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【発明の名称】 燃料タンク用給油管
【発明者】 【氏名】外薗 正一
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】中島 健彰
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】藤野 竜二
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【要約】 【課題】高速給油における満タン自動停止時においても燃料飛沫が外方に飛び出すことを防止する。

【解決手段】給油ガン挿入部4に、ノズル挿通孔5aを有するじょうご状隔壁5を設け、隔壁のテーパ状周壁にエア抜き孔6を設けると共に、エア抜き孔の燃料タンク側及び両側方側を遮蔽するじゃま板7をそれら3方部分で固着して設ける。ノズルとノズル挿通孔との隙間とは別のエア抜き孔を設けることにより、その部分からの燃料飛沫の飛び出しを防止することができると共に、エア抜き孔に対してはじゃま板を設けて簡単なラビリンス構造を形成し得るため、エア抜き孔を介して燃料飛沫が外方に飛び出さないようにすることができる。これにより、高速給油における満タン自動停止時における燃料飛沫の勢いのある跳ね返りに対しても、その外方への飛び出しを有効に防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給油ガンから注入される燃料を燃料タンクに導くための給油管であって、前記給油管の一端が前記燃料タンクに接続され、前記給油管の他端に給油ガンが挿入される給油ガン挿入部が設けられ、前記給油ガン挿入部に、前記給油ガンのノズルを挿通し得るノズル挿通孔を有する隔壁が設けられていると共に、前記隔壁に、給油に伴い前記燃料タンク内の空気を外方に逃がすためのエア抜き孔と、少なくとも前記エア抜き孔の前記燃料タンク側を遮蔽するじゃま板とが設けられていることを特徴とする燃料タンク用給油管。
【請求項2】 前記隔壁が、外方に向けて拡開するじょうご状をなし、そのテーパ状周壁面に前記エア抜き孔が設けられていると共に、前記じゃま板が、前記エア抜き孔の前記燃料タンク側部分と両側方側部分とで固着されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク用給油管。
【請求項3】 前記じゃま板の外方側端部に、前記隔壁に対して当該外方側端部を浮かすための突部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料タンク用給油管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク用給油管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、例えば四輪乗用自動車において、車室や荷室を広くするために燃料タンクをフロア下部に配設したものがある(例えば特許第3120335号公報参照)。このように車体下部に燃料タンクが配設されている場合には、燃料タンクに接続された給油管は、燃料タンクから上方に延出するように設けられている。さらに、そのようなレイアウトにあっては、他の部材との干渉を避けることが難しいため、給油管の中間部は曲成されている。
【0003】また、給油ガンのノズルを給油管内に挿入する給油口には、給油管の内面に衝当して跳ね返る燃料飛沫が外に飛び出さないようにするために、何らかのじゃま板を設ける構造にしている。例えば、給油ガン挿入部の奥に外方に向けて拡開するじょうご状の隔壁を形成し、その最深部にノズルを挿通するためのノズル挿通孔を設ける。これにより、給油ガン挿入部にあっては、ノズル挿通孔以外の部分がブラケットにより遮蔽されるため、上記燃料飛沫の飛び出しを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、給油装置には高速給油を行うものがある。そのような高速給油にあっては、満タン自動停止時に、給油管内に放出された燃料の飛沫が給油ガンのノズル側に勢い良く跳ね返ってくる。その燃料飛沫は、給油ガンのノズルとノズル挿入口の内周面との間の狭い隙間からしか外方に飛び出ることができない。その隙間には、燃料タンク内の空気も外方へ向けて通ることから、高速給油にあっては隙間に速い空気の流れが生じ、それに伴って燃料飛沫も隙間から外方に勢い良く飛び出し易い、という問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決して、高速給油における満タン自動停止時においても燃料飛沫が外方に飛び出すことを防止することを実現するために、本発明に於いては、給油ガン(3)から注入される燃料を燃料タンク(1)に導くための給油管(2)であって、前記給油管(2)の一端が前記燃料タンク(1)に接続され、前記給油管(2)の他端に給油ガン(3)が挿入される給油ガン挿入部(4)が設けられ、前記給油ガン挿入部(4)に、前記給油ガン(3)のノズル(3a)を挿通し得るノズル挿通孔(5a)を有する隔壁(5)が設けられていると共に、前記隔壁(5)に、給油に伴い前記燃料タンク内(1)の空気を外方に逃がすためのエア抜き孔(6)と、少なくとも前記エア抜き孔(6)の前記燃料タンク(1)側を遮蔽するじゃま板(7)とが設けられているものとした。
【0006】これによれば、燃料飛沫の外方への飛び出しを防止する隔壁にエア抜き孔を設けて、エア抜きを同エア抜き孔によりすることができるので、ノズルとノズル挿通孔との隙間からの燃料飛沫の飛び出しを防止することができると共に、エア抜き孔に対してはじゃま板を設けて簡単なラビリンス構造を形成し得るため、エア抜き孔を介して燃料飛沫が外方に飛び出さないようにすることができる。
【0007】また、前記隔壁(5)が、外方に向けて拡開するじょうご状をなし、そのテーパ状周壁面に前記エア抜き孔(6)が設けられていると共に、前記じゃま板(7)が、前記エア抜き孔(6)の前記燃料タンク側部分(7a)と両側方部分(7b)とで固着されていることによれば、給油管側から跳ね返ってくる燃料飛沫をその飛んでくる方向に対する3方でブロックすることができ、燃料飛沫の外方への飛び出しを好適に防止し得る。
【0008】特に、前記じゃま板(7)の外方側端部に、前記隔壁(5)に対して当該外方側端部を浮かすための突部(7c)が設けられていることによれば、突部により、じゃま板の後方(外方)側に空気の通り道を確保した状態にしてじゃま板を隔壁に被せることができ、その状態で上記3方部分に対する溶接を行えば良く、じゃま板を取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】図1は、本発明が適用された燃料タンク用給油管を概略示す側断面図である。図示されない車体の下部に燃料タンク1が設けられており、燃料タンク1には給油管2の一端が接続されている。燃料タンク1の上方には、給油ガン3を挿入するための給油ガン挿入部4が設けられている。その給油ガン挿入部4の一端に給油管2の他端が接続され、給油ガン挿入部4の他端は車体の側面に開口している。なお、図は、給油のために給油ガン3を給油ガン挿入部4に挿入した状態である。
【0011】また、本図示例における給油管2は、図示されない他の部材との干渉を避けるように取り回されており、図示例では、給油ガン挿入部4から斜め下方に向かった後、略垂直に下降し、燃料タンク1とほぼ同じ高さの所で燃料タンク1に向かう水平方向に延在するように適所を曲成されて形成されている。
【0012】給油ガン挿入部4は、図2に拡大して示されるように、給油ガン3の先端部であるノズル3aを挿入し易くするように、給油管2との接続部よりも外側を拡開されたラッパ状に形成されている。その給油ガン挿入部4には、給油時に給油管2の内面に衝当したり、満タン自動停止時に跳ね返ってくる燃料飛沫が給油ガン挿入部4から外方に飛び出すのを防止するための隔壁5が取り付けられている。
【0013】隔壁5は、図3に良く示されるように、外方(給油ガン3を挿入される側)に向けて拡開されたじょうご状に形成されている。隔壁5の燃料タンク1側(給油管2接続部側)の最深部には、ノズル3aを挿通し得る大きさに開口するノズル挿通孔5aが設けられている。給油時には、図1に示されるようにノズル挿通孔5aにノズル3aが挿通される。この時、じょうご状の隔壁5によりノズル3aをノズル挿通孔5aに向けて好適にガイドすることができる。
【0014】また、給油時には、燃料タンク1及び給油管2内の空気を外に逃がす必要がある。本発明では、隔壁5に、図3に示されるように上半部の2箇所にエア抜き孔6が設けられている。エア抜き孔6は、隔壁5のテーパ状周壁の一部に切り込みを入れ、その後方(外方)部分を半径方向内側に押し込むことにより形成されている。これにより、内周面側にてノズル挿通孔5aに臨む開口が生じ、図示例では開口が半月状になるようにしてエア抜き孔6を形成している。
【0015】そして、エア抜き孔6により空気のみを通して、給油時の燃料飛沫、特に満タン自動停止時に跳ね返ってくる勢いの良い燃料飛沫がエア抜き孔6を通ってしまうことを防止するべく、両エア抜き孔6を略半円の円弧状かつ隔壁5のテーパ面に沿うように形成されたじゃま板7により覆っている。このように形成されたじゃま板7は、図3に示されるように、燃料タンク側部分である円弧状前縁部7aと、左右両側方部分である両側縁部7bとを、隔壁5の対応する部分に例えばスポット溶接して固着されている。
【0016】また、じゃま板7には、外方側の円弧状後縁部近傍に半径方向内向きの突部7cが設けられている。この突部7cにより、じゃま板7を上記したように隔壁5に固着するために被せた時に、じゃま板7の後方(外方)側に空気の通り道を確保した状態にすることができる。その状態で上記3方部分に対する溶接を行えば良く、空気の通り道を確保した状態にセットしたままじゃま板7を取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0017】このようにしてじゃま板7が取り付けられていることから、エア抜き孔6にあっては、図2の矢印Aに示されるように給油管2側から隔壁5に向けて跳ね返ってくる燃料飛沫に対して、前方及び左右の側方部分が完全に塞がれていることになる。したがって、給油に伴って発生する燃料飛沫が給油ガン挿入部4の外方に飛び出すことをじゃま板7で防止することができる。
【0018】また、じゃま板7の後方(外方)側に空気の通り道を確保していることから、ノズル挿通孔5aから逃げる空気の流速が遅くなる。そのことにより、ノズル3aとノズル挿通孔5aとの間の隙間から燃料飛沫が外方に飛び出すことを防止することができる。
【0019】
【発明の効果】このように本発明によれば、ノズルとノズル挿通孔との隙間とは別のエア抜き孔を設けることにより、その部分からの燃料飛沫の飛び出しを防止することができると共に、エア抜き孔に対してはじゃま板を設けて簡単なラビリンス構造を形成し得るため、エア抜き孔を介して燃料飛沫が外方に飛び出さないようにすることができる。これにより、高速給油における満タン自動停止時における燃料飛沫の勢いのある跳ね返りに対しても、その外方への飛び出しを有効に防止することができると共に、エア抜き孔の開口面積も自由に設定でき、給油時のエア抜きに支障を来すことがない。
【0020】また、じょうご状の隔壁のテーパ状周壁面にエア抜き孔を設け、じゃま板を燃料タンク側と両側方側との3方で固着することにより、給油管側から跳ね返ってくる燃料飛沫をその飛んでくる方向に対する3方でブロックすることができ、燃料飛沫の外方への飛び出しを好適に防止し得る。特に、じゃま板の外方側端部に、突部を設けることにより、じゃま板の後方(外方)側に空気の通り道を確保した状態にしてじゃま板を隔壁に被せることができ、その状態で上記3方部分に対する溶接を行えば良く、じゃま板を取り付ける作業を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月13日(2002.3.13)
【代理人】 【識別番号】100089266
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
【公開番号】 特開2003−267072(P2003−267072A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−68335(P2002−68335)