| 【発明の名称】 |
作業車両の前輪変速装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古川 浩二 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】従来、四輪駆動型のトラクタ等において、ホイール型後輪とセミクローラ型後輪を取り換える時には、前輪へ伝達される動力の回転比を変更しなくてはならない。しかし、ホイール型後輪とセミクローラ型後輪とを取り換える際に、前輪変速装置全体を交換するのでは、予め複数の前輪変速装置を保有しておかなくてはならず、在庫管理が煩雑になるとともに極めてコスト高となる。
【解決手段】トラクタのフロントアクスルのセンタデフへ入力される直前位置に、車体に固設される変速ケース31を設ける。該変速ケース内に、ホイール型後輪からセミクローラ型後輪へ取り換えた時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更できる変速装置35を構成する。また、同ケース31の後方には、ケース内への入力軸32を枢着した蓋体34を着脱自在に設けて、内部構成も変更できる構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体前部に配置したエンジンの回転動力を、ミッションケース内に収められた変速装置により適宜変速し、この変速された動力を後輪へ伝達して駆動するとともに、前記変速装置により変速した動力を、車体下部の前後方向へ配設した動力伝達軸を介して、車体前部のフロントアクスルに伝達する作業車両に於いて、前記フロントアクスルのセンタデフへ入力される直前位置に、車体に固設される変速ケースを設け、該変速ケース内にホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更するギヤ式変速装置を構成するとともに、同ケースの後方には、ケース内への入力軸を枢着し、且つボルト締めされた蓋体を設けたことを特徴とする作業車両の前輪変速装置。 【請求項2】 前記ホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更できる変速装置は、遊星ギヤ機構にて構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の前輪変速装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は前輪変速装置に関するものであり、特に、後輪へ伝達される動力を分岐して前輪へ伝達可能に形成した作業車両に於ける前輪変速装置に関するものである。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】トラクタや田植機、芝刈機等の作業車両では、後輪へ伝達される動力を分岐して前輪へ伝達し、二輪駆動と四輪駆動とを切換え可能に形成するとともに、前輪の切れ角の変化によって車体の旋回操作を検出し、車体の旋回時には後輪の周速度よりも前輪の周速度を一定の割合で増速することにより、車体を小回り旋回させる前輪変速装置を備えたものが知られている。 【0003】図1及び図2は作業車両の一例としてトラクタ10を示し、図1に示すように、通常はリヤホイールフランジ11等の後輪取付部にホイール型後輪(タイヤ付き車輪)12が装着されているが、圃場の状態や作業内容によってはホイール型後輪12を取り外して、図2に示すように、セミクローラ型後輪13を装着することがある。セミクローラ型後輪13のスプロケットホイール14はホイール型後輪12より直径が小さいため、リヤアクスルの回転数が同じであるときは、後輪の周速度即ちクローラ15の駆動速度が低くなって、車体の走行速度がホイール型後輪12の装着時よりも低下する。 【0004】一方、前輪変速装置によって前輪16へ伝達される動力の回転速度は、ホイール型後輪12の装着時とセミクローラ型後輪13の装着時とでは変わらないので、セミクローラ型後輪13を装着した場合、四輪駆動にしたり前輪を増速作動すると、後輪の周速度即ちクローラ15の駆動速度に対して前輪16の周速度が大きくなり過ぎ、機械部品の破損を招いたり走行不安定となって危険である。 【0005】このため、ホイール型後輪12の装着時とセミクローラ型後輪13の装着時とでは、前輪変速装置を調整または交換して、前輪へ伝達される動力の変速比を変更しなくてはならない。しかし、ホイール型後輪12とセミクローラ型後輪13とを取り換える際に、前輪変速装置全体を交換するのでは、予め複数の前輪変速装置を保有しておかなくてはならず、在庫管理が煩雑になるとともに極めてコスト高となる。また、前輪変速装置をすべて平ギヤ機構にて構成すると大型になるので、遊星ギヤ機構にて小型にすることが考えられる。 【0006】そこで、後輪へ伝達される動力を分岐して前輪へ伝達可能にした作業車両に於いて、前輪変速装置を構成するとともに前輪へ伝達される動力の変速比を容易に変更できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、車体前部に配置したエンジンの回転動力を、ミッションケース内に収められた変速装置により適宜変速し、この変速された動力を後輪へ伝達して駆動するとともに、前記変速装置により変速した動力を、車体下部の前後方向へ配設した動力伝達軸を介して、車体前部のフロントアクスルに伝達する作業車両に於いて、前記フロントアクスルのセンタデフへ入力される直前位置に、車体に固設される変速ケースを設け、該変速ケース内にホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更する変速装置を構成するとともに、同ケースの後方には、ケース内への入力軸を枢着し、且つボルト締めされた蓋体を設けたことを特徴とする作業車両の前輪変速装置、及び、前記ホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更できる変速装置は、遊星ギヤ機構、或いはすべて平ギヤ機構にて構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の前輪変速装置を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1及び図2は作業車両の一例としてトラクタ10を示し、エンジン17の動力はミッションケース18内に収められた変速装置19を介してホイール式後輪12またはセミクローラ式後輪13へ伝達される。車体の後部にはリンク機構20を介してロータリ作業機21が連結されており、エンジン17の動力を前記変速装置19にて分岐し、PTO取出し部22からロータリ作業機21へ伝達している。 【0009】図3は走行系の動力伝達ブロック図であり、エンジン17の動力は変速装置19により回転方向を変向或いは回転速度を変速された後にリヤアクスル23のセンタデフ24に入力され、リヤアクスル23の左右両端部に固設したリヤホイールフランジ11,11が回転する。従って、該リヤホイールフランジ11,11に装着されたホイール型後輪12或いはセミクローラ型後輪13が回転して車体が走行する。 【0010】一方、前記変速装置19では後輪12または13へ伝達される動力を分岐して前輪16へ伝達する。前輪16へ伝達される動力がフロントアクスル26のセンタデフ27へ入力される直前位置に前輪変速装置30を設け、該前輪変速装置30にて入力軸32の回転速度を変速して或いは等速のまま出力軸33へ伝達し、センタデフ27を介してフロントアクスル26の左右両端部に固設したフロントホイールフランジ28,28が回転する。 【0011】図4及び図5はホイール型後輪12を装着した場合の前輪変速装置30の内部を示し、センタデフ27の直前位置に変速ケース31を設けて該変速ケース31を車体に固設してあり、該変速ケース31内の後方(図4にて右方)に蓋体34をボルト締めし、この蓋体34の中央部に前記入力軸32を貫通して回転自在に枢着してある。また、変速ケース31内には遊星ギヤ機構35を配設してあり、該遊星ギヤ機構35を構成する太陽ギヤ36を前記入力軸32の前端部に固設するとともに、複数個の遊星ギヤ37,37…を太陽ギヤ36の周りに配設して、キャリヤ38にピン39にて枢着する。 【0012】前記遊星ギヤ37は後部ギヤ37aと前部ギヤ37bが一体になっており、後部ギヤ37aが前記入力軸32の太陽ギヤ36に噛合するとともに、前部ギヤ37bが出力軸33に嵌着された出力ギヤ40に噛合している。また、前記入力軸32には太陽ギヤ36の近くにギヤ41が固設され、該ギヤ41と噛合するギヤ42がキャリヤ38の後端面部にボルト締めされている。即ち、双方のギヤ41,42の噛合により前記入力軸32とキャリヤ38は常時一体に回転することになり、入力軸32が回転すれば該キャリヤ38も回転し、遊星ギヤ37はキャリヤ38とともに太陽ギヤ36の周りを公転する。従って、前記入力軸32の回転速度は遊星ギヤ機構35により増減速されることなく、入力軸32とキャリヤ35と出力軸33とが一体に回転し、入力軸32の回転が等速のまま出力軸33へ伝達される。斯くして、図1に示した前輪16とホイール型後輪12が同一の周速度にて回転して四輪駆動となる。 【0013】図6及び図7はセミクローラ型後輪13を装着した場合の前輪変速装置30の内部を示し、変速ケース31の取り付け位置や遊星ギヤ機構35の構成は、ホイール型後輪12の場合と同じである。しかし、キャリヤ38の後端面部に固着したギヤ42を取り外して、連結棒43の一端をキャリヤ38の後端面部にボルト締めするとともに、該連結棒43の他端を前記蓋体34へボルト締めする。即ち、変速ケース31に固着した蓋体34と遊星ギヤ機構35のキャリヤ38とが連結棒43,43…を介して連結され、キャリヤ38が固定されて回転しない状態になる。従って、前記入力軸32が回転すればピン39を中心に遊星ギヤ37が自転し、太陽ギヤ36と噛合する後部ギヤ37aの歯数が太陽ギヤ36より大であるので、前記入力軸32の回転速度が減速されて出力軸33へ伝達される。 【0014】このため、図4及び図5に示した前輪変速装置30と図6及び図7に示した前輪変速装置30とでは変速比が異なり、図6及び図7に示した前輪変速装置30のほうが前輪へ伝達される動力が低速回転となる。従って、図2に示した前輪16とセミクローラ型後輪13が同一の周速度(即ち前輪16の周速度とクローラ15の駆動速度が一致)で回転して四輪駆動となる。 【0015】このように、キャリヤ38にギヤ42をボルト締めして入力軸32のギヤ41に噛合させた状態では変速比が等速となり、ギヤ42に代えて連結棒43にてキャリヤ38と蓋体34をボルト締めした状態では、前輪16へ伝達する動力が変速される。 【0016】また、新たなギヤ比の太陽ギヤ36と遊星ギヤ37を装着することによって変速比を変更することもできる。本実施の形態では、太陽ギヤ36と噛合する後部ギヤ37aの歯数が太陽ギヤ36より大であるので、前記入力軸32の回転速度が減速されて出力軸33へ伝達されるが、入力軸32に設けた太陽ギヤ36を大径にするとともに遊星ギヤの後部ギヤ37aの歯数を太陽ギヤ36よりも小にすれば、前記入力軸32の回転速度が増速されて出力軸33へ伝達される。 【0017】遊星ギヤ機構35を交換する場合は、変速ケース31から蓋体34を一旦取り外し、入力軸32を後方へ引き抜いてキャリヤ38の遊星ギヤ37を入れ換えた後に、新たな太陽ギヤ36を設けた入力軸32を挿入する。その際に、前記出力軸33や出力ギヤ40を取り外す必要がない。従って、簡易且つ迅速に変速比の変更を行うことができる。尚、前記遊星ギヤ37は後部ギヤ37aと前部ギヤ37bとが一体に形成されているが、これらを別体で形成して後部ギヤ37aのみを交換するように構成してもよい。然るときは、遊星ギヤ37の交換作業がより簡単となる。 【0018】斯くして、キャリヤ38と変速ケース31を接続した状態では前輪16へ伝達する動力を増減速し、キャリヤ38と変速ケース31を離反した状態では前輪16へ等速で伝達することになり、遊星ギヤ機構35のキャリヤ38と変速ケース31とを接離することによって前輪16へ伝達する動力の変速比を変更することができる。 【0019】図8及び図9はホイール型後輪12を装着した場合の前輪変速装置30の内部を示す他の実施の形態を示し、遊星ギヤ機構35のキャリヤ38と変速ケース31とを接離する手段として、油圧式の多板式クラッチ45を使用している。キャリヤ38の後端面部に多板クラッチのドラム46がボルト締めされており、該ドラム46の後部側に摩擦板m1と摩擦板m2を交互に配設し、該ドラム46の前部側に摩擦板m3と摩擦板m4を交互に配設してある。 【0020】前記摩擦板m1の一端部はドラム46の内周に係合し、摩擦板m2の一端部は蓋体34に係合している。また、摩擦板m3の一端部はドラム46の内周に係合し、摩擦板m4の一端部は前記入力軸32に固設したギヤ41に係合している。そして、前記摩擦板m1と摩擦板m3はスライダ47によって連結され、双方が同時に前後動できる。いま、多板クラッチ45に油圧が作動しないときは、ばね48の付勢によって前記摩擦板m1と摩擦板m2とが圧接された状態となり、ドラム46と蓋体34が連結される。即ち、前記キャリヤ38が変速ケース31に固定されて回転しない状態となる。 【0021】ここで、同図に示した遊星ギヤ機構35は太陽ギヤ36を大径にするとともに遊星ギヤの後部ギヤ37aの歯数を太陽ギヤ36よりも小にしてある。従って、前記入力軸32が回転すればピン39を中心に遊星ギヤ37が自転し、太陽ギヤ36と噛合する後部ギヤ37aの歯数が太陽ギヤ36より小であるので、前記入力軸32の回転速度が増速されて出力軸33へ伝達される。斯くして、図1に示した前輪16の周速度がホイール型後輪12の周速度より高速回転することになる。 【0022】これに対して、多板クラッチ45に油圧が作動したときは、ピストン49が前方(図中左方向)へ移動して前記摩擦板m3と摩擦板m4とが圧接された状態となり、ドラム46とギヤ41が連結される。これと同時に、スライダ47を介して前記摩擦板m1も前方へ引かれ、ばね48の付勢に攻して前記摩擦板m1と摩擦板m2とが離間した状態となり、ドラム46と蓋体34との連結が解除される。即ち、前記ドラム46及びキャリヤ38が入力軸32と一体に回転し、入力軸32の回転が等速のまま出力軸33へ伝達される。斯くして、図1に示した前輪16とホイール型後輪12が同一の周速度にて回転して四輪駆動となる。 【0023】このように、遊星ギヤ機構35のキャリヤ38と変速ケース31とを接離する手段として油圧式の多板式クラッチ45を使用した場合は、多板クラッチ45に油圧が作動したときは前輪16とホイール型後輪12が同一の周速度にて回転する四輪駆動となり、多板クラッチ45に油圧が作動しないときは前輪16の周速度がホイール型後輪12の周速度より高速回転する四輪駆動となる。従って、圃場での直進時には多板クラッチ45に油圧を作動させて等速四輪駆動にし、前輪の切れ角の変化によって車体の旋回操作を検出したときは、多板クラッチ45の油圧作動を停止して後輪の周速度よりも前輪の周速度を一定の割合で増速することにより、車体を小回り旋回させることができる。 【0024】尚、図示は省略するが、前記各摩擦板m1乃至m4とばね48、ピストン49等の配置を変えて、多板クラッチ45に油圧を作動させないときに等速四輪駆動にし、前輪の切れ角の変化によって車体の旋回操作を検出したときは、多板クラッチ45に油圧を作動させて前輪の周速度を増速するように構成することもできる。また、入力軸32に設けた太陽ギヤ36を小径にするとともに遊星ギヤの後部ギヤ37aの歯数を太陽ギヤ36よりも大にすれば、前記入力軸32の回転速度が減速されて出力軸33へ伝達される。従って、図2に示したセミクローラ型後輪13を装着した場合であっても、前輪16の周速度を低下させてクローラ15の駆動速度を同一にし、四輪駆動走行させることができる。然るときは、油圧作動にて前輪16の周速度を増速するように切り換えることができ、車体を小回り旋回させることが可能となる。 【0025】図10は他の実施の形態を示し、前記フロントアクスル26のセンタデフ27の直前位置に、前記遊星ギヤ機構35が配設された変速ケース31を直列に複数個接続して前輪変速装置30を構成している。前述したように、油圧式の多板式クラッチ45を使用した遊星ギヤ機構35であれば、前輪16へ伝達される動力の変速比を油圧作動にて高低2段に切り換えることができ、前記変速ケース31,31を直列接続した場合は、前後で夫々高低2段ずつ即ち合計4段の変速比にて切り換えることができる。また、図11に示すように、変速ケース31内に複数の遊星ギヤ機構35,35と多板クラッチ45,45を配設してもよい。 【0026】図10及び図11どちらの構成であっても、例えば、ホイール型後輪12の装着時は、入力軸32の回転を等速で出力軸33に伝達して等速四輪駆動にしたり、或いは、何れか一方の遊星ギヤ機構35にて出力軸33を増速回転して小回り旋回させることができる。また、セミクローラ型後輪13の装着時は他方の遊星ギヤ機構35にて出力軸33を減速回転して等速四輪駆動にする。この外、必要に応じて出力軸33の回転の増速比若しくは減速比を変え、中間の変速比に設定することも可能である。 【0027】図12は他の実施の形態を示し、同図(a)に示すように、後輪取付部であるリヤホイールフランジ11に、ホイール型後輪12とセミクローラ型後輪13とを判別する手段としてプッシュ式スイッチ50を設ける。そして、該プッシュ式スイッチ50のオンオフ信号を制御手段であるコントローラ51へ入力し、コントローラ51から前記多板クラッチ45の電磁弁52へ制御信号を出力する。 【0028】即ち、同図(b)に示すように、リヤホイールフランジ11にホイール型後輪12を装着したときはホイール12aによってプッシュ式スイッチ50が押圧され、該プッシュ式スイッチ50がオンとなる。然るときは、コントローラ51ではホイール型後輪12が装着されていると判断し、圃場での直進時は等速四輪駆動となるようにアクチュエータである電磁弁52へ指令信号を出力し、圃場での旋回時は前輪16の周速度を増速するように電磁弁52へ制御信号を出力する。 【0029】一方、同図(c)に示すように、リヤホイールフランジ11にセミクローラ型後輪13を装着したときはスプロケットホイール14がプッシュ式スイッチ50に接触しないため、該プッシュ式スイッチ50がオフとなる。然るときは、コントローラ51ではセミクローラ型後輪13が装着されていると判断し、圃場での直進時は前輪16の周速度を低下してクローラ15の駆動速度に対応できるように、アクチュエータである電磁弁52へ低速に変更する指令信号を出力する。 【0030】尚、ホイール型後輪12を装着したホイール型トラクタであるか、或いは、セミクローラ型後輪13を装着したセミクローラ型トラクタであるかは、前述したプッシュ式スイッチ50にて判別するほか、図示は省略するが、ホイール型後輪12を装着したか、或いは、セミクローラ型後輪13を装着したかを指定する手段として例えばスイッチを設け、該スイッチを切り換えてホイール型トラクタとセミクローラ型トラクタを指定するように構成してもよい。 【0031】斯くして、ホイール型トラクタであるか、セミクローラ型トラクタであるかの判別または指定がコントローラ51にて自動的に認識され、夫々の仕様に応じて前輪変速装置30を制御することによって、操作性及び安全性を向上することができる。 【0032】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。 【0033】 【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、車体前部に配置したエンジンの回転動力を、ミッションケース内に収められた変速装置により適宜変速し、この変速された動力を後輪へ伝達して駆動するとともに、前記変速装置により変速した動力を、車体下部の前後方向へ配設した動力伝達軸を介して、車体前部のフロントアクスルに伝達する作業車両に於いて、前記フロントアクスルのセンタデフへ入力される直前位置に、車体に固設される変速ケースを設け、該変速ケース内にホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更するギヤ式変速装置を構成するとともに、同ケースの後方には、ケース内への入力軸を枢着し、且つボルト締めされた蓋体を設けたことを特徴とする作業車両の前輪変速装置としたものであるから、後輪の形態をホイール式からセミクローラ式に変更した場合であっても、出荷後の追加作業で前輪の周速度を簡単に変更することができ、改良にかかる部品の汎用性が向上する。在庫管理が簡素化されるとともにコストを低減することができる。 【0034】請求項2記載の発明は、前記ホイール型後輪12を取り外して、セミクローラ型後輪13を装着した時に、前輪へ伝達される動力の変速比を変更できる変速装置は、遊星ギヤ機構にて構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の前輪変速装置としたものであるから、平ギヤ機構にて構成するよりも小型化されて地上高を大きく確保できる。従って、凹凸の激しい作業場であっても、前記前輪変速装置が地表面に接触する虞がない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成11年2月4日(1999.2.4) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−267079(P2003−267079A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2003−90498(P2003−90498) |
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