| 【発明の名称】 |
差動装置の支持構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】新井 進 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士重工業株式会社内
【氏名】中野 真介 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士重工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】マウント部においてプロペラシャフトとドライブシャフトの駆動反力の大小に合わせてストッパクリアランスを変えることによりストッパ当たり音を低減できる差動装置の支持構造を提供する。
【解決手段】複数のマウントを介し車幅方向に延在するマウントメンバによって車体に取り付けられる差動装置の支持構造において、マウントのストッパクリアランスを異なるものにしたことを特徴とする差動装置の支持構造。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のマウントを介し車幅方向に延在するマウントメンバによって車体に取り付けられる差動装置の支持構造において、マウントのストッパクリアランスを異なるものにしたことを特徴とする差動装置の支持構造。 【請求項2】差動装置に対して車体の前側または後側に車幅方向に延在するマウントメンバを配置し、このマウントメンバによって差動装置を支持する支持構造において、マウントメンバを支持するマウントのストッパクリアランスを左右で異ならせたことを特徴とする差動装置の支持構造。 【請求項3】差動装置に対して車体の前側および後側に車幅方向に延在するマウントメンバを配置し、これらのマウントメンバによって差動装置を支持する支持構造において、前記マウントメンバを支持するマウントのストッパクリアランスを車体前後方向で異ならせたことを特徴とする差動装置の支持構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パワーユニットに連なるプロペラシャフトと駆動輪に連なる左右一対のドライブシャフトとの間に介設される差動装置の支持構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より知られている差動装置の支持構造には、例えば特公平7−98453号公報に記載されているものがある。特公平7−98453号公報を参照して説明すると、図6は差動装置の支持構造部の平面図である。図6において101はプロペラシャフト、102は差動装置、103はドライブシャフトであり、パワーユニットからの動力は差動装置102を介してドライブシャフト103に伝達され、車輪Wを駆動することができる構成となっている。そして前記差動装置102はその前方において車体左右方向に延在するマウントメンバ104によって支持されており、前記マウントメンバ104の両端部は車体前後方向に延在するフレームメンバ105にマウント106を介して取り付けられている。 【0003】そしてこの差動装置の支持構造では、左右のマウントラバーのうち、プロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力とが同一方向に作用する側のマウントラバーは、パワーユニットのトルク変動に伴って差動装置に生じる回転振動方向に沿うばね定数を他方のマウントラバーのそれよりも小さく設定して形成したことを特徴としている。このような構成とすることにより、弾性主軸と回転振動の仮想ロール軸とのずれを極力小さくし、差動装置の振動モードを単純化し得ることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成から成る差動装置の支持構造を含む一般的な支持構造では、各マウント部の上下ストッパクリアランスは全て同一に設定されている。各マウントにはプロペラシャフトの駆動反力およびドライブシャフトの駆動反力が入力するが、これらの駆動反力が作用する方向は差動装置の支持構造により各マウント毎に異なっている。このため例えばプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力が同一方向に作用するマウントを基準としてストッパクリアランスを設定するとプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力が逆方向に作用するマントにおいてはストッパクリアランスが必要以上に大きくなり、差動装置の支持安定性を損ない振動の原因となる。また逆にプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力が逆方向に作用するマウントを基準としてストッパクリアランスを設定すると、プロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力が同一方向に作用するマウントにおいてストッパ当たりの頻度が高くなりストッパ当たりの衝撃や音が増大し、商品性が悪化するという問題があった。 【0005】そこで本発明は、マウント部において作用するプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力の大小に応じてストッパクリアランスを変えることによりマウント部のバネ定数を変えることなくストッパ当たりの頻度を低減し、ストッパ当たりの衝撃や音を低減できる差動装置の支持構造を提供することにより、上記従来の諸問題を解決することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用した技術解決手段は、複数のマウントを介し車幅方向に延在するマウントメンバによって車体に取り付けられる差動装置の支持構造において、マウントのストッパクリアランスを異なるものにしたことを特徴とする差動装置の支持構造である。また、差動装置に対して車体の前側または後側に車幅方向に延在するマウントメンバを配置し、このマウントメンバによって差動装置を支持する支持構造において、マウントメンバを支持するマウントのストッパクリアランスを左右で異ならせたことを特徴とする差動装置の支持構造である。また、差動装置に対して車体の前側および後側に車幅方向に延在するマウントメンバを配置し、これらのマウントメンバによって差動装置を支持する支持構造において、前記マウントメンバを支持するマウントのストッパクリアランスを車体前後方向で異ならせたことを特徴とする差動装置の支持構造である。本発明では上記のようにマウント部におけるストッパクリアランスをマウント部に作用するプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力の大小に合ったストッパクリアランスとすることにより、ストッパ当たりの頻度を低減し、またストッパ当たりの衝撃や音を低減できる。さらにメンバの過剰な動きを抑制することができ、スペースの有効利用を図ることができる。またストッパ当たり頻度、度合いを低減することでストッパの耐久性を向上することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る差動装置の支持構造について説明すると、図1は本発明の実施形態に係る差動装置の支持構造部の概略平面図、図2は図1中のA−A断面図、図3は差動装置の支持構造において発生するトルクの発生状況を説明する図である。また、図4は差動装置の前側に配置したマウントメンバにおいてトルクと反力の発生方向を説明する図であり、車体後方から前方を見た図で左側が車体の上方にあたる。図5は差動装置の前後に配置したマウントメンバにおけるトルクと反力の発生方向を説明する図である。 【0008】図1において、1はプロペラシャフト、2は差動装置、3はドライブシャフトであり、図示せぬパワーユニットからの動力はプロペラシャフト1、差動装置2を介してドライブシャフト3に伝達され、車輪Wを駆動することができる構成となっている。そして前記差動装置2はその前方において車幅方向に延在する前方マウントメンバ4によって支持され、前方マウントメンバ4の両端部は車体前後方向に延在するフレームメンバ6にマウント7を介して取り付けられている。 【0009】また差動装置の後部はマウント8を介して後方マウトントメンバ5によって支持されている。前方マウントメンバ4の両端部を支持するマウント7は、図2に示すように前方マウントメンバ4に固定したマウントゴム10と、マウントゴム10の中心に固定した内筒11と、内筒11内を貫通し内筒11をフレームメンバ6に固定するボルト12を備え、マウントゴム10は上下部分にそれぞれストッパ13、14を備えている。ストッパ13、14とフレームメンバ6との間には上方に第1ストッパクリアランスS1が、下方に第2ストッパクリアランスS2が形成され、このストッパクリアランス範囲内においてマウントゴム10が変形しマウントメンバ4が上下できる構成となっている。 【0010】以下、本発明の特徴であるストッパクリアランスの設定手法について前方マウントメンバ4を例にとって説明する。前方マウントメンバ4両端の反力はプロペラシャフトに発生するトルクおよびタイヤ回転トルク(ドライブシャフトトルク)によって決まる。 【0011】図3において、プロペラシャフト1の回転軸を中心に車体前方に向かって生じる右方向に回転するトルクをT1 、左方向に回転するトルクを−T1 とし、また車両前進時にドライブシャフト3に生じるトルクをT2 とする。このような設定のもとで、例えば、図4に示すような前方マウントメンバの両端に発生する駆動反力について考察してみる。図4は図示のようにプロペラシャフト1にトルクT1 、ドライブシャフト3にトルクT2 が発生している状況下においては、前方マウントメンバ4の右側のマウント部にはトルクT1 の反力として車体上方向きに反力R1 と、トルクT2 の反力として車体上方向きの反力R2が作用する。前方マウントメンバの左側のマウント部にはトルクT1 の反力として車体下方向きのR1 と、トルクT2 の反力として車体上方向きの反力R2 が作用する。 【0012】この時、前方マウントメンバ4の左右のマウント部に作用する右側反力RHと左側反力LHとは以下の関係となる。 RH(=R1 +R2 )>LH(=−R1 +R2 ) このことから、プロペラシャフトとドライブシャフトに生じるトルクが図4に示すような設定状況のもとでは、右側マウント部の反力が左側マウント部の反力よりも大きくなるため、マウント部のストッパクリアランスは、車体右側ストッパクリアランス>車体左側ストッパクリアランスとするのが望ましいと言える。 【0013】以上のような考えのもとで前方マウントメンバおよび後方マウントメンバの左右マウント部におけるトルクと反力の関係を示したものを図5に示す。なお、図中(イ)はマウントメンバが差動装置の前方にある場合、(ロ)はマウントメンバが差動装置の後方に有る場合であり、図中/の上方に記載されている反力方向はトルクT1 、トルクT2 の時のもの、また/の下方に記載されている反力方向はトルク−T1 、トルクT2 の時のものを示している。図5に基づいて各マウント部のストッパクリアランスの設定方法について詳しく述べる。ここではプロペラシャフトのトルクがT1 、ドライブシャフトのトルクがT2 の場合を例にする。この時前方マウントメンバ4の左右のマウント部に作用する駆動反力をLH、RH、同様に後方マウントメンバ5の左右のマウント部に作用する駆動反力をLR、RRとすると、これらの駆動反力は次にように成る。 RH=R1 +R2LH=−R1 +R2RR=R1 −R2LR=−R1 −R2ここで、仮にR1 >R2 >0として、車体上方向きの力を正とするとRH>RR>0>LH>LRとなる。従って車体右側のマウントには車体上方向きに力が作用し、車体左側のマウントには車体下方向きの力が作用する。よって車体右側のマウントでは二つのストッパクリアランスS1、S2のうち上方の第1ストッパクリアランスS1を広く、逆に車体左側のマウントでは第2ストッパクリアランスS2を広く形成することが望ましい。さらに車体右側のマウント部でも前方マウントメンバ4の右側マント部は後方マウントメンバ5の右側マントマウント部と比較するとより大きな駆動反力が作用する。よって前方マウントメンバ4の右側マウント部のストッパクリアランスは後方マウントメンバ5の右側マウント部のストッパクリアランスより広く形成することが望ましい。以上のように、本発明では車体のプロペラシャフト、ドライブシャフトに発生するトルク状況に応じて発生する反力に合わせてマウントメンバの両端に配置するマウントのストッパクリアランスを設定することにより、ストッパ当たり頻度を少なくすることができ、当たり音を小さくするとともにマウントの耐久性を向上することができる。 【0014】以上、マウントのストッパクリアランスの設定の手法について説明したが、本発明はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。そのため前述の実施例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。更に特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。 【0015】 【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、マウント部のストッパクリアランスをマウント部に作用するプロペラシャフトの駆動反力とドライブシャフトの駆動反力の大小に応じて変更することにより、マウントにおけるストッパ当たりの頻度を低減し、ストッパの当たりによる衝撃や音を小さくできる。さらにメンバの過剰な動きを抑制することができスペースの有効利用を図ることができる。またストッパ当たり度合い、頻度を低減することでストッパの耐久力を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099265 【弁理士】 【氏名又は名称】長瀬 成城 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211984(P2003−211984A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−16381(P2002−16381) |
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