| 【発明の名称】 |
自動変速トランスミッションシステムと発進制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小 林 雅 行 【住所又は居所】埼玉県上尾市大字壱丁目1番地 日産ディーゼル工業株式会社内
【氏名】今 井 良 成 【住所又は居所】埼玉県上尾市大字壱丁目1番地 日産ディーゼル工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】自動発進時のクラッチ負荷及び負荷に伴うクラッチ摩耗を抑制し、且つエンジン回転の不必要な上昇を抑制すること、即ちクラッチの滑りを最小限にすることで、発進加速感を良好なものとする機械式自動クラッチの発進制御装置の提供。
【解決手段】機械式クラッチ(2)を有する自動変速トランスミッションシステム(ATMシステム)において、発進時であるか否かのパラメータを計測する計測手段(4a、3a)と、エンジンの回転数を制限する回転数制限機構(9)と、制御手段(10)とを設け、該制御手段(10)は、前記計測手段(4a、3a)の計測結果により発進時であるか否かを判断し、発進時であれば前記回転数制限機構(9)により回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う様に構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機械式クラッチを有する自動変速トランスミッションシステムにおいて、発進時であるか否かのパラメータを計測する計測手段と、エンジンの回転数を制限する回転数制限機構と、制御手段とを設け、該制御手段は、前記計測手段の計測結果により発進時であるか否かを判断し、発進時であれば前記回転数制限機構により回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う様に構成されていることを特徴とする自動変速トランスミッションシステム。 【請求項2】 前記計測手段は、アクセル開度を計測するアクセル開度計測手段と、トランスミッションのギヤ回転数を検出するギヤ検出手段であり、前記制御手段は、アクセル開度計測手段及びギヤ検出手段からの情報に基づき発進時であると判断してから、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となるまでの間、回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う様に構成されている請求項1の自動変速トランスミッションシステム。 【請求項3】 エンジントルクを所定値以下に抑制するトルク抑制機構を備え、前記制御手段は、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となった後、前記アクセル開度計測手段で計測されたアクセル開度が所定開度以上となった場合に、前記トルク抑制機構に制御信号を送信して、エンジントルクが所定値以下となる制御を行う様に構成されている請求項2の自動変速トランスミッションシステム。 【請求項4】 機械式クラッチを有する自動変速トランスミッションシステムの発進制御方法において、発進時であるか否かのパラメータを計測する計測工程と、該計測工程の計測結果により発進時であるか否かを判断する発進判断工程とを有し、該発進判断工程では、回転数制限機構により回転数が所定値以上となることを防止する制御を行うことを特徴とする自動変速トランスミッションシステムの制御方法。 【請求項5】 前記計測工程ではアクセル開度を計測すると共にトランスミッションのギヤ回転数を検出し、前記発進判断工程では、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数とを計測し、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となるまで、回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う請求項4の自動変速トランスミッションシステムの制御方法。 【請求項6】 エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となった後、アクセル開度が所定開度以上となった場合に、トルク抑制機構によりエンジントルクが所定値以下となる制御を行う請求項5の自動変速トランスミッションシステムの制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子制御式燃料噴射装置を備えたエンジンと機械式クラッチを備えたオートマチックトランスミッションとを有する車両においてエンジン回転制限制御を行う自動変速トランスミッションシステム及びその発進制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】機械式トランスミッションを電気信号により電気的に変速する変速装置において、発進時にはマニュアルでクラッチを操作し、走行中は自動クラッチとなるように構成したセミオートマチックトランスミッションでは、走行中のクラッチペダル操作を制御装置で制御したり、自動クラッチ用アクチュエータを機械的にキャンセルしたりするように構成している( 例えば、本出願人による実開昭60−69855号公報や、実開昭62−102056号公報参照) 。 【0003】また、上述と同様のセミオートマチックトランスミッションでは、クラッチミート点を学習し、この学習値に対応して制御用マップから変速時のクラッチストロークを決める方法( 例えば、本出願人による実開平6‐8825号公報参照)が提案されている。 【0004】しかし、前述のセミオートマチックトランスミッションでは自動発進制御機能を有しておらず、自動発進制御を行う場合には、発進開始からの経過時間や、クラッチストロークに対するエンジン回転数の上昇の様態が問題となる。 【0005】即ち、自動発進でドライバがアクセル加減に腐心せずに余裕を持ってアクセルを踏み込めば自動的にクラッチが作動し、変速ギヤがシフトアップすれば良いのであるが、アクセル開度が大きすぎるとエンジン回転数が不必要に上昇してしまい、その結果クラッチの負荷が増加してクラッチの寿命を短くしてしまうという問題が発生する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み提案されたものであり、自動発進時のクラッチの伝達負荷に依らず、所定の回転数以下にエンジン回転数を制御することにより、クラッチの滑りを最小限としてクラッチ摩耗を抑制し、且つ、衝撃的な発進トルクの発生を抑えて、発進加速感を良好なものとする自動変速トランスミッションシステムおよびその発進制御方法の提供を目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の自動変速トランスミッションシステムは、機械式クラッチ(2)を有する自動変速トランスミッションシステム(ATMシステム)において、発進時であるか否かのパラメータ(例えばアクセル開度、ギヤ回転数)を計測する計測手段(4a、3a)と、エンジンの回転数を制限する回転数制限機構(エンジンコントロールユニット;9)と、制御手段(10)とを設け、該制御手段(10)は、前記計測手段(4a、3a)の計測結果により発進時であるか否かを判断し、発進時であれば前記回転数制限機構(9)により回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う様に構成されている(請求項1)。 【0008】前記計測手段(4a、3a)は、アクセル開度を計測するアクセル開度計測手段(アクセル開度センサ;4a)と、トランスミッションのギヤ回転数を検出するギヤ検出手段(ギヤ回転センサ;3a)であり、前記制御手段(10)は、アクセル開度計測手段(4a)及びギヤ検出手段(3a)からの情報に基づき発進時であると判断してから、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となるまでの間、回転数が所定値以上となることを防止する制御を行う様に構成されている(請求項2)。 【0009】また、本発明の自動変速トランスミッションシステムは、エンジントルクを所定値以下に抑制するトルク抑制機構を備え、前記制御手段(10)は、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となった後、前記アクセル開度計測手段(4a)で計測されたアクセル開度が所定開度以上となった場合に、前記トルク抑制機構に制御信号を送信して、エンジントルクが所定値以下となる制御を行う様に構成されている(請求項3)。 【0010】本発明の自動変速トランスミッションの発進制御方法は、発進時であるか否かのパラメータを計測する計測工程(S1)と、該計測工程(S1)の計測結果により発進時であるか否かを判断する発進判断工程(S2)とを有し、該発進判断工程(S2)では、回転数制限機構により回転数が所定値以上となることを防止する制御(S3〜S4)を行う(請求項4)。 【0011】前記計測工程(S1)ではアクセル開度を計測すると共にトランスミッション(3)のギヤ回転数を検出し、前記発進判断工程(S2)では、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数とを計測し、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となるまで、回転数が所定値以上となることを防止する制御(S3〜S4)を行う(請求項5)。 【0012】エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定回転数以下となった後、アクセル開度が所定開度以上となった場合に、トルク抑制機構によりエンジントルクが所定値以下となる制御(S7〜S8)を行う(請求項6)。 【0013】斯かる構成を具備する本発明の機械式自動クラッチの発進制御装置によれば、任意の所定回転数以下にエンジン回転数を制御することにより、自動発進時のクラッチの伝達負荷に依らず、クラッチの滑りを最小限としクラッチ摩耗を抑制する。 【0014】クラッチ摩耗が抑制される結果、クラッチ寿命が延び経済的効果が得られるとともにメンテナンスのインターバルが延びる。 【0015】又、発進トルクが過大となる条件を検出することにより未然に、衝撃的な発進トルクの発生を押さえて、発進加速感を良好なものとする。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。 【0017】図1〜図5は、第1実施形態を示しており、図1において、エンジン回転センサ1aを備えたエンジン1には、クラッチ2を介して、エンジン側の回転力が伝達されるギヤが接続されたか否かを判断するとともにギヤの回転数を検出するギヤ回転センサ3aを備えたトランスミッション3が取付けられている。 【0018】アクセルペダル4にはアクセル開度センサ4aが設けられており、該アクセル開度センサ4a、前記エンジン回転センサ1a及びギヤ回転センサ3aは、符号順に夫々入力信号ラインL4、L1、L3によって制御手段であるトランスミッションコントロールユニット(以下、TMコントロールユニットという)10に接続されている。 【0019】該TMコントロールユニット10は、出力信号ラインLoを介して回転数制御機構及びトルク抑制機構を有するエンジンコントロールユニット9に接続されており、前記アクセル開度センサ4a及びギヤ回転センサ3aからの入力情報に基づいて発進状態であると判断した場合にはエンジン回転数制限制御を行う制御信号(出力信号)を、また、アクセル開度が一定値を越した場合には発進トルクを抑制する制御信号をそれぞれ送信するように構成されている。 【0020】次に図2〜図5に基づいて制御方法を説明する。ステップS1(計測工程)において、アクセル開度センサ4aによってアクセル開度を、また、ギヤ回転センサ3aによってトランスミッションギヤにエンジン回転が繋がれているかを検出している。 【0021】次のステップS2(発進判断工程)では、制御手段であるTMコントロールユニット10はエンジン回転制限開始条件が成立したか否かを判断する。 【0022】回転制限開始条件が成立した場合(例えばアクセルが踏込まれ第1の所定値以上のアクセル開度となり、且つトランスミッションギヤにエンジン回転が繋がれている/ステップS2のYES)は、次のステップS3に進み回転制限をエンジンコントロールユニット9に要求し、ステップS4に進む。 【0023】回転制限開始条件が成立しない場合(ステップS2のNO)は、ステップS6まで進む。 【0024】ステップS4では、エンジン回転センサ1aによって検出されたエンジン回転数情報と、前記ギヤ回転センサ3aによって検出された(ギヤ回転センサ3aはエンジン回転がギヤに繋がれているかを検出するとともにギヤの回転数をも検出している)ギヤ回転数情報とに基づき、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異、即ちエンジン回転数からトランスミッション3のギヤ回転数を引いた値が所定値(例えば、30rpm)以内の半クラッチ状態であるか否かを判断している。 【0025】そして、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数との差異が所定値以内、即ち半クラッチ状態であれば(ステップS4でYES)、ステップS5に進み半クラッチ状態からクラッチ接続状態になり、したがって回転制御は不要となるので回転制限要求を終了し、次のステップS6に進む。 【0026】ステップS4で回転数差異が所定値を越えていれば(NOであれば)、ステップS3に戻る。 【0027】ステップS6では、前記TMコントロールユニット10はトルク制限条件が成立したか否か、即ちアクセル開度センサ4aの検出値からアクセル開度が所定値を超えたか否かを判断して成立していれば(YESであれば)、ステップS7に進み、成立していなければ(NOであれば)制御を終了する。ここではアクセルペダルを所謂「べた踏み」している時に回転数制御が終わると図3のVA線(車速)とNA線(エンジン回転数)で示されるように急激にエンジン回転数、車速が上昇してしまいドライバにショックを与える。そこでこのような事態を避けるためにステップS7以下の制御を行う。 【0028】ステップS7ではTMコントロールユニット10は、例えば、燃料噴射量を絞る様に出力信号ラインLoを介してエンジンコントロールユニット9に制御信号を送信してトルク抑制制御を行う。出力信号を受けたエンジンコントロールユニット9は噴射量を絞って図3のVa線(車速)とNa線(エンジン回転数)で示されるようにしてエンジン回転数と車速を押さえ、ショックを緩和してステップS8に進む。 【0029】ステップS8ではTMコントロールユニット10は未だドライバの要求発進トルクが実際の発進トルク以下になっているか否かを判断して、要求発進トルクが実際の発進トルク以下になっていれば(YES)、ステップS9に進みトルク抑制制御を終了する。要求発進トルクが実際の発進トルク以下になっていなければ(ステップS8でNO)、ステップS7に戻ってその制御を繰り返す。 【0030】斯かる構成及び制御方法を具備した図1〜図5の第1実施形態における自動変速トランスミッションシステム及び発進制御方法によれば、図2の制御フローにおけるステップS3の回転制限要求の具体的な方法としては、図4のガバナマップに示す如く、車両発進時のクラッチミート時に任意の制限回転数(図4のNs点)を所定値として、図示のような傾き(破線で示す)を持ったガバナラインをトレースする様に噴射量を制御することで回転制限の制御を行う。このようにして回転制限要求に基づく制御をすることにより半クラッチにおけるクラッチの摩耗を減少させることが出来る。 【0031】図4のガバナマップに当てはめられたガバナライン(破線部)は、実質上図5で示すガバナマップと同じ作用となりハイアイドル制御を流用することによって回転制限要求の制御を行っている。このため負荷変動があった場合にもガバナライン上を上下するのみで制限に対して柔軟な挙動となる。 【0032】また、アクセル開度の大きさによって発進トルク抑制制御を行うことによって特に空車・積車での負荷の違いの大きな商業車において発進を容易なものとする。 【0033】図6は、第2実施形態を示すものである。図1で示した構成に対して、制御手段を、電子制御式燃料噴射装置9Aを制御する第1のコントロールユニット20と、自動トランスミッション(ATM)を制御する第2のコントロールユニット30とに分けた物である。機能及び制御方法は図2と同様であるが、第1のコントロールユニット20が回転制限要求及びトルク抑制の制御信号を燃料噴射装置9Aに送信して制御しており、また、通信ラインLによって第2のコントロールユニット30に接続されて情報の共有化が図られている。なお、第2のコントロールユニット30は、トランスミッションの自動変速制御を行っているが、このユニットは30、外部ユニットであってもよい。このようにコントロールユニットを分割すれば、プログラム作成などの手間とコストが削減できる。 【0034】図7は、図6の第2実施形態における第2のコントロールユニット30においてガバナラインを2次元マップとして制御したものであり、このように制御することにより木目細かい回転制限制御が可能となる。 【0035】 【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列挙する。 (1) 任意の回転数以下にエンジン回転数を制御することにより、自動発進時のクラッチの伝達負荷に依らず、クラッチの滑りを最小限としクラッチ摩耗を抑制する。 (2) クラッチ摩耗が抑制される結果、クラッチ寿命が延び経済的効果が得られるとともにメンテナンスのインターバルが延びる。 (3) 発進トルクが過大となる条件を検出することにより未然に、衝撃的な発進トルクの発生を押さえて、発進加速感を良好なものとする。 (4) アクセル開度の大きさによって発進トルク抑制制御を行うことにより、特に空車・積車での負荷の違いの大きな商業車において発進を容易なものとする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003908 【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社 【住所又は居所】埼玉県上尾市大字壱丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年2月15日(2002.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071696 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−237422(P2003−237422A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−38415(P2002−38415) |
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