モードと、画面表記レンジ切換モードとの3つのモードの何れかを用いて自由度の高いレンジ位置の切り換えを行うことができる(請求項5に対応する実施例効果)。
【0060】以上、本発明の自動変速機を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0061】例えば、第1実施例では、シフトバイワイヤ式変速機構を有する自動変速機への適用例を示したが、ナビゲーションシステムと自動変速機が搭載された車両であれば本発明を適用することができる。
【0062】第1実施例では、段階的な変速を得る自動変速機への適用例を示したが、ベルト式やトロイダル式の無段変速機にも適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道 (外1名)
【公開番号】 特開2003−267080(P2003−267080A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−75290(P2002−75290)