| 【発明の名称】 |
自動車用変速装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大滝 亮一 【住所又は居所】神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内
【氏名】今西 尚 【住所又は居所】神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】変速操作の際に生じる違和感や不快感を低減乃至は解消できる構造を実現する。
【解決手段】変速時にはクラッチユニット5の接続を自動的に断ち、アクチュエータ6により変速ユニット3の変速状態を自動的に変える。上記クラッチユニット5の接続が断たれた状態で、補助駆動ユニット9の電動モータ11に通電し、伝達軸7の回転を継続する。上記クラッチユニット5の接続が断たれた状態でも、この伝達軸7に駆動力が付与され続ける為、上記違和感をなくせる。又、この違和感をなくす為に変速操作を極端に早くする必要がなくなる為、変速に伴う衝撃を低減乃至は解消して、上記不快感をなくせる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力軸と有段式の変速ユニットの入力軸との間に、これら両軸同士の結合状態を断接させるクラッチユニットを設け、上記変速ユニットの変速比の切り換えをアクチュエータにより行なわせると共に、このアクチュエータによる上記変速ユニットの切換時に上記クラッチユニットの接続を自動的に断つ自動車用変速装置に於いて、上記変速ユニットの出力部の回転を駆動輪に伝達する為の動力伝達部の途中に設けられ、電動モータへの通電に基づいてこの動力伝達部を構成する伝達軸を回転駆動する補助駆動ユニットと、上記電動モータへの通電状態を制御する制御器とを備え、この制御器は、上記クラッチユニットの接続が断たれている間、上記電動モータに通電して、上記補助駆動ユニットにより上記伝達軸を、上記出力軸に基づく回転方向と同方向に回転駆動する自動車用変速装置。 【請求項2】 車両の加減速状態を検知する為の加速度センサを備え、制御器は、車両が加速状態にあって且つクラッチユニットの接続が断たれている間のみ電動モータに通電する、請求項1に記載した自動車用変速装置。 【請求項3】 電動モータと伝達軸との間に、電動モータの回転を伝達軸に伝達する場合にのみ繋がれるクラッチ機構を設けた、請求項1〜2の何れかに記載した自動車用変速装置。 【請求項4】 クラッチ機構が、クラッチユニットの接続が断たれている場合に繋がれる電磁クラッチである、請求項3に記載した自動車用変速装置。 【請求項5】 電動モータが発電機能を兼ね備えたモータジェネレータであり、このモータジェネレータは、車両が減速状態にある場合に発電を行なう、請求項2に記載した自動車用変速装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、従来から手動式変速機として広く使用されていた有段式の変速機の切り換えを自動的に行なわせる様にした自動車用変速装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】歯車の噛み合い状態を変える事により変速比を変更する有段式の変速機は、遊星歯車機構を組み合わせた一般的な自動変速機や各種無段変速機に比べて、伝達効率を向上させ易い他、良好な運転感覚を得られる為、依然としてスポーツカー等を中心に根強い人気がある。更に、上記有段式の変速機の長所を残したまま、運転操作の容易化を図る事を目的として、有段式の変速機の変速動作を自動的に行なわせる自動車用変速装置も、従来から各種知られており、一部で実施されている。 【0003】この様な自動車用変速装置は、手動式の変速機に要求される2種類の操作、即ち、クラッチユニットの断接操作と変速ユニットの変速操作とを、油圧式或は電動式のアクチュエータにより自動的に、互いに関連付けて行なわせるものである。変速動作は、車両の走行状態により自動的に行なうものや、運転者が行なうレバー操作に基づいて行なうもの、スイッチによりこれらを選択するもの等が、従来から実施されている。 【0004】図3〜4は、この様な従来から知られている、有段式の変速機の変速動作を自動的に行なわせる自動車用変速装置の1例を略示している。この自動車用変速装置は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)2と有段式の変速ユニット3の入力軸4との間に、これら両軸2、4同士の結合状態を断接させるクラッチユニット5を設けている。そして、上記変速ユニット3の変速比の切り換えをアクチュエータ6により行なわせると共に、このアクチュエータ6による上記変速ユニット3の切換時に、上記クラッチユニット5の接続を自動的に断つ様にしている。この場合に、アクチュエータ6としては、例えば国際公開WO 01/31234 A1に記載された電動式アクチュエータを使用する。又、上記クラッチユニット5を断接させる為の別のアクチュエータとしては、図示しない油圧シリンダ、或は送りねじ機構を備えた電動式のアクチュエータを使用する。 【0005】何れにしても、車両の定常走行時(非変速操作時)には、図3に示す様に、上記クラッチユニット5を接続する。この状態では、上記エンジン1の出力軸2の回転が上記変速ユニット3で変速されてから、プロペラシャフト等の伝達軸7を介して駆動輪8、8に伝達される。これに対して、変速操作時には、図4に示す様に、上記クラッチユニット5の接続を断つ。この状態では、上記エンジン1の出力軸2の回転が上記各駆動輪8、8に伝わらなくなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の様な有段式の変速機の変速動作を自動的に行なわせる自動車用変速装置の場合、運転者が操作する事なくクラッチユニット5の接続が断たれ、エンジン1の出力軸2の回転が各駆動輪8、8に伝わらない状態が出現する。本発明の対象となる自動車用変速装置の場合、この様な状態が、(従来の手動式変速機の場合とは異なり)運転者がクラッチペダルを操作する事なく出現する為、運転者が違和感(空走感)を感じる。この様な違和感を減少乃至は解消する為、高性能車用の変速装置を中心に、変速操作を迅速に行なって、上記クラッチユニット5の接続が断たれている時間を短くする事も行なわれている。但し、単に変速操作を迅速に行なうだけでは、変速時に生じる衝撃(変速ショック)が大きくなり、別の面から運転者や乗員に不快感を与える。本発明は、この様な事情に鑑みて、変速時に運転者や乗員に、違和感や不快感を与える事のない(或は与える程度が低い)自動車用変速装置を実現すべく発明したものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の自動車用変速装置は、前述の図3〜4に示した様な、従来から考えられ、更に一部で実施されている自動車用変速機と同様に、エンジンの出力軸と有段式の変速ユニットの入力軸との間に、これら両軸同士の結合状態を断接させるクラッチユニットを設けている。そして、上記変速ユニットの変速比の切り換えをアクチュエータにより行なわせると共に、このアクチュエータによる上記変速ユニットの切換時に、上記クラッチユニットの接続を自動的に断つ様に構成している。 【0008】特に、本発明の自動車用変速装置に於いては、補助駆動ユニットと制御器とを備える。このうちの補助駆動ユニットは、上記変速ユニットの出力部の回転を駆動輪に伝達する為の動力伝達部の途中に設けられ、電動モータへの通電に基づいてこの動力伝達部を構成する伝達軸を回転駆動するものである。又、上記制御器は、上記補助駆動ユニットの上記電動モータへの通電状態を制御するものである。そして、上記制御器は、上記クラッチユニットの接続が断たれている間、上記電動モータに通電して、上記補助駆動ユニットにより上記伝達軸を、上記出力軸に基づく回転方向と同方向に回転駆動する。 【0009】 【作用】上述の様に構成する本発明の自動車用変速装置は、変速操作の為にクラッチユニットの接続を断った状態では、補助駆動ユニットが伝達軸を回転駆動する。従って、変速操作時にこの伝達軸に駆動力が付与され続ける為、運転者に違和感を与える事がない。又、この違和感をなくす為に変速操作を極端に早くする必要がない為、変速時に運転者を初めとする乗員に不快感を与える様な衝撃が加わる事もない。 【0010】 【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。この自動車用変速装置は、前述の図3〜4に示した様な、従来から考えられ、更に一部で実施されている自動車用変速機と同様に、エンジン1の出力軸2と有段式の変速ユニット3の入力軸4との間に、これら両軸2、4同士の結合状態を断接させるクラッチユニット5を設けている。このクラッチユニット5は、一般的な手動変速機と組み合わせるクラッチユニットと同様の乾式単板クラッチを使用する。そして、上記変速ユニット3の変速比の切り換えをアクチュエータ6により行なわせると共に、このアクチュエータ6による上記変速ユニット3の切換時に、上記クラッチユニット5の接続を自動的に断つ様にしている。 【0011】特に、本例の自動車用変速装置に於いては、補助駆動ユニット9と制御器10とを備える。このうちの補助駆動ユニット9は、上記変速ユニット3の出力部の回転を駆動輪8、8に伝達する為の動力伝達部を構成する、伝達軸7の途中に設けている。本例の場合に上記補助駆動ユニット9は、電動モータ11と、この電動モータ11の回転を上記伝達軸7に伝達する為の伝達機構12とから成る。この伝達機構12は、チェンとスプロケットとから成るもの、ベルトとプーリとから成るもの等、各種構造を使用できる。図示の場合には、上記電動モータ11の回転軸に固定した駆動歯車13と上記伝達軸7の中間部に固定した従動歯車14とを噛合させて、上記伝達機構12を構成している。この構成により上記補助駆動ユニット9は、上記電動モータ11への通電に基づいて上記伝達軸7を回転駆動自在としている。 【0012】又、上記制御器10は、上記補助駆動ユニット9の電動モータ11への通電状態を制御するものである。即ち、上記制御器10は、上記クラッチユニット5の接続が断たれている間、上記電動モータ11に通電して、上記補助駆動ユニット9により上記伝達軸7を、前記エンジン1の出力軸2に基づく回転方向と同方向に回転駆動する。 【0013】上述の様に構成する本例の自動車用変速機の場合、車両の定常走行時(非変速操作時)には、図1に示す様に、上記クラッチユニット5を接続する。この状態では、上記エンジン1の出力軸2の回転が上記変速ユニット3で変速されてから、プロペラシャフト等の伝達軸7を介して駆動輪8、8に伝達される。この場合、上記電動モータ11もこの伝達軸7により回転駆動される事になり、そのままではこの電動モータ11が上記エンジン1の回転に対する負荷となる可能性がある。そこで、請求項3に記載した様に、この電動モータ11と上記伝達軸7との間に、この電動モータ11の回転を上記伝達軸7に伝達する場合にのみ繋がれるクラッチ機構を設ければ、上記電動モータ11が上記エンジン1の回転に対する負荷となる事を防止できる。尚、この場合に使用するクラッチ機構としては、ローラクラッチ、カムクラッチ、ラチェット機構等の一方向クラッチも使用可能である。但し、空転時に生じる摩擦を低く抑えて十分な耐久性を確保する面から、請求項4に記載した様に、電磁クラッチ、或は湿式多板クラッチ等の断接式のクラッチが好ましい。 【0014】これに対して、変速操作時には、図2に示す様に、上記クラッチユニット5の接続を断つ。この状態では、上記エンジン1の出力軸2の回転が上記各駆動輪8、8に伝わらなくなる。そこで本例の自動車用変速装置の場合には、前記制御器10が、上記クラッチユニット5の接続が断たれた事を検知した後(或はこのクラッチユニット5の接続を断つ信号を発すると同時又はその直前に)、上記電動モータ11に通電する。この場合に、この電動モータ11と上記伝達軸7との間に上記クラッチ機構を設けている場合には、上記電動モータ11に通電すると共に、このクラッチ機構を接続する。この状態では、この電動モータ11が上記伝達軸7を介して上記各駆動輪8、8を回転駆動する。この際、図示しない回転センサからの信号に基づいて上記電動モータ11の回転速度を制御し、上記伝達軸7の回転速度を、上記クラッチユニット5の接続が断たれる前と同じにする。従って、変速操作時にこの伝達軸7に駆動力が付与され続ける為、運転者に違和感を与える必要がない。又、この違和感をなくす為に変速操作を極端に早くする必要がない為、変速時に運転者を初めとする乗員に不快感を与える様な衝撃が加わる事もない。変速操作完了後は、上述した定常走行時の状態に戻る。 【0015】尚、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、車両の加減速状態を検知する為の図示しない加速度センサを設け、この加速度センサの検出信号を上記制御器10に入力する。この場合にこの制御器10は、車両が加速状態にあって且つ上記クラッチユニット5の接続が断たれている間のみ、上記電動モータ11に通電する。言い換えれば、上記加速度センサからの信号により車両が減速状態にある場合には、上記電動モータ11から上記伝達軸7に補助動力を付与せず、前記補助動力ユニット9によりこの伝達軸7の回転低下を妨げない様にする。 【0016】この場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記電動モータ11として発電機能を兼ね備えたモータジェネレータを使用する。そして、上記加速度センサからの信号により車両が減速状態にある場合には、上記モータジェネレータにより発電を行なって図示しないバッテリを充電する。この様にすれば、減速時に於ける変速操作(シフトダウン)の際に、減速感が中断する事を防止して、運転者に違和感を与えない様にできる。同時に、エネルギ回収により、後に行なうシフトアップ時に上記電動モータ11に通電する為の電力を確保して、エネルギの有効利用に基づく燃費向上を図れる。 【0017】 【発明の効果】本発明の自動車用変速装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、変速操作に伴って、運転者を初めとする乗員に与える違和感や不快感を低減乃至は解消できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社 【住所又は居所】東京都品川区大崎1丁目6番3号
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| 【出願日】 |
平成14年1月24日(2002.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087457 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−212007(P2003−212007A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−15196(P2002−15196) |
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