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【発明の名称】 アクセル開度検出装置
【発明者】 【氏名】須田 秀行
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】アクセル開度を正しく検出する。

【解決手段】アクセルペダル1のペダル本体11に連動する外側回転軸14と、開度センサで回転量を検出される内側回転軸15とを、正常操作時の操作力のみを伝達するワンウェイベアリング16を介して係合させ、内側回転軸15に固定されたストッパプレート19がアクセル開放時にコイルスプリング20の付勢力で全閉位置規制用のストッパ21に係合し、該開放アクセルペダル1を逆向きに操作したとき、レバー12に係合する逆方向変位規制用のストッパ23を設け、該逆方向操作の変位が全閉位置の学習値としてセンサで検出されないようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】アクセル操作器で操作されるアクセル開度を検出する装置であって、前記アクセル操作器の変位をアクセル開度信号に変換する変位センサと、前記アクセル操作器の開放位置よりアクセル開度を減少する逆方向の操作を行った時に、アクセル操作器の変位の前記変位センサへの入力をキャンセルする入力キャンセル機構と、を含んでいることを特徴とするアクセル開度検出装置。
【請求項2】前記入力キャンセル機構は、前記アクセル操作器の直接アクセル操作される部材から前記変位センサによって変位が感知される部材へ正常操作時に作用する方向の操作力のみを伝達し、逆方向の操作力を非伝達とするワンウェイ機構であることを特徴とする請求項1に記載のアクセル開度検出装置。
【請求項3】前記ワンウェイ機構は、アクセル開放位置よりアクセル開度増大方向に操作されるときのみ、前記直接アクセル操作される部材が、前記変位センサによって変位が感知される部材と係合して操作力を伝達するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアクセル開度検出装置。
【請求項4】前記アクセル操作器の開放位置からアクセル開度を減少する逆方向の変位を規制する逆方向変位規制機構を含んでいることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のアクセル開度検出装置。
【請求項5】前記アクセル操作器の開放位置からアクセル開度を減少する逆方向へ操作したとき、前記入力キャンセル機構による前記変位センサへの入力をキャンセルする機能が生じた後で、前記逆方向変位規制機構による逆方向の変位を規制する機能が生じるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のアクセル開度検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のアクセル開度を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクセルペダルで操作されるアクセル開度を検出し、該検出値に基づいてエンジンのスロットル開度等を制御する自動車などでは、アクセル開度を正しく検出する必要があり、このため、アクセル開放状態での全閉位置を学習することが一般化している(特開2001−254636号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクセルペダルを開放時の全閉位置より逆方向に操作してしまうような蹴り上げ操作を行った場合、センサ保護のためセンサから離れた位置にある全閉位置ストッパが弾性変形すると、センサはアクセル開放時より小さい開度位置を全閉位置として学習し、その後のアクセル開度の検出値が実際のアクセル開度より大きめの値となる。この誤差によってスロットル開度が大きめに制御されてアイドル時のエンジン出力が過剰となるようなことがあった。
【0004】本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、アクセル開放位置より逆方向に操作されても正しい検出値が得られるようにしたアクセル開度検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係る発明は、アクセル操作器で操作されるアクセル開度を検出する装置であって、前記アクセル操作器の変位をアクセル開度信号に変換する変位センサと、前記アクセル操作器の開放位置よりアクセル開度減少方向の操作時に、アクセル操作器の変位の前記変位センサへの入力をキャンセルする入力キャンセル機構と、を含んでいることを特徴とする。
【0006】請求項1に係る発明によると、アクセルペダルの蹴り上げ操作など、アクセル操作器を開放位置よりアクセル開度減少方向に操作したときには、該操作によるアクセル操作器の変位が変位センサに入力されないので、このときの変位を基準とするアクセル全閉位置の誤学習を防止でき、アイドル時のエンジン出力が過剰となることを防止でき、正しいアクセル開度検出値を確保できる。
【0007】また、請求項2に係る発明は、前記入力キャンセル機構は、前記アクセル操作器の直接アクセル操作される部材から前記変位センサによって変位が感知される部材へ正常操作時に作用する方向の操作力のみを伝達し、逆方向の操作力を非伝達とするワンウェイ機構であることを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明によると、正常なアクセル操作時は、変位センサによって変位が感知される部材へ操作力が伝達されるが、アクセルペダルの蹴り上げ操作時などに生じる逆向きの操作力は同上部材へ操作力が伝達されないので、変位センサへの入力がキャンセルされる。
【0009】また、請求項3に係る発明は、前記ワンウェイ機構は、アクセル開放位置よりアクセル開度増大方向に操作されるときのみ、前記直接アクセル操作される部材が、前記変位センサによって変位が感知される部材と係合して操作力を伝達するように構成されていることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明によると、アクセルペダルの蹴り上げ操作など、正常操作時とは逆方向の操作を行ったとき、直接アクセル操作される部材と前記操作量センサによって変位が感知される部材とに位置ずれを生じても、アクセル開放位置に戻されるまでの間は、操作力が伝達されず、アクセル開放位置からアクセル開度が増大し始めてから操作力が伝達されるので、前記位置ずれの影響を回避できる。
【0011】また、請求項4に係る発明は、前記アクセル操作器の開放位置からアクセル開度を減少する逆方向の変位を規制する逆方向変位規制機構を含んでいることを特徴とする。請求項4に係る発明によると、正常操作時とは逆方向のアクセル操作を行ったとき、ワンウェイ機構により直接アクセル操作される部材のアクセル開度減少方向への動作はフリーであるが、そのときの変位量を逆方向変位規制機構によって規制できる。
【0012】また、請求項5に係る発明は、前記アクセル操作器の開放位置からアクセル開度を減少する逆方向へ操作したとき、前記入力キャンセル機構による前記変位センサへの入力をキャンセルする機能が生じた後で、前記逆方向変位規制機構による逆方向の変位を規制する機能が生じるように構成されていることを特徴とする。
【0013】請求項5に係る発明によると、正常操作時とは逆方向のアクセル操作を行ったとき、直接アクセル操作される部材により逆方向変位規制機構(ストッパ)が変形しても、その前に入力キャンセル機構により変位センサへの入力がキャンセルされるので、前記変形による変位を検出することを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかるアクセル開度検出装置を備えたエンジン制御システムの概要を示す。アクセル操作器としてのアクセルペダル1に装着されたアクセル開度検出装置2からのアクセル開度信号が、エンジンコントロールユニット3に入力される。該エンジンコントロールユニット3は、バッテリ4の電源電圧をイグニッションスイッチ5を介して入力している。
【0015】前記エンジンコントロールユニット3及び別に設置されたトランスミッションコントロールユニット6からの制御信号によって、エンジン7、トランスミッション8が制御される。図2及び図3は、前記アクセルペダル1とアクセル開度検出装置2の詳細を示す。
【0016】下端部にペダル本体11を固定したレバー12の上端部は、検出器ケース13から突出する円筒状の外側回転軸14の外周壁に固定されている。該外側回転軸14は、検出器ケース13に軸支された内側回転軸15の外側にワンウェイベアリング16を介して嵌挿されている。前記ワンウェイベアリング16は、外側回転軸14のアクセル開度増大方向の回転力を内側回転軸15に伝達するが、アクセル開度減少方向には回転力を伝達しないワンウェイ機構として機能する。
【0017】内側回転軸15は、検出器ケース13内の端部に可動接点17が固定され、該可動接点17の外端部が検出器ケース13内に固定された円弧状の固定接点18と摺動することにより、ロータリー式の変位センサを構成している。また、内側回転軸15の中間部には、ストッパプレート19が固定され、該ストッパプレート19と検出器ケース13壁との間に装着されたコイルスプリング20により、内側回転軸15はアクセル開度減少方向に弾性付勢され、アクセル開放時は、該ストッパプレート19が検出器ケース13内壁に固定された全閉位置規制用のストッパ21に係合して全閉位置に維持されている。また、検出器ケース13内壁の前記全閉位置規制用のストッパ21に対向する側に全開位置規制用のストッパ22が固定され、ストッパプレート19が該ストッパ22に突き当たる位置でアクセル全開位置が規制される。
【0018】また、アクセル開放状態で前記レバー12に係合してアクセル開放位置から蹴り上げ操作による逆方向の変位を規制する逆変位規制機構としてのストッパ23が検出器ケース13の底壁に固定されている。ここで、蹴り上げ操作時に該ストッパ23の弾性変形による全閉位置学習がされないように、レバー12がストッパ23に当接する前に、ストッパプレート19が全閉位置規制用のストッパ21に当接するようにしている。
【0019】図4は、本実施形態の機能構成を示す。かかる構成とすれば、アクセルペダル1を踏み込み操作するときは、ペダル本体11、レバー12、外側回転軸14、ワンウェイベアリング16を介して内側回転軸15が回転し、該内側回転軸15の回転量(変位)が可動接点17と固定接点18との接触位置によってアクセル開度として検出される。なお、アクセルペダル1を全閉(開放位置)まで戻し操作するときも操作力の方向は変わらないのでワンウェイベアリング16を介して内側回転軸15へ操作力が伝達され、コイルスプリング20の付勢力(反力)によって、内側回転軸15は外側回転軸14に追従して回転する。
【0020】また、アクセルペダル1を全閉位置から逆方向に蹴り上げ操作すると、レバー12がストッパ23に当たって規制される。ここで、該逆方向の操作力はワンウェイベアリング16の機能により内側回転軸15には伝達されないので、前記全閉位置規制用のストッパ21を弾性変形させることなく、ストッパプレート19がコイルスプリング20の付勢力のみで前記ストッパ21に当接した位置で正しく全閉位置の学習が行われる。したがって、アイドル時のエンジン出力が過剰となって回転速度が過度に上昇することを防止できる。
【0021】次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、ワンウェイベアリング16の機能により、内側回転軸15への蹴り上げ操作力の伝達は阻止できるが、レバー12が逆変位規制用のストッパ23で規制される前に、プレート19が全閉位置規制用のストッパ21に当接するようにしているので、蹴り上げ操作時に外側回転軸14と内側回転軸15とが微量ながら相対回転する可能性がある(ワンウェイベアリングの遊び量である程度吸収できる)。相対回転する場合は、操作が繰り返されると、内側回転軸15が全開方向に近づいていくので、第2の実施形態では、このような事態を確実に阻止するように図5及び図6に示す構成とした。
【0022】すなわち、第1の実施形態におけるワンウェイベアリング16に代えて、外側回転軸14に係合溝14aを形成し、内側回転軸15に前記係合溝14aに嵌合する係合突起15aを設ける。ここで、アクセル全閉位置からのアクセル踏み込み操作に対しては前記係合溝21の端壁が係合突起22に係合し、外側回転軸14の回転に内側回転軸15が連動して回転操作するが、前記アクセルペダルの蹴り上げによる逆方向の操作に対しては、係合溝14aと係合突起15aとが非係合となり、外側回転軸14の回転が内側回転軸15に伝達されないように、係合溝14aと係合突起15aの回転位置を設定している。
【0023】このようにすれば、蹴り上げ操作による外側回転軸14と内側回転軸15との回転位置ずれが、アクセル踏み込み操作時には解消され、上記問題を回避できる。は停止状態に維持される。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成14年1月21日(2002.1.21)
【代理人】 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
【公開番号】 特開2003−211994(P2003−211994A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−11534(P2002−11534)