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【発明の名称】 ハイブリッド車両の運転制御装置
【発明者】 【氏名】住友 達哉
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機株式会社内

【要約】 【課題】バッテリの残存容量を適正に維持でき、また内燃機関の騒音,燃費の問題を抑制できるハイブリッド車両の運転制御装置を提供する。

【解決手段】駆動源として電動モータ2及び内燃機関3の両方を備えたハイブリッド車両1の運転制御装置において、少なくとも駆動輪4から内燃機関3側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段15を設け、設定手段による目標車速が検知手段29による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関3の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段15で遮断して上記駆動輪4を電動モータ2のみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪4を上記電動モータ2と内燃機関3の両方で駆動し、上記電動モータ2の電源であるバッテリ20を充電する発電機17を上記内燃機関3で駆動可能とし、上記バッテリ20の残存容量検知手段21を設け、バッテリ残存容量検知値21が所定値未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関3を運転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とし、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関を運転することを特徴とするハイブリッド車両の運転制御装置。
【請求項2】 駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とするとともに該発電機と上記バッテリとの間に第1スイッチを設け、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、上記第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとすることを特徴とするハイブリッド車両の運転制御装置。
【請求項3】 駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とするとともに該発電機と上記バッテリとの間に第1スイッチを設け、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、上記第1走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記内燃機関を運転し、上記クラッチ手段により上記トルク伝達を遮断するとともに上記第1スイッチをオンとし、上記第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとすることを特徴とするハイブリッド車両の運転制御装置。
【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上記電動モータを発電機能を有する発電モータとするとともに該発電モータと上記バッテリとの間に第2スイッチを設け、検知車速が目標車速より大きい第3走行状態では、バッテリ残存容量が所定値以上のときには上記第1,第2スイッチをオフとし、上記内燃機関のスロットル開度を最小とし、上記クラッチにより上記トルク伝達を可能とし、バッテリ残存容量が上記所定値未満のときには上記第2スイッチをオンとし、上記クラッチにより上記トルク伝達を遮断することを特徴とするハイブリッド車両の運転制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータと内燃機関の両方で駆動輪を駆動するようにしたハイブリッド車両の運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バッテリからの電力で回転する駆動モータの駆動力によりミッションを介して後輪を駆動するとともに、上記バッテリの充電を内燃機関で駆動される発電機で実施するようしたハイブリッド車両が提案されている(例えば特開2001−190004号公報参照)。
【0003】ところで上記従来のハイブリッド車両では、電動モータの駆動力のみで後輪を駆動するようにしているため、例えば登坂路を走行する場合等のように大きな外部負荷が作用するときにも所定の車速を確保可能とするためには大型大出力の電動モータが必要となるという問題がある。
【0004】このような問題を回避するために、電動モータと内燃機関との両方で駆動輪を駆動することが考えられる。この場合、目標車速と検知車速との速度差に基づいて電動モータのみで後輪を駆動し、又は電動モータと内燃機関の両方で後輪を駆動することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記電動モータと内燃機関の両方を備え、目標車速と検知車速との速度差に基づいて電動モータと内燃機関の両方又は電動モータのみの駆動力で駆動輪を駆動するようにした場合、電動モータの電源であるバッテリの残存容量を適正に維持できない場合がある、あるいは内燃機関の騒音,燃費が悪化するといった課題が生じる。
【0006】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、バッテリの残存容量を適正に維持でき、また内燃機関の騒音,燃費の問題を抑制できるハイブリッド車両の運転制御装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とし、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関を運転することを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とするとともに該発電機と上記バッテリとの間に第1スイッチを設け、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、上記第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとすることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、駆動源として電動モータ及び内燃機関の両方を備えたハイブリッド車両の運転制御装置において、少なくとも駆動輪から内燃機関側へのトルク伝達を遮断可能のクラッチ手段を設け、設定手段による目標車速が検知手段による検知車速より大きくかつその速度差が所定値未満の第1走行状態では、上記内燃機関の運転を停止するとともに上記トルク伝達を上記クラッチ手段で遮断して上記駆動輪を電動モータのみで駆動し、上記速度差が上記所定値以上の第2走行状態では、上記駆動輪を上記電動モータと内燃機関の両方で駆動し、上記電動モータの電源であるバッテリを充電する発電機を上記内燃機関で駆動可能とするとともに該発電機と上記バッテリとの間に第1スイッチを設け、上記バッテリの残存容量検知手段を設け、上記第1走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記内燃機関を運転し、上記クラッチ手段により上記トルク伝達を遮断するとともに上記第1スイッチをオンとし、上記第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとすることを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何れかにおいて、上記電動モータを発電機能を有する発電モータとするとともに該発電モータと上記バッテリとの間に第2スイッチを設け、検知車速が目標車速より大きい第3走行状態では、バッテリ残存容量が所定値以上のときには上記第1,第2スイッチをオフとし、上記内燃機関のスロットル開度を最小とし、上記クラッチにより上記トルク伝達を可能とし、バッテリ残存容量が上記所定値未満のときには上記第2スイッチをオンとし、上記クラッチにより上記トルク伝達を遮断することを特徴としている。
【0011】
【発明の作用効果】本発明によれば、目標車速が検知車速より大きくかつその速度差が所定値以上の第2走行状態では、駆動輪を電動モータと内燃機関の両方で駆動するようにしたので、電動モータを大型大出力のものにする必要がない。
【0012】また上記速度差が上記所定値未満の第1走行状態では駆動輪を電動モータのみで駆動したので内燃機関による騒音,燃費の悪化を抑制できる。またこの場合、駆動輪から内燃機関へのトルク伝達を上記クラッチ手段で遮断したので、内燃機関が走行抵抗となることもない。
【0013】そして請求項1の発明では、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関を運転するようにしたので、バッテリの残存容量を適正な状態に維持でき、バッテリが過放電するといった問題を回避できる。
【0014】また請求項2の発明では、発電機と上記バッテリとの間に第1スイッチを設け、上記電動モータと内燃機関の両方を運転する第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が上記所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとしたので、バッテリの充電状態が十分でない場合にはバッテリを充電してバッテリ残存容量を適正に維持でき、かつバッテリが十分に充電されている場合には発電機を実質的に空転させることとなり、内燃機関の駆動力を発電機の駆動に無駄に使用するのを回避でき、内燃機関の燃費の悪化を抑制できる。
【0015】さらにまた請求項3の発明では、バッテリ残存容量検知値が所定値未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関を運転するようにしたので、バッテリの残存容量を適正な状態に維持でき、バッテリが過放電するといった問題を回避でき、さらに第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値が上記所定値未満の場合には上記第1スイッチをオンとし、上記所定値以上の場合には上記第1スイッチをオフとしたので、バッテリの充電状態が十分でない場合にはバッテリを充電してバッテリ残存容量を適正に維持でき、かつバッテリが十分に充電されている場合には発電機を実質的に空転させることとなり、内燃機関の駆動力を発電機の駆動に無駄に使用するのを回避でき、内燃機関の燃費の悪化を抑制できる。
【0016】請求項4の発明では、検知車速が目標車速より大きい第3走行状態では、バッテリ残存容量が上記所定値未満のときには上記第第1,第2スイッチをオンとし、上記クラッチにより上記トルク伝達を遮断するようにしたので、発電モータによる回生制動作用を得ることができるとともに、バッテリを充電できる。一方、バッテリ残存容量が所定値以上のときには上記第1スイッチをオフとし、上記内燃機関のスロットル開度を最小とし、上記クラッチにより上記トルク伝達を可能としたので、バッテリが過充電されるのを回避しつつ内燃機関による制動効果を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】図1,図2は請求項1〜3の発明に係る第1実施形態によるハイブリッド車両、具体的にはゴルフカートの運転制御装置を説明するための図であり、図1はそのブロック構成図、図2は動作説明用フローチャートである。
【0019】図1において、符号1はゴルフカートを示しており、このゴルフカート1は、電動モータ2及び内燃機関3を、左,右一対の後輪(駆動輪)4,4を駆動する駆動源として備えており、左,右一対の前輪5,5を操舵ハンドル6により操舵しつつ走行するように構成されている。
【0020】上記ゴルフカート1は、乗員が上記操舵ハンドル6,アクセルペダル7及びブレーキペダル8を人為的に操作することにより走行する手動走行モードと、路面に埋設された誘導線を検知しながらこれに沿って自動的に走行する自動走行モードの何れかを選択可能に構成されている。なお、手動走行モードと自動走行モードとの切換は操作盤9のメインスイッチ10及びモード切換スイッチ11の操作によってなされる。
【0021】上記電動モータ2はトランスミッション12の入力軸を回転駆動するように配設されており、これにより電動モータ12の駆動力をトランスミッション12を介して左,右の後輪4,4に伝達するモータ駆動力伝達系が構成されている。
【0022】また上記電動モータ2にはバッテリ20からの電力がモータドライバ24を介して供給される。そしてこのモータドライバ24をコントローラ22で制御することにより該電動モータ2からの駆動力、具体的には出力トルクの大きさを制御する駆動電力供給系が構成されている。
【0023】上記トランスミッシション12には、これの出力軸等の回転速度、ひいては該ゴルフカート1の走行速度を検出する車速センサ(車速検知手段)29が配設されている。
【0024】上記内燃機関3の気化器25には、これのスロットル弁25aを開閉制御するスロットルモータ26が接続されており、該スロットルモータ26には上記バッテリ20からの電力がモータドライバ27を介して供給される。そしてこのモータドライバ27を上記コントローラ22で制御することによりスロットル弁開度ひいては内燃機関3からの駆動力、例えば出力トルクの大きさが制御される。また上記スロットル弁25aの開度はスロットルセンサ28によって検出され、検出スロットル開度信号が上記コントローラ22に送出される。
【0025】上記内燃機関3からの駆動力は、内燃機関駆動力伝達系aを構成する伝動機構及び上記トランスミッション12を介して上記後輪4,4に伝達される。上記伝動機構としてVベルト式無段変速機14が採用されている。なお、上記伝動機構には、駆動側,従動側スプロケットにチェーンを巻回してなるチェーン式、駆動側,従動側歯付きプーリに歯付きベルトを巻回してなるベルト式、あるいはドライブシャフト式のものを採用することもできる。
【0026】そして上記内燃機関駆動力伝達系aの途中には上記コントローラ22によってオンオフ制御される電磁式のクラッチ15が介在されている。このクラッチ15は、電動モータ2のみにより後輪4を駆動する運転域ではオフされ、これにより後輪4と内燃機関3との間の動力伝達が阻止される。
【0027】なお上記クラッチ15としては、電磁式の他に、内燃機関3から後輪4側への動力伝達のみを可能とし、これと逆方向の動力伝達を不能とするワンウェイクラッチを採用することも可能である。
【0028】上記クラッチ15より駆動力達方向上流側には内燃機関3から伝達される駆動力を検出する駆動力検出センサ、具体的には伝達トルクを検出するトルクセンサ16が介在されている。
【0029】また上記内燃機関3のクランク軸には発電機17が接続されており、該発電機17からの電流値,電圧値はコントローラ22に送出される。また上記内燃機関3のクランク軸の回転速度、即ち上記発電機17の回転速度は回転数センサ23によって検知され、該検知信号は上記コントローラ22に送出される。
【0030】また上記発電機17の出力は、充電力供給系を構成する切換スイッチ(第1スイッチ)18及びインバータ・コンバータ19を介して上記電動モータ2の電源であるバッテリ20に供給される。該バッテリ20にはこれの電圧,充放電電流量(バッテリ残存容量),及び温度等のバッテリ状態を検出するバッテリ状態検出部21が接続されている。該バッテリ状態検出ブロック21により検出されたバッテリ残存容量等はコントローラ22に送出される。
【0031】次に上記コントローラ22による制御動作及び作用効果を説明する。上記自動走行モードにおいて、図示しない設定手段により目標車速V0が設定されると、図2のフローチャートに示すように、上記目標車速V0と上記車速センサ29で検知された検知車速V1との速度差が予め設定された基準値Bとが比較される(ステップS1)。この場合、上記目標車速V0が検知車速V1より大きくかつその速度差(V0−V1)が上記基準値B未満であり、従って第1走行状態であると判断されると、上記内燃機関3の運転が停止されるとともに上記後輪4と内燃機関3との間のトルク伝達が上記クラッチ15で遮断され、上記後輪4は電動モータ2のみで駆動される(ステップS2)。
【0032】そして上記バッテリ状態検出部21で検知されたバッテリ残存容量Qが予め設定された所定の基準値Aと比較される(ステップS3)。この場合に、上記バッテリ残存容量Qが上記基準値A以上、即ちバッテリ20が十分な充電状態にあると判断された場合には、上記内燃機関3は運転停止状態に保持され、また上記クラッチ15はトルク伝達遮断状態に保持される(ステップS4)。
【0033】一方、上記バッテリ残存容量Qが上記基準値A未満、即ちバッテリ20が十分な充電状態にないと判断された場合には、上記内燃機関3は運転開始されるとともに上記クラッチ15はトルク伝達遮断状態に保持され、さらに上記バッテリ20と発電機17との間の第1スイッチ18はオンとされる(ステップS5)。これにより、内燃機関3により上記発電機17が回転駆動され、該発電機17からの電力により上記バッテリ20が充電される。
【0034】また上記ステップS1において、上記目標車速V0が検知車速V1より大きくかつその速度差(V0−V1)が所定の基準値B以上の場合、従って第2走行状態であると判断されると、上記内燃機関3の運転が開始されるとともに上記クラッチ15が接続して該内燃機関3から後輪4へのトルク伝達を可能とし、上記後輪4は電動モータ2及び内燃機関3の両方で駆動される(ステップS6)。
【0035】そして上記バッテリ状態検出部21で検知されたバッテリ残存容量Qが所定の基準値Aと比較される(ステップS7)。この場合に、上記バッテリ残存容量Qが上記基準値A以上、即ちバッテリ20が十分な充電状態にあると判断された場合には、上記第1スイッチ18がオフされ(ステップS8)、内燃機関3により駆動される発電機17からの電力は該第1スイッチ18で遮断され、結局この発電機17は実質的に空転し、内燃機関3の駆動力は実質的のその全てが後輪4に供給される。
【0036】一方、上記バッテリ残存容量Qが上記基準値A未満、即ちバッテリ20が十分な充電状態にないと判断された場合には、上記第1スイッチ18がオンされる(ステップS9)。これにより、内燃機関3により回転駆動される発電機17からの電力が上記バッテリ20に供給され、該バッテリ20が充電される。
【0037】なお、内燃機関3を始動する場合には、該内燃機関3のクランク軸が図示しない始動モータによりクランキングされるとともに、点火系及び燃料供給系の作動が開始される。回転数センサ23により検出されたクランク軸回転速度が、クランキング回転速度より大きく設定された始動判定回転速度を越えると内燃機関3が始動したと判断され、上記気化器25のスロットル弁25aの開度が上記目標車速V0に対応した開度となるようにスロットルモータ26によって開閉制御される。
【0038】このように本実施形態では、目標車速V0より検知車速V1が小さくかつその速度差が所定値以上になると電動モータ2と内燃機関3の両方で後輪4を駆動するようにしたので、電動モータ2を大型大出力のものとする必要がない。また上記速度差が上記所定値未満の場合には電動モータ2のみで駆動するようにしたので、内燃機関3による騒音,及び該内燃機関3の燃費の悪化を抑制できる。
【0039】またバッテリ残存容量検知値Qが所定値A未満の場合には上記第1走行状態であっても上記内燃機関3を運転するようにしたので、バッテリ20の残存容量を適正な状態に維持でき、バッテリ20が過放電するといった問題を回避できる。
【0040】さらにまた内燃機関3を運転する第2走行状態において、バッテリ残存容量検知値Qが上記所定値A未満の場合には上記第1スイッチ18をオンとし、上記所定値A以上の場合には上記第1スイッチ18をオフとしたので、バッテリ20の充電状態が十分でない場合にはバッテリ20を充電してバッテリ残存容量を適正に維持でき、かつバッテリ20が十分に充電されている場合には発電機17を実質的に空転させることとなり、内燃機関3の駆動力を発電機17の無駄な駆動に使用するのを回避でき、内燃機関3の燃費の悪化を抑制できる。
【0041】次に請求項4の発明に係る第2実施形態を説明する。本第2実施形態では、図3に示すように、後輪4を駆動する電動モータとして発電機能を有する発電モータ2′が採用されている。またこの発電モータ2′と上記バッテリ20とは充電ライン30で連結されており、該充電ライン30には第2スイッチ31が介在されている。なお、その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0042】そして本第2実施形態では、検知車速V1が目標車速V0より大きい第3走行状態において、バッテリ残存容量Qが上記所定値A以上のときには、上記第1,第2スイッチ18,31がオフされ、上記内燃機関3のスロットル開度が最小開度とされ、また上記クラッチ15により上記トルク伝達が可能とされる。
【0043】一方、上記バッテリ残存容量Qが上記所定値A未満のときには上記第2スイッチ31がオンされ、上記クラッチ15により上記トルク伝達が遮断される。
【0044】本第2実施形態では、検知車速V1が目標車速V0より大きい第3走行状態では、バッテリ残存容量Qが上記所定値A未満のときには上記第第1,第2スイッチ18,31をオンとし、上記クラッチ15により上記トルク伝達を遮断するようにしたので、発電モータ2′による回生制動作用を得ることができるとともに、バッテリ20を充電できる。
【0045】一方、バッテリ残存容量Qが所定値A以上のときには上記第1スイッチ18をオフとし、上記内燃機関3のスロットル開度を最小とし、上記クラッチ15により上記トルク伝達を可能としたので、バッテリ20が過充電されるのを回避しつつ内燃機関3による制動効果(エンジンブレーキ)を得ることができる。
【0046】図4,図5,図6はそれぞれ上記第1,第2実施形態のゴルフカートに適用され得る後輪駆動系を模式的に示すブロック図である。図中、図1〜図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0047】図4に示す後輪駆動系では、内燃機関3の出力軸に取り付けられた駆動プーリ3aと発電機17の回転軸に取り付けられた従動プーリ17aとはVベルト17bで連結されている。従って発電機17は内燃機関3の運転中は常に回転駆動される。
【0048】また内燃機関3の出力軸とトランスミッション12の入力軸との間にはVベルト式無段変速機14が配設されている。この無段変速機14は、内燃機関出力軸のクラッチ15よりも下流側に装着された直径可変式の駆動プーリ14aとトランスミッション入力軸に装着された直径可変式の従動プーリ14bとにVベルト14cを巻回した構造のものである。
【0049】上記無段変速機14は、内燃機関3がアイドル運転域にあるときには回転力を伝達せず、所定回転速度以上になると内燃機関の回転力を後輪に伝達し、かつ内燃機関3の回転速度が低いほど減速比が大きく、高くなるにつれて減速比が小さくなる。
【0050】上記図4の後輪駆動系では、バッテリ残存容量が所定の基準値を越えており、かつ上述の第1走行状態である場合には、内燃機関3の運転は行なわれず、またクラッチ5はオフとされる。これによりゴルフカートは電磁ブレーキ2a付きの電動モータ2のみで駆動される。このとき電磁クラッチ15がオフとされているので、内燃機関が回転抵抗となることはない。
【0051】一方、バッテリ残存容量が上記基準値未満である場合には、上記第1走行状態であっても内燃機関3が運転され、かつ電磁クラッチ15はオフとされる。従ってこの場合には、発電機17が駆動されてバッテリの充電が行なわれ、かつ内燃機関3の動力は後輪4には伝達されない。
【0052】また、上述の第2走行状態では、バッテリ残存容量の如何に関わらず内燃機関3及び電動モータ2の両方が運転され、クラッチ15はオンとされる。これにより内燃機関3の動力が後輪4に伝達されるとともに、発電機17を回転駆動する。
【0053】図5の後輪駆動系は、上記無段変速機14とトランスミッション12との間に第2のクラッチ15aが配設されている点で図4の後輪駆動系と異なる。
【0054】図5の後輪駆動系では、バッテリ残存容量が所定の基準値を越えており、かつ上述の第1走行状態である場合には、内燃機関3の運転は行なわれず、またクラッチ15aはオフとされる。これによりゴルフカートは電磁ブレーキ2a付きの電動モータ2のみで駆動される。このとき電磁クラッチ15aがオフとされているので、無段変速機14の回転が回避される。なお、この場合に電磁クラッチ15をもオフとして良い。
【0055】一方、バッテリ残存容量が上記基準値未満である場合には、上記第1走行状態であっても内燃機関3が運転され、かつ電磁クラッチ15,及び15aはオフとされる。従ってこの場合には、発電機17が駆動されてバッテリの充電が行なわれ、かつ内燃機関3の動力は後輪4には伝達されない。
【0056】また、上述の第2走行状態では、バッテリ残存容量の如何に関わらず内燃機関3及び電動モータ2の両方が運転され、クラッチ15,15aはオンとされる。これにより内燃機関3の動力が後輪4に伝達されるとともに、発電機17を回転駆動する。
【0057】図6の駆動系は、第2クラッチ15aを内燃機関側からトランスミッション側への動力伝達のみを許容する一方向クラッチ15bとした点、及びトランスミッション下流側にトルクセンタ16aを配設した点が図5の駆動系と異なる。なお、図6の駆動系の作用効果は図6の駆動系と同様である。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
【公開番号】 特開2003−191775(P2003−191775A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−397416(P2001−397416)