| 【発明の名称】 |
車両用冷却システムの制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉浦 敏行 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】車両動力用の発熱源の冷え具合を的確に検知して、発熱源の停止後の冷却系動作時間を最短化してエネルギー利用効率を高める。
【解決手段】車両用冷却システムは、車両動力用の発熱源である燃料電池スタック4と放熱器1との間で冷媒である冷却水を循環させて燃料電池スタック4を冷却する。入口側温度センサ5及び出口側温度センサ6は、燃料電池スタック4への冷却水循環経路7内の入口温度と出口温度とを測定する。冷却制御コンピュータ12は、燃料電池スタック4の作動停止時に、モータ制御コントロールユニット11を介して冷却水の流量を燃料電池スタック4の作動中の流量より少ない流量を設定した後に、入口温度と出口温度との温度差である温度勾配を判定して冷却系を停止させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両動力用の発熱源と放熱器との間で冷媒を循環させて前記発熱源を冷却する車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源への冷媒通路内の入口温度と出口温度とを測定する温度測定手段と、前記冷媒の流量を前記発熱源の作動中の流量より少ない流量を設定することができる冷媒流量制御手段と、前記発熱源の作動停止時に、前記冷媒流量制御手段により冷媒の流量を発熱源の作動中の流量より低下させた後に、前記温度測定手段による入口温度と出口温度との温度差である温度勾配を判定する温度勾配判定手段と、を備えたことを特徴とする車両用冷却システムの制御装置。 【請求項2】 前記低下させた冷媒の流量を所定期間継続した後に、冷媒の循環を停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置。 【請求項3】 前記発熱源の作動停止時に、前記温度勾配判定手段による温度勾配が所定値以下になったら前記冷媒の流量を更に低下させて再度温度勾配を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置。 【請求項4】 再度温度勾配を判定した結果、温度勾配が所定値以下になり、かつ冷媒の流量が下限値に達していれば冷却システムを停止させ、温度勾配が所定値以下になり、かつ冷媒の流量が下限値に達していなければ再度冷媒の流量を低下させて再度温度勾配を判定することを特徴とする請求項3に記載の車両用冷却システムの制御装置。 【請求項5】 前記発熱源の作動停止時に、温度勾配が所定値以下になっていなければ、一旦冷媒の流量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置。 【請求項6】 車両動力用の発熱源と放熱器との間で冷媒を循環させて前記発熱源を冷却する車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源への冷媒通路内の入口温度と出口温度とを測定する温度測定手段を備え、前記発熱源の作動停止時に、前記温度測定手段による出口温度と入口温度の温度差が所定の値となるように前記冷媒の流量を制御し、冷媒の流量が所定の流量以下となったら冷却システムの作動を停止させることを特徴とする車両用冷却システムの制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両動力用の発熱源を冷却する車両用冷却システムの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年地球温暖化対策として、二酸化炭素排出量の低減が推進され、車両の負荷が小さい場合にエンジンや燃料電池の発電を停止するアイドルストップ運動が推進されている。一般に、アイドルストップを含めて車両の内燃機関などの発熱源を冷却する冷却システムは、発熱源の運転停止とともに作動を停止するように構成されている。 【0003】燃料電池車両におけるアイドルストップ技術として、特開2001−359204号公報記載の技術が知られている。この技術によれば、アイドルストップの条件として、車両の速度が所定値より小さいか否か、走行用モータと燃料電池に空気を供給するエアーコンプレッサー用駆動モータとのモータ出力が所定値より小さいか否か、ブレーキがオン状態か否か、蓄電装置の端子間電圧が所定値よりよりも大きいか否かの各条件が全て成立した場合、アイドルストップを許可するように制御している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体高分子電解質を用いた燃料電池は、通常100℃程度以下の運転温度であり、燃料電池の運転停止時に、直ちに冷却系も停止すると、スタック内の予熱が充分放熱されずに運転温度を超えて、耐久性を悪化させる恐れがある。このため、安全マージンを取って十分に冷却すると、冷却水循環ポンプやラジエータファン駆動のためのエネルギーロスになるという問題点があった。 【0005】また、アイドルストップ時にも燃料電池等の発熱源では十分に低温状態にしないと冷却水の停止をすることができないが、安全マージンを取って十分に冷却するとアイドルストップの効果が低減されてしまうという問題点があった。 【0006】以上の問題点に鑑み本発明の目的は、車両動力用の発熱源の冷え具合を的確に検知して、発熱源の停止後の冷却系動作時間を最短化してエネルギー利用効率を高めることができる車両用冷却システムの制御装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、上記目的を達成するため、車両動力用の発熱源と放熱器との間で冷媒を循環させて前記発熱源を冷却する車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源への冷媒通路内の入口温度と出口温度とを測定する温度測定手段と、前記冷媒の流量を前記発熱源の作動中の流量より少ない流量を設定することができる冷媒流量制御手段と、前記発熱源の作動停止時に、前記冷媒流量制御手段により冷媒の流量を発熱源の作動中の流量より低下させた後に、前記温度測定手段による入口温度と出口温度との温度差である温度勾配を判定する温度勾配判定手段と、を備えたことを要旨とする。 【0008】請求項2記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置において、前記低下させた冷媒の流量を或る期間継続した後に、冷媒の循環を停止させることを要旨とする。 【0009】請求項3記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源の作動停止時に、前記温度勾配判定手段による温度勾配が所定値以下になったら前記冷媒の流量を更に低下させて再度温度勾配を判定することを要旨とする。 【0010】請求項4記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の車両用冷却システムの制御装置において、再度温度勾配を判定した結果、温度勾配が所定値以下になり、かつ冷媒の流量が下限値に達していれば冷却システムを停止させ、温度勾配が所定値以下になり、かつ冷媒の流量が下限値に達していなければ再度冷媒の流量を低下させて再度温度勾配を判定することを要旨とする。 【0011】請求項5記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源の作動停止時に、温度勾配が所定値以下になっていなければ、一旦冷媒の流量を増加させることを要旨とする。 【0012】請求項6記載の発明は、上記目的を達成するため、車両動力用の発熱源と放熱器との間で冷媒を循環させて前記発熱源を冷却する車両用冷却システムの制御装置において、前記発熱源への冷媒通路内の入口温度と出口温度とを測定する温度測定手段を備え、前記発熱源の作動停止時に、前記温度測定手段による出口温度と入口温度の温度差が所定の値となるように前記冷媒の流量を制御し、冷媒の流量が所定の流量以下となったら冷却システムの作動を停止させることを要旨とする。 【0013】 【発明の効果】本発明によれば、車両動力用の発熱源の冷え具合を的確に検知して、発熱源の停止後の冷却系動作時間を最短化してエネルギー利用効率を高めることができる車両用冷却システムの制御装置を提供することができる。 【0014】また、アイドルストップを行う場合も、アイドルストップの長時間化を実現できて、アイドルストップの効果を最大限得ることが可能になる。 【0015】 【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。 〔第1実施形態〕図1、図2及び図3は、本発明に係る車両用冷却システムの制御装置の第1実施形態を説明したシステム構成図と、制御フロー図と、時間変数における各種状態を説明した図である。本実施形態では、車両動力用の発熱源として燃料電池スタックを備え、燃料電池スタックを車両用冷却システムで冷却している。 【0016】図1に示す様にこの車両は、車両動力用の発熱源としての燃料電池スタック4と、冷媒としての冷却水の熱を外部に放出する放熱器1と、冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ2と、冷却水循環ポンプ2を駆動するポンプモータ3と、燃料電池スタック4への冷却水入口温度(Tin)を測定する入口側温度センサ5と、冷却水出口温度(Tout )を測定する出口側温度センサ6と、燃料電池スタック4及び放熱器1間で冷却水を循環させる冷却水循環経路7と、信号用ハーネス8と、送電用ハーネス9と、車両駆動用モータ等の電力消費負荷10と、ポンプモータ3の回転数を制御するモータ制御コントロールユニット11と、冷却システムの制御装置である冷却制御コンピュータ12と、を備えている。 【0017】モータ制御コントロールユニット11は、冷却制御コンピュータ12の指示により、燃料電池スタック4が作動中の冷却水流量より少ない流量を設定することができるようになっている。 【0018】冷却制御コンピュータ12は、燃料電池スタック4の発電停止時に、モータ制御コントロールユニット11を介して燃料電池スタック4が作動中の冷却水流量より少ない流量を設定し、出口側温度センサ6及び入口側温度センサ5で測定した出口温度(Tout )と入口温度(Tin)との温度差ΔT(以後、温度勾配ΔTと表記する)を冷却システムの作動停止のためのパラメータとしている。 【0019】また、燃料電池スタック4の発電停止時に、冷却水の循環停止前の或る期間(温度勾配ΔTがΔT1となって以降、温度勾配ΔTがΔT2となるまで、:ΔT1>ΔT2)は、発電停止直後の冷却水流量よりも低流量にて循環させる。そして、冷却水の循環流量を低流量に設定したうえで温度勾配ΔTを判定し、温度勾配ΔTがΔT2以下になったら冷却水循環ポンプ2を停止させる。 【0020】次に、図2の制御フローチャートを参照して、第1実施形態における発電停止時の冷却制御を説明する。まずステップ(以下、ステップをSと略す)10で、発電要求が出ているか否かを判定し、発電要求が出ていたら本停止制御から通常冷却制御へ復帰する。S10で発電停止要求が出ていなければ、S12へ移り、燃料電池スタック4の出口温度を出口側温度センサ6にて測り、入口側温度を入口側温度センサ5にて測定した値を読み込む。次いでS14で温度勾配ΔTを式(1)で算出する。 【0021】 【数1】ΔT=Tout −Tin …(1) 次いでS16で、出口温度Tout が設定値Tout1以下か否かを判定し、以下でなければS10へ戻る。出口温度Tout が設定値Tout1以下であれば、S18で温度勾配ΔTが設定値ΔT1以下か否かを判定する。S18で温度勾配ΔTがΔT1以下になっていなければ、冷却水循環ポンプ2の回転数が現在の状態を維持するように、ポンプモータ3の回転数を変化させずにS10へ戻る。 【0022】S18の判定で温度勾配ΔTがΔT1以下になっていれば、S20で冷却水循環ポンプ2の回転数を低回転側に移行することにより低流量にて循環させる。 【0023】ここでTout1とΔT1の設定値は、次に来る冷却水循環ポンプの低回転側運転における燃料電池スタック内部温度が停止時上限許容温度(Tu)を超えない値を予め実験等から導き、これを状態変移のための閾値設定としている。 【0024】ここで、停止時許容上限温度(Tu)とは発熱源の温度であり冷却水の温度ではなく、発熱源自体が許容上限温度を超えないような冷却水流量とする。 【0025】S20で冷却水循環ポンプの回転数を低下した後、S22で発電要求が出ているか否かを判定し、発電要求が出ていたら本停止制御から通常冷却制御へ復帰する。S22で発電停止要求が出ていなければ、S24へ移り、燃料電池スタック4の出口温度を出口側温度センサ6にて測り、入口側温度を入口側温度センサ5にて測定した値を読み込む。次いでS26で温度勾配ΔTを上記式(1)で算出する。 【0026】次いでS28で、出口温度Tout が設定値Tout2(Tout2<Tout1)以下か否かを判定し、以下でなければS22へ戻る。出口温度Tout が設定値Tout2以下であれば、S30で温度勾配ΔTが設定値ΔT2(ΔT1<ΔT2)以下か否かを判定する。S30で温度勾配ΔTがΔT2以下になっていなければ、冷却水循環ポンプ2の回転数が現在の状態を維持するように、ポンプモータ3の回転数を変化させずにS22へ戻る。S30の判定で温度勾配ΔTがΔT2以下になっていれば、S32で冷却水循環ポンプ2の回転を停止して、終了する。 【0027】こうして、本実施形態では、発熱源である燃料電池スタック4が運転停止した後、冷却水循環ポンプ2を低回転側運転に移し、引き続き温度測定を行い、出口温度の判定と温度勾配ΔTの判定を続ける。 【0028】冷却水循環ポンプ2を低回転側運転とすると、燃料電池スタック4に対する単位時間当たりの冷却水流量が減少し、単位流量当たりの熱交換時間が増えて一旦は出口温度Tout 及び温度勾配ΔTは上昇する。しかし燃料電池スタックの発熱は停止しているので、熱交換によりやがて温度は下降して行き出口温度が所定の温度Tout2より下回り且つ温度勾配がΔT2より小さくなっていれば、冷却水循環ポンプ2を停止する。 【0029】ここでTout2とΔT2の設定値は、冷却水循環ポンプが停止した状態における燃料電池スタック内部温度が停止時上限許容温度(Tu)を超えない値を予め実験等から導き、これを状態変移のための設定閾値としている。 【0030】本発明を使用した時の燃料電池スタック内の温度変化を図3に、比較対照として、本発明を使用しない時の燃料電池スタック内の温度変化を図4にて示す。 【0031】本発明では冷却水停止前に一旦低流量側に移行し、そこで出口温度Tout と温度勾配ΔTを測り完全停止に移行するが、低流量にせずそのままの冷却水流量を保ったままにしておくと、低流量側に移行する場合に比べてTout 温度が低く、またΔTも小さいため、燃料電池スタック内部の温度推定精度が悪く、この時充分以上の冷却時間を置かないで停止すると、図4の破線に示すように燃料電池スタック内部温度が停止時上限温度(Tu)を超えることが考えられる。 【0032】(第1実施形態の効果)第1実施形態によれば、次に示す効果がある。発熱源である燃料電池スタックの作動停止時に、冷媒である冷却水の流量を発熱源の作動中の流量より低下させた後に、燃料電池スタックの冷却水入口温度と出口温度との温度差である温度勾配を判定するようにしたので、外気温度に影響されずに車両動力用の発熱源の冷え具合を的確に検知して、発熱源の停止後の冷却系動作時間を最短化してエネルギー利用効率を高めることができるまた、冷却水の循環停止前に所定の期間は発電停止直後の流量よりも低流量にて循環させるようにしたので、所定の期間の前は流量を多くしておくことで冷却を促進させ、検出精度向上のために冷却系ストップまでの時間が長引くことを抑制することができる。 【0033】なお、上記の制御は、燃料電池スタック運転中の低負荷時に、一時的に発電を停止するアイドルストップに用いても良いし、完全に運転を停止する場合に用いても良い。 【0034】なお、アイドルストップ時に冷却水循環の停止を行なうには、冷却水循環を停止しても発熱源の温度が許容上限温度を超えないことが絶対条件である。発熱源に直接温度検出装置を備えることができればその温度検出装置からの情報を基に冷却水の温度管理制御をすればよい。 【0035】ところが実際には車載用としてよく使われる固体高分子電解質型燃料電池等の場合では発熱する構成要素が数百セルにも及び、また1セルの面積も一つの温度センサで網羅するには大き過ぎ、全ての発熱源の温度を正確に把握するため全発熱個所を直接温度測定するのは非実現的である。 【0036】そこで通常は燃料電池内部に冷却水を行き渡らせ、燃料電池の冷却水出口から排出された冷却水温度で燃料電池内部の温度を推定している。発熱源からの熱伝導により冷却水を昇温してから冷却水温度を測定するために発熱源からみると代用温度測定であって、このことから発熱源の正確な温度が分かり辛く、今迄は故障をしないように安全マージンを勘案して、短い時間の発電停止等では冷却水を停止することは行なわなかった。 【0037】本実施形態では多数の温度センサを用いることなく正確に発熱源の温度状況を把握することができ、安全マージンを小さくしてアイドルストップ時間を多く取り、燃費向上を図ることができる。 【0038】〔第2実施形態〕次に、本発明に係る車両用冷却システムの制御装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と同様である。第2実施形態は、冷却制御コンピュータ12による冷却制御の態様が第1実施形態と異なる。第2実施形態では、燃料電池スタック4の発電停止時に、温度勾配ΔTが所定値ΔT1以下になり、かつ冷却水の流量が下限値に達していれば冷却システムをストップさせ、温度勾配が所定値以下になり、かつ流量が下限値に達していなければ再度冷却水流量を低下させて再度温度勾配ΔTを判定する。 【0039】つまり、発電停止時に温度勾配ΔTが所定値ΔT1となるように冷却水流量を制御し、冷却水流量が所定の流量以下となったら冷却システムの作動をストップさせる。 【0040】次に、図5の制御フローチャートを参照して、第2実施形態における発電停止時に開始される冷却制御を説明する。 【0041】まずS10で、発電要求が出ているか否かを判定し、発電要求が出ていたら本停止制御から通常冷却制御へ復帰する。S10で発電停止要求が出ていなければ、S12へ移り、燃料電池スタック4の出口温度を出口側温度センサ6にて測り、入口側温度を入口側温度センサ5にて測定した値を読み込む。次いでS14で温度勾配ΔTを上記式(1)で算出する。次いでS16で、出口温度Tout が設定値Tout1以下か否かを判定し、以下でなければS10へ戻る。出口温度Toutが設定値Tout1以下であれば、S40で温度勾配ΔTが設定値ΔT1以下か否かを判定する。 【0042】ここでTout1とΔT1との設定値は、第1実施形態と同様に次に来る冷却水循環ポンプの低回転側運転における燃料電池スタック内部温度が停止時上限許容温度(Tu)を超えない値を予め実験等から導く方法とする。原理的には低回転側への移行ステップを無段階に設定するとTout1≒Tuと設定することができるが、実際は無段階に設定するのは大変困難であるのと、冷却水の制御に対する応答性が遅いためと、上限許容温度に対する安全率を取るためと、個体バラツキによる特性違い等も考慮しながらTout1はTuの温度から10℃程度低温度側に設定をする。 【0043】S40で温度勾配ΔTがΔT1以下になっていなければ、冷却水循環ポンプ2の回転数が現在の状態を維持するように、ポンプモータ3の回転数を変化させずにS10へ戻る。S40の判定で温度勾配ΔTがΔT1以下になっていれば、S42で冷却水循環ポンプ2の回転数が最小回転数か(すなわち流量が下限値に達しているか)否かを判定する。 【0044】S42の判定で、最小回転数でなければ、S44で冷却水循環ポンプ2の回転数を1段階低下させることにより、低流量にて循環させ、S10へ戻る。S42の判定で、冷却水循環ポンプ2の回転数が最小回転数であれば、S46で、出口温度Tout が設定値Tout2(Tout2<Tout1)以下か否かを判定し、以下でなければ、S10へ戻る。 【0045】S46の判定で、出口温度Tout が設定値Tout2以下であれば、S48で冷却水循環ポンプ2の回転を停止して、終了する。第2実施形態における温度変化の様子を図6に示す。 【0046】(第2実施形態の効果)第2実施形態によれば、小刻みに冷却水流量を落としていくことができ、効率的な冷却ができ、より早く冷却系をストップさせることができる。 【0047】〔第3実施形態〕次に、本発明に係る車両用冷却システムの制御装置の第3実施形態を説明する。第3実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と同様である。第3実施形態は、冷却制御コンピュータ12による冷却制御の態様が第1実施形態と異なる。第3実施形態では、燃料電池スタック4の発電停止時に温度勾配ΔTが所定値ΔT1以下になっていなかったら、一旦冷却水流量を増加させ、再度冷却水流量を低下させて温度勾配ΔTを判定する。 【0048】次に、図7の制御フローチャートを参照して、第3実施形態における発電停止時に開始される冷却制御を説明する。まずS60で、燃料電池スタック4が発電停止したとき、冷却制御コンピュータ12は冷却水循環ポンプ2の回転数が先ずは現在の状態ままになるように、ポンプモータ3の回転数を一定に調整し一定時間運転する。 【0049】次いで、S62で、発電要求が出ているか否かを判定し、発電要求が出ていたら本停止制御から通常冷却制御へ復帰する。S62で発電停止要求が出ていなければ、S64で冷却水循環ポンプ2の回転数を低下させ、冷却水の流量を低下させる。次いでS66で、燃料電池スタック4の出口温度を出口側温度センサ6にて測り、入口側温度を入口側温度センサ5にて測定した値を読み込む。次いでS68で温度勾配ΔTを上記式(1)で算出する。次いでS70で、温度勾配ΔTが設定値ΔT1以下か否かを判定する。ここでΔT1は低回転運転時間内に十分反応できる値を実験等から求め閾値として設定する。 【0050】S70の判定で、温度勾配ΔTが設定値ΔT1以下でなければ、まだ発熱源である燃料電池スタック4に熱がこもっている状態であり、冷却水流量を増加させ再度冷却を優先させるために、S72へ移り、冷却水循環ポンプ2の回転数を初期の状態に戻して(増加させて)、S60へ戻る。 【0051】S70の判定で、温度勾配ΔTが設定値ΔT1以下であれば、S74へ移り、S64の回転数低下から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければ、S66へ戻る。S74の判定で所定時間経過していれば、S76へ移り、冷却水循環ポンプ2の回転を停止させて、終了する。第3実施形態における温度変化の様子を図8に示す。 【0052】(第3実施形態の効果)第3実施形態によれば、温度勾配ΔTが所定値ΔT1以下になっていなかったら、一旦冷却水流量を増加させることで冷却を促進し、作動ストップまでの時間を短縮できる。 【0053】尚、第1実施形態〜第3実施形態の使い分けとしては、特定回転数での回転を維持したい要求や、少しでも冷却時間を短縮しアイドルストップを長く取る要求には第1実施形態を選び、冷却に費やす時間が多少掛かっても、ポンプを早く中低回転側に移行したい要求においては第2実施形態を選択するとよい。第3実施形態は冷却水温度の応答性がよく短い時間で冷却を行なうときに有効である。 【0054】また、これらの実施形態を組み合わせてもよく、ポンプ効率のよい特定回転数を使用したい時には第1実施形態と第2実施形態の組み合わせる。特定回転数に落ち着くまでは第2実施形態の方法を用いて、効率のよい回転数に到達したらそのままの回転数を維持し、十分冷却させたところで停止直前の低回転制御を行なう第1実施形態の方法を使用する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267065(P2003−267065A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−67404(P2002−67404) |
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