| 【発明の名称】 |
自動車前部の燃料電池保護構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】穐場 亨 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】車室前端のダッシュパネル前方の空間に配置した燃料電池を保護する。
【解決手段】車室1の前端に設けたダッシュパネル3の前方の空間5に、燃料電池11を配置する。車両の前面衝突時に放熱器13が受けた荷重は、構造物17に伝わり、構造物17は回転中心軸21を中心として回転する。この回転により構造物17は、ストラットタワー7に対し車幅方向外側へ向けて当接し、燃料電池11を保護してその損傷を防ぐ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車室前端に設けたダッシュパネル前方の空間に燃料電池を配置するとともに、この燃料電池の車両前方側に構造物を配置し、この構造物は、車両前方側から後方側へ向かう荷重が入力されたときに、ほぼ水平方向に回転し、ストラットタワー対し車幅方向外側に向けて当接することを特徴とする自動車前部の燃料電池保護構造。 【請求項2】 前記構造物の車両前方側に放熱器を配置し、前記構造物は、この放熱器を介して前記荷重が入力されることを特徴とする請求項1記載の自動車前部の燃料電池保護構造。 【請求項3】 前記構造物は、回転中心が、前記放熱器より車幅方向外側に位置するとともに、前記放熱器から荷重の入力を受ける部位が、前記回転中心に対し、車両前方側かつ車幅方向内側に位置していることを特徴とする請求項2記載の自動車前部の燃料電池保護構造。 【請求項4】 前記構造物は、強電部品を収納する筐体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動車前部の燃料電池保護構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車室前端のダッシュパネル前方の空間に燃料電池を配置した自動車前部の燃料電池保護構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来燃料電池を備えた車両として、車室前方の空間に燃料電池を配置した例が開示されている(例えば、特開2001−253248号公報の図5参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構造では、車両が前面衝突する際の燃料電池を保護する構造については特に考慮されていないので、高価な燃料電池が損傷する恐れがあり、改善が望まれている。 【0004】そこで、この発明は、車室前方の空間に配置した燃料電池を保護することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1の発明は、車室前端に設けたダッシュパネル前方の空間に燃料電池を配置するとともに、この燃料電池の車両前方側に構造物を配置し、この構造物は、車両前方側から後方側へ向かう荷重が入力されたときに、ほぼ水平方向に回転し、ストラットタワー対し車幅方向外側に向けて当接する構成としてある。 【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、前記構造物の車両前方側に放熱器を配置し、前記構造物は、この放熱器を介して前記荷重が入力される。 【0007】請求項3の発明は、請求項2の発明の構成において、前記構造物は、回転中心が、前記放熱器より車幅方向外側に位置するとともに、前記放熱器から荷重の入力を受ける部位が、前記回転中心に対し、車両前方側かつ車幅方向内側に位置している。 【0008】請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明の構成において、前記構造物は、強電部品を収納する筐体で構成している。 【0009】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、構造物は、車両前方側から後方側へ向かう荷重が入力されると、ほぼ水平方向に回転し、ストラットタワー対し車幅方向外側に向けて当接するので、構造物より車両後方に配置してある燃料電池への荷重の入力は回避され、燃料電池の損傷を防ぐことができる。 【0010】請求項2の発明によれば、放熱器が車両前方側から後方側へ向かう荷重の入力を受けると、この入力荷重は構造物に伝わり、構造物は、ほぼ水平方向に回転し、ストラットタワー対し車幅方向外側に向けて当接するので、構造物より車両後方に配置してある燃料電池への荷重の入力は回避され、燃料電池の損傷を防ぐことができる。 【0011】請求項3の発明によれば、構造物は、放熱器からの荷重の入力を確実に受け、回転中心を中心に回転してストラットタワーに当接することになる。 【0012】請求項4の発明によれば、構造物として、強電部品を収納する筐体を使用することで、燃料電池を保護するための専用の構造物を設ける必要がなく、専用の構造物を使用する場合に比べ部品点数を削減することができ、ダッシュパネル前方の空間を有効利用することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。 【0014】図1は、この発明の第1の実施の形態に係わる自動車前部の燃料電池保護構造を示す平面図で、図中で矢印Fで示す方向が車体前方側である。車室1の前端に設けてあるダッシュパネル3の前方には空間5が形成され、この空間5におけるダッシュパネル3近傍で、左右のストラットタワー7,9相互間の適宜位置には、燃料電池11が配置されている。 【0015】また、上記した燃料電池11の前方で車両前端には、放熱器13が配置されている。この放熱器13は、燃料電池11などの発熱体を冷却する冷却水の放熱を行うもので、その後方にファン15を備えている。 【0016】図1中で下部側のストラットタワー7と燃料電池11との間と、放熱器13との間の空間5には、強固な構造物17を配置してある。構造物17は、図1中で紙面に直交する車両上下方向に所定の高さを有するとともに、平面視で、長辺部17a,17bと短辺部17c,17dとをそれぞれ有する直方体形状を呈し、車両前後方向に対して傾けた状態で、車体19に取り付けてある。 【0017】長辺部17a,17bのうち、一方の長辺部17bは燃料電池11に対向した位置にあり、他方の長辺部17aの側面には、回転中心軸21に対して回転可能なブラケット23を設けてある。回転中心軸21は、前記した放熱器13より車幅方向外側に位置し、車体19の骨格となるフロントサイドメンバ25に下端が固定されている。 【0018】また短辺部17c,1dのうち、車両前方側の一方の短辺部17cはファン15に対向した位置にあり、同後方側の他方の短辺部17dは、ストラットタワー7に対向した位置にある。 【0019】そして、ブラケット23を備えている長辺部17aと、ファン15に対向している短辺部17cとの間の前方角部17eは、放熱器13の車両後方でかつ回転中心軸21の車両前方に位置している。 【0020】次に、作用を説明する。車両が前面衝突すると、図2に示すように、放熱器13がこの衝突荷重を受けて後退し、構造物17の前方角部17eに接触を開始する。このとき、左右のフロントサイドメンバ25,27の前端が、圧縮変形した変形部25a,27aとなる。なお、図2中で上下に延長される直線Lは、仮想的な衝突面を示している。 【0021】放熱器13が前方角部17eに接触後さらに後退すると、構造物17は、車体19に対する固定部が破壊され、回転中心軸21を中心として図2中で時計方向に、ほぼ水平面内で回転する。この回転により構造物17は、前方角部17eと対角の位置にある後方角部17fが、ストラットタワー7に対し車幅方向外側に向けて当接する。 【0022】この時点で、放熱器13に入力された衝突荷重が、構造物17を経てストラットタワー7に伝達されることになる。このため、衝突荷重が燃料電池11に直接伝わることはなく、燃料電池11の損傷が回避され、燃料電池11を保護することができる。 【0023】なお、上記した実施の形態における構造物17は、燃料電池11を保護するために専用に設けてもよいが、例えばDC/DCコンバータ、コントローラ、ヒューズなど強電部品を収納する筐体であってもよい。構造物17を、強電部品を収納する筐体とすることで、燃料電池11を保護するための専用の構造物を設ける必要がなく、専用の構造物を使用する場合に比べ部品点数を削減することができ、ダッシュパネル3前方の空間5を有効利用することができる。 【0024】また、構造物17の回転中心は、図1に示してある回転中心軸21のように、あらかじめ配置した一つのものである必要はなく、例えば、構造物17の車体19に対する複数個の取付点から構成され、衝突荷重を受けたときに、仮想的な回転中心を実現できるものであっても差し支えない。 【0025】図3は、この発明の第2の実施の形態に係わる自動車前部の燃料電池保護構造を示す平面図である。この実施形態は、図1に示した第1の実施形態に対し、図中で上部側のストラットタワー9と燃料電池11との間と、放熱器13との間にも、強固な構造物29を配置したものである。 【0026】上記した構造物29は、図3中で下部側に配置してある構造物17と車幅方向で左右対称となる状態で車体19に取り付けてある。そして、この構造物29についても、長辺部29aに対応する側面にブラケット31を設け、このブラケット31が回転可能となる回転中心軸33の下端がフロントサイドメンバ27に固定してある。 【0027】この第2の実施形態の場合は、図4に示すように、放熱器13が、前面衝突時に後退する際に、構造物29の前方角部29eに接触した後、構造物29が回転中心軸33を中心に図4中で反時計方向に回転し、ストラットタワー9に対し、車幅方向外側に向けて後方角部29fが当接する。 【0028】このため、上記した第2の実施形態によれば、左右両側にに構造物17,29をそれぞれ設けてあるので、左右いずれのオフセット衝突にも対応でき、さまざまなモードの前面衝突に対して燃料電池11を保護することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月19日(2002.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267063(P2003−267063A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−77008(P2002−77008) |
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