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【発明の名称】 変速機の変速制御装置
【発明者】 【氏名】中村 剛
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】梅本 修
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】小木 治
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【氏名】熊沢 厚
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【要約】 【課題】変速用アクチュエータに電動機器類を採用した変速機の変速制御装置に関し、チェンジレバーと変速用ECUとの信号伝達の故障要因を減少させる。

【解決手段】運転者により変速操作されるとこの変速操作に応じた変速制御信号を出力するシフトレバーユニット5と、シフトレバーユニット5からの変速制御信号と車両状態信号とに基づいて変速にかかる指令信号を出力する変速用ECU41と、変速機の変速段を切換作動するアクチュエータ21,31と、変速用ECU41からの指令信号に応じて制御されアクチュエータ21,31を駆動する駆動用ドライバ23,33とをそなえ、変速用ECU41を駆動用ドライバ23,33と別体に構成して、シフトレバーユニット5の近傍に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転者により変速操作されると該変速操作に応じた変速制御信号を出力する変速操作手段と、車両の運転状態又は走行状態を検出し該運転状態又は該走行状態に応じた車両状態信号を出力する車両状態検出手段と、該変速操作手段からの変速制御信号と該車両状態検出手段からの車両状態信号とを受けて該変速制御信号と該車両状態信号とに基づいて変速にかかる指令信号を出力する変速制御手段と、変速機の変速段を切換作動する変速作動手段と、該変速制御手段からの指令信号に応じて制御され、該変速作動手段を駆動する駆動用ドライバと、をそなえた変速機の変速制御装置において、該変速制御手段と該駆動用ドライバとが別体に構成されるとともに、該変速制御手段が該変速操作手段の近傍に配置されていることを特徴とする、変速機の変速制御装置。
【請求項2】 該変速制御手段と該変速操作手段とが共用ブラケットによって該車両に設置されていることを特徴とする、請求項1記載の変速機の変速制御装置。
【請求項3】 該変速制御手段と該変速操作手段との間に介装される信号線が該変速制御手段及び該変速操作手段のいずれか一方に予め直付けで接続されて他方とはコネクタを介して組み付け時に接続されることを特徴とする、請求項2記載の変速機の変速制御装置。
【請求項4】 該変速制御手段と該変速操作手段とが予め一体化された1部品として構成されていることを特徴とする、請求項1記載の変速機の変速制御装置。
【請求項5】 該変速制御手段に、該車両の故障を診断する故障診断装置を接続可能な接続用端子が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の変速機の変速制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械式自動変速機の変速操作を行なうギヤシフトユニットの制御に用いて好適の、変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の変速機として、マニュアル車と同様な変速ギヤ機構及びクラッチ機構と、変速ギヤ機構を駆動するアクチュエータ(ギヤシフトユニット)及びクラッチ機構を駆動するアクチュエータ(クラッチ制御ユニット)と、これらの各アクチュエータをドライバの変速操作又は車両の走行状態に応じて制御する電子制御ユニット(ECU)とをそなえた機械式自動変速機が開発されており、トラックやバス等の大型車を中心に適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エアコンプレッサをそなえた車両では、空気圧を用いてアクチュエータを構成することができるが、エアコンプレッサのない車両では、新たにエアコンプレッサを設けるよりも、電動アクチュエータを適用した方が、設置スペース上やコスト上で有利である。
【0004】このように、ギヤシフトユニットやクラッチ制御ユニットに電動アクチュエータを適用する場合、例えば図6に示すような構成が考えられる。つまり、図6に示すように、ギヤシフトユニット31の作動を制御するドライバ回路33とクラッチ制御ユニット21の作動を制御するドライバ回路23とを、これらのアクチュエータ31,21を制御するECU41内に組み込むのである。このような構成は、いずれもコントローラ系統であるECU41,ドライバ回路33,23を一体化することが保守・管理上有利であるという一般的な考えに基づいている。
【0005】しかし、ECU41にドライバ回路33,23を一体化すると、ECU41が大型化してECU41の設置個所が制限されることになる。特に、チェンジレバーユニット(単に、チェンジレバーともいう)5とECU41とを信号線(ハーネス)86で接続する必要があるが、チェンジレバー5の近傍は設置スペースが限られるので、大型化したECU41を設置するのは困難な場合が多い。
【0006】したがって、チェンジレバー5とECU41とを離隔して配置する必要があり、チェンジレバー5とECU41とを接続する信号線86は、その両端でコネクタ101a,101bを介して接続することになる。なお、ECU41とドライバ回路33,23との間も信号線(ハーネス)81,82及びコネクタ101d,101e,101fを介して接続されている。
【0007】このようなコネクタ101a,101bによる接続は、接触不良を招くおそれを完全には回避できないため、コネクタ101a,101bによる接続部分が増えればそれだけチェンジレバー5からの信号伝達の故障を招き易くなる。もちろん、信号線86の一端をチェンジレバー5とECU41との何れかに直付けすれば、コネクタ接続は2箇所から1箇所に減るため、それだけ信号伝達故障のおそれを低減させることができる。しかし、チェンジレバー5とECU41との間に長い距離があると、それだけ信号線86が長くなり、チェンジレバー5或いはECU41の車体への組み付け時に、長い信号線86が組み付け作業の妨げになってしまう上、組み付け作業時に、信号線86の一端の直付けされた個所の断線を招くおそれも生じるため、現実的ではない。
【0008】このため、信号線86の両端をコネクタ接続せざるを得ず、チェンジレバー5からの信号伝達に不具合が生じた場合の対策を考えなくてはならない。そこで、故障信号線86にコネクタ101cを介して非常スイッチ88を接続して、チェンジレバー5からの信号伝達に故障が生じたら非常スイッチ88を押してチェンジレバー5からの変速操作信号に基づくギヤシフトを停止させる手法(この場合は自動変速機能で変速は可能)を用いることができるが、このように非常スイッチ88を設けるのは、搭載スペースの確保が困難な場合があり、コスト増をも招いてしまう。
【0009】本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、ギヤシフトユニットやクラッチ制御ユニットといった変速用アクチュエータの駆動に電動機器類を採用したものにおいて、チェンジレバーと変速用ECUとの間の信号伝達にかかる故障要因を減少させて装置の信頼性の向上と装置の簡素化とを促進できるようにした、変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するため、本発明の変速機の変速制御装置は、運転者により変速操作されると該変速操作に応じた変速制御信号を出力する変速操作手段と、車両の運転状態又は走行状態を検出し該運転状態又は該走行状態に応じた車両状態信号を出力する車両状態検出手段と、該変速操作手段からの変速制御信号と該車両状態検出手段からの車両状態信号とを受けて該変速制御信号と該車両状態信号とに基づいて変速にかかる指令信号を出力する変速制御手段と、変速機の変速段を切換作動する変速作動手段と、該変速制御手段からの指令信号に応じて制御され、該変速作動手段を駆動する駆動用ドライバと、をそなえた変速機の変速制御装置において、該変速制御手段と該駆動用ドライバとが別体に構成されるとともに、該変速制御手段が該変速操作手段の近傍に配置されていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】したがって、変速操作手段では、運転者により変速操作手段が変速操作されると、該変速操作に応じた変速制御信号を出力し、車両状態検出手段では、車両の運転状態又は走行状態を検出し該運転状態又は該走行状態に応じた車両状態信号を出力する。変速制御手段では、変速操作手段からの変速制御信号と車両状態検出手段からの車両状態信号とを受けて変速制御信号と車両状態信号とに基づいて変速にかかる指令信号を駆動用ドライバに出力して、駆動用ドライバでは、指令信号に応じて変速機の変速段を切換作動する変速作動手段を駆動する。
【0012】特に、変速制御手段と駆動用ドライバとが別体に構成されるとともに、変速制御手段が変速操作手段の近傍に配置されているが、これは変速制御手段と駆動用ドライバとを別体に構成することにより、変速制御手段を小型化でき、変速制御手段が変速操作手段の近傍に配置するのも容易になるためである。この結果、変速制御手段と変速操作手段との間を結ぶ信号線を短いものにできる。したがって、この信号線の一端或いは両端を変速制御手段と変速操作手段との何れか或いは両方に直付けして、コネクタ接続を減らしても、車体への組み付け時に、信号線が組み付け作業の妨げになってしまうおそれもない。
【0013】該変速制御手段と該変速操作手段とが共用ブラケットによって該車両に設置されていることが好ましい。これにより、変速制御手段及び変速操作手段の組み付け作業性が向上する(請求項2)。また、該変速制御手段と該変速操作手段との間に介装される信号線が該変速制御手段及び該変速操作手段のいずれか一方に予め直付けで接続されて他方とはコネクタを介して組み付け時に接続されることが好ましい。これにより、コネクタ接続を減らすことができる(請求項3)。
【0014】また、該変速制御手段と該変速操作手段とが予め一体化された1部品として構成されていることが好ましい。これにより、変速制御手段及び変速操作手段の組み付け作業性が向上する(請求項4)。該変速制御手段に、該車両の故障を診断する故障診断装置を接続可能な接続用端子が設けられていることが好ましい。これにより、故障診断装置を変速制御手段に接続して変速制御手段近傍の変速操作手段を制御しながら、車両の故障診断を行なうことができる(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる変速機の変速制御装置を示す図であり、図2は本発明の各実施形態にかかる機械式自動変速機を装備した自動車の駆動系を示す図、図3は本変速制御装置にかかるギヤシフトユニットを説明する図、図4は本変速制御装置にかかるクラッチ制御ユニットを説明する図である。
【0016】まず、本実施形態にかかる機械式自動変速機は、図2に示すように、自動車(ここでは、シャシ上にキャブを備えたトラック)に搭載されたエンジン1に付設されており、エンジン1の出力部に付設され摩擦クラッチを有するクラッチ機構(単にクラッチともいう)2と、このクラッチ機構2を介してエンジン1の出力部に接続された機械式自動変速機本体3とをそなえている。
【0017】また、クラッチ機構2は、クラッチ用アクチュエータ(変速作動手段)としてのクラッチ制御ユニット(クラッチブースタ)21によって断接駆動されるようになっている。クラッチ制御ユニット21は、図4に示すように、電動ポンプ22をそなえ、この電動ポンプ22により発生する流体圧(ここでは油圧)を、コントロールバルブ21aを介して図示しないマスタシリンダやスレーブシリンダに供給してクラッチ機構2を断接駆動するようになっている。なお、コントロールバルブ21aは電磁切替弁21bを通じて駆動される。また、油圧は作動油タンク21cから供給され、制御弁21dによって所定圧に調圧される。
【0018】変速機本体3は、ギヤシフト用アクチュエータ(変速作動手段)としてのギヤシフトユニット(GSU)31によって変速操作されるようになっている。このギヤシフトユニット31は、例えば図3に示すように、セレクト方向にギヤシフト部材を駆動する電動モータ32aと、シフト方向にギヤシフト部材を駆動する電動モータ32b(以下、両電動モータを区別せずに符号32で示す)とをそなえ、電動アクチュエータとして構成されている。そして、変速操作時には、電動モータ32によって所要部位を駆動して、変速機本体3のギヤ機構の噛合状態を切り替えることにより変速段を所要の状態にシフト駆動する。
【0019】エンジン1はエンジン電子コントロールユニット(エンジンECU)42によって、クラッチ制御ユニット21及びギヤシフトユニット31は、変速機のための制御ユニットである変速機電子コントロールユニット(変速機ECU,変速制御手段)41によって、それぞれ電気信号を通じて制御されるようになっている。
【0020】また、この機械式自動変速機は、ドライバの手動操作による変速段のシフト指令を電気信号としてクラッチ制御ユニット21及びギヤシフトユニット31に伝達してこれらのクラッチ制御ユニット21及びギヤシフトユニット31を遠隔操作する手動シフトモードと、車両の走行状態(例えば車速やエンジン負荷)に応じた最適変速段にするために変速段の切替が必要な時にクラッチ制御ユニット21及びギヤシフトユニット31の作動を制御する自動シフトモードとを選択して実行できるようになっている。
【0021】このため、変速機ECU41は、手動シフトモード時に遠隔操作による手動変速制御を行なう手動変速用遠隔操作制御部41aと、自動シフトモード時に、クラッチ遮断動作とギヤシフト動作とクラッチ接合動作とを制御して自動変速制御を行なう自動変速用遠隔操作制御部41bとをそなえている。変速機ECU41には、変速操作手段及び手動・自動選択操作手段として機能するチェンジレバーユニット(チェンジレバー)5からのチェンジレバー操作信号と、車両の車速を検出する車速センサ51からの検出信号と、クラッチ制御ユニット21内に設けられたクラッチストロークセンサ(図示略)からのクラッチストローク信号と、クラッチペダル6の踏み込みを検出するクラッチスイッチ53からのクラッチペダル操作信号と、変速機本体3の変速段を検出するトランスミッションギヤセンサ(図示略)からのギヤポジション信号と、クラッチ回転速度(すなわち、クラッチ機構2の出力側回転数)を検出するクラッチ回転数センサ(クラッチ出力回転数検出手段)54からのクラッチ回転数信号といった各車両状態検出手段からの検出信号が入力されるとともに、ブレーキペダル7が踏み込まれるとONになりブレーキの作動を検出するストップランプスイッチ(ブレーキのエア圧を検知するタイプも含む)56,エンジンECU42,エマージェンシスイッチ(図示略),インジケータ60,パーキングブレーキスイッチ59,キースイッチ62等の各種の車両状態検出手段からそれぞれの検出信号が入力されるようになっている。
【0022】また、エンジンECU42には、キースイッチ62,車速センサ51,アクセル踏込量センサ57,エンジン回転数センサ58,変速機ECU41及びエキゾーストブレーキ系61等がそれぞれ接続されている。なお、アクセル踏込量センサ57はアクセルペダル8に付設される。そして、チェンジレバーユニット5を通じて手動シフトモードが選択されると、変速機ECU41に設けられた手動変速用遠隔操作制御部41aを介して、チェンジレバーユニット5からの指令に基づいて、ギヤシフトユニット31のみ、又は、ギヤシフトユニット31及びクラッチ制御ユニット21が遠隔操作されるようになっている。
【0023】つまり、手動変速用遠隔操作制御部41aでは、手動シフトモード時に、チェンジレバーユニット5のチェンジレバー5Aを手動操作するだけで、ギヤシフトユニット31及びクラッチ制御ユニット21を遠隔操作して、変速機本体3の要部及びクラッチ機構2を駆動しながら、クラッチ断,ギヤチェンジ,クラッチ接の動作を制御するようになっている。
【0024】また、チェンジレバー5Aを通じて自動シフトモードが選択されると、自動シフトモードを実施するようになっている。この自動シフトモード時には、変速機ECU41に設けられた自動変速用遠隔操作制御部41bを介して、各種の情報に基づきギヤシフトユニット31及びクラッチ制御ユニット21が遠隔操作されるとともに、エンジンECU42によって、各種の情報に基づきエンジン1が制御されるようになっている。
【0025】ところで、ギヤシフトユニット31及びクラッチ制御ユニット21の制御系に着目すると、図1に示すように、ギヤシフトユニット31には、電動モータ32等を運転するためのギヤシフト用ドライバ回路(駆動用ドライバ)33がそなえられ、クラッチ制御ユニット21には、電動ポンプ22等を運転するためのクラッチ制御用ドライバ回路(駆動用ドライバ)23がそなえられている。
【0026】本実施形態の変速制御装置では、ギヤシフトユニット31の電動モータ32等はギヤシフト用ドライバ回路33を通じて、クラッチ制御ユニット21の電動ポンプ22等はクラッチ制御用ドライバ回路23を通じて、車両に搭載されたバッテリ(電源ユニット)70(図2参照)からの電力を適宜供給されることで作動するようになっている。
【0027】ギヤシフト用ドライバ回路33及びクラッチ制御用ドライバ回路23を制御する変速機ECU(制御ユニット)41は、シャシ側に比べて温度的にも振動的にも環境の良いキャブ側に設置されている。したがって、変速機ECU41とギヤシフト用ドライバ回路33やクラッチ制御用ドライバ回路23とは大きく離隔して設置されることになる。
【0028】また、ギヤシフト用ドライバ回路33及びクラッチ制御用ドライバ回路23が変速機ECU41とは別体に構成されているため、変速機ECU41が小型になっており、チェンジレバーユニット5の近傍の比較的狭いスペースにも設置できる。このため、変速機ECU41は、チェンジレバーユニット5に隣接して配設されている。ここでは、変速機ECU41はチェンジレバーユニット5と共用のブラケット5Bを介して車体(キャブ)側に取り付けられている。
【0029】このような変速機ECU41とギヤシフト用ドライバ回路33及びクラッチ制御用ドライバ回路23とは、それぞれ信号線(ハーネス)81,82で接続されており、信号線81を通じて変速機ECU41から指令信号を送ってギヤシフトユニット31の要部を作動させ、信号線82を通じて変速機ECU41から指令信号を送ってクラッチ制御ユニット21の要部を作動させるようになっている。
【0030】このように変速機ECU41がチェンジレバーユニット5に隣接して配置されているので、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とを連絡する信号線(ハーネス)86を短いものにすることができ、信号線86の一端を変速機ECU41,チェンジレバーユニット5の何れかに直付けしたとしても変速機ECU41やチェンジレバーユニット5等の機器類の組み付け作業には支障を来たさない。
【0031】そこで、信号線86は、一端をチェンジレバーユニット5に直付けされ、他端についてのみコネクタ101bを介して変速機ECU41と接続されている。なお、ECU41とドライバ回路33,23との間も信号線81,82及びコネクタ101d,101e,101fを介して接続されている。また、変速機ECU41には、車両の故障を診断する故障診断装置110を接続可能な接続用端子111が設けられている。
【0032】本発明の第1実施形態としての変速機の変速制御装置は、上述のように構成されているので、ECU41は、チェンジレバーユニット5からの操作信号、又は、車速センサ51,クラッチストロークセンサ52,クラッチスイッチ53,トランスミッションギヤセンサ,クラッチ回転数センサ54,ストップランプスイッチ55,エンジンECU42,エマージェンシスイッチ56,インジケータ60,パーキングブレーキスイッチ59,キースイッチ62等の各種の車両状態検出手段で検出された車両の運転状態又は走行状態に関する検出信号に基づいて、指令信号をギヤシフト用ドライバ回路33,クラッチ制御用ドライバ回路23に送ってギヤシフトユニット31,クラッチ制御ユニット21の要部を作動させる。
【0033】そして、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とを連絡する信号線86は一端をチェンジレバーユニット5に直付けされており、他端についてのみコネクタ101bを介して変速機ECU41と接続されているので、信号線86を接続するためのコネクタを一箇所だけに抑えることができる。つまり、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とは接近しているので信号線86を短いものにできる。この信号線86が長い場合には、車体への組み付け時に、信号線86が組み付け作業の妨げになってしまうが、信号線86が短い場合には、信号線が組み付け作業の妨げになってしまうおそれもないため、信号線86の一端をチェンジレバーユニット5又は変速機ECU41に直付けしてコネクタ接続を減らすことができるのである。
【0034】コネクタによる接続は接触不良等によって信号伝達故障を招きやすいので、このようにコネクタの使用を抑えることにより、信号伝達故障のおそれを低減させることができる。この結果、非常スイッチの省略も可能になり、変速制御装置における信号伝達系の信頼性向上と簡素化とを実現することができるのである。また、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とは、共用ブラケット5Bによって取り付けられるので、部品点数を削減できるとともに、例えばチェンジレバーユニット5と変速機ECU41とを共用ブラケット5Bに予め取り付けた上で車体に取り付けるなど、取付作業性を向上させることができる。
【0035】さらに、チェンジレバーユニット5の近傍の変速機ECU41には、車両の故障を診断する故障診断装置110を接続可能な接続用端子111が設けられているので、接続用端子111に故障診断装置110を接続して車両の故障を診断する際に、作業者が例えばチェンジレバーユニット5を操作しながら故障診断装置110を用いて故障診断することができ、故障診断の作業性が大幅に向上する。
【0036】つぎに、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。図5は本発明の第2実施形態にかかる変速機の変速制御装置を示す図であり、図1と同符号は同様のものを示す。図5に示すように、この実施形態では、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とが予め一体化された構成になっており、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41との間に介装された信号線(図示略)は、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41との何れに対しても直付けされている。したがって、この信号線に関してはコネクタ接続は用いられていない。
【0037】本発明の第2実施形態としての変速機の変速制御装置は、上述のように構成されているので、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とを結ぶ信号線に関するコネクタ接続をなくすことができる。したがって、信号伝達故障を招きやすいコネクタの使用を抑えることにより、信号伝達故障のおそれを低減させることができ、非常スイッチの省略も可能になり、変速制御装置における信号伝達系の信頼性向上と簡素化とを実現することができるのである。
【0038】また、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とが一体化されているので、これらに関する取付作業性を向上させることができる。さらに、第1実施形態と同様に、接続用端子111に故障診断装置110を接続して車両の故障を診断する際に、作業者がチェンジレバーユニット5を操作しながら故障診断装置110を用いて故障診断することができ、故障診断の作業性が大幅に向上する。
【0039】以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。たとえば、第1実施形態では、共通のブラケット5Bを介して、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とを取り付けているが、チェンジレバーユニット5と変速機ECU41とが接近して配置されればよく、必ずしも共通のブラケット5Bを用いる必要はない。
【0040】また、シャシ上にキャブをそなえた車体構成に限らずモノコック車等を含めて、種々の自動車において、本発明を適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の変速機の変速制御装置によれば、変速制御手段と駆動用ドライバとが別体に構成されるとともに、変速制御手段が変速操作手段の近傍に配置されているので、変速制御手段と変速操作手段との間を結ぶ信号線を短いものにできる。信号線の一端或いは両端を変速制御手段と変速操作手段との何れか或いは両方に直付けすると、信号線が長い場合には、車体への組み付け時に、信号線が組み付け作業の妨げになってしまうが、信号線が短い場合には、信号線が組み付け作業の妨げになってしまうおそれもないため、信号線の一端或いは両端を直付けしてコネクタ接続を減らすことで、信号伝達故障のおそれを低減させることができる。この結果、変速制御装置における信号伝達系の信頼性向上と簡素化とを実現することができる(請求項1)。
【0042】該変速制御手段と該変速操作手段とが共用ブラケットによって該車両に設置される場合、変速制御手段及び変速操作手段の組み付け作業性が向上し、また、変速制御手段と変速操作手段とを確実に近接配置できる(請求項2)。また、該変速制御手段と該変速操作手段との間に介装される信号線が該変速制御手段及び該変速操作手段のいずれか一方に予め接続されて他方とはコネクタを介して組み付け時に接続されれば、コネクタ接続を減らすことができ、信号伝達故障のおそれを低減させることができる(請求項3)。
【0043】また、該変速制御手段と該変速操作手段とが予め一体化された1部品として構成されていれば、変速制御手段及び変速操作手段の組み付け作業性が向上し、また、変速制御手段と変速操作手段とを確実に近接配置できる(請求項4)。該変速制御手段に、該車両の故障を診断する故障診断装置を接続可能な接続用端子が設けられていれば、故障診断装置を変速制御手段に接続して変速制御手段近傍の変速操作手段を制御しながら、車両の故障診断を行なうことができ、故障診断の作業性が大幅に向上する(請求項5)。
【出願人】 【識別番号】303002158
【氏名又は名称】三菱ふそうトラック・バス株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−191764(P2003−191764A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−398071(P2001−398071)