| 【発明の名称】 |
燃料タンク構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】大和田 正次 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高圧燃料ガス充填時の局部的な発熱を抑制し、熱的な歪みを抑制した燃料タンク構造を提供する。
【解決手段】バルブユニット30の雄ネジ部は、タンクインナー部材1で形成された雌ネジ5にシールリング6を介装して螺合されている。バルブユニット30には、燃料充填用のパイプを接続するための充填用レセプタクル7と、内燃機関や燃料電池に燃料を供給するための供給用パイプを接続するための供給用レセプタクル8が設けられている。バルブユニット30のタンク内側には、複数の噴出し口33を有する噴出口ユニット31がボルト32に螺合されている。それぞれの噴出し口33は、充填用レセプタクル7に連通するとともに、各噴出し口33の方向は、タンク軸方向に対して角度αだけ傾けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 充填する燃料をタンク内へ噴出させる充填口と、該充填口から噴出する燃料をタンク内部へ拡散させる拡散手段と、を備えたことを特徴とする燃料タンク構造。 【請求項2】 前記拡散手段は、タンクの軸方向に対して傾きを有する複数の噴出口であることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク構造。 【請求項3】 前記拡散手段は、前記充填口の周囲に配設された格子状部材であることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク構造に係り、特に、天然ガスや水素等の燃料ガスを高圧で充填する燃料タンク構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より天然ガス車両や燃料電池車両用として、燃料ガスを高圧で貯蔵する燃料タンクが用いられている。車両用の燃料タンクは、重量軽減のためにスチール容器やアルミニウム容器よりも金属製ライナーを有する樹脂系のコンポジット容器やオールコンポジット容器が好まれる傾向がある。 【0003】従来の高圧ガス用燃料タンクの例としては、特開平9−291862号公報に開示された技術が知られている。この従来技術によれば、図3の縦断面図に示すように、燃料タンク本体は、金属等の高気密性を有するタンクインナー部材1と、軽量の抗張力材を用いたタンクアウター部材2との2重層からなる略円筒形状に形成されている。そして、タンク本体に燃料充填用レセプタクル7と燃料供給用レセプタクル8を有するバルブユニット3を取り付けるとともに、バルブユニット3の反対側をプラグ4で封止している。 【0004】バルブユニット3の周辺拡大図を図4に示す。図中左半部が大径部、右半部が小径部となるよう形成された略円筒形状のバルブユニット3は、小径部に雄ネジが形成されている。バルブユニット3の雄ネジ部は、タンクインナー部材1で形成された雌ネジ5にシールリング6を介装して螺合されている。 【0005】またバルブユニット3には、燃料充填用のパイプを接続するための充填用レセプタクル7と、内燃機関や燃料電池に燃料を供給するための供給用パイプを接続するための供給用レセプタクル8が設けられている。そして燃料充填時には、充填用レセプタクル7から充填された燃料ガスが充填口9からタンク内に噴出するようになっている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような燃料タンクに高圧の燃料ガスを充填する場合、図5に示すように、充填口9からタンク内部に噴出した燃料ガスの大部分は、高速で一気に反対側のプラグ4付近に衝突する。そして、プラグ4付近が高速ガスの衝突エネルギーにより発熱し、バルブユニット3の付近よりも高温になる。 【0007】この従来の燃料タンクにおける充填時の温度上昇具合を図6に示す。タンク初期圧力をP0とし、タンク満充填時圧力をP1とすれば、周囲温度25℃における満充填時のプラグ4の温度は、バルブユニット3の温度より約20℃上昇している。 【0008】しかしながら、燃料ガスの高圧充填時の部分的な燃料タンクの温度上昇は、熱膨張による歪みを生じるという問題点があった。 【0009】以上の問題点に鑑み本発明の目的は、高圧燃料ガス充填時の局部的な発熱を抑制し、熱的な歪みを抑制した燃料タンク構造を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、充填する燃料をタンク内へ噴出させる充填口と、該充填口から噴出する燃料をタンク内部へ拡散させる拡散手段と、を備えたことを要旨とする燃料タンク構造である。 【0011】上記目的を達成するために請求項2記載の発明は、請求項1記載の燃料タンク構造において、前記拡散手段は、タンクの軸方向に対して傾きを有する複数の噴出口であることを要旨とする。 【0012】上記目的を達成するために請求項3記載の発明は、請求項1記載の燃料タンク構造において、前記拡散手段は、前記充填口の周囲に配設された格子状部材であることを要旨とする。 【0013】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、充填する燃料をタンク内へ噴出させる充填口と、該充填口から噴出する燃料をタンク内部へ拡散させる拡散手段と、を燃料タンク構造に備えたことにより、燃料ガスが高圧で充填されても、充填口から噴出する高圧ガスが拡散手段により拡散されて高圧ガスが衝突する箇所が分散されるとともに衝突速度が低下して、局部的な発熱を抑制し熱的な歪みを抑制した燃料タンク構造を提供することができるという効果がある。 【0014】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の燃料タンク構造において、前記拡散手段は、タンクの軸方向に対して傾きを有する複数の噴出口であることとしたので、複数の噴出口からそれぞれ高圧燃料ガスが噴出するので、燃料ガスが衝突する箇所が分散されるとともに衝突速度が低下するという効果がある。 【0015】請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の燃料タンク構造において、前記拡散手段は、前記充填口の周囲に配設された格子状部材であることとしたので、充填口より噴出する燃料ガス流が格子状部材により細かく分散撹拌され、著しく流速を低下させることができるという効果がある。 【0016】 【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。 〔第1実施形態〕第1実施形態の燃料タンクの概略形状は、図3に示した従来の燃料タンクと同様であるが、バルブユニット30及びその付属品が異なる。燃料タンク本体は、特に限定されないが、金属等の高気密性を有するタンクインナー部材1と、軽量の抗張力材を用いたタンクアウター部材2との2重層からなる略円筒形状に形成され、車両用燃料タンクとして好適なものである。 【0017】図1は、本発明に係る燃料タンク構造の第1実施形態を説明する要部縦断面図であり、バルブユニット30の周辺を拡大している。図中左半部が大径部、右半部が小径部となるよう形成された略円筒形状のバルブユニット30は、小径部に雄ネジが形成されている。バルブユニット30の雄ネジ部は、タンクインナー部材1で形成された雌ネジ5にシールリング6を介装して螺合されている。 【0018】またバルブユニット30には、燃料充填用のパイプを接続するための充填用レセプタクル7と、内燃機関や燃料電池に燃料を供給するための供給用パイプを接続するための供給用レセプタクル8が設けられている。 【0019】またバルブユニット30のタンク内側には、複数の噴出し口33を有する噴出口ユニット31がボルト32に螺合されている。それぞれの噴出し口33は、充填用レセプタクル7に連通するとともに、各噴出し口33の方向は、タンク軸方向に対して角度αだけ傾けられている。さらに複数の噴出し口33の方向は、噴出口ユニット33を頂点としてタンク内に向かって放射状に設けられていることが好ましい。 【0020】本実施形態における燃料ガス充填時には、充填用レセプタクル7から充填される高圧燃料ガスは、複数の噴出し口33から分散して、且つタンク軸方向にαの傾きを持ってタンク内部に噴出する。但し、傾き角度αをタンクの軸方向に対して垂直(α=90°)に近い角度で設けると、噴出し口33を複数設けても、噴出し口33からタンクインナー部材1までの燃料ガスの飛距離が短くなるために発熱抑制効果が少ない。 【0021】そこで本実施形態では、噴出し口33の向きをタンク軸方向に対して斜めにすることで噴出し口33からタンクインナー部材1までの距離を稼ぎ、拡散効果を持たせた。 【0022】この傾き角度αは、略円筒形状の燃料タンクの場合、その半径をr、その軸方向の長さをLとすると、次の式(1)、または式(2)で示されるαを含む前後の値が好ましい。 【0023】 【数1】 tanα=r/L …(1) α=tan-1(r/L) …(2) これにより、充填する燃料ガスがタンクインナー部材1へ衝突する際には、運動エネルギーが小さくなっており、衝突によるタンク本体の発熱を抑制することができる。 【0024】〔第2実施形態〕第2実施形態の燃料タンクの概略形状は、図3に示した従来の燃料タンクと同様であるが、バルブユニット40及びその付属品が異なる。燃料タンク本体は、特に限定されないが、金属等の高気密性を有するタンクインナー部材1と、軽量の抗張力材を用いたタンクアウター部材2との2重層からなる略円筒形状に形成され、車両用燃料タンクとして好適なものである。 【0025】図2は、本発明に係る燃料タンク構造の第1実施形態を説明する要部縦断面図であり、バルブユニット40の周辺を拡大している。図中左半部が大径部、右半部が小径部となるよう形成された略円筒形状のバルブユニット40は、小径部に雄ネジが形成されている。バルブユニット40の雄ネジ部は、タンクインナー部材1で形成された雌ネジ5にシールリング6を介装して螺合されている。 【0026】またバルブユニット40には、燃料充填用のパイプを接続するための充填用レセプタクル7と、内燃機関や燃料電池に燃料を供給するための供給用パイプを接続するための供給用レセプタクル8が設けられている。 【0027】またバルブユニット40の充填通路には、略円筒形状のアダプタ41をネジ46で螺合している。アダプタ41は、タンク内側に開口部である噴出口47を備えるとともに、外周部を一周する溝44が設けられている。 【0028】溝44には、格子状に多数の孔が開いた略円筒形状のシリンダ部材42がバンド43により取り付けられている。シリンダ部材42の底部には、プレート45が設けられている。シリンダ部材42は、例えば金属板に多数の孔を格子状に開けて円筒形状に成型してもよいし、金属製金網をシリンダ形状に成型してもよい。 【0029】本実施形態における燃料ガス充填時には、充填用レセプタクル7から充填される高圧燃料ガスは、アダプタ41の噴出口47から噴出し、一旦プレート45に衝突して反射し、シリンダ部材42の多数の格子状の孔からタンク内部へ拡散されて噴出する。燃料ガスがタンクインナー部材1に衝突するときには運動エネルギーは小さくなっており、燃料ガスの衝突によるタンク本体の発熱を抑制することができる。 【0030】噴出口47から噴出した燃料ガスがプレート45に衝突する際には、プレート45が発熱し、その温度が上昇する。しかしプレート45の熱は、シリンダ部材42に伝わり、シリンダ部材42の多数の格子状の孔を介してタンク内燃料ガスに放熱されるので、アダプタ41までは殆ど伝わず、アダプタ41の温度上昇は僅かで問題とならない。 【0031】このため、小さな部品であるプレート45の耐熱性さえ高めておけば、その他の部品の耐熱性を考慮する必要がなく、製造コストを抑制することができる。 【0032】本実施形態によれば、充填する燃料ガスの拡散手段として、充填口の周囲に配設された多数の格子状孔を有するシリンダ部材としたので、充填口より噴出する燃料ガス流がシリンダ部材により細かく分散撹拌され、著しく流速を低下させ、タンクインナー部材への衝突エネルギーをより小さくすることができる。 【0033】尚、上記各実施形態においては、充填用レセプタクルと供給用レセプタクルとを個別に有する燃料タンク構成としたが、これに限らず充填と供給で通路を供給する燃料タンクに適用できることは明らかである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月14日(2002.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267069(P2003−267069A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−70143(P2002−70143) |
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