| 【発明の名称】 |
樹脂製バルブカバー |
| 【発明者】 |
【氏名】古屋敷 啓一郎 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社宇部研究所内
【氏名】村上 泰造 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社宇部研究所内
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| 【要約】 |
【課題】樹脂製燃料タンク本体に容易に溶着して接合でき、蒸散する燃料ガスを抑制する機能を備えた樹脂製バルブカバーを提供する。
【解決手段】樹脂製バルブカバーの燃料が接する側の部分を変性ポリエチレン樹脂で形成し、燃料が接しない側の部分を燃料タンクの外層と溶着性のあるナイロン樹脂で形成する。樹脂製バルブカバーを2層構造で燃料タンクに対する溶着部分と燃料ガスのバリヤー層とをそれぞれ別の樹脂で形成することにより、燃料タンクのバルブ取付け用の開口部と容易に溶着することができ、かつ燃料ガスの透過を防止して蒸散する燃料ガスを抑制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】高密度ポリエチレンで形成された樹脂製燃料タンクの外層に溶着されて該燃料タンクに形成されたバルブ取付け用の開口部を燃料が流通するパイプ孔を残して封止する樹脂製バルブカバーにおいて、該樹脂製バルブカバーを異なる2つの樹脂により桶状又は皿状に形成して、該燃料タンクに溶着された際に燃料が直接接するバルブカバーの内側部分に変性ポリエチレン樹脂を配し、燃料が直接接しないバルブカバーの外側部分にナイロン樹脂を配したことを特徴とする樹脂製バルブカバー。 【請求項2】前記パイプ孔に連通する中空孔を有したパイプ管を備えて、該パイプ管を前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分と一体的に形成するとともに、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分と係合する環状の凹部を根元近傍に形成した請求項1記載の樹脂製バルブカバー。 【請求項3】前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分に複数個の凸部又は孔部を形成するともに、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分に該複数個の凸部又は孔部に嵌合する孔部又は凸部を形成した請求項1又は請求項2記載の樹脂製バルブカバー。 【請求項4】前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分に複数個の凸部又は凹部を形成するともに、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分に該複数個の凸部又は凹部に係合する凹部又は凸部を形成した請求項1又は請求項2記載の樹脂製バルブカバー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は樹脂製の燃料タンクに取り付けられる樹脂製バルブカバーに関するものであり、特に燃料ガス等を透過させることのない多層構造の樹脂製バルブカバーに関する。 【0002】 【従来技術】自動車等のエンジンに燃料を供給する燃料タンクは0.8〜1.2mm程度の鋼鈑をプレス成形でタンク状に成形したものに亜鉛メッキ等の防錆処理を施した鋼鈑性のものが主流であったが、自動車の軽量化のため、樹脂製のものに徐々に変わりつつあり、近年は単層構造のブロー法により製造された高密度ポリエチレン(HDPE樹脂と称することもある)の樹脂性燃料タンクが欧州を中心に普及している。 【0003】しかし、HDPE樹脂による単層構造の樹脂製燃料タンクは燃料透過性が大きく燃料タンクからの燃料ガス蒸散性が大きいといった問題を有していた。そのため、最近は、燃料タンクの外側にHDPE樹脂による外層を形成するとともに、燃料タンクの内側に燃料ガスの透過を防止するバリア層を形成した多層構造品の樹脂製燃料タンクが一般的になりつつある。なお、燃料ガスの透過を防止するバリア層には、ナイロン樹脂(PA樹脂と称することもある)やエチレンビニルアルコール・コポリマー(EVOH樹脂と称することもある)が多く使用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層構造の樹脂製燃料タンクは、前述したように外層をHDPE樹脂で形成していることが多く、多層構造の燃料タンクに形成したバルブ取付け用の開口部を封止するための樹脂製バルブカバーは、その外層部分のHDPE樹脂に溶着して接合する必要がある。 【0005】燃料ガスの透過を防止することのできるナイロン樹脂やエチレンビニルアルコール・コポリマーは、HDPE樹脂の外層に溶着して接合できないといった性質を有しているため、前述した樹脂製バルブカバーは、燃料タンク外層部分に溶着できるHDPE樹脂で成形されている場合がほとんどであって、樹脂製バルブカバーから蒸散する燃料ガスを抑制することはできなかった。 【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂製バルブカバーから蒸散する燃料ガスを抑制するとともに、樹脂製燃料タンク本体に容易に溶着して接合できる多層構造の樹脂製バルブカバーに関する。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明による樹脂製バルブカバーは、(1) 高密度ポリエチレンで形成された樹脂製燃料タンクの外層に溶着されて該燃料タンクに形成されたバルブ取付け用の開口部を燃料が流通するパイプ孔を残して封止する樹脂製バルブカバーにおいて、該樹脂製バルブカバーを異なる2つの樹脂により桶状又は皿状に形成して、該燃料タンクに溶着された際に燃料が直接接するバルブカバーの内側部分に変性ポリエチレン樹脂を配し、燃料が直接接しないバルブカバーの外側部分にナイロン樹脂を配した。 【0008】(2) 上記(1)記載の樹脂製バルブカバーにおいて、前記パイプ孔に連通する中空孔を有したパイプ管を備えて、該パイプ管は前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分と一体的に形成されて、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分と係合する環状の凹部を根元近傍に形成した。 【0009】(3) 上記(1)又は(2)記載の樹脂製バルブカバーにおいて、前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分に複数個の凸部又は孔部を形成するともに、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分に該複数個の凸部又は孔部に嵌合する孔部又は凸部を形成した。 【0010】(4) 上記(1)又は(2)記載の樹脂製バルブカバーにおいて、前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分に複数個の凸部又は凹部を形成するともに、前記ナイロン樹脂で形成されたバルブカバーの外側部分に該複数個の凸部又は凹部に係合する凹部又は凸部を形成した。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態による樹脂製バルブカバーの好ましい例を詳細に説明する。図1から図5は本発明の第1から第5の実施形態に係る樹脂製バルブカバーの構造を説明する図であって(a)は断面の模式図であり(b)は上面図である。図6は本発明の樹脂製バルブカバーを製造する多層射出成形装置の全体構成図である。図7は多層成形の際の各工程ステップにおける金型と金型内の状態を説明する概念図であり、図8は多層成形方法のフローチャートである。図9は樹脂製バルブカバーを燃料タンクに取り付けた際における燃料の流れを概念的に説明する図である。 【0012】以下、本発明の第1実施形態による樹脂製バルブカバー11の構造を説明する。樹脂製バルブ−カバー11の構造は、図1に示すように後述するバルブ20に対して燃料を流通させるためのパイプ孔を残してその一端を閉口した桶状である。そして、樹脂製バルブカバー11は燃料タンク100の外層に溶着された際に燃料が接する円筒の内側部分を燃料タンク100の外層と溶着性のある変性ポリエチレン樹脂で部材11A(内層成形品と称することもある)として形成し、燃料が接しない円筒の外側部分を燃料透過性の小さなナイロン樹脂で部材11B(外層成形品と称することもある)として形成している。 【0013】また、樹脂製バルブカバー11においては、図1に示すように前記パイプ孔に連通する中空孔を有するパイプ管を、前記変性ポリエチレン樹脂により形成されたバルブカバーの内側部分と一体的に形成するとともに、樹脂製バルブカバー11の内筒の下部に、ねじ部(雌ねじ)を形成しており、該ねじ部に後述するバルブ20を取り付けることができるよう構成した。 【0014】本実施形態においては、ナイロン樹脂としてナイロン6(UBEナイロン6・1013A/宇部興産株式会社製)を使用し、変性ポリエチレン樹脂として変性ポリエチレン(アドテックス・FT61AR3/日本ポリオレフィン株式会社製)を使用した。燃料としてガソリンを使用した場合、又は燃料の中にガソリンを含んでいる場合(例えばガソリンとアルコールの混合物であるガソホール等)において、ナイロン樹脂は燃料ガスの透過を防止能力が高い。 【0015】なお、本発明に適応できるナイロン樹脂及び変性ポリエチレン樹脂は前記したものに限らないことは勿論である。本発明に使用できるナイロン樹脂として代表的なものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等が挙げられ、またそれらのナイロンをコポリマーとして(例えばナイロン6・12コポリマー、あるいはナイロン6・66のコポリマー等)として用いても良い。また燃料透過防止するバリヤー層としての特性を損なわない範囲において前記ナイロン樹脂に、ガラスファイバー、その他の添加剤等を配合したものを使用しても良い。 【0016】また、本発明に適応できる変性ポリエチレン樹脂は、燃料タンク外層部分と溶着性のある樹脂であれば良く、また外層を形成するナイロン樹脂と溶着性のあることが好ましい。そして、燃料タンク外層部分及びナイロン樹脂との両方に対する溶着性を損なわない範囲において、その他の添加剤等を配合した変性ポリエチレンを使用しても良い。 【0017】ポリエチレンを酸変性する酸としては、不飽和カルボン酸、又はその無水物などの誘導体を用いることができ、具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シス−4−シクロヘキセン−1、2−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、2−無水ジカルボン酸、あるいは酸アミド、酸エステル等の誘導体があげられる。HDPE樹脂及びナイロン樹脂との両方に良好な溶着性を示す変性ポリエチレンとしては、無水マレイン酸又は無水イタコン酸によって変性した変性ポリエチレンが特に好ましい。 【0018】以下、樹脂製バルブカバー11を燃料タンクに取り付ける際の工程を説明する。本実施形態に用いたバルブ20は、樹脂製バルブカバー11に取り付けられるようねじ部(雄ねじ)が形成してあり、図9示すように該ねじ部を脂製バルブカバー11の部材11Aの内筒下部に形成したねじ部にねじ込むことによって取り付ける。部材11Aにバルブ20の胴体部分がねじ部によって螺合した状態ではめ込まれることによって、パイプ管から内筒内に部材11Aの内側に入った燃料は、バルブ20に内蔵した図示しない弁を通過しない限り、燃料タンク内に流入することはない。 【0019】図9に示すバルブ20は、バルブ入口22に達した燃料がある一定の圧力になったときのみ内部の弁を開いて、バルブ入口22からバルブ出口22に向けて燃料を流す構造となっている。従って、燃料タンク100に取り付けられた樹脂製バルブカバー11のパイプ孔から樹脂製バルブ11の内部に流入してきた燃料は、ある一定の圧力に達したときバルブ入口22からバルブ20内を抜けてバルブ出口22から燃料タンク内に流入する。 【0020】ここで、図9に示した本実施形態によるバルブ20は、バルブ入口22から入った燃料が一定の圧力を超えた場合に弁を開いて燃料を通過させるように構成されているが、本発明の樹脂製バルブカバー11が適用できるバルブ20はこれに限らないことは勿論であって、例えば、燃料タンク内の燃料をパイプ孔に向かって流す構造の物でも良く、その他バルブであって良い。 【0021】また、樹脂製バルブカバー11にバルブ20を取り付ける方式は、前述したねじ込み方式に限らず、樹脂製バルブカバー11の部材11Aの内側に配設することができる方式であれば良く、例えば溶着式、接着式、あるいは、はめ込み方式等であっても良く、さらに言えば、バルブ20を取り付けるため部材11Aの内側に突起等の係合部を形成する、あるいは他の取り付け部材を配設する等の処置を施すことによって取り付ける方式であっても良い。 【0022】HDPE樹脂で形成した燃料タンク100の外層部に樹脂製バルブカバー11を取り付ける際においては、図1及び図9に示すように、燃料タンク100に形成したバルブ取付け用の開口部を覆うようにして、円筒の内側部分である部材11Aを溶着する。これによって、燃料タンク100のバルブ取付け用の開口部を封止する。なお、前記溶着方法として、本実施形態においては振動溶着法を使用したが、本実施形態に使用することのできる溶着法はこれに限らず、例えば、ヒータ加熱法、あるいは超音波加熱法等といった他の溶着手段を用いても良い。 【0023】本発明の第1の実施形態による樹脂製バルブカバー11は、燃料タンク100に対する溶着部分と燃料ガスのバリヤー層とを、それぞれ異なる別の樹脂で形成することにより、樹脂製の燃料タンクの外層に容易に溶着でき、かつ樹脂製バルブカバー11からの燃料ガスの透過を防止して蒸散する燃料ガスを抑制することができるといった優れた効果を有する。 【0024】次に、本発明の第2〜第5の実施形態による樹脂製バルブカバーの構造を、第1の実施形態と異なる部分を主体に以下説明する。図2から図5に示すように、第2から第5の実施形態による樹脂製バルブカバー12〜14の構造は、前述した第1の実施形態と同様に、バルブ20の燃料を流通させるためのパイプ孔を残してその一端を閉口した桶状又は皿状である。そして、燃料タンク100に溶着された際に燃料が直接接する円筒の内側部分を変性ポリエチレン樹脂で部材12A〜14Aとして形成し、燃料が直接接しない円筒の外側部分をナイロン樹脂によって部材12B〜14Bとして形成している。 【0025】ここで、第2実施形態に係る樹脂製バルブカバー12の構造は、図2に示すように該パイプ管の根元近傍に第2樹脂で形成した部材と係合する環状の凹部を形成した。これによって、部材12Aと部材12Bとの間にかしめ構造■を形成して、部材12Aと部材12Bとの接合力を高めて、樹脂製バルブカバー12を強力に一体化している。 【0026】第3実施形態に係る樹脂製バルブ−カバー13は、図3に示すように部材13Bの円筒の閉口部分に4個の貫通孔を環状に配列して形成し、該貫通孔に嵌合する凸部を部材13Aに形成した。これによって、部材13Aと部材13Bとの間にかしめ構造■を形成して、部材12Aと部材12Bとの接合力を高めて、樹脂製バルブ−カバー12を強力に一体化している。なお、第3の実施形態における凸部と孔部の関係は、部材13Aと部材13Bとの間で逆の配置になっても良いことは勿論である。 【0027】第4実施形態に係る樹脂製バルブ−カバー14は、図4に示すように部材14Bの円筒部分に複数箇所の凸部を形成し、該凸部に嵌合する凹部を部材14Bに形成した。これによって、部材14Aと部材14Bとの間にかしめ構造■を形成して、部材14Aと部材14Bとの接合力を高めて、樹脂製バルブ−カバー12を強力に一体化している。なお、前述した第3の実施形態と同様に、第4実施形態における凸部と凹部の関係は、部材14Aと部材14Bとの間で逆の配置になっても良い。 【0028】第5実施形態に係る樹脂製バルブカバー15の構造は、図5に示すように樹脂製バルブカバー15全体を皿状に形成した実施形態の一つである。樹脂製バルブカバー15の形状が、前述した円筒桶状の実施形態と異なっているが、これも本発明の適応の範囲であり、第2〜第4の実施形態と同様のかしめ構造を取ることにより強力に一体化することが可能である。 【0029】本発明の第2〜第4の実施形態による樹脂製バルブカバー12〜15は、前述した第1実施形態の優れた作用効果を有すると共に、変性ポリエチレン樹脂で形成した部材とナイロン樹脂で形成した部材の接合強度を強めてを強力に一体化できるといった優れた効果を有する。 【0030】また、アルコールを含んだ燃料にナイロン樹脂が長い期間接触すると膨潤して、変性ポリエチレンとの接着強度が落ちる等といった問題が生じるが、本発明でよればナイロン樹脂が燃料に直接的に接することがないので、ナイロン樹脂が膨潤しにくく、長期にわたって部材同士の接合強度を高めておくことが可能になる。 【0031】ナイロン樹脂は凍結防止剤として道路に散布される塩化カリウムに長い間接すると強度が低下するという弱点を有しているが、本発明の樹脂製バルブカバーは、内筒側の変性ポリエチレンにて構造体の強度を保っているので、例えナイロン樹脂が塩化カリウムに長い間接して強度が低下してもバルブカバーの破損などといった問題を引き起こすことはない。 【0032】以下、本発明による樹脂製バルブカバーの製造方法を、樹脂製バルブカバー11の製造方法を例に以下説明する。なお、樹脂製バルブカバー11は部材11Aと部材11Bを別途製造して、後に溶着する等して一体化することも可能であるが、後述する多層成形方法によって製造することが省工程、省コスト等の観点から好ましい。 【0033】本実施形態の樹脂製バルブカバー11を製造するための多層成形方法に使用される多層成形装置200は、図5に示したように金型10と型締装置210と多層射出装置30と制御装置60とを備えて構成される。多層射出装置30は第1の射出装置30Aと第2の射出装置30Bから構成され、金型10は固定盤1に取り付けられた固定型3と可動盤2に取り付けられた可動型4とからなる。 【0034】型締装置210は、可動盤2と固定盤1と型締サーボモータ212と、型締サーボモータ212を制御して駆動する図示しないモータ用のドライバを備え、可動盤2は図示しないタイバーに案内されて、型締サーボモータ212の駆動により可動型4とともに前後進できるよう構成されている。 【0035】本実施形態においては、位置センサHが、可動盤2の位置を検出できるようにして配されており、可動盤2の位置を検出した該位置センサHの出力信号は、制御装置60に入力され、制御装置60は、該位置センサHの出力信号よって可動盤2の位置を検知し、型締サーボモータ212を制御する図示しないドライバに指令信号を与えて、可動盤2を所望の位置に正確に移動させることによって、可動盤2に取り付けられた可動型4を固定盤1に取付けられた固定型3に対して所望の位置に正確に移動させて金型10を自在に開閉し、型締できるよう構成されている。 【0036】なお、本実施形態においては図6に示すようなトグルタイプの電動式の型締装置210を使用したが、本実施形態に限らないことは勿論であり、油圧式であっても良く、またタイプもトグルタイプに限らず直圧タイプ、又は他のタイプの型締装置を本発明に用いても良い。 【0037】図6に示す射出装置30A、および、射出装置30Bは、バレルとバレルに内装されスクリュフライトを有するスクリュと、該バレル内に第1樹脂を供給するホッパと、該スクリュを前後進させる射出用サーボモータ(35A、35B)と、該スクリュを回転させるスクリュ回転用モータ(37A、37B)と、前記射出用サーボモータ(35A、35B)とスクリュ回転用電動モータ(37A、37B)をそれぞれ制御して駆動する図示しないモータ用のドライバを備えており、前記バレル外周面には、図示しないヒータが取付けられている。 【0038】前記射出装置30A、および、射出装置30Bは、スクリュ回転用電動モータ(37A、37B)によってスクリュが回転することにより、ホッパからペレット形状の樹脂がバレル内に供給される構造となっており、該供給されたペレット形状の樹脂は、バレルに取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュの回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融し、スクリュ前方に送られる。 【0039】また、前記射出装置30Aのバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Aが配され、バルブ31Aが回転することによって、樹脂流路の開閉をおこなうことができ、スクリュの前方に送られた第1樹脂はバルブ31Aが開の状態となっている場合にのみ、射出用サーボモータ37Aの駆動により前進するスクリュによって、バレルの先端部にあるノズルから押出す(射出と称することもある)ことができる。 【0040】また、同様に射出装置30Bについてもバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Bが配され、バルブ31Bが回転することによって、樹脂流路の開閉をおこなうことができ、スクリュの前方に送られた第2樹脂はバルブ31Bが開の状態となっている場合にのみ、射出サーボモータ37Bの駆動により前進するスクリュによって、バレルの先端部にあるノズルから押出すことができる。 【0041】制御装置60は、型締装置210を制御する構成として型締制御部と型締条件設定器を有し、多層射出装置30を制御する構成として射出装置制御部と射出条件設定器を有している。また、本実施形態では、金型10の型開量Ltを制御するため、可動盤2の動きを位置センサHで検知し常時測定しており、測定結果は制御装置60に伝えられる構成となっている。 【0042】また、本実施形態に用いる金型10は、ロータリコアを有する金型であって、可動型4は金型10を開いた状態において、図7(4)に示したように可動盤移動方向に対して直交する平面状を回転するロータリ盤4Aを備えており、ロータリ盤4Aを回転させることによりロータリ盤4A上に形成した凸型5A(コア部と称することもある)を回転させて、凸型5Bその配置を入れ換えることが可能である。 【0043】また、固定型3には内層成形用キャビティ3Aと外層成型用キャビティ3Bが形成してあり、内層成形用キャビティ3Aには射出装置30Aの樹脂が射出導入できるよう構成され、外層成型用キャビティ3Bには射出装置30Bの樹脂が射出導入できるよう構成されている。なお、成形後の成形品は可動型4のキャビティ面に付着して残るが、図示されていない製品突き出し装置によって可動型4より突き出して、取りだすことができる構造となっている。 【0044】次に、本実施形態による多層成形の工程を、図8に基づいて説明する。図8(1)で成形開始(サイクル開始)を始めた成形工程は図8(2)の工程において、型締装置210の作動させて図7(1)に示すように金型10を型閉する。 【0045】型閉された金型10が、所定の圧力で型締力を負荷された後、切替バルブ31Aが閉から開に切替わる。次に、射出サーボモータ35Aを駆動して射出装置30Aを射出動作することによって図8(3)から(5)の工程に進み、図7(2)に示すように、第1樹脂を内層成型用キャビティに射出充填することによって内層成形品としての部材11Aを射出成形する。その後、第1射出装置30Aは、スクリュ位置切替えにより保圧工程に切り替わり、予め設定された時間の間、保圧工程を行った後、切替バルブ31Aは開から閉に切替わる。 【0046】ここで、本実施形態に用いた第1の樹脂は変性ポリエチレン(アドテックス・FT61AR3/日本ポリオレフィン株式会社製)であって、射出装置30Aのバレル設定温度250℃で可塑化溶融している。 【0047】図8(6)の工程では図7(3)に示すように、予め型締条件設定器に設定された設定時間とタイマAの経過時間T1が同じになったとき金型10の型締力の負荷を解除し金型10を型開する。 【0048】型開き後は、図8(7)の工程に進み図7(4)に示すように、ロータリ盤4Aを回転させて、ロータリ盤4Aに形成した凸型5Aを回転させて、凸型5Bとその配置を入れ換える。これにより、第1樹脂によって形成した部材11Aが凸部に固着したまま内層成形用キャビティ3A側から外層成形用キャビティ3B側に移動する。 【0049】図8(8)の工程で図7(5)に示すように再度金型を型締した後、図8(9)から図8(11)の工程に進み図7(6)に示すように、切替バルブ31Bが閉から開に切替わり射出装置30Bが射出動作することによって第2樹脂を部材11Aと内層成形用キャビティ3Bとの間に生じた空隙に射出充填する。 【0050】本実施形態に用いた第2の樹脂は、ナイロン6(UBEナイロン6・1013A/宇部興産株式会社製)であって、射出装置30Bのバレル設定温度290℃で可塑化溶融している。なお、本実施形態においては前記第2樹脂の射出と同時に、第1樹脂を内層成型用キャビティに射出充填した。 【0051】第1、第2樹脂の射出充填完了後、図7(12)から図7(14)の工程に進み、それぞれの射出装置は、スクリュ位置切替えにより保圧工程に切り替わり、予め設定された時間の間、保圧工程を行った後、切替バルブ31A、31Bは開から閉に切替わる。そして冷却完了後、型締力の負荷を解除し金型10を型開する。 【0052】型開後、外層成型用キャビティ3Bで成形した成形品を図示しないつきだし装置によって取り出し、その後、再度ロータリ盤4Aを回転させて、ロータリ盤4Aに形成した凸型5Aを回転させて、凸型5Bとその配置を入れ換えることによって、前述した成形工程を繰り返す。以上説明した多層成形方法によれば、一回の成形サイクルで内層成形品である部材11Aと外層成形品である部材11Bを同時に成形できるので、成形時間を短縮して、コストを抑えることができる。また、内層部分(11A)を成形した後、外層部分(11B)を成形する成形方法は、外層部分(11B)が冷却による収縮によって内層部分(11A)に強く抱きつくので、樹脂製バルブカバー11をより強力に一体化できるという点で、好ましい成形方法である。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による樹脂製バルブカバーは、燃料タンクに対する溶着部分と燃料ガスのバリヤー層とをそれぞれ別の樹脂で形成することにより、樹脂製の燃料タンクに形成したバルブ取付け用の開口部に容易に溶着でき、かつ樹脂製バルブカバーからの燃料ガスの透過を防止して蒸散する燃料ガスを長く安定して抑制することができるといった優れた効果を有する。 【0054】また、燃料ガスバリヤー性の高いナイロン樹脂は、アルコールを含んだ燃料に長い期間接触すると膨潤して、変性ポリエチレンとの接着強度が落ちる等といった問題が生じるが、本発明でよればナイロン樹脂が燃料に直接的に接することがないので、ナイロン樹脂が膨潤しにくく、長期にわたって部材同士の接合強度を高めておくことが可能である。 【0055】さらに、ナイロン樹脂は凍結防止剤として道路に散布される塩化カリウムに長い間接すると強度が低下するという弱点を有しているが、本発明の樹脂製バルブカバーは、内筒側の変性ポリエチレンにて構造体の強度を保っているので、例えナイロン樹脂が塩化カリウムに長い間接して強度が低下してもバルブカバーの破損などといった問題を引き起こすことはない。 【0056】第2の発明によれば、変性ポリエチレン樹脂で成形したパイプ管の根元近傍に環状の凹部を形成することによって、変性ポリエチレン樹脂で成形した部材とナイロン樹脂で成形した部材との間にかしめ構造を形成して部材間同士の接合力を高め、樹脂製バルブカバーを強力に一体化している。異種材となる変性ポリエチレンとナイロンは長期における使用において溶着強度が多少低下したとしても形状効果で内層と外層を指示しているので構造的に剥離分解しないので、長期に安定して使用することが可能である。 【0057】第3〜第4の発明によれば、樹脂製バルブカバー円筒の閉口部分を形成する一方の部材に貫通孔(又は孔部)を環状に配列して形成し、該貫通孔(又は孔部)に嵌合する凸部(又は貫通孔)をもう一方の部材に形成することによって、あるいは一方の部材の円筒部分に複数箇所の凸部(又は凹部)を形成し、該凸部(又は孔部)に嵌合する凹部(又は凸部)をもう一方の部材に形成することによって、前述と同様に変性ポリエチレン樹脂で成形した部材とナイロン樹脂で成形した部材との間にかしめ構造を形成して部材間同士の接合力を高めて、樹脂製バルブカバーを強力に一体化している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000206 【氏名又は名称】宇部興産株式会社 【住所又は居所】山口県宇部市大字小串1978番地の96
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| 【出願日】 |
平成14年3月18日(2002.3.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−267070(P2003−267070A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−73698(P2002−73698) |
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