| 【発明の名称】 |
車両の駆動力制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】片倉 秀策 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】野崎 幹生 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】吉野谷 大輔 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】発進加速での発進開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができると共に、追い越し加速での追い越し開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができる車両の駆動力制御装置を提供すること。
【解決手段】ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求める目標駆動力演算手段1を有し、求められた目標駆動力を実現する車両の駆動力制御装置において、アクセル操作量検出手段2と車速検出手段3とを設け、目標駆動力演算手段1を、定常状態において車速を制御するための車速制御分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部1aと、過渡状態において加速度を制御するための加速度制御分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部1bと、に分離し、目標駆動力合成部1cにより車速制御分目標駆動力と加速度制御分目標駆動力の双方を合成して最終的な目標駆動力を求めるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求める目標駆動力演算手段を有し、求められた目標駆動力を実現する車両の駆動力制御装置において、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、を設け、前記目標駆動力演算手段は、アクセル操作量の絶対値と車速とから車速制御分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部と、少なくともアクセル操作量の絶対値とアクセル操作量の変化速度とから加速度制御分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部と、車速制御分目標駆動力と加速度制御分目標駆動力の双方を合成して目標駆動力を求める目標駆動力合成部と、を有することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項2】 ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求める目標駆動力演算手段を有し、求められた目標駆動力を実現する車両の駆動力制御装置において、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、を設け、前記目標駆動力演算手段は、アクセル操作量の絶対値と車速とから車速制御分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部と、少なくとも前記車速制御分目標駆動力演算部による演算結果の絶対値と演算結果の変化速度とから加速度制御分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部と、車速制御分目標駆動力と加速度制御分目標駆動力の双方を合成して目標駆動力を求める目標駆動力合成部と、を有することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、アクセル操作量あるいは車速制御分目標駆動力の変化速度に応じて、加速度制御分目標駆動力を生成することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項4】 請求項3に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算することで今回の過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項5】 請求項3に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、今回の微分値に対応したゲイン1と、今回の微分値と前回の微分値との乗算値に対応したゲイン2と、前回の微分値に対応したゲイン3とを設定し、これらのゲインを用いた非線形な特性式によって過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項6】 請求項3に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定すると共に、車速に応じて過渡分目標駆動力車速補正ゲインとを設定し、両ゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算することで今回の過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項7】 請求項1ないし請求項6に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、アクセル踏み込み操作終了後、アクセル踏み込み操作終了が判断された時点での加速度制御分目標駆動力を維持することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項8】 請求項7に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、アクセル操作速度を算出し、算出されたアクセル操作速度がアクセル操作終了判断閾値より小さくなった時、その時の過渡分目標駆動力を維持することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項9】 請求項7に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値が設定された値以下の範囲である場合には過渡分目標駆動力演算ゲインをゼロに設定し、前回の過渡分目標駆動力をのそのまま今回の過渡分目標駆動力とすることを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項10】 請求項1ないし請求項9に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、ドライバーの加速要求の減少にあわせて加速度制御分目標駆動力を減算することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項11】 請求項10に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを負の値を含めて設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を減算することで今回の過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項12】 請求項10に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力と走行抵抗推定値と偏差を算出し、この偏差が減算開始閾値未満である場合には、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項13】 請求項10に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速の変化速度を算出し、この車速変化速度が減算開始閾値未満である場合には、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項14】 請求項10に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、補正量変化速度が補正開始判断閾値を超え、過渡分目標駆動力の算出が開始された時点から予め設定された時間を経過すると、時間減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項15】 請求項1ないし請求項14に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、ドライバーの微小なアクセル操作に対して必要以上に敏感に加速度制御分目標駆動力を算出しないようにすることを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項16】 請求項15に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値が設定された値以下の範囲を不感帯とし、定常分目標駆動力微分値が不感帯領域であるときには過渡分目標駆動力を算出しないことを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項17】 請求項15に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、この補正量変化速度に制限を設けることにより過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項18】 請求項15に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、アクセル操作量がアクセル操作開始判断閾値を超えたときから所定の遅れ時間を設定し、この遅れ時間を経過した後に過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項19】 請求項1ないし請求項18に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、加速度制御分目標駆動力の値を算出するときゼロ以下の値を算出しないようにすることを特徴とする車両の駆動力制御装置。 【請求項20】 請求項19に記載された車両の駆動力制御装置において、前記加速度制御分目標駆動力演算部は、負の値を含む過渡分目標駆動力を算出した後、負の値についてはゼロとして最終的な過渡分目標駆動力を算出することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求め、この求められた目標駆動力を、エンジンから駆動輪に至る駆動系の実駆動力を制御することにより実現する車両の駆動力制御装置の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、車両の駆動力制御装置としては、例えば、特開平11−78620号公報に記載のものが知られていて、この従来公報には、図17に示すように、アクセル操作量と車速によるマップ検索にて目標駆動力を求める技術が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来構成では、下記に述べるように、発進加速性能と追い越し加速性能を両立することができない。 【0004】まず、発進加速時のドライバーのアクセル操作方法と目標駆動力の関係を考えてみる。加速シーンにおいては、アクセル踏み込み操作を行い、その後、アクセル操作量を一定に保ち、ある車速になったところで、加速に満足したドライバーがアクセル戻し操作を行う。このときの目標駆動力の軌跡は、図18の太実線特性に示すように、最初のアクセル踏み込み操作により目標駆動力が増加し、次にアクセル操作量が一定に保たれたところで、加速による車速の増加に伴って、目標駆動力は徐々に減少し、そして、アクセル戻し操作が行われ、ある車速の近傍に車両の状態が収束することになる。 【0005】次に、発進加速と同等のアクセル操作量で追い越し加速を行った場合、図19の太実線特性に示すように、目標駆動力特性がある車速に収束するように作られるため、アクセル操作量の余剰分が少なく、アクセル戻し操作も無くある車速に収束してしまう。これは、加速時のドライバーが多めに踏み込んでアクセル戻し操作をすることが一般的であることを考えると、十分な追い越し加速が行われているとは考えがたい。 【0006】そこで、ドライバーは、図20に示すように、追い越し加速では発進加速に対して踏み増しにより多めのアクセル操作を行えば、ハッチング分の駆動力が上乗せされ、加速感は満足いくフィーリングとなる。 【0007】しかし、これを達成するために、アクセル操作量に対する目標駆動力特性を、図19のa)線図に示すように作ることはあり得ない。なぜならば、アクセル操作量に対する目標駆動力特性は、ある車速の走行抵抗に相当する駆動力に収束するように作らなければならない。もし、そうでなければ、走行抵抗と拮抗することなく、アクセルの戻し操作無しでは、何処までも加速してゆく車両特性となるため、車速の維持するための制御のし易さ、定速走行性が悪化し、また、加速フィーリングの面からも、ドライバーはやがて加速が落ち着いてくることを期待しているので、必ずしも加速感が良いという評価はされない。 【0008】この矛盾を解決するために、追い越し加速領域において、定速走行状態と加速状態を、ドライバーの加速要求を検知して切り分け、それぞれに適用な目標駆動力特性を与えるという検討は多くなされている。 【0009】しかし、この方法では、ドライバーの加速要求を厳密に捉える必要があるが、このことは非常に困難である。また、間違ったときのリスクを考えると、十分な補正ができない。したがって、でき得るならば、何らかのトリガをもって、切り替えの発生することの無いシステムであることが望ましい。 【0010】また、同様の駆動力制御を変速機の変速線制御によって実現する提案は複数なされている。しかし、変速線によって、加速フィーリングの適合を行うことは、下記に列挙する点で問題が多い。 【0011】1)有段変速機を前提にすれば、制御の結果で、必ず駆動力段差が生じるため、スムースさが犠牲になる(図21)。 【0012】2)例え無段変速機を使用したとしても、必ず回転変化が必要であり、回転変化の割に加速度が変化しない場合には、加速感がスポイルされるなど、適合が難しい。 【0013】3)例えば、有段変速機、無段変速機等、メカニズムにより、制御の方式が大きく変わらざるを得ない。また、手動変速機搭載車や電気自動車やハイブリッド車等への適用は非常に難しい。 【0014】本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、発進加速での発進開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができると共に、追い越し加速での追い越し開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができる車両の駆動力制御装置を提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求める目標駆動力演算手段を有し、求められた目標駆動力を実現する車両の駆動力制御装置において、前記目標駆動力演算手段を、定常状態において車速を制御するための車速制御分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部と、過渡状態において加速度を制御するための加速度制御分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部と、に分離し、その合成として最終的な目標駆動力を求めるようにした。 【0016】ここで、車速制御分目標駆動力演算部は、アクセル操作量の絶対値と車速とから定常分目標駆動力である車速制御分目標駆動力を生成する。 【0017】また、加速度制御分目標駆動力演算部は、過渡分目標駆動力である加速度制御分目標駆動力を生成する。具体的には、少なくともアクセル操作量の絶対値とアクセル操作量の変化速度とから生成しても良いし、また、少なくとも車速制御分目標駆動力演算部による演算結果の絶対値と演算結果の変化速度とから生成しても良い。なお、加速度制御分目標駆動力演算部において、これらの演算要素に車速を加えて加速度制御分目標駆動力を生成するようにしても良い。 【0018】 【発明の効果】よって、本発明にあっては、最終的な目標駆動力を生成するにあたり、ドライバーの加速要求が強い場合(アクセル操作量が大きく、また、アクセル操作速度が速い場合)には、定常分目標駆動力に加速要求分(過渡分目標駆動力)を反映させて、目標駆動力の嵩上げを行うようにしたため、発進加速での発進開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができると共に、追い越し加速での追い越し開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができる。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の車両の駆動力制御装置を実現する請求項1及び請求項2に記載された発明に対応する実施の形態を、図1〜図6に基づいて説明する。 【0020】まず、構成を説明する。 【0021】実施の形態1及び実施の形態2の駆動力制御装置は、図1及び図2の概念図に示すように、ドライバーの要求に応じた車両の目標駆動力を求める目標駆動力演算手段1を有し、求められた目標駆動力を実現する車両の駆動力制御装置において、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段2と、車速を検出する車速検出手段3と、を設け、前記目標駆動力演算手段1を、定常状態において車速を制御するための車速制御分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部1aと、過渡状態において加速度を制御するための加速度制御分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部1bと、に分離し、目標駆動力合成部1cにより車速制御分目標駆動力と加速度制御分目標駆動力の双方を合成して最終的な目標駆動力を求めるようにした。 【0022】ここで、駆動力制御は、エンジンやモータ等の駆動源の駆動出力制御や、駆動源に連結して設けられた変速機の変速比制御や、駆動源出力制御と変速比制御との併用など、駆動輪に入力される駆動力を制御することにより行われる。 【0023】前記目標駆動力演算手段1は、例えば、車載のマイクロコンピュータによるエンジンコントローラに目標駆動力演算プログラムとして組み込まれたり、また、トラクションコントローラに目標駆動力演算プログラムとして組み込まれる。 【0024】前記アクセル操作量検出手段2としては、アクセルペダルへの操作量を検出するアクセル操作量センサ等が用いられる。 【0025】前記車速検出手段3としては、変速機出力軸回転センサや車輪速センサ等が用いられる。 【0026】前記車速制御分目標駆動力演算部1aは、従来の目標駆動力生成と同様に、アクセル操作量の絶対値と、車速とに基づき、主に車速に関連して定められる定速走行状態での走行抵抗から決まるアクセル操作量−収束車速特性によって車速制御分目標駆動力(=定常分目標駆動力)を生成する。この車速制御分目標駆動力演算部1aでは、定常状態を前提とした静的な値を生成するものであるため、動的な演算要素は必要としない。 【0027】前記加速度制御分目標駆動力演算部1bは、ドライバーの加速要求時に前記車速制御分目標駆動力演算部1aで求められた定常分目標駆動力を嵩上げするための加速度制御分目標駆動力(=過渡分目標駆動力)を生成する。具体的には、以下のような構成が考えられる。 ■アクセル操作量の絶対値と、アクセル操作量の変化速度と、車速と、から生成するもの(図1:請求項1)。 ■車速制御分目標駆動力演算部1aによる演算結果の絶対値と、演算結果の変化速度と、車速と、から生成するもの(図2:請求項2)。 【0028】この加速度制御分目標駆動力演算部1bでは、ドライバーのアクセル操作の絶対値と速度に比例し、また、加速前の車速に関連して、加速度制御分目標駆動力(以下、過渡分目標駆動力という)を生成する。具体的には、その目的から、(1)アクセル踏み込み操作の開始と同時に過渡分目標駆動力の演算を開始し、アクセル踏み込み速度に比例した過渡分目標駆動力を求める。 (2)アクセル踏み込み操作終了後、アクセル戻し操作が無くても、時間の経過と共に過渡分目標駆動力をゆっくりと0に収束させる。 (3)アクセル戻し操作が行われると、その時の過渡分目標駆動力を0まで漸減する。 を行う必要がある。 【0029】例えば、(1)〜(3)を満足する過渡分目標駆動力は、目標駆動力の微分値と、その値に応じたゲインと、過去の目標駆動力のホールド値と、その値に応じたゲインとから与えられる特性式により求められる。 【0030】次に、作用を説明する。 【0031】ドライバーのアクセル操作と加速の関係を、図3及び図4に示すように、時系列で見てみる。 【0032】まず、発進加速時においては、図3に示すように、加速の初期において多めのアクセル踏み込み操作を行い、車速がある値近傍になったところで、アクセル戻し操作を行うのが一般的である。 【0033】これは、ドライバーには、アクセル操作量と、そのアクセル操作量にて最終的に収束する車速との関係が漠然とながら頭にあるが、車速に対する目標値に相当するアクセル操作量で加速すると、加速初期においては加速感が不足するため、多めのアクセル操作をしている。すなわち、加速初期においてはドライバーが加速度に対する制御を行っているからと考えられる。同様に、ある車速の近傍にてアクセル戻し操作を行うのは、目標とする車速が漠然とながらドライバーの頭にあり、その車速の近傍にきたところで、制御の対象を車速に切り替える。すなわち、加速後期および加速終了後は、車速に対する制御を行っているからと考えることができる。 【0034】この傾向は、図4に示すように、追い越し加速でも変わらない。つまり、追い越し加速前は、ある車速を維持するためのアクセル操作を行っているが、加速が開始されると、ドライバーは車速に対する目標値に相当するアクセル操作量より多めのアクセル操作を行って加速度を制御している。そして、車速が増して、ある車速近傍になったところで、アクセル戻し操作を行って、車速を維持するための制御、定速制御を行うのも同様である。 【0035】これに対し、本実施の形態では、目標駆動力演算手段1を、定常状態において車速を制御するための定常分目標駆動力を生成する車速制御分目標駆動力演算部1aと、過渡状態において加速度を制御するための過渡分目標駆動力を生成する加速度制御分目標駆動力演算部1bと、に分離し、目標駆動力合成部1cにより定常分目標駆動力と過渡分目標駆動力の双方を合成して最終的な目標駆動力を求めるようにした。 【0036】よって、加速時には上記のようにドライバーが加速度制御を行っている加速初期の領域においてのみ、ドライバーのアクセル操作量を低減するような補正(駆動力を嵩上げする補正)を行うことができ、定常状態においては、車速制御分目標駆動力の生成により定速制御性を犠牲にせず、また、加速状態においては、加速度制御分目標駆動力の生成により、発進加速であるか追い越し加速であるかにかかわらず、十分な加速が必要以上に大きなアクセル踏み込み操作を行うことなく得られる。 【0037】次に、効果を説明する。 【0038】(1) 目標駆動力演算手段1を、車速制御分目標駆動力演算部1aと加速度制御分目標駆動力演算部1bと、に分離し、最終的な目標駆動力を生成するにあたり、ドライバーの加速要求が強い場合には、車速制御分目標駆動力演算部1aによる定常分目標駆動力に、加速要求分である過渡分目標駆動力を反映させて、目標駆動力の嵩上げを行うようにしたため、発進加速での発進開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができると共に、追い越し加速での追い越し開始直後の大きな加速要求と加速終了後の目標車速近傍での車速制御性との両立を図ることができる。 【0039】(2) 加速度制御分目標駆動力演算部1bにおいて、アクセル踏み込み操作の開始と同時に過渡分目標駆動力の演算を開始し、アクセル踏み込み速度に比例した加速要求分の過渡分目標駆動力を求めるようにしたため、発進加速時か追い越し加速時かにかかわらず、ドライバーのアクセル踏み込み操作速度に表れたドライバーの加速要求に応じた加速性能を得ることができる。 【0040】(3) 加速度制御分目標駆動力演算部1bにおいて、アクセル踏み込み操作終了後、アクセル戻し操作が無くても、時間の経過と共に過渡分目標駆動力をゆっくりと0に収束(図5及び図6のa部)させるようにしたため、発進加速時か追い越し加速時かにかかわらず、必要以上に大きなアクセル踏み込み操作を行うことなく十分な加速性を得ることができる。言い換えると、必要最小限のアクセルワークで十分な加速性が得られるため、ドライバーが受ける加速感が増す。 【0041】(4) 加速度制御分目標駆動力演算部1bにおいて、アクセル戻し操作が行われると、その時の過渡分目標駆動力を0まで漸減(図5及び図6のb部)するようにしたため、アクセル戻し操作によりドライバーの加速意思が無くなったと判断し、定常分目標駆動力のみに収束することになり、駆動力の急変による車両挙動影響を小さく抑えながら、加速終了後の目標車速近傍での高い車速制御性を得ることができる。 【0042】(実施例)上記実施の形態では、加速度制御分目標駆動力演算部1bとして、■アクセル操作量の絶対値と、アクセル操作量の変化速度と、車速と、から加速度制御分目標駆動力を生成するもの(図1)。 ■車速制御分目標駆動力演算部1aによる演算結果の絶対値と、演算結果の変化速度と、車速と、から加速度制御分目標駆動力を生成するもの(図2)。を示した。 【0043】この■と■は上記実施の形態で述べたように共通の作用効果を持つが、■と■を対比した場合、動力性能を決定する直接の要因である目標駆動力に対して補正を行う■の方が、アクセル操作量に対して補正を行う■より直接的であり、■の方が、アクセル操作量−目標駆動力の割付特性に左右されない点からいってもより好適であると考えられる。 【0044】つまり、加速度制御分目標駆動力演算部1bを■とした場合には、単純な変換により■と同等な制御を実現できることから、以下、■における加速度制御分目標駆動力演算部1bの実施例について述べる。 【0045】(実施例1)この実施例1は、請求項3,4,7,9,10,11,15,16に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0046】実施例1の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図7に示すように、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力に基づいて定常分目標駆動力微分値を算出する微分器10と、定常分目標駆動力微分値に基づいて過渡分目標駆動力演算ゲインを求めるゲイン設定器11と、定常分目標駆動力と過渡分目標駆動力演算ゲインとを乗算することで補正量変化速度を求める乗算器12と、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算または減算することで今回の過渡分目標駆動力を算出する加算器13と、により構成されている。ここで、ゲイン設定器11は、設定された−αから+αまでの範囲を不感帯とし、定常分目標駆動力微分値が+αを超える領域及び−α未満の領域では、非線形な特性によりゲインを設定するようにしている。 【0047】よって、実施例1の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。 【0048】(1) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値(変化速度)に応じて、加速度制御分目標駆動力である過渡分目標駆動力を生成するようにしているため、アクセル踏み込み速度に表れるドライバーの加速意思を反映した過渡分目標駆動力を得ることができる(請求項3)。 【0049】(2) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算することで今回の過渡分目標駆動力を算出するようにしたため、過渡分目標駆動力演算ゲインを定常分目標駆動力微分値に対し非線形な特性により与えることで、アクセル踏み込み速度が速いほど大きな過渡分目標駆動力が得られるというように、ドライバーの強い加速意思を目標駆動力に反映させることができる(請求項4)。 【0050】(3) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、定常分目標駆動力の微分値がゼロ近傍の値となるアクセル踏み込み操作終了後、アクセル踏み込み操作終了が判断された時点での過渡分目標駆動力を維持するようにしたため、ドライバーのアクセル操作量を小さく抑えながら高い加速性能を得る(請求項7)。 【0051】(4) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値が設定された値以下の範囲内である場合には過渡分目標駆動力演算ゲインをゼロに設定し、前回の過渡分目標駆動力をそのまま今回の過渡分目標駆動力とするようにしたため、過渡分目標駆動力演算ゲインの設定という簡単な手法により、アクセル踏み込み操作終了後、アクセル踏み込み操作終了が判断された時点での過渡分目標駆動力を維持することができる(請求項9)。 【0052】(5) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、ドライバーの加速要求の減少にあわせて加速度制御分目標駆動力である過渡分目標駆動力を減算するようにしているため、アクセル戻し操作が行われると、定常分目標駆動力のみによる目標駆動力に徐々に収束することになり、加速終了後の目標車速近傍での高い車速制御性を得ることができる(請求項10)。 【0053】(6) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを負の値を含めて設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を減算することで今回の過渡分目標駆動力を算出するようにしているため、負の値を含めた過渡分目標駆動力演算ゲインの設定という簡単な手法により、ドライバーの加速要求の減少にあわせて過渡分目標駆動力を減算することができる(請求項11)。 【0054】(7) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、ドライバーの微小なアクセル操作に対して過渡分目標駆動力を算出しないようにしているため、加速意思を持たないドライバーによる微小なアクセル操作があっても目標駆動力を増す加速度制御が開始されるのを防止することができる(請求項15)。 【0055】(8) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値が設定された値以下の範囲を不感帯とし、定常分目標駆動力微分値が不感帯領域であるときには過渡分目標駆動力を算出しないようにしているため、定常分目標駆動力微分値に対する不感帯領域の設定という簡単な手法により、ドライバーの微小なアクセル操作に対して過渡分目標駆動力を算出しないようにすることができる(請求項16)。 【0056】(実施例2)この実施例2は、請求項3,5に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0057】実施例2の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図8に示すように、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力に基づいて定常分目標駆動力微分値を算出する微分器10と、定常分目標駆動力微分値に基づいてゲイン1を設定するゲイン1設定器14と、今回の微分値と前回の微分値とを乗算する乗算器15と、乗算値に対応したゲイン2を設定するゲイン2設定器16と、前回の微分値に対応したゲイン3を設定するゲイン3設定器17と、これらのゲイン1とゲイン2とゲイン3を用いた非線形な特性式によって過渡分目標駆動力を算出する加算器18と、により構成されている。 【0058】よって、実施例2の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0059】(9) 加速度制御分目標駆動力演算部は、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力の微分値を求め、今回の微分値に対応したゲイン1と、今回の微分値と前回の微分値との乗算値に対応したゲイン2と、前回の微分値に対応したゲイン3とを設定し、これらのゲインを用いた非線形な特性式によって過渡分目標駆動力を算出するようにしたため、定常分目標駆動力微分値に関係する3つのゲインを用いた非線形な特性により、アクセル踏み込み速度が速いほど大きな過渡分目標駆動力が得られるというように、ドライバーの強い加速意思を目標駆動力に反映させることができる(請求項5)。 【0060】(実施例3)この実施例3は、請求項3,6に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0061】実施例2の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図9に示すように、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力に基づいて定常分目標駆動力微分値を算出する微分器10と、定常分目標駆動力微分値に基づいて過渡分目標駆動力演算ゲインを設定するゲイン設定器11と、車速に応じて過渡分目標駆動力車速補正ゲインを設定する車速補正ゲイン設定器19と、定常分目標駆動力と過渡分目標駆動力演算ゲインと過渡分目標駆動力車速補正ゲインとを乗算することで補正量変化速度を求める乗算器12と、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算または減算することで今回の過渡分目標駆動力を算出する加算器13と、により構成されている。ここで、ゲイン設定器11は、実施例1と同様に、不感帯を含む非線形な特性によりゲインを設定するようにしている。車速補正ゲイン設定器19は、停車時に最も大きく、高車速になるに従って小さな値によるゲインを設定している。 【0062】よって、実施例3の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0063】(10) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定すると共に、車速に応じて過渡分目標駆動力車速補正ゲインとを設定し、両ゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、前回の過渡分目標駆動力に補正量変化速度による演算周期当たりの補正量を加算することで今回の過渡分目標駆動力を算出するようにしたため、ドライバーの加速意思を反映した過渡分目標駆動力を得ることができると共に、車速の高いところからの加速ほど過渡分補正量が小さくて済むのに対応し、発進時や追い越し時にかかわらず、加速を開始するときの車速に応じた適切な過渡分目標駆動力を得ることができる(請求項6)。 【0064】(実施例4)この実施例4は、請求項7,8に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0065】実施例4の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図10に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13とにより構成し、この構成に、アクセル操作量検出手段2からのアクセル操作量に基づいてアクセル操作量微分値(アクセル操作速度)を算出する微分器20と、算出されたアクセル操作量微分値とが予め設定されたアクセル操作終了判断閾値とを比較する比較器21と、アクセル操作量微分値がアクセル操作終了判断閾値より小さくなった時、過渡分目標駆動力演算経路をa接点からb接点に切り替える切替器22と、を追加した構成としている。すなわち、切替器22を、a接点からb接点に切り替えると、切り替えた時点の過渡分目標駆動力がそのまま維持される。 【0066】よって、実施例4の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0067】(11) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、アクセル操作速度を算出し、算出されたアクセル操作速度がアクセル操作終了判断閾値より小さくなった時、その時の過渡分目標駆動力を維持するようにしたため、アクセル操作速度を監視するという確実なアクセル操作終了判断手法により、アクセル踏み込み操作終了後、アクセル踏み込み操作終了が判断された時点での過渡分目標駆動力を維持することができる(請求項8)。 【0068】(実施例5)この実施例5は、請求項10,12に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0069】実施例5の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図11に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13と、により構成し、この構成に、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力と路面勾配等により推定された走行抵抗推定値との偏差を算出する差分器23と、この偏差が減算開始閾値未満であるか否かを比較する比較器24と、偏差が減算開始閾値未満である場合、ゲイン0側のb接点から定速走行減算ゲイン側のa接点に切り替える切替器25と、今回の過渡分目標駆動力をゲインに応じて減算する減算器26と、を追加した構成としている。すなわち、切替器25を、b接点からa接点に切り替えると、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力が減算される。 【0070】よって、実施例5の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0071】(12) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力と走行抵抗推定値と偏差を算出し、この偏差が減算開始閾値未満である場合には、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算するようにしたため、定常分目標駆動力と走行抵抗推定値とを比較監視するという車速制御に着目した確実な加速要求減少判断手法により、ドライバーの加速要求の減少にあわせて加速度制御分目標駆動力である過渡分目標駆動力を減算することができる(請求項12)。 【0072】(実施例6)この実施例6は、請求項10,13に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0073】実施例6の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図12に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13と、により構成し、この構成に、車速検出手段3からの車速に基づいて車速微分値(車速変化速度)を算出する微分器27と、この車速微分値が減算開始閾値未満であるか否かを比較する比較器28と、車速微分値が減算開始閾値未満である場合、ゲイン0側のb接点から定速走行減算ゲイン側のa接点に切り替える切替器25と、今回の過渡分目標駆動力を定速走行減算ゲインに応じて減算する減算器26と、を追加した構成としている。すなわち、切替器25を、b接点からa接点に切り替えると、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力が減算される。 【0074】よって、実施例6の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0075】(13) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速の変化速度を算出し、この車速変化速度が減算開始閾値未満である場合には、定速走行減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算するようにしたため、車速変化速度(加減速度)を直接監視するという確実な加速要求減少判断手法により、ドライバーの加速要求の減少にあわせて加速度制御分目標駆動力である過渡分目標駆動力を減算することができる(請求項13)。 【0076】(実施例7)この実施例7は、請求項10,14に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0077】実施例7の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図13に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13と、により構成し、この構成に、前記乗算器12からの補正量変化速度が予め設定された補正開始判断閾値を超えた時点で減算開始判断タイマ側に切り替える切替器30と、減算開始判断タイマ側に切り替えによりタイマ値をカウントアップして減算開始判断タイマ値を作るタイマ31と、減算開始判断タイマ値が予め設定された減算開始判断時間を超えているか否かを比較する比較器32と、減算開始判断タイマ値が減算開始判断時間を超えた場合、ゲイン0側のb接点から時間減算ゲイン側のa接点に切り替える切替器25と、今回の過渡分目標駆動力を時間減算ゲインに応じて減算する減算器26と、を追加した構成としている。すなわち、切替器25を、b接点からa接点に切り替えると、時間減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力が減算される。 【0078】よって、実施例7の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0079】(14) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、補正量変化速度が補正開始判断閾値を超えた時点から予め設定された時間を経過すると、時間減算ゲインに応じて過渡分目標駆動力を減算するようにしたため、過渡分目標駆動力の変化がほとんど無くなったことによりドライバーの加速要求の減少を推定し、加速要求の減少が推定されたら所定時間の経過を待つことで確実に加速要求減少を判断することにより、ドライバーの加速要求の減少にあわせて加速度制御分目標駆動力である過渡分目標駆動力を減算することができる(請求項14)。 【0080】(実施例8)この実施例8は、請求項15,17に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0081】実施例8の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図14に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13と、により構成し、この構成の中で、乗算器12と加算器13との間に補正量変化速度に制限を与えるリミッタ33を追加した構成としている。すなわち、乗算器12により算出された補正量変化速度は、リミッタ33により最大変化速度と最小変化速度までに制限される。 【0082】よって、実施例8の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0083】(15) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、車速制御分目標駆動力演算部1aからの定常分目標駆動力の微分値を求め、この微分値に対応した過渡分目標駆動力演算ゲインを設定し、このゲインと定常分目標駆動力により補正量変化速度を算出し、この補正量変化速度に制限を設けることにより過渡分目標駆動力を算出するようにしているため、ドライバーによる急激なアクセル踏み込み操作があっても過渡分目標駆動力の上昇速度が遅れることになり、過渡分目標駆動力を加算する加速制御により車両が加速動作を開始するタイミングを最適化することができる(請求項17)。 【0084】(実施例9)この実施例9は、請求項15,18に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0085】実施例9の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図15に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13とにより構成し、この構成に、アクセル操作量検出手段2からのアクセル操作量に基づいてアクセル操作量微分値(アクセル操作速度)を算出する微分器34と、算出されたアクセル操作量微分値とが予め設定されたアクセル操作開始判断閾値とを比較する比較器35と、アクセル操作量微分値がアクセル操作開始判断閾値を超えた時点でアクセル操作開始判断タイマ側に切り替える切替器36と、アクセル操作開始判断タイマ側に切り替えによりタイマ値をカウントアップしてアクセル操作開始判断タイマ値を作るタイマ37と、アクセル操作開始判断タイマ値が予め設定されたアクセル操作開始判断時間を超えているか否かを比較する比較器38と、アクセル操作開始判断タイマ値がアクセル操作開始判断時間を超えると、過渡分目標駆動力演算経路をb接点からa接点に切り替える切替器39と、を追加した構成としている。すなわち、切替器39を、b接点からa接点に切り替えると、過渡分目標駆動力の算出が開始される。 【0086】よって、実施例9の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、実施例1の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。 【0087】(16) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、アクセル操作量がアクセル操作開始判断閾値を超えたときから所定の遅れ時間を設定し、この遅れ時間を経過した後に過渡分目標駆動力を算出するようにしたため、アクセル操作速度によりドライバーの加速要求を推定し、加速要求が推定されたら所定時間の経過を待つことで確実に加速要求を判断することにより、加速意思を持たないドライバーによる微小なアクセル操作があっても目標駆動力を増す加速度制御が開始されるのを防止することができる(請求項18)。 【0088】(実施例10)この実施例10は、請求項19,20に記載された発明に対応する加速度制御分目標駆動力演算部1bである。 【0089】実施例10の加速度制御分目標駆動力演算部1bは、図16に示すように、基本構成は実施例1と同様に、微分器10とゲイン設定器11と乗算器12と加算器13と、により構成し、この構成の中で、加算器13の後に負の値を含む過渡分目標駆動力を算出した後、負の値についてはゼロとして最終的な過渡分目標駆動力を算出するフィルタ40を追加した構成としている。すなわち、過渡分目標駆動力として、ゼロ以上の正値のみの値が開始される。 【0090】よって、実施例10の加速度制御分目標駆動力演算部1bにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。 【0091】(17) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、過渡分目標駆動力の値を算出するときゼロ以下の値を算出しないようにしたため、最終的な目標駆動力として動力性能を損なわない目標駆動力を算出することができる。すなわち、過渡分目標駆動力がゼロのときに最終的な目標駆動力とされる定常分目標駆動力は、そのアクセル操作量での最低限の必要駆動力である。 【0092】(18) 加速度制御分目標駆動力演算部1bは、負の値を含む過渡分目標駆動力を算出した後、負の値についてはゼロとして最終的な過渡分目標駆動力を算出するようにしたため、負の値を含む過渡分目標駆動力を算出する加速度制御分目標駆動力演算部の最後部にフィルタ40を追加するだけの簡単な構成により、ゼロ以下の過渡分目標駆動力を算出しない演算部にすることができる。 【0093】(他の実施例)以上、本発明の車両の駆動力制御装置を実施の形態及び実施例1〜実施例10に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施の形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。 【0094】例えば、実施例1〜実施例10では、車速制御分目標駆動力演算部からの定常分目標駆動力を入力情報として過渡分目標駆動力を算出する例を示したが、定常分目標駆動力に代えアクセル操作量を用い、図1に示すシステムの加速度制御分目標駆動力演算部を構成するようにしても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年2月18日(2002.2.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100119644 【弁理士】 【氏名又は名称】綾田 正道 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−237421(P2003−237421A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−39456(P2002−39456) |
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