| 【発明の名称】 |
定速走行制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】入山 正浩 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】クラッチスイッチを追加することのない低コストのシステムとしながら、定速走行制御中にクラッチを切り離した時に定速走行制御の解除を実現することができる定速走行制御装置を提供すること。
【解決手段】手動変速機7及びクラッチ4を搭載した車両に適用され、予め定めた車速で走行するようにエンジン1の出力を制御する定速走行制御装置において、車輪速センサ15により検出される車速信号を比較基準とし、擬似車速信号算出部21dにおいて、エンジン回転数と手動変速機7のギヤ比とにより擬似車速信号を算出し、車速比較部21eにおいて、車速信号と擬似車速信号との車速偏差を算出し、クルーズ解除判定部21fにおいて、定速走行制御中、車速偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め定めた車速で走行するように原動機の出力を制御する定速走行制御装置において、前記原動機の下流位置に配置され、複数のギヤ比が選択可能に組み合わされた歯車対のうち、一つのギヤ比をなす歯車対をシフトレバーの操作により選択できるように設けられた手動変速機と、前記原動機と手動変速機とを連結する位置に設けられ、原動機と手動変速機との接続と切り離しとが運転者操作により選択されるクラッチと、原動機からクラッチ及び手動変速機を経過して駆動輪に至る駆動系の何れかの位置の回転数を検出する駆動系回転数検出手段と、定速走行制御中、クラッチが接続状態であると仮定して算出された擬似駆動系回転数と、前記駆動系回転数検出手段からの駆動系回転数検出値との偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除する定速走行制御解除手段と、を備えたことを特徴とする定速走行制御装置。 【請求項2】 請求項1に記載された定速走行制御装置において、前記駆動系回転数検出手段は、手動変速機の出力回転速度を検出する変速機出力回転速度検出手段であり、前記定速走行制御解除手段は、前記原動機の出力回転速度を検出する原動機出力回転速度検出手段と、前記原動機出力回転速度検出手段からの原動機出力回転速度検出値と、前記手動変速機のギヤ比とにより擬似出力回転速度を算出する擬似出力回転速度算出手段と、前記擬似出力回転速度算出手段からの擬似出力回転速度算出値と、前記変速機出力回転速度検出手段からの変速機出力回転速度検出値との偏差を算出する出力回転速度偏差算出手段と、を有し、定速走行制御中、前記出力回転速度偏差算出手段からの出力回転速度偏差算出値が所定値以上のとき、定速走行制御を解除する手段としたことを特徴とする定速走行制御装置。 【請求項3】 請求項2に記載された定速走行制御装置において、前記原動機出力回転速度検出手段は、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転数センサであり、前記変速機出力回転速度検出手段は、手動変速機を介して駆動される駆動輪速を検出する車輪速センサであり、前記擬似出力回転速度算出手段は、エンジン回転数と手動変速機のギヤ比とにより擬似車速信号を算出する手段であり、前記出力回転速度偏差算出手段は、車輪速センサからの車速信号から擬似車速信号を差し引いた値の絶対値である車速偏差を算出する手段であり、前記定速走行制御解除手段は、定速走行制御中、車速偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除する手段としたことを特徴とする定速走行制御装置。 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載された定速走行制御装置において、定速走行制御が開始されると、制御開始時の原動機出力回転速度検出値と出力回転速度検出値により手動変速機のギヤ比を算出する変速機ギヤ比算出手段を設けたことを特徴とする定速走行制御装置。 【請求項5】 請求項4に記載された定速走行制御装置において、前記変速機ギヤ比算出手段は、非定速走行制御から定速走行制御に入る開始時に、エンジン回転数センサからのエンジン回転数を車輪速センサからの車速信号により除することで手動変速機のギヤ比を算出する手段としたことを特徴とする定速走行制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、手動変速機搭載車両に適用される定速走行制御装置の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、予め定めた車速で走行するようにエンジンの出力を制御する定速走行制御装置としては、例えば、特許第2715606号公報に記載のものが知られている。 【0003】この従来公報には、手動変速機搭載車両に適用される場合、エンジンと手動変速機との間のクラッチを切り離しても定速走行制御を続けると、設定車速を維持するべくエンジン回転を高める指令が出され、エンジン回転数が吹け上がったままになるため、定速走行制御中にクラッチを切り離した時には制御を解除する技術が記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の定速走行制御装置にあっては、クラッチの切り離し情報を得るためにクラッチ検出信号を出力するクラッチスイッチを設ける構成としていたため、クラッチスイッチを追加する分、コスト高になってしまうという問題点があった。 【0005】本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、クラッチスイッチを追加することのない低コストのシステムとしながら、定速走行制御中にクラッチを切り離した時に定速走行制御の解除を実現することができる定速走行制御装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、予め定めた車速で走行するように原動機の出力を制御する定速走行制御装置において、前記原動機の下流位置に配置され、複数のギヤ比が選択可能に組み合わされた歯車対のうち、一つのギヤ比をなす歯車対をシフトレバーの操作により選択できるように設けられた手動変速機と、前記原動機と手動変速機とを連結する位置に設けられ、原動機と手動変速機との接続と切り離しとが運転者操作により選択されるクラッチと、原動機からクラッチ及び手動変速機を経過して駆動輪に至る駆動系の何れかの位置の回転数を検出する駆動系回転数検出手段と、定速走行制御中、クラッチが接続状態であると仮定して算出された擬似駆動系回転数と、前記駆動系回転数検出手段からの駆動系回転数検出値との偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除する定速走行制御解除手段と、を備えた。 【0007】 【発明の効果】本発明にあっては、クラッチが接続状態であると仮定した場合、原動機からクラッチ及び手動変速機を経過して駆動輪に至る駆動系の連結が確保されているため、原動機回転数と手動変速機ギヤ比とディファレンシャルギヤ比(以下、終減速比)と駆動輪回転数との間には、原動機回転数×手動変速機ギヤ比×終減速比=駆動輪回転数という関係が成立する。 【0008】しかし、クラッチが切り離されると、例えば、駆動輪回転数はそのままで原動機回転数だけが上昇するというように、上記関係が成立しない。 【0009】すなわち、定速走行制御中、クラッチが接続状態であると仮定して算出された擬似駆動系回転数と、駆動系回転数検出手段からの駆動系回転数検出値との間に所定の偏差が生じたときには、クラッチの切り離し状態であると判断することができる。 【0010】よって、クラッチスイッチを追加することのない低コストのシステムとしながら、定速走行制御中にクラッチを切り離した時に定速走行制御の解除を実現することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の定速走行制御装置を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4,5に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。 【0012】(第1実施例)まず、構成を説明する。図1は第1実施例の定速走行制御装置を示す全体システム図である。図1における駆動系の構成を説明すると、1はエンジン(原動機)、2は電子制御スロットルバルブ、3はエンジン出力軸、4はクラッチ、5はクラッチペダル、6は変速機入力軸、7は手動変速機、8は変速機出力軸、9はディファレンシャルギヤ、10,10は駆動軸、11,11は駆動輪である。 【0013】前記手動変速機7は、エンジン1の下流位置に配置され、複数のギヤ比が選択可能に組み合わされた歯車対のうち、一つのギヤ比をなす歯車対を図外のシフトレバーの操作により選択できるように設けられている。 【0014】前記クラッチ4は、エンジン1と手動変速機7とを連結する位置に設けられ、エンジン1と手動変速機7との接続と切り離しとが運転者によるクラッチペダル5への操作により選択される。 【0015】図1における定速走行制御系の構成を説明すると、12はアクセルペダルセンサ、13は定速走行制御スイッチ、14はブレーキスイッチ、15は車輪速センサ(駆動系回転速度検出手段、変速機出力回転速度検出手段)、16はエンジン回転数センサ(原動機出力回転速度検出手段)、17はエンジンコントローラ、18はスロットル制御アクチュエータである。 【0016】前記エンジンコントローラ17は、スロットル制御アクチュエータ18へのスロットル制御量を出力するスロットル制御部20と、ASCD制御量を算出する定速走行制御部21とを有する。ここで、ASCDとは、Auto Speed Control Deviceの略称である。 【0017】前記スロットル制御部20は、アクセルペダルセンサ12からのアクセル操作量信号と定速走行制御部21からのASCD制御量とを入力し、スロットル制御アクチュエータ18へのスロットル制御量を出力する。 【0018】前記定速走行制御部21は、クルーズ開始判定部21aと、車速サーボ制御部21bと、変速機ギヤ比算出部21c(変速機ギヤ比算出手段)と、擬似車速信号算出部21d(擬似出力回転速度算出手段)と、車速比較部21e(出力回転速度偏差算出手段)と、クルーズ解除判定部21f(定速走行制御解除手段)と、を有する。 【0019】前記クルーズ開始判定部21aは、定速走行制御スイッチ13が入れられた時の車速を目標車速として目標車速信号を車速サーボ制御部21bに出力する。また、定速走行制御が開始されるとクルーズ解除判定部21fからクルーズ解除信号=1が入力されない限りクルーズ中信号=1を車速サーボ制御部21bに出力する。なお、クルーズ解除判定部21fからクルーズ解除信号=1が入力されるとクルーズ中信号=0を車速サーボ制御部21bに出力する。 【0020】前記車速サーボ制御部21bは、クルーズ開始判定部21aからの目標車速信号及びクルーズ中信号と、車輪速センサ15からの車速信号を入力し、これらの信号に基づいてASCD制御量を算出し、その算出結果をスロットル制御部20へ出力する。 【0021】前記変速機ギヤ比算出部21cは、非定速走行制御(クルーズ中信号=0)から定速走行制御(クルーズ中信号=1)に入る開始時に、エンジン回転数センサ16からのエンジン回転数を車輪速センサ15からの車速信号により除することで手動変速機7のギヤ比を算出し、変速機ギヤ比を擬似車速信号算出部21dに出力する。なお、この手動変速機7のギヤ比を算出するにあたって、手動変速機7と駆動輪11との間に介在するディファレンシャルギヤ9による終減速比(固定値)を考慮する。 【0022】前記擬似車速信号算出部21dは、エンジン回転数センサ16からのエンジン回転数を変速機ギヤ比により除し、ディファレンシャルギヤ9による終減速比を考慮することにより擬似車速信号を算出する。 【0023】前記車速比較部21eは、車輪速センサ15からの車速信号から、擬似車速信号算出部21dからの擬似車速信号を差し引いた値の絶対値である車速偏差を算出する。 【0024】前記クルーズ解除判定部21fは、定速走行制御中、車速比較部21eからの車速偏差が予め設定された所定値以上のとき、定速走行制御を解除するクルーズ解除信号=1をクルーズ開始判定部21aに出力する。また、ブレーキスイッチ14からブレーキ操作を示す信号が入力されたときも定速走行制御を解除するクルーズ解除信号=1をクルーズ開始判定部21aに出力する。 【0025】次に、作用を説明する。 【0026】[定速走行制御の解除作動]図2はエンジンコントローラ17の定速走行制御部21で実行されるクラッチ4の切り離しによる定速走行制御の解除作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。 【0027】ステップS1では、定速走行制御中を表すクルーズ中信号=1か否かが判断され、クルーズ中信号=1の場合はステップS3以降のクルーズ中処理へ移行し、クルーズ中信号=0の場合は非クルーズ時処理としてステップS2へ移行する。 【0028】ステップS2では、クルーズ解除信号が定速走行制御を維持するクルーズ解除信号=0にセットされる。 【0029】ステップS3では、クルーズ中信号の前回値が非定速走行制御を表すクルーズ中信号=0か否かが判断される。前回値がクルーズ中信号=0の場合には、クルーズ開始時処理としてステップS4へ移行し、前回値がクルーズ中信号=1の場合には、クルーズ中処理としてステップS5へ移行する。 【0030】ステップS4では、変速機ギヤ比算出部21cにおいて、クルーズ中信号=0からクルーズ中信号=1に切り換えられた最初のクルーズ開始時に、クルーズ開始時処理として、エンジン回転数を車速信号により除することで手動変速機7のギヤ比が算出される。 【0031】ステップS5では、擬似車速信号算出部21dにおいて、エンジン回転数センサ16からのエンジン回転数を変速機ギヤ比により除し、ディファレンシャルギヤ9によるデフギヤ比を考慮することにより擬似車速信号が算出される。 【0032】ステップS6では、車速比較部21eにおいて、車輪速センサ15からの車速信号から、擬似車速信号算出部21dからの擬似車速信号を差し引いた値の絶対値である車速偏差が算出される。 【0033】ステップS7では、クルーズ解除判定部21fにおいて、ステップS6で算出された車速偏差が予め設定された所定値以上か否かが判断される。車速偏差≧所定値のときにはステップS8へ移行し、車速偏差<所定値のときにはステップS2へ移行する。 【0034】ステップS8では、クルーズ解除信号が定速走行制御を解除するクルーズ解除信号=1にセットされる。 【0035】[手動変速機搭載車の定速走行制御装置の課題]手動変速機搭載車の定速走行制御装置(いわゆる、ASCD、クルーズコントロール等)では、以下に述べるような課題がある。 【0036】■手動変速機搭載車でのクラッチ切り離し処理定速走行制御中にクラッチ4を切り離しても定速走行制御を継続すると、エンジン回転数が吹け上がったままになる。よって、クラッチ4を切り離しても定速走行制御を継続する定速走行制御装置とした場合、商品性として不適格ということができる。そこで、従来技術に記載されているように、クラッチスイッチを追加して定速走行制御を解除するようにしている。具体的には、図3(イ)または図3(ロ)に示すように、ブレーキスイッチ等の解除信号と同様に、クラッチスイッチを解除信号として解除判定部に入力する。しかし、この場合、クラッチスイッチの追加が必要であり、コスト増を招く。 【0037】■車速信号に対するフェールセーフ目標車速を設定し、車速信号(実車速)をこれに追従するようにスロットル開度を制御する定速走行制御装置にとっては、車速は最も重要な信号であるため、フェールセーフが必要である。つまり、入力される車速信号が異常になると、ブレーキスイッチ等で定速走行制御を解除しない限り、意図しない加速や減速をすることになる。 【0038】これに対し、従来は、下記の手法により対応している。 【0039】(a)図4に示すように、車速センサ(または車輪速センサ)+自動変速機の出力軸回転数センサ等のように、車速信号を2系統入力し、両者を比較して異常(両車速情報のずれ)を検出し、定速走行制御を解除する。 【0040】(b)車速信号の異常な変化(急な変動やずれ)で異常であるとみなし、定速走行制御を解除する。 【0041】しかし、(a)の場合、手動変速機搭載車では、自動変速機の出力軸回転数センサが無く、別系統の車速センサの追加が必要となり、コスト増を招く。(b)の場合、小さな変動やずれは異常であると検出できず、確実な異常判断は困難である。しかし、小さな変動やずれが続けば車両は意図しない加速や減速をすることになり、検出できない異常は運転者の技量(ブレーキペダルやクラッチペダルを踏んで意図的に定速走行制御を解除させる。)に頼らざるを得ない。 【0042】[定速走行制御の解除作用]まず、定速走行制御スイッチ13をオフにしての通常の走行時には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進む流れとなり、クルーズ中信号もクルーズ解除信号も初期値である0が維持され、車両の車速は、運転者によるアクセル操作やブレーキ操作により決まる。 【0043】次に、定速走行制御スイッチ13をオンにセットしての定速走行制御による走行時には、定速走行制御スイッチ13をセット後の最初の制御作動時に、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、ステップS4において、エンジン回転数を車速信号により除することで手動変速機7のギヤ比が算出される。 【0044】そして、第2回目以降の制御作動時であって、かつ、クラッチ4の接続が維持されている時には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6において、クラッチ4の接続により、理論的には車速信号=擬似車速信号となり、車速偏差はほぼゼロの値となることで、ステップS6からはステップS7→ステップS2へ進む流れとなり、エンジン出力制御(スロットル開度制御)により実車速を目標車速に追従させる定速走行制御が実行される。 【0045】その後、定速走行制御中であるにもかかわらず、例えば、運転者がクラッチペダル5を踏み込み、クラッチ4を切り離すと、図2のフローチャートのステップS6において、クラッチ4の切り離しにより、車速信号≠擬似車速信号となる。その結果、車速偏差が所定値以上になると、ステップS6からはステップS7→ステップS8へ進む流れとなり、クルーズ解除信号=1のセットに基づいて定速走行制御が解除される。 【0046】この定速走行制御の解除により、下記の■、■、■に述べることを実現することができる。 【0047】■定速走行制御中にクラッチ4を切り離すと、エンジン回転数が吹け上がり始める。よって、エンジン回転数に基づいて算出した擬似車速信号も増加し、車速信号と擬似車速信号がずれる。その結果、定速走行制御中にクラッチ4を切り離すと、車速信号と擬似車速信号との車速偏差が所定値以上になり、定速走行制御が解除される。よって、クラッチ4の切り離し時における定速走行制御の解除が、クラッチスイッチを追加することなく、低コストにて実現できる。 【0048】■定速走行制御中に車速信号(入力信号)が異常になると、実車速とずれた車速信号となる。一方、エンジン回転数と変速機ギヤ比から算出した擬似車速信号は実車速のままとなる。その結果、定速走行制御中に車速信号が異常になると、車速信号と擬似車速信号との車速偏差が所定値以上になり、定速走行制御が解除される。よって、車速信号の確実なフェールセーフが、別系統の車速センサを追加することなく、低コストにて実現できる。 【0049】■エンジンコントローラ17に組み込まれた定速走行制御部21では、エンジン1の燃料噴射制御等でエンジン回転数信号が用いられることで、エンジンコントローラ17にとってエンジン回転数信号は標準信号である。また、エンジンコントローラ17と独立した定速走行制御コントローラであっても、CAN通信でエンジンコントローラ17と接続されていれば、エンジン回転数信号はCAN通信線を介して入手可能である。よって、エンジン回転数信号と車速信号を用いて定速走行制御の解除を行う第1実施例の定速走行制御装置にあっては、手動変速機搭載車の定速走行制御装置の商品性(クラッチ切り吹け上がり防止)と、安全性(車速信号異常による加減速の回避)とが、コスト増を招くことなく(クラッチスイッチや別系統の車速センサの追加無しに)、同時に実現することができる。 【0050】次に、効果を説明する。第1実施例の定速走行制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。 【0051】(1) 手動変速機7及びクラッチ4を搭載した車両に適用され、予め定めた車速で走行するようにエンジン1の出力を制御する定速走行制御装置において、定速走行制御中、クラッチ4が接続状態であると仮定して算出された擬似駆動系回転数と、駆動系回転数検出値との偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除する定速走行制御解除手段を設けたため、クラッチスイッチを追加することのない低コストのシステムとしながら、定速走行制御中にクラッチ4を切り離した時に定速走行制御の解除を実現することができる。 【0052】(2) 車輪速センサ15により検出される車速信号を比較基準とし、擬似車速信号算出部21dにおいて、エンジン回転数と手動変速機7のギヤ比とにより擬似車速信号を算出し、車速比較部21eにおいて、車速信号と擬似車速信号との車速偏差を算出し、クルーズ解除判定部21fにおいて、定速走行制御中、車速偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除するようにしたため、クラッチ4の切り離し時における定速走行制御の解除が、クラッチスイッチを追加することなく、低コストにて実現できると共に、車速信号の確実なフェールセーフが、別系統の車速センサを追加することなく、低コストにて実現できる。 【0053】(3) エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転数センサ16と、手動変速機7を介して駆動される駆動輪速を検出する車輪速センサ15を用い、擬似車速信号算出部21dにおいて、エンジン回転数と手動変速機7のギヤ比とにより擬似車速信号を算出し、車速比較部21eにおいて、車輪速センサ15からの車速信号から擬似車速信号を差し引いた値の絶対値である車速偏差を算出し、クルーズ解除判定部21fにおいて、定速走行制御中、車速偏差が所定値以上のとき、定速走行制御を解除するクルーズ解除信号を出力するようにしたため、手動変速機搭載車の定速走行制御装置の商品性(クラッチ切り吹け上がり防止)と、安全性(車速信号異常による加減速の回避)とを、スイッチやセンサを追加することなく既存のエンジン回転数センサ16と車輪速センサ15のみを用いたコスト増を招くことのないシステムにより、同時に実現することができる。 【0054】(4) 定速走行制御が開始されると、制御開始時のエンジン回転数と車速信号とにより手動変速機7のギヤ比を算出する変速機ギヤ比算出部21cを設けたため、定速走行制御中の手動変速機7のギヤ比を精度良く検出することができる。すなわち、手動変速機7において、定速走行制御開始時は確実にクラッチ4が接続状態であり、定速走行制御中はギヤ比が固定される。 【0055】(5) 変速機ギヤ比算出部21cは、非定速走行制御から定速走行制御に入る開始時に、エンジン回転数センサ16からのエンジン回転数を車輪速センサ15からの車速信号により除することで手動変速機7のギヤ比を算出するようにしたため、手動変速機7のギヤ比を検出するセンサを別途設けることなく、手動変速機7のギヤ比情報を得ることができる。 【0056】以上、本発明の定速走行制御装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。 【0057】例えば、第1実施例では、車輪速センサ15により検出される車速信号を比較基準とし、車速信号と擬似車速信号との車速偏差を算出する例を示したが、エンジン回転数センサ16により検出されるエンジン回転数信号を比較基準とし、車速信号と手動変速機ギヤ比から擬似エンジン回転数信号を算出し、エンジン回転数信号と擬似エンジン回転数信号とのエンジン回転数偏差を算出する例であっても良い。 【0058】また、第1実施例では、手動変速機7のギヤ比を定速走行制御開始時に算出により求める例を示したが、手動変速機7のシフトレバーの選択位置を検出し、選択された変速段の歯車対の歯数比で決まるギヤ比を与えるようにしても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月24日(2002.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100119644 【弁理士】 【氏名又は名称】綾田 正道 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211998(P2003−211998A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−14951(P2002−14951) |
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