| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両用駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】本池 一利 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車 株式会社内
【氏名】多賀 豊 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車 株式会社内
【氏名】小嶋 昌洋 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車 株式会社内
【氏名】足立 昌俊 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車 株式会社内
【氏名】金子 二郎 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車 株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】装置全体のコンパクト化を図りつつ減速機構を組込むことのできるハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両用の駆動装置14はMG1(第1モータジェネレータ)、動力分割機構27及びMG2(第2モータジェネレータ)を備える。MG1は主に発電機として機能する。動力分割機構27はエンジンで発生する動力をMG1及び駆動輪に分割する。MG2は、MG1の外径よりも小さな外径を有し、そのMG1に対しエンジンの反対側に配置される。MG2は主に電動機として機能し、エンジンの動力とは別に駆動輪を駆動するための補助動力を発生する。さらに、駆動装置14において、MG2よりも外径が小さく、かつMG2の回転を減速させるための減速機構28を、MG2に対しエンジンの反対側に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電動機あるいは発電機として機能する第1モータジェネレータと、エンジンで発生する動力を前記第1モータジェネレータ及び駆動輪に分割する動力分割機構と、前記第1モータジェネレータに対し前記エンジンの反対側に配置されるとともに、電動機あるいは発電機として機能し、前記エンジンの動力とは別に前記駆動輪を駆動するための動力を発生する第2モータジェネレータとを備え、前記第2モータジェネレータの外径を前記第1モータジェネレータの外径よりも小さくしたハイブリッド車両用駆動装置において、前記第2モータジェネレータよりも外径が小さく、かつ前記第2モータジェネレータの回転を減速させるための減速機構を、同第2モータジェネレータに対し前記エンジンの反対側に配置することを特徴とするハイブリッド車両用駆動装置。 【請求項2】前記エンジンから遠ざかるにつれて細くなる外形形状を有し、かつ前記両モータジェネレータ及び前記動力分割機構が組込まれるコアケースと、前記コアケースとは別に設けられ、かつ前記減速機構が組込まれるケースと、前記ケースを前記コアケースに結合するための結合手段とをさらに備える請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 【請求項3】前記動力分割機構は、前記両モータジェネレータよりも外径の小さなリングギヤを有し、かつ前記両モータジェネレータ間に配置された遊星歯車機構により構成されており、前記第1モータジェネレータに第1ケーブルを電気的に接続するための第1接続部と、前記第2モータジェネレータに第2ケーブルを電気的に接続するための第2接続部とが、前記両モータジェネレータ間において前記リングギヤの径方向外方の空間に設けられている請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 【請求項4】前記両モータジェネレータは前記エンジンから遠ざかるにつれて細くなる外形形状を有する駆動ケースに組込まれており、前記駆動ケースには、前記第1モータジェネレータに接続された第1ケーブルを前記駆動ケース外へ取出すための第1取出し部が設けられるとともに、前記駆動ケースにおいて、前記第1取出し部に対し前記エンジンの反対側には、前記第2モータジェネレータに接続された第2ケーブルを前記駆動ケース外へ取出すための第2取出し部が設けられており、前記第1取出し部及び前記第2取出し部は、互いに平行状態で前記エンジンから遠ざかる方向へ屈曲形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のハイブリッド車両用駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと電動機という特性の異なる2種類の動力源を備え、状況に応じ駆動力を最適に組合わせて走行するようにしたハイブリッド車両に採用して好適なハイブリッド車両用駆動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、エンジンと電動機という特性の異なる2種類の動力源を備えたハイブリッド車両が開発・実用化されている。このハイブリッド車両では、前述した2種類の動力源の駆動力を状況に応じて最適に組合わせることで、各動力源の長所を活かし短所を補うようにしている。このため、車両の動力性能を十分に確保しつつ、燃料消費率やエミッション性能の大幅な改善を図ることができる。 【0003】このようなハイブリッド車両に採用される駆動装置としては、従来から種々提案されている。その1つに、第1モータジェネレータ(MG1)、動力分割機構及び第2モータジェネレータ(MG2)を備えたものがある。MG1は主に発電機として機能する。動力分割機構は遊星歯車機構からなり、エンジンで発生する動力をMG1及び駆動輪に分割する。MG2は主に電動機として機能し、エンジンの動力とは別に駆動輪を駆動するための補助動力を発生する。この駆動装置では、動力分割機構によって分割された動力の一方が機械的に駆動輪に伝達されて、その駆動輪が回転される。また、分割された動力の他方がMG1に伝達される。この伝達に応じてMG1が発電機として機能し、発電された電力がMG2に供給される。この供給に応じてMG2が電動機として機能すると、そのMG2で発生した動力が、前述した動力分割機構によって分割された一方の動力に加わり、エンジンの出力がアシストされる。 【0004】また、前述したハイブリッド車両用駆動装置における各構成部品の配置(レイアウト)に関連する技術として、例えば特開平6−144020号公報には、MG1、MG2、遊星歯車機構を直列に配置するものが開示されている。この配置によると、エンジンに近い箇所から遠ざかるにつれて順に体格、特に外径が小さくなって、装置全体をコンパクトにできるメリットがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッド車両用の駆動装置としては、MG2(電動機)の回転速度を減速するための減速機構を追加することが考えられる。しかしながら、前述した公報に記載された駆動装置では、この減速機構を前記遊星歯車機構に加えて配置させる場合の具体的なレイアウトについて示されていない。そのため、この減速機構を含めて、装置全体をコンパクトにすることのできる駆動装置の出現が望まれている。 【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置全体のコンパクト化を図りつつ減速機構を組込むことのできるハイブリッド車両用駆動装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。請求項1に記載の発明では、電動機あるいは発電機として機能する第1モータジェネレータと、エンジンで発生する動力を前記第1モータジェネレータ及び駆動輪に分割する動力分割機構と、前記第1モータジェネレータに対し前記エンジンの反対側に配置されるとともに、電動機あるいは発電機として機能し、前記エンジンの動力とは別に前記駆動輪を駆動するための動力を発生する第2モータジェネレータとを備え、前記第2モータジェネレータの外径を前記第1モータジェネレータの外径よりも小さくしたハイブリッド車両用駆動装置において、前記第2モータジェネレータよりも外径が小さく、かつ前記第2モータジェネレータの回転を減速させるための減速機構を、同第2モータジェネレータに対し前記エンジンの反対側に配置している。 【0008】上記の構成によれば、エンジンで発生した動力は、動力分割機構により2つに分割される。この分割された動力の一方が機械的に駆動輪に伝達されて、その駆動輪が回転される。また、分割された動力の他方が第1モータジェネレータに伝達される。この伝達に応じて第1モータジェネレータが発電機として機能すると、発電された電力は第2モータジェネレータに供給される。この供給に応じて第2モータジェネレータが電動機として機能すると、その第2モータジェネレータで発生した動力が、前述した動力分割機構によって分割された一方の動力に加わり、エンジンの出力がアシストされる。 【0009】ところで、駆動装置では、その構成部分のうち少なくとも両モータジェネレータ及び減速機構については、エンジンに近い側から遠ざかる側へ向けて、第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータ及び減速機構の順に配列されている。そして、第2モータジェネレータの外径が第1モータジェネレータの外径よりも小さいうえに、減速機構の外径が第2モータジェネレータの外径よりも小さい。そのため、動力分割機構の外径が第1モータジェネレータの外径よりも小さければ、駆動装置は、エンジンから遠ざかるにつれて外径の小さくなる先細り形状となる。このように、請求項1に記載の発明では、装置全体のコンパクト化を図りつつ駆動装置に減速機構を組込むことが可能となる。 【0010】前記のようにコンパクトにまとめられた駆動装置は、ハイブリッド車両への搭載性に優れる。特に、前述した駆動装置全体の形状は、トルクコンバータ及び変速機構を備えた一般的な自動変速機の形状と略同じである。このため、駆動装置を、前記自動変速機と略同じ大きさとなるように設計すれば、その駆動装置は自動変速機が収容される車両の既存のフロアトンネルに収まる。従って、このフロアトンネルを利用し、自動変速機に代えて駆動装置を配置することが可能となる。 【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記エンジンから遠ざかるにつれて細くなる外形形状を有し、かつ前記両モータジェネレータ及び前記動力分割機構が組込まれるコアケースと、前記コアケースとは別に設けられ、かつ前記減速機構が組込まれるケースと、前記ケースを前記コアケースに結合するための結合手段とをさらに備えるとする。 【0012】上記の構成によれば、駆動装置を種々のハイブリッド車両に展開する場合、減速機構のギヤ比等の諸元をその車両に適合させることができれば、モータジェネレータ、動力分割機構等は共通部品としてそのまま用いることが可能である。ここで、減速機構が組込まれたケースは、両モータジェネレータ及び動力分割機構が組込まれたコアケースから独立していて、両ケース同士の結合及び分離が可能である。このため、減速機構がケースに組込まれたユニット部分をハイブリッド車両の種類毎に準備すれば、両モータジェネレータ及び動力分割機構がコアケースに組込まれたユニット(コアユニット)は、ハイブリッド車両の種類にかかわらず1種類ですむ。そして、組立工場等において、複数種類の駆動装置を組立てる際には、その種類に適した減速機構が組込まれたユニット部分を選択して共通のコアユニットに取付けることで対処できる。 【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記動力分割機構は、前記両モータジェネレータよりも外径の小さなリングギヤを有し、かつ前記両モータジェネレータ間に配置された遊星歯車機構により構成されており、前記第1モータジェネレータに第1ケーブルを電気的に接続するための第1接続部と、前記第2モータジェネレータに第2ケーブルを電気的に接続するための第2接続部とが、前記両モータジェネレータ間において前記リングギヤの径方向外方の空間に設けられているとする。 【0014】上記の構成によれば、動力分割機構が、両モータジェネレータ間に配置された遊星歯車機構によって構成されている。しかも、その遊星歯車機構全体の外形形状を決定するリングギヤの外径が、両モータジェネレータの外径よりも小さい。このことから、両モータジェネレータ間においてリングギヤの径方向外方には空間が生ずる。請求項3に記載の発明では、第1モータジェネレータに第1ケーブルを電気的に接続するための第1接続部がこの空間に設けられている。加えて、第2モータジェネレータに第2ケーブルを電気的に接続するための第2接続部もまたこの空間に設けられている。このように、両モータジェネレータ間の空間に両接続部をまとめて設けることで、スペースの有効利用を図り、もって駆動装置のコンパクト化を損なうことなく両接続部を配置することができる。 【0015】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記両モータジェネレータは前記エンジンから遠ざかるにつれて細くなる外形形状を有する駆動ケースに組込まれており、前記駆動ケースには、前記第1モータジェネレータに接続された第1ケーブルを前記駆動ケース外へ取出すための第1取出し部が設けられるとともに、前記駆動ケースにおいて、前記第1取出し部に対し前記エンジンの反対側には、前記第2モータジェネレータに接続された第2ケーブルを前記駆動ケース外へ取出すための第2取出し部が設けられており、前記第1取出し部及び前記第2取出し部は、互いに平行状態で前記エンジンから遠ざかる方向へ屈曲形成されているとする。 【0016】上記の構成によれば、第1モータジェネレータに接続された第1ケーブルは、第1取出し部を通じて駆動ケース外へ取出される。また、第2モータジェネレータに接続された第2ケーブルは、第2取出し部を通じて駆動ケース外へ取出される。ここで、第1取出し部及び第2取出し部は、ともに、エンジンから遠ざかるにつれて細くなる駆動ケースに設けられている。また、第2取出し部は、第1取出し部を挟んでエンジンとは反対側、すなわち、駆動ケースにおいて第1取出し部よりも径の小さな箇所に位置している。加えて、両取出し部は互いに平行状態でエンジンから遠ざかる方向へ屈曲されている。このため、両ケーブルの接続先が駆動装置よりも反エンジン側に配置されている場合には、両ケーブルを互いに干渉させることなく駆動ケース外へ取出し、前記接続先に向けて配線することが可能となる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明を、フロントエンジンリヤドライブ(FR)式の駆動方式を有するハイブリッド車両に具体化した一実施形態について、図面に従って説明する。図1は、ハイブリッド車両11を下方から見た概略を示している。ここでのハイブリッド車両11は、エンジン12及び電動機という特性の異なる2種類の動力源を備え、状況に応じ駆動力を最適に組合わせて駆動輪13に伝達して走行するタイプの車両である。なお、図1においては左方がハイブリッド車両11の進行方向前方であり、右方が進行方向後方である。 【0018】エンジン12と駆動輪13との間には、駆動装置14、プロペラシャフト15、ディファレンシャル16、一対のアクスルシャフト17等が設けられている。駆動装置14の詳細については後述する。プロペラシャフト15は、駆動装置14の出力をディファレンシャル16に伝える軸である。ディファレンシャル16は、プロペラシャフト15からの動力を両アクスルシャフト17に分けて伝える作動装置である。各アクスルシャフト17は、ディファレンシャル16によって分けられた動力を駆動輪13に伝える軸である。これらの各構成部品のうち、駆動装置14及びプロペラシャフト15は、ハイブリッド車両11のフロア(床部)18に設けられたフロアトンネル19内に配置されている。フロアトンネル19において駆動装置14が配置される部分では、エンジン12に近い箇所で最も幅が広く、エンジン12から遠ざかるにつれて幅が狭くなっている。 【0019】図2に示すように、駆動装置14の外殻(外層)部分は駆動ケース21によって構成されている。駆動ケース21は、第1ケース23及び第2ケース24からなるコアケース22と、第3ケース25とによって構成されている。第1ケース23及び第2ケース24は略円筒状の外形形状をなしている(図3参照)。コアケース22では、第2ケース24の外径が、第1ケース23の外径よりも若干小さく設定されている。このため、コアケース22は、エンジン12から遠ざかるにつれて緩やかに細くなる外形形状を有している。コアケース22では、第1ケース23及び第2ケース24が相互に結合されている。また、コアケース22の第1ケース23は、エンジン12の出力側に結合される。第3ケース25は、エンジン12から遠ざかるにつれて外径が小さくなる先細り形状をなしており、コアケース22の第2ケース24に結合されている。 【0020】前述したエンジン12に対する第1ケース23の結合、第1ケース23に対する第2ケース24の結合、及び第2ケース24に対する第3ケース25の結合には、それぞれボルト等の締結部品26が結合手段として用いられている。 【0021】駆動ケース21内の同一軸線上には、エンジン12に近い側から遠ざかる側(駆動輪13側)へ向けて順に、第1モータジェネレータ(以下、MG1という)、動力分割機構27、第2モータジェネレータ(以下、MG2という)及び減速機構28が直列に配置されている。MG1,MG2は、電動機あるいは発電機として機能し、かつそれらの機能が状況に応じて切替え可能な電動機、例えば交流同期電動機によって構成されている。ただし、車両の通常の走行時には、MG1はエンジン12の動力により発電を行う発電機としての役割を主に担う。また、MG2はエンジン12の補助動力を発生する電動機としての役割を主に担う。別の表現をすると、MG2は電動機として機能する場合、エンジン12の補助動力源としてエンジン12の動力を必要に応じてアシスト(補助)し、駆動力を高める。なお、MG1,MG2は発電機と電動機の機能を併せ持つものでなく、いずれか一方の機能を有するだけにしてもよいことはいうまでもない。 【0022】次に、これらMG1,MG2について説明する。図4に示すように、第1ケース23内のエンジン12寄りの箇所には第1カバー29が取付けられている。また、第1ケース23内において、第1カバー29よりも駆動輪13側には第1支持壁31が形成されている。MG1は第1ステータ(固定子)32及び第1ロータ(回転子)33を備えている。第1ステータ32は、第1カバー29と第1支持壁31とによって挟まれた空間に配置され、ボルト等の締結部品34によって第1ケース23に固定されている。また、第1ロータ33は、第1カバー29及び第1支持壁31に対し軸受35によって回転可能に支持されている。そして、前記のように第1ケース23内に組込まれたMG1では、第1ステータ32のステータコイル36への通電により第1ロータ33が回転する。 【0023】図5及び図6に示すように、第2ケース24内の第1ケース23寄りの箇所には第2カバー37が取付けられている。また、第2ケース24内において、第2カバー37よりも駆動輪13側には第2支持壁38が形成されている。MG2は、MG1の第1ステータ32に比べ若干外径が小さく、かつ長さの長い第2ステータ39と、MG1の第1ロータ33に比べ若干外径が小さく、かつ長さの長い第2ロータ41とを備えている。第2ステータ39は、第2カバー37と第2支持壁38とによって挟まれた空間に配置され、ボルト等の締結部品42によって第2ケース24に固定されている。また、第2ロータ41は、前記MG1の第1ロータ33と同軸上に配置され、第2カバー37及び第2支持壁38に対し、軸受43によって回転可能に支持されている。そして、前記のように第2ケース24内に組込まれたMG2では、第2ステータ39のステータコイル44への通電により第2ロータ41が回転する。 【0024】図2に示すように、第1ロータ33の軸心部分には入力軸45が相対回転可能に挿通されている。入力軸45は、トランスアクスルダンパ46を介して、エンジン12の出力軸であるクランク軸47に連結されている。同様に、第2ロータ41の軸心部分には中間軸48が相対回転可能に挿通されている。一方、第3ケース25には、入力軸45及び中間軸48よりも太い出力軸49が挿通されており、この出力軸49が軸受51等によって第3ケース25に回転可能に支持されている。出力軸49は、前述したプロペラシャフト15、ディファレンシャル16、アクスルシャフト17等を介して駆動輪13に連結されている。前記中間軸48は、後述する減速機構28を介して前記出力軸49に連結されている。 【0025】動力分割機構27は、エンジン12の動力を、駆動輪13を直接駆動するための車両駆動力と、MG1を作動させて発電を行わせるための発電駆動力とに適切に分割するための機構である。動力分割機構27は、コアケース22内において、MG1及びMG2間の空間に配置されている。図5に示すように動力分割機構27は、互いに同一の軸心を有するサンギヤ52、リングギヤ53及びプラネタリキャリヤ54が回転可能に連結された遊星歯車機構によって構成されている。サンギヤ52は入力軸45上においてMG1の第1ロータ33に一体回転可能に連結されている。リングギヤ53は、MG1及びMG2のステータ32,39の外径よりも小径をなしており、中間軸48のエンジン12側の端部に設けられている。プラネタリキャリヤ54は、入力軸45に一体回転可能に取付けられている。プラネタリキャリヤ54にはピニオンギヤ55が回転可能に軸支されている。ピニオンギヤ55はサンギヤ52及びリングギヤ53間に位置し、両ギヤ52,53間に回転可能に噛み合わされている。 【0026】そして、このように構成された動力分割機構27では、エンジン12で発生して入力軸45に伝達された動力が、プラネタリキャリヤ54、ピニオンギヤ55及びサンギヤ52を介してMG1の第1ロータ33に伝達される。また、入力軸45に伝達された前記動力は、プラネタリキャリヤ54及びピニオンギヤ55を介してリングギヤ53(中間軸48)に伝達される。 【0027】前記したように動力分割機構27では、リングギヤ53の外径がMG1,MG2の外径よりも小さいことから、コアケース22内において、MG1,MG2によって挟まれ、かつ動力分割機構27のリングギヤ53の径方向外方には、所定の大きさの空間S1,S2が生ずることとなる。 【0028】図6に示すように減速機構28は、前述した動力分割機構27と同様に、サンギヤ56、リングギヤ57及びプラネタリキャリヤ58が回転可能に連結された遊星歯車機構によって構成されており、その全体が第3ケース25内に配置されている。サンギヤ56はMG2の第2ロータ41に一体回転可能に連結され、リングギヤ57は中間軸48及び出力軸49に一体回転可能に連結されている。プラネタリキャリヤ58は、第2ケース24の第2支持壁38に固定されている。プラネタリキャリヤ58にはピニオンギヤ59が回転可能に軸支されている。ピニオンギヤ59はサンギヤ56及びリングギヤ57間に位置し、両ギヤ56,57に回転(自転)可能に噛み合わされている。そして、このように構成された減速機構28では、MG2の第2ロータ41の回転がサンギヤ56、ピニオンギヤ59及びリングギヤ57を介して出力軸49に伝達される。この伝達の過程で減速が行われる。減速によりトルクの増した回転が出力軸49に加わり、エンジン12の駆動力が補助される。 【0029】図2に示すように、前述したMG1及びMG2はともにインバータ61を介して高電圧バッテリ62に接続される。これらのインバータ61及び高電圧バッテリ62は、駆動装置14よりも車両進行方向後方に配置されている。インバータ61は高電圧バッテリ62の高電圧直流電流と、MG1,MG2の交流電流とを変換しながら電流を制御する装置である。 【0030】MG1をインバータ61に電気的に接続するために第1ケーブル63が用いられている。また、MG2をインバータ61に電気的に接続するために第2ケーブル64が用いられている。これらのケーブル63,64としては高電圧に耐え得るものが用いられている。さらに、第1ケーブル63及びMG1間の接続と、第2ケーブル64及びMG2間の接続のために、コアケース22内の前記空間S1が利用されている。 【0031】詳しくは、図5に示すように、前記第1支持壁31には第1接続部65が設けられている。ここでは、第1接続部65は、第1支持壁31の上部からMG2側へ突出する突部によって構成されている。そして、第1接続部65において、MG1のステータコイル36と第1ケーブル63の第1接続端子68とが電気的に接続されている。同様に、前述した第2カバー37には第2接続部66が設けられている。ここでは、第2接続部66は、第2カバー37の上部からMG1側へ突出する突部によって構成されている。そして、第2接続部66において、MG2のステータコイル44と第2ケーブル64の第2接続端子71とが電気的に接続されている。 【0032】図3及び図5に示すように、コアケース22において、MG1よりも駆動輪13側の箇所には第1取出し部67が取付けられている。そして、前記第1接続端子68が第1取出し部67に通され、コアケース22の外部へ取出されている。また、コアケース22において、第1取出し部67よりも駆動輪13側の箇所には、第1取出し部67と同様の第2取出し部69が取付けられている。そして、前記第2接続端子71が第2取出し部69に通され、コアケース22の外部へ取出されている。第1取出し部67及び第2取出し部69は、互いに平行状態でエンジン12から遠ざかる方向へ屈曲形成されている。 【0033】さらに、図2に示すように、駆動ケース21内における可動部分、例えば、入力軸45及び第1ロータ33間、中間軸48及び第2ロータ41間等、にオイルを供給するためにオイルポンプ72が用いられている。オイルポンプ72は、コアケース22内のMG1,MG2によって挟まれた空間のうち、動力分割機構27よりも下側の前記空間S2に配置されており、第2カバー37に取付けられている。また、第2ケース24の下部にはオイル溜め73が設けられており、オイルポンプ72に吸入されるオイルをろ過するオイルストレーナ74が、このオイル溜め73内に配置されている。 【0034】上記のように構成された駆動装置14は、ハイブリッド車両11の走行状況に応じて例えば次のように動作する。 <発進時、低速走行時>発進時、低速走行時等、駆動輪13の回転が低速かつ高負荷となってエンジン効率が低くなる領域では、エンジン12の作動が停止され、高電圧バッテリ62からMG2に電力が供給される。MG2の第2ロータ41が回転し、その回転が減速機構28のサンギヤ56、ピニオンギヤ59及びリングギヤ57を介して出力軸49に伝達される。出力軸49の回転はプロペラシャフト15等を通じて駆動輪13に伝達される。このようにMG2の動力のみによって駆動輪13が駆動される。このときMG1では第1ロータ33が空転する。 【0035】<通常走行時>通常走行時には、エンジン12が作動され、その動力が動力分割機構27によって2つの経路に分割された後、駆動輪13に伝達される。1つの経路は、入力軸45に入力された動力をピニオンギヤ55及びリングギヤ53に伝達する経路である。この経路に分割された動力は、中間軸48及びリングギヤ57を介して出力軸49に伝達される。もう1つの経路は、発電機を駆動して発電する経路である。詳しくは、入力軸45に入力された動力を、ピニオンギヤ55及びサンギヤ56を介してMG1の第1ロータ33に伝達する経路である。この動力伝達によってMG1では第1ロータ33が回転して発電が行われる。発電された電力はMG2に供給され、同MG2がエンジン12の補助動力源として使用される。すなわち、MG2の第2ロータ41が回転し、その回転が減速機構28によって減速された後出力軸49に伝達される。そして、両経路を通じて伝達されて、最終的に出力軸49から出力される動力によって駆動輪13が駆動されることとなる。 【0036】<高負荷時>高負荷時には、前述した通常走行時に加え、MG2に対し高電圧バッテリ62からも電力が供給される。このため、MG2による補助動力がさらに増大する。 【0037】<減速時、制動時>減速時や制動時には駆動輪13の回転によってMG2が駆動される。MG2が発電機として機能し、回生発電が行われ、車両減速時の運動エネルギが電気エネルギに変換されて高電圧バッテリ62に回収(蓄電)される。 【0038】以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。 (1)駆動装置14では、エンジン12に近い側から遠ざかる側へ向けて、MG1、動力分割機構27、MG2及び減速機構28の順に直列に配置している。そして、MG2の外径をMG1の外径よりも小さくし、動力分割機構27の外径をMG1,MG2の外径よりも小さくし、さらに減速機構28の外径をMG2の外径よりも小さくしている。このため、駆動装置14は、エンジン12から遠ざかるにつれて外径が小さくなる。駆動装置14は先細り形状を呈し、コンパクトになる。このように、本実施形態では、装置全体のコンパクト化を図りつつ駆動装置14に減速機構28を組込むことができる。 【0039】また、前記のようにコンパクトにまとめられた駆動装置14は、ハイブリッド車両11への搭載性に優れる。特に、前述した形状は、従来のFR式の駆動方式を有する車両に搭載され、かつ流体式のトルクコンバータ及び変速機構を備えた一般的な自動変速機の形状と略同じである。このため、駆動装置14を、さらに前記自動変速機と略同じ大きさとなるように設計すれば、その駆動装置14は、自動変速機が収容(搭載)される車両の既存のフロアトンネル19に収まる。従って、このフロアトンネル19を利用し、自動変速機に代えて駆動装置14を配置することができる。別の表現をすると、フロアトンネル19を含む同一のフロア18に対し、自動変速機も駆動装置14も搭載することができ、フロア18の共用化が実現できる。自動変速機が収容される既存のフロアトンネルとは別に、駆動装置14が収容されるフロアトンネルを新たに設計しなくてもよい。 【0040】(2)駆動装置14を種々のハイブリッド車両11に展開する場合、減速機構28のギヤ比等の諸元をその車両に適合させることができれば、MG1,MG2、動力分割機構27等は共通部品としてそのまま用いることが可能である。ここで、減速機構28が組込まれた第3ケース25は、MG1,MG2及び動力分割機構27が組込まれたコアケース22から独立していて、両ケース25,22同士の結合及び分離が可能である。このため、減速機構28が第3ケース25に組込まれたユニット部分を、ハイブリッド車両11の種類毎に準備すれば、MG1,MG2及び動力分割機構27がコアケース22に組込まれたユニット(コアユニット)は、ハイブリッド車両11の種類にかかわらず1種類ですむ。そして、組立工場等において、複数種類の駆動装置14を組立てる際には、その種類に適した減速機構28が組込まれたユニット部分を選択して共通のコアユニットに取付けるだけですむ。結果として、ギヤ比の異なる別の減速機構28に変更する作業がしやすくなる。 【0041】(3)動力分割機構27が遊星歯車機構によって構成されており、しかもその全体の大きさを決定するリングギヤ53がMG1,MG2よりも外径が小さいことから、MG1,MG2間においてリングギヤ53の径方向外方には空間S1,S2が生ずる。このうち、このような空間S1を利用し、MG1のステータコイル36に第1ケーブル63を電気的に接続するための第1接続部65を同空間S1に設けている。加えて、MG2のステータコイル44に第2ケーブル64を電気的に接続するための第2接続部66もまたこの空間S2に設けている。このように、MG1,MG2間の空間S1に両接続部65,66をまとめることで、スペースの有効利用を図ることができる。また、空間S2を利用してオイルポンプ72を配置している。この観点からもスペースの有効利用を図ることができる。従って、これらの空間S1,S2の利用により、駆動装置14のコンパクト化を損なうことなく接続部65,66及びオイルポンプ72を設けることができる。 【0042】(4)MG1のステータコイル36に接続された第1接続端子68を、第1取出し部67を通じて駆動ケース21の外へ取出している。また、MG2に接続された第2接続端子71を、第2取出し部69を通じて駆動ケース21の外へ取出している。ここで、第1取出し部67及び第2取出し部69は、ともに、エンジン12から遠ざかるにつれて細くなる駆動ケース21に設けられている。また、第2取出し部69は、第1取出し部67に対しエンジン12とは反対側、すなわち、駆動ケース21において、第1取出し部67よりも外径の小さな箇所に位置している。加えて、両取出し部67,69を互いに平行状態でエンジン12から遠ざかる方向へ屈曲させている。このため、両ケーブル63,64の接続先であるインバータ61が、駆動装置14よりも車両進行方向後方に配置される本実施形態にあっては、両ケーブル63,64を互いに干渉させることなくまとめて駆動ケース21の外部へ取出し、インバータ61に向かうように配線することが可能となる。 【0043】(5)動力分割機構27のリングギヤ53の回転を減速機構28や出力軸49に伝達するために、MG2の外部に伝達機構を設けることも考えられる。この場合、例えば、入力軸45や出力軸49とは別の軸をそれらに平行に配置するとともに各軸にギヤ等の回転伝達部品を設ける。ここでの軸は、手動変速機において用いられるカウンタ軸に相当するものである。このようにすると、入力軸45の回転を軸(カウンタ軸)、ギヤ等、減速機構28を介して出力軸49に伝達することが可能となる。反面、ギヤを用いるため、ギヤ同士が噛み合う際に音や振動が発生する不具合がある。 【0044】これに対し、本実施形態では、リングギヤ53の回転を出力軸49に伝達するための中間軸48をリングギヤ53に一体に設けている。そして、この中間軸48をMG2の第2ロータ41に挿通し、減速機構28のリングギヤ57に連結している。このため、前述したようなカウンタ軸が不要となる。ギヤの噛み合いに起因する音や振動の発生がないため、振動や騒音に関する特性が向上する。 【0045】(6)減速機構28による減速後のトルクは、減速前よりも大きくなる。そのため、この増大したトルクが伝達される部品には大きな強度が要求される。本実施形態では、この要求を満たすために、出力軸49として、入力軸45や中間軸48よりも太いものが用いられている。 【0046】ここで、仮に、減速機構28がMG2よりもエンジン12側に配置されるとすると、このような太い出力軸49が挿通されることから、それにともなってMG2の径も大きくせざるを得ず、駆動装置14全体が大型化する。これに対し、本実施形態では、前述したように、減速機構28をMG2よりも駆動輪13側に配置している。このため、MG2に挿通される軸(中間軸48)を太くしなくてもすみ、MG2ひいては駆動装置14の大型化を回避できる。 【0047】(7)MG2の外径をMG1の外径よりも小さくしたことにより、MG2の下方に空間が生ずる。この空間を利用して、オイル溜め73を組込んだため、このオイル溜め73の組込みにともなう駆動装置14の大型化を最小限に止めることができる。別の表現をすると、駆動装置14の搭載性を損なうことなく、オイル溜め73を設けることができる。 【0048】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。 ・MG1,MG2は回生動作及び力行動作の双方が可能なものであればよい。従って、前記実施形態で用いたタイプの交流同期電動機以外にも、VR型(可変リラクタンス型)同期電動機、バーニアモータ、直流電動機、誘導電動機、超電動モータ、ステップモータ等を用いることができる。 【0049】・本発明の駆動装置は、FR式に限らず、他の駆動方式、例えばフロントエンジンフロントドライブ(FF)式等の駆動方式を有するハイブリッド車両にも適用できる。 【0050】・前記実施形態では、減速機構28のプラネタリキャリヤ58を固定したが、これに代えてリングギヤ57を第3ケース25等に固定してもよい。その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。 【0051】(A)請求項1〜4のいずれか1つに記載のハイブリッド車両用駆動装置において、前記動力分割機構は、前記両モータジェネレータよりも外径の小さなリングギヤを有し、かつ前記両モータジェネレータ間に配置された遊星歯車機構により構成されており、可動部分にオイルを供給するためのオイルポンプが、前記両モータジェネレータ間において前記リングギヤの径方向外方の空間に設けられている。 【0052】上記の構成によれば、モータジェネレータ間の空間を有効利用するため、駆動装置のコンパクト化を損なうことなくオイルポンプを組込むことができる。 (B)請求項1〜4及び上記(A)のいずれか1つに記載のハイブリッド車両用駆動装置において、前記第2モータジェネレータの下方にオイル溜めをさらに備える。 【0053】上記の構成によれば、第2モータジェネレータの下方に生ずる空間を利用するため、オイル溜めを配置することにともなう駆動装置の大型化を最小限に止めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−191761(P2003−191761A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月9日(2003.7.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−394459(P2001−394459) |
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