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【発明の名称】 車両用指針計器
【発明者】 【氏名】土屋 裕志
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【要約】 【課題】目盛盤2およびカバー14の運転者側各表面2d、14aを凹面状として、反射虚像の結像を抑制し直接運転者の目に向かう反射光量を低減して、良好な視認性が維持可能なコンビネーションメータ1を提供する。

【解決手段】車両用指針計器であるコンビネーションメータ1において、目盛盤2およびカバー14の運転者側各表面2d、14aを凹面状に形成した。これにより、運転者側から各表面2d、14a上に入射した光により反射虚像が結像される、あるいは、各表面2d、14a上で運転者の目に向かって反射することを抑制して、従来のコンビネーションメータのように各表面2d、14a上に反射虚像が結像される、あるいは、各表面2d、14a上で反射した光が運転者の目に入射する等の不具合を防止し、良好な視認性を維持可能なコンビネーションメータ1を実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リング状の目盛盤と、前記目盛盤の内径孔を塞ぐ透明なカバーと、前記目盛盤の裏面側に配設されて外部からの電気信号に応じて指針軸を回動させるムーブメントと、前記指針軸の先端部に支持され、且つ前記目盛盤の裏面側に沿って回動する指針とを備える車両用指針計器において、前記目盛盤および前記カバーの運転者側表面を凹面状としたことを特徴とする車両用指針計器。
【請求項2】 リング状の目盛盤と、前記目盛盤の内径孔を塞ぐ透明なカバーと、前記目盛盤の裏面側に配設されて外部からの電気信号に応じて指針軸を回動させるムーブメントと、前記指針軸の先端部に支持され、且つ前記目盛盤の裏面側に沿って回動する指針とを備える車両用指針計器において、前記目盛盤および前記カバーの運転者側表面に防眩膜および反射防止膜の少なくとも一方を形成したことを特徴とする車両用指針計器。
【請求項3】 前記目盛盤および前記カバーの少なくとも一方の運転者側表面に防眩膜および反射防止膜の少なくとも一方を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用指針計器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、たとえば自動車、二輪車等に採用するに適した車両用指針計器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両に装備される車両用指針計器においては、見栄えのある斬新な視認性を確保するために様々な方法が採られている。例えば、実開昭63−113917号公報に開示される指針表示装置では、リング状の目盛盤の裏側(運転者から見て目盛盤よりも遠い側)に指針を配置している。つまり、一般的な指針表示装置に対して、目盛盤と指針の前後方向位置関係を逆にして、斬新な見栄えを得ようとするものである。また、目盛盤の内径孔を透明なカバーで塞いで外部の異物との接触を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この指針表示装置においては、目盛盤およびカバーは平面状に形成されている。そのため、目盛盤およびカバーに運転者側から入射した外来光により目盛盤およびカバー上に結像する反射虚像、あるいは、直接運転者の目に向かう反射光等によって運転者が眩惑され、指針表示装置の視認性が低下する可能性があった。
【0004】そこで、本発明は、このようなことに対処するため、目盛盤およびカバーの運転者側表面を凹面状に形成することにより、反射虚像の結像あるいは直接運転者の目に向かう反射光を抑制して、良好な視認性を維持することができる車両用指針計器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0006】本発明の請求項1に記載の車両用指針計器は、目盛盤およびカバーの運転者側表面を凹面状とした。これにより、目盛盤およびカバーへの外部像(運転者の顔等)の映りこみを抑制して、良好な視認性を維持することができる車両用指針計器を提供できる。
【0007】本発明の請求項2に記載の車両用指針計器では、目盛盤およびカバーの運転者側表面に防眩膜および反射防止膜の少なくとも一方を形成した。これにより、目盛盤およびカバーへの外部像(運転者の顔等)の映りこみを抑制して、良好な視認性を維持することができる車両用指針計器を提供できる。
【0008】本発明の請求項3に記載の車両用指針計器は、凹面状に形成された目盛盤およびカバーの少なくとも一方の運転者側表面に防眩膜および反射防止膜の少なくとも一方を形成した。これにより、目盛盤およびカバーへの外部像(運転者の顔等)の映りこみを確実に抑制して、良好な視認性を維持することができる車両用指針計器を提供できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用指針計器を自動車用コンビネーションメータに適用した場合を例に図面に基づいて説明する。
【0010】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態による車両用指針計器であるコンビネーションメータ1の断面図であり、図2のI−I線断面図である。
【0011】図2は、コンビネーションメータ1の正面図である。
【0012】コンビネーションメータ1は、自動車の運転席前方の運転者から視認可能な位置に配設されて自動車の走行速度を表示すると共に、走行距離、各種警告等の情報を表示している。自動車の走行速度は、リング状の目盛盤2と、外部からの電気信号である車速信号に応じて指針軸6aを回動させるムーブメント6と、指針軸6aの先端部に支持された指針4とにより表示される。また、走行距離、各種警告等の情報は、指針4のムーブメント6側(図1の右側)に配置された表示盤9上に表示される。
【0013】目盛盤2は、非透光性材料、たとえば樹脂または金属等からなり、本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、アルミニウムの薄板によりリング状に形成されている。目盛盤2には、自動車の走行速度を表示するための目盛部2a、数字部2b、文字2cが形成されている。すなわち、目盛部2a、数字部2b、文字2cは、プレス加工、あるいはエッチング処理により、各形状の孔を開けて形成されている。また、目盛盤2の運転者側(図1の左側)の表面2dは、図1に示すように、凹面状に形成されている。これにより、運転者側(図1の左側)から表面2d上に入射した光により反射虚像が結像される、あるいは、表面2d上で運転者の目に向かって反射することを抑制することができる。したがって、従来のコンビネーションメータのように運転者側(図1の左側)から入射した光が表面2d上で反射して反射虚像が結像される、あるいは、表面2d上で反射した光が直接運転者の目に入射する等して運転者が眩惑されて、コンビネーションメータ1の視認性が低下する、という不具合を防止することができる。さらに、目盛盤2の表面2dは見栄え向上のためにヘアライン仕上げが施されている。
【0014】目盛盤2の内径孔2eを塞ぐ透明なカバー14は、樹脂あるいはガラス等から形成されている。本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、カバー14は、透明なポリカーボネート樹脂の薄板から形成され内径孔2eに密着固定されて、内部の指針4および表示盤9を運転者が視認可能としつつ、コンビネーションメータ1内への水滴や埃の侵入を防止している。ここで、カバー14の運転者側(図1の左側)の表面14aは、図1に示すように、凹面状に形成されている。これにより、運転者側(図1の左側)から表面14a上に入射した光により反射虚像が結像される、あるいは、表面14a上で運転者の目に向かって反射することを抑制することができる。したがって、従来のコンビネーションメータのように運転者側(図1の左側)から入射した光が表面14a上で反射して反射虚像が結像される、あるいは、表面14a上で反射した光が直接運転者の目に入射する等して運転者が眩惑されて、コンビネーションメータ1の視認性が低下する、という不具合を防止することができる。
【0015】目盛盤2の裏側(図1の右側)には、透明あるいは半透明の材料、たとえばアクリル樹脂等からなる導光リング7が目盛盤2に密着して取付けられている。また、導光リング7には、目盛盤2を照明するための光源として発光ダイオード8が装着されている。導光リング7は、発光ダイオード8から導光リング7内に入射した光を分散させて均一な明るさで各目盛部2a、数字部2b、文字2cへ導き、これらを発光表示させている。
【0016】目盛盤2の裏面側には、外部からの電気信号、すなわち車速信号に応じて指針軸6aを回動させるムーブメント6が配設されている。ムーブメント6は、プリント基板12に実装されている。また、指針軸6aの先端部には、目盛盤2の裏面側に沿って回動する指針4が固定されている。
【0017】指針4は、透明な材料、たとえばアクリル樹脂等から形成されている。また、指針4には、発光ダイオード5が取付けられており、発光ダイオード5からの光は、図1中の矢印のように進み、指針4を運転者が視認可能なように発光表示させる。
【0018】指針4とプリント基板12の中間には、運転者に対して自動車の運転上必要な各種情報を表示して認知させるための表示盤9が設置されている。表示盤9は、透明あるいは半透明な材料、たとえばアクリル樹脂等から形成されている。本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、警告表示部としてオーバーヒート警告部9aが設けられている。オーバーヒート警告部9aは、図2に示すように、表示盤9に、オーバーヒート警告部9aを塗り残すようにして印刷あるいはホットスタンプを施して形成されている。そして、表示盤9の裏面側に配置された発光ダイオード13が点灯されると、その光に照射されてオーバーヒート警告部9aは発光表示される。このオーバーヒート警告部9aは、後述する水温センサ18により検出されたエンジンの冷却水温度が所定値を超えると、コントローラ16が発光ダイオード13を点灯駆動して発光表示され、運転者に知らせるものである。また、表示盤9の開口部9bには、液晶表示装置11が運転者から視認可能に嵌め込まれている。この液晶表示装置11は、液晶パネル10上に自動車の走行距離を表示している。また、表示盤9は、後述するプリント基板12およびその上に実装されている部品等を運転者の視線から遮る役割を果たしている。
【0019】表示盤9の裏面側には、図1に示すように、コンビネーションメータ1の電気回路を構成するプリント基板12が配置されている。プリント基板12上には、上述の発光ダイオード13および液晶表示装置11が実装されている。また、プリント基板12には、各発光ダイオード5、8、13、液晶表示装置11およびムーブメント6を駆動するためのコントローラ16が実装されている。
【0020】以上説明した各構成部品は、樹脂あるいは金属からなるケース15内に収容・保持されている。
【0021】次に、本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成について説明する。図3には、本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成図を示す。図3に示すように、コントローラ16には、バッテリ20から電力が常時供給されている。また、イグニッションスイッチ30が、ON、OFF状態を検出可能に接続されている。これにより、イグニッションスイッチ30がON状態においてのみ、コンビネーションメータ1が作動する。また、コントローラ16には、車速センサ17、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ18が接続されている。コントローラ16は、車速センサ17の検出信号に基づいてムーブメント6を駆動し指針4を回動させて車速を指示する。また、コントローラ16は、車速センサ17からの検出信号に基づき該自動車の走行距離を算出し、液晶表示装置11を駆動して液晶パネル10上にそれを表示する。また、コントローラ16は、水温センサ18からの検出信号に基づき該自動車のエンジン冷却水温を算出し、予め設定された温度より高くなると発光ダイオード13を点灯させてオーバーヒート警告部9aを発光表示させる。
【0022】以上説明した、本発明の第1の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛盤2の運転者側(図1の左側)の表面2d、およびカバー14の運転者側(図1の左側)の表面14aを凹面状に形成した。これにより、運転者側(図1の左側)から各表面2d、14a上に入射した光により反射虚像が結像される、あるいは、各表面2d、14a上で運転者の目に向かって反射することを抑制することができる。したがって、従来のコンビネーションメータのように運転者側(図1の左側)から入射した光が各表面2d、14a上で反射して反射虚像が結像される、あるいは、各表面2d、14a上で反射した光が直接運転者の目に入射する等して運転者が眩惑され、コンビネーションメータ1の視認性が低下する、という不具合を防止し、良好な視認性を維持可能なコンビネーションメータ1を実現できる。
【0023】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態によるコンビネーションメータ1について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態によるコンビネーションメータ1の断面図である。
【0024】第2の実施形態においては、目盛盤2の運転者側(図4の左側)の表面2d、およびカバー14の運転者側(図4の左側)の表面14aには、図4に示すように、防眩膜であるAG層21(Anti−Glare層)、反射防止膜であるAR層22(Anti−Reflection層)を、積層形成している。すなわち、各表面2d、14a側からAG層21、AR層22の順に積層形成している。
【0025】AG層21は、たとえば微細な凹凸を多数有する硬質コーティング等からなり、AG層21に外来光(たとえば太陽光)が入射(図4の右側から入射)するとAG層21の凹凸により拡散反射し、運転者へ向かう反射光は減衰される。
【0026】一方、AG層21の表面に積層形成されているAR層22は、屈折率が互いに異なる複数の無機誘電体(たとえば、SiO2、TiO2、MgF2等)の透明薄膜を多層コーティングして形成されている。AR層22に入射(図4の右側から入射)した外来光(たとえば太陽光)はAR層22を形成する各層の界面での干渉作用により相殺され、運転者側に向かう反射光量は大幅に減衰される。
【0027】なお、AG層21およびAR層22を設けても、指針4および表示盤9の運転者による視認性は、第1の実施形態によるコンビネーションメータ1の場合と同等である。
【0028】以上説明した、本発明の第2の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛盤2の表面2d、およびカバー14の表面14aにAG層21およびAR層22を積層形成した。これにより、各表面2d、14aに入射した外来光の反射光量を大幅に低減させ、反射虚像の結像および運転者の目に向かう反射光を抑制して、良好な視認性を維持することのできるコンビネーションメータ1を実現できる。
【0029】なお、以上説明した、本発明の第2の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛盤2の表面2d、およびカバー14の表面14aを平面状としているが、第1の実施形態によるコンビネーションメータ1のように凹面状としてもよい。この場合、反射虚像結像および反射光による運転者の目の直射に対する抑制効果は、凹面形状、AG層21およびAR層22の3者の効果が相乗して得られるので、反射虚像の結像および運転者の目に向かう反射光を確実に抑制して、良好な視認性を維持することのできるコンビネーションメータ1を実現できる。
【0030】以上説明した、本発明の第1の実施形態および第2の実施形態によるコンビネーションメータ1においては、目盛盤2、指針4、オーバーヒート警告部9aの発光表示用光源として発光ダイオード5、8、13を用いているが、これらの少なくとも1つを他の光源、たとえば電球等に置換えてもよい。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】 【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
【公開番号】 特開2003−237413(P2003−237413A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−42836(P2002−42836)