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【発明の名称】 燃料タンク構造
【発明者】 【氏名】小菅 正美
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】小笠 博司
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】黒木 盛男
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】佐山 満
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】杉山 光雄
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】向坊 長嗣
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【要約】 【課題】天然ガス等の気体燃料を用いる車両において、燃料タンクを搭載部位に自由に配置でき、限られた空間内で燃料ガスの容量を充分に確保することができる燃料タンク構造を提供する。

【解決手段】互いに連通した複数の筒状のタンク本体301,302を設け、これら複数の筒状のタンク本体301,302を互いに隣接させた状態で車両1の燃料タンク搭載部位に配置したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体燃料を用いる車両の燃料タンク構造において、互いに連通した複数の筒状のタンク本体を設け、これら複数の筒状のタンク本体を互いに隣接させた状態で車両の燃料タンク搭載部位に配置したことを特徴とする燃料タンク構造。
【請求項2】 前記複数の筒状のタンク本体を横断するようにプレート部材を設け、このプレート部材に各タンク本体内を連通させる連通部を設け、各タンク本体をプレート部材を介して連通可能に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンク構造。
【請求項3】 前記プレート部材の配置位置を、各タンク本体の長さ方向両端部の中間領域に設定したことを特徴とする請求項2記載の燃料タンク構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば天然ガス等の気体燃料を用いる車両の燃料タンクの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、天然ガス等の気体燃料を用いる車両の中には、図11に示すように大型の燃料タンク100を搭載したものがある。この燃料タンク100は、収容された燃料ガスの圧力を均等に分散させるように通常円筒状に形成されており、また、充分な容量を確保するためには燃料タンク径が大きくなるため、その搭載場所としてトランクルーム110等の広い空間が利用されている。燃料タンク100の後方には仕切板111が設けられ、その後方がトランクルーム110の実用部分となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような大径円筒状の燃料タンク100の搭載部位には多くの無駄な空間が生じてしまい、空間利用率が悪化すると共に、トランクルーム110等の車内空間を著しく狭めてしまうという問題がある。また、燃料タンク100を小型にすると必然的に燃料ガスの容量が減少するという問題がある。前記燃料タンク100を比較的小径のタンクに2分割して、それらの外面形状がリアシート102下面形状に適合するように配置した例(特開2000−219050号公報)もあるが、汎用性に欠け、満足できるものではなかった。そこで、この発明は、燃料タンクを搭載部位に自由に配置でき、限られた空間内で燃料ガスの容量を充分に確保することができる燃料タンク構造を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、互いに連通した複数の筒状のタンク本体(例えば実施形態におけるタンク本体301,302,501,502)を設け、これら複数の筒状のタンク本体を互いに隣接させた状態で車両の燃料タンク搭載部位に配置したことを特徴とする。このように構成することで、搭載部位に対応させて筒状のタンク本体を積み重ねるように近接配置し、且つ、その長さを調整することにより、燃料ガス容量を確保した上で燃料タンクの形状を車体の搭載部位の空間に自在に適合させることが可能となる。
【0005】請求項2に記載した発明は、前記複数の筒状のタンク本体を横断するようにプレート部材(例えば実施形態におけるプレート部材321,322,52)を設け、このプレート部材に各タンク本体内を連通させる連通部(例えば、実施形態における連通経路341,342,54)を設け、各タンク本体をプレート部材を介して連通可能に取り付けたことを特徴とする。このように構成することで、プレート部材によって各タンク本体を連結すると共に各タンク本体内部を連通させることが可能となる。
【0006】請求項3に記載した発明は、前記プレート部材の配置位置を、各タンク本体の長さ方向両端部の中間領域に設定したことを特徴とする。このように構成することで、搭載部位に対応させて各タンク本体の両端部の位置を変更してその長さを調整することができ、燃料タンクの形状を車体の搭載部位の空間に、より自由に適合させることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を図面と共に説明する。図1はこの発明に係る、例えば天然ガス車両の側面説明図である。同図に示すように、車両1のリアシート2のシートバック4の後方には、小径円筒状のタンク本体301を複数連結して形成される第1燃料タンク21が配置され、リアシート2のシート本体3の下方には、第1燃料タンク21と同様に構成される第2燃料タンク22が配置されている。
【0008】シートバック4の後方のトランクルーム10は、仕切板11により前後に区画され、その前部がタンク搭載部位として利用されている。そして、その搭載部形状に適合するように形成された第1燃料タンク21が、支持フレーム23を介して前後方向に延設される車体のサイドフレーム7に固定されている。
【0009】フロアパネル5は段差部を介してその後方のリアフロア6に接続されており、リアフロア6下面側で、各々サイドフレーム7に渡設されたミドルクロスメンバ8とリアクロスメンバ9との間がタンク搭載部位として利用されている。そして、その搭載部位の形状に適合するように形成された第2燃料タンク22が、バンド25によってリアフロア6に押し付けられるようにして固定されている。第2燃料タンク22の搭載部位は下方からプロテクタ28で覆われており、チッピングや接地等から第2燃料タンク22を保護している。また、第2燃料タンク22の上方には、ミドルクロスメンバ8とリアクロスメンバ9に渡るガードパイプ29が配置されており、ボディ剛性を高めている。
【0010】第1燃料タンク21及び第2燃料タンク22は、車幅方向に延在する複数の小径円筒状のタンク本体301及びタンク本体302を各々千鳥状に近接配置して形成されたものである。各タンク本体301,302は、例えばアルミ押し出し材からなる中空円筒部材であり、この実施形態においては、タンク本体301,302の内部に気体燃料を吸着させて貯蔵するための活性炭等が収容されている。そして、各タンク本体301は後述するプレート部材321を介して、また、各タンク本体302は後述するプレート部材322を介してそれらの内部が互いに連通されており、従って第1燃料タンク21と第2燃料タンク22の各々が一体の吸着式低圧ガスタンクとして構成されている。更に、これら第1燃料タンク21と第2燃料タンク22とが連通されて、車両1の燃料タンク20が構成されている。
【0011】図2は第2燃料タンク22を右側前方から見た斜視図である。同図に示すように、第2燃料タンク22は、例えば上下3段に配置された複数のタンク本体302を、それらの右側(図中矢印RH側)端部を整合させた状態で連結固定したものである。具体的には、タンク本体302の右側端部では、これを横断するように例えばアルミ製のプレート部材322を取り付け、またタンク本体302の両端部の中間領域では、これを横断するように例えばアルミ製の2つの連結プレート362,362を取り付けて連結している。各タンク本体302の右側端部には連通孔312が形成されており、プレート部材322内部に形成される連通経路342(連通部)を介して各タンク本体302の内部が連通される。また、各タンク本体302の左側端部は、配置される空間に合わせてその長さが決定されている。
【0012】各連結プレート362の下縁部には前述したバンド25が装着されており、各連結プレート362及びプレート部材322の上縁部には、リアフロア6との間に介装されるクッションラバー26が設けれられている。プレート部材322の前側(図中矢印FR側)端面にはコネクタ39及びパイプ40が設けられており、図示しないエンジンへの燃料ガス供給経路を形成している。また、プレート部材322の後側端面にも同様にコネクタ39及びパイプ40が設けられており、第1燃料タンク21との連通経路を形成している。
【0013】図3は第1燃料タンク21左側前方から見た斜視図である。各図に示すように、第1燃料タンク21は、上下に重なるように配置された複数のタンク本体301を、それらの左側(図中矢印LH側)端部を整合させた状態で連結固定したものである。具体的には、タンク本体301の左側端部では、これを横断するように例えばアルミ製のプレート部材321を取り付け、またタンク本体301の両端部の中間領域では、これを横断するように例えばアルミ製の2つの連結プレート361,361を取り付けて連結している。各タンク本体301の左側端部には連通孔311が形成されており、プレート部材321内部に形成される連通経路341(連通部)を介して各タンク本体301の内部が連通される。また、各タンク本体301の右側端部は、配置される空間に合わせてその長さが決定されている。
【0014】プレート部材321及び各連結プレート361にはステー24a,24b,24c(後側は図示せず)が取り付けられ、これらを介して第1燃料タンク21が井桁状に構成された支持フレーム23に支持されている。プレート部材321の前側(図中矢印FR側)端面には、前記プレート部材322と同様にコネクタ39及びパイプ40が設けられており、第2燃料タンク22との連通経路を形成している。
【0015】図4は第2燃料タンク22とその周辺の平面図である。同図に示すように、第2燃料タンク22は、前後方向(図4では左右方向)に延びる一対のサイドフレーム7,7と、車幅方向(図5では上下方向)に延びるミドルクロスメンバ8及びリアクロスメンバ9で囲まれた部位に配置されているが、サイドフレーム7の車幅方向の変化に対応して各タンク本体302の左側端部の延出位置を個別に変化させ、搭載部位の車幅方向の形状変化に適合させている。尚、29はU字状に形成された前記ガードパイプを、12は排気ユニットを示す。
【0016】図5は図1のB−B線に沿う断面図である。同図に示すように、第1燃料タンク21は、車幅方向内側に膨出するホイルハウス13の内側に配置されているが、車室内右側壁の車体形状に対応して、各タンク本体301の右側端部の延出位置を個別に変化させ、搭載部位の車幅方向の形状変化に適合させている。
【0017】次に、第2燃料タンク22の各タンク本体302の内部連通構造について説明する。また、第1燃料タンク21における連通構造も第2燃料タンク22と同様であるため、その説明は省略する。図6は図2のC−C線に沿う断面図である。同図に示すように、タンク本体302の両端開口部には各々キャップ38が例えば摩擦撹拌溶接によって接合されている。そして、タンク本体302の右側端部外周面にはプレート部材322が溶接固定され、また、タンク本体302の長さ方向の両端部間の中間領域を横断するように2つの連結プレート362,362が溶接固定されている。
【0018】具体的には、プレート部材322には、互いに千鳥状に近接配置された複数の貫通孔332が設けられ、これら各貫通孔332に各々タンク本体302を挿通し、溶接によってタンク本体302の右側端部と貫通孔332の周囲の全周とが接合されている。タンク本体302の右側端部には一対の連通孔312,312が互いに対向するように設けられている。また、プレート部材322には、その厚さ方向の略中間部に、タンク本体302の連通孔312に対応するように連通経路342が設けられている。各連結プレート362にも、プレート部材322と同様の貫通孔372が設けられ、これら各貫通孔372に挿通されたタンク本体302と貫通孔372の周囲の全周又は一部とが溶接によって接合されている。尚、各連結プレート362の下端部には、前記バンド25を装着する際のガイドとなる一対のブラケット27,27が取り付けられている。
【0019】図7は図6のD−D線に沿う断面図である。同図に示すように、プレート部材322の各貫通孔332は上下方向に3段に重なるように設けられており、各段の貫通孔332,332,・・・間には、その中心付近を通るようにプレート部材322の前後(図8においては左右)端面に渡って貫通する位置に連通経路342が形成されている。また、プレート部材322の前後端部で、上段の貫通孔332を下段の貫通孔332の各々から、中段の連通経路342と交差しプレート部材322の前後端面で開口する2つの上下連通経路352,352が形成されている。尚、タンク本体302の内、上下連通経路に対応するタンク本体302には、連通孔312aが設けられている。また、プレート部材322の前後端面の中段の連通経路342の開口部にはコネクタ39が螺着され、他の連通経路342及び上下連通経路352の開口部には閉塞用の栓41が固着されている。
【0020】以上の構成により、積み重なるように近接配置された複数のタンク本体301,302が連結プレート361,362及びプレート部材321,322によって各々連結され、且つ、閉塞された各タンク本体301,302の内部がプレート部材321,322等により連通されることで、複数のタンク本体301,302が1つの燃料タンク20として一体化される。そして、燃料タンク20は各タンク本体301,302の端部長さを調整すると共に、積み重ねる数を調整することによって、その形状をタンク搭載部位の形状に自在に適合させることが可能となる。従って、充分な燃料ガス容量を確保した上でトランクルーム10及びリアフロア6下のタンク搭載部位を縮小し、トランクルーム10等の車内空間を充分確保することができる。また、タンク本体301,302の一端側はその端面から連通用パイプ等を突出させず、他端側はその端部の延出位置を個別に変化させることができるため、タンク搭載部位を燃料ガス収容部として無駄なく利用することができる。
【0021】また、上記実施形態の応用例として、図8に示すように、前記プレート部材321,322をタンク本体301,302の端部に設けないで、一方の連結プレート361,362の設置位置に設けるようにしても良い。この構成により、第1燃料タンク21においては、連結プレート361を2枚から1枚に削減できると共に各タンク本体301の左側端部も右側端部と同様その延出位置を個別に変化させることができる。また、第2燃料タンク22においては、連結プレート362を2枚から1枚に削減できると共に各タンク本体302の右側端部も左側端部と同様その延出位置を個別に変化させることができる。従って、燃料タンク20の部品点数を削減できると共にタンク搭載部位を燃料ガス収容部として一層無駄なく利用することができる。
【0022】 次に、この発明の第2実施形態を図9、図10に基づいて説明する。この実施形態は、タンク本体301,302を円筒状から多セル状としたものである。また、図9は図1に相当する側面説明図であるため、図1と同一構成部品には同一符号を付して説明を省略する。図9に示すように、この実施形態におけるタンク本体501及びタンク本体502は、多セル状の例えばアルミ押し出し材からなり、これらを各々複数連結して第1燃料タンク21及び第2燃料タンク22が形成されている。
【0023】次に、各タンク本体502の内部連通構造について説明する。尚、以下の説明は第2燃料タンク22を例として説明するが、第1燃料タンク21においても同様であるため、その説明は省略する。図10は図9のF−F線に沿う断面図である。同図に示すように、タンク本体502の左側端面には、各タンク本体502に渡設される例えばアルミ押し出し材からなる一体のプレート部材52が接合されており、右側端面には例えばアルミ製のプレート58が接合されている。また、タンク本体502の両端部間の中間領域を横断するように2つの連結プレート56,56が溶接固定されている。プレート部材52には、その断面内に2つの連通経路54,54(連通部)が形成されており、それらは各タンク本体502に渡設され、且つ、その渡設方向に直行するように並ぶ2つのセル502a,502aに各々渡設されている。そして、各セル502aと連通経路54との間に連通孔54aを設けることによって連通経路54毎に各セル502aの内部が一体化され、また、連通経路54に直行するように並ぶ各セル502aの仕切壁502bに切り欠き55を設けることによって各連通経路54間が連通されている。
【0024】以上の構成により、多セル形の複数のタンク本体501,502が1つの燃料タンク20として一体化され、第1実施形態と同様、充分な燃料ガス容量を確保した上でトランクルーム10及びリアフロア6下のタンク搭載部位を縮小し、トランクルーム10等の車内空間を充分確保することができる。また、タンク本体501,502を多セル状としたことにより、円筒状のタンク本体301,302を近接配置した場合に生ずる隙が無く同容量でより小型の燃料タンク20とすることができるため、タンク搭載部位をより縮小し、各種デバイス等の配置スペースを確保することができる。更に、部品点数が大幅に削減できるため、組み付け等のコスト低減が図れる。
【0025】尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、タンク本体301,302の本数、サイズ等、また、タンク本体501,502のサイズ、セルの分割数等は車両に対応させて適宜変更可能である。また、上記実施形態では、燃料タンク20は吸着式低圧ガスタンクとして構成されているが、高圧ガスタンクとしても良い。その場合、タンク本体の材料はアルミからステンレス等の強固な材料に変更することが望ましい。また、この発明は、天然ガス車両だけでなく、例えば燃料電池車両等の気体燃料を用いる車両全般に適応可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、燃料ガス容量を確保した上で燃料タンクの形状を車体の搭載部位の空間に自在に適合させることが可能となり、燃料タンクの搭載自由度が高まると共に、多様な車種への汎用性が高まる効果がある。
【0027】また、請求項2に記載した発明によれば、プレート部材によって各タンク本体を連結すると共に各タンク本体内部を連通させることが可能となり、部品点数の削減及び構造の簡素化が図れると共に、プレート部材にタンク本体を連結する機能とタンク本体を連通させる機能とをあわせ持たせることで、各々別部品で構成した場合に比較して占有空間を小さくできる効果がある。
【0028】また、請求項3に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明の効果に加え、燃料タンクの形状を車体の搭載部位の空間に、より自由に適合させることが可能となり、燃料タンクの搭載自由度及び汎用性が一層高まる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
【公開番号】 特開2003−267066(P2003−267066A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−76781(P2002−76781)