| 【発明の名称】 |
車両用配電システム |
| 【発明者】 |
【氏名】出口 慎一 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】車両用配電システムに用いる電力ケーブルの放熱性を向上させると共に、径を小さくして車載性を向上させる。
【解決手段】車両用配電システムは、水素配管6を介して水素貯蔵タンク2に接続された燃料電池3が発電を行い、発電された電力を、電力ケーブル8を介して燃料電池3に接続された負荷5に供給する。電力ケーブル8を水素配管6に沿って配置して電力ケーブル8の放熱性を向上させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水素配管を介して水素貯蔵タンクに接続された燃料電池が発電を行い、発電された電力を、電力ケーブルを介して前記燃料電池に接続された負荷に供給する車両用配電システムであって、前記電力ケーブルが前記水素配管に沿って配置されていることを特徴とする車両用配電システム。 【請求項2】 請求項1記載の車両用配電システムであって、前記水素配管及び前記電力ケーブルがシールド部材によって囲まれていることを特徴とする車両用配電システム。 【請求項3】 請求項1記載の車両用配電システムであって、前記電力ケーブルが前記水素配管に内蔵されていることを特徴とする車両用配電システム。 【請求項4】 水素貯蔵タンクから供給された燃料電池が発電を行うと共に、発電された電力を負荷に供給する車両用配電システムであって、前記水素貯蔵タンク、前記燃料電池及び前記負荷が、導電性の水素配管の外側をシールドで覆った管路で接続されていることを特徴とする車両用配電システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池で発電した電力を負荷に供給する車両用配電システムに関する。 【0002】 【従来の技術】近年の自動車では、燃料電池を搭載し、燃料電池で発電された電力をモータや電気機器等の負荷に供給する配電システムが用いられている。この配電システムでは、電力を供給するためのハーネス等の電力ケーブルが燃料電池と負荷との間に配置される。電力ケーブルとしては、導体がシールドによって被覆されたシールド線が用いられる。特開平8−98328号公報、特開2000−357420号公報、特開2001−74611号公報等には、シールド線からのノイズを低減させる方法が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車には数多くの電気機器が搭載されているため、電力ケーブルには大電流が流れており、特に、燃料電池と交流変換を行うインバータとの間には、他の機器との間に比べて大きな電流が流れている。このため、電力ケーブルの導体が発熱するが、シールド線では、導体の周囲をシールドで覆っているため、放熱性が悪くなっている。また、自動車は使用環境温度が高いため、電力ケーブルとしては、発熱を考慮した大きな径寸法のケーブルを選択する必要がある。しかしながら、径寸法が大きい場合には、剛性が大きくなるため、屈曲させにくくなり、配線がしにくい。また、ケーブルの径寸法が大きくなると、車両搭載性が悪くなるという問題点がある。 【0004】一方、シールドのない電力ケーブルを用いる場合には、放熱性が向上するため、径寸法が小さく車両搭載性が向上するが、ノイズの影響が大きくなる問題が発生する。 【0005】そこで、本発明は、放熱性を向上させ、しかも径が小さく車両搭載性を向上させることが可能な電力ケーブルの使用を可能とした車両用配電システムを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の車両用配電システムは、水素配管を介して水素貯蔵タンクに接続された燃料電池が発電を行い、発電された電力を、電力ケーブルを介して前記燃料電池に接続された負荷に供給する車両用配電システムであって、前記電力ケーブルが前記水素配管に沿って配置されていることを特徴とする。 【0007】請求項1記載の発明では、水素配管に電力ケーブルを沿わせることにより、水素貯蔵タンクから水素ガスを放出するときに発生する吸熱反応によって、電力ケーブルを冷却することができ、放熱性が向上する。このため、径寸法の小さな電力ケーブルを用いることができ、電力ケーブルの車両搭載性が向上する。 【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用配電システムであって、前記水素配管及び前記電力ケーブルがシールド部材によって囲まれていることを特徴とする。 【0009】請求項2記載の発明では、電力ケーブルがシールド部材によって囲まれるため、ノイズを低減させることができる。従って、シールドのない電力ケーブルを用いることができるため、さらに放熱性が向上すると共に、径の小さな電力ケーブルを使用することができる。 【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両用配電システムであって、前記電力ケーブルが前記水素配管に内蔵されていることを特徴とする。 【0011】請求項3記載の発明では、電力ケーブルが水素配管内に配置されるため、充分に冷却される。このため、シールドのない電力ケーブルを用いることができ、放熱性が向上すると共に、径の小さな電力ケーブルを使用することができる。なお、水素雰囲気は空気雰囲気に比べて熱伝導性が良好である。 【0012】請求項4記載の発明は、水素貯蔵タンクから供給された燃料電池が発電を行うと共に、発電された電力を負荷に供給する車両用配電システムであって、前記水素貯蔵タンク、前記燃料電池及び前記負荷が、導電性の水素配管の外側をシールドで覆った管路で接続されていることを特徴とする。 【0013】請求項4記載の発明では、導電性の水素配管に電流を流すことができるため、水素配管を電力ケーブルの代替えとして用いることができる。このとき、水素配管内を通る水素ガスによって冷却することができる。従って、この発明では、電力ケーブルが不要となるため、部品点数を削減することができる。 【0014】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、水素配管に電力ケーブルを沿わせることにより、水素ガスの吸熱反応で電力ケーブルを効率的に冷却できるため、電力ケーブルの放熱性が向上する。このため、径の小さな電力ケーブルを用いることができ、車両搭載性が向上する。 【0015】請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果を有するのに加えて、電力ケーブルがシールド部材によって囲まれることによりノイズが低減する。このため、シールドのない電力ケーブルを用いることができ、放熱性が向上すると共に、径寸法の小さな電力ケーブルを使用することができる。 【0016】請求項3記載の発明によれば、請求項1の発明の効果を有するのに加えて、電力ケーブルを水素配管内に配置することにより、電力ケーブルを充分に冷却することができる。このため、請求項3記載の発明によれば、シールドのない電力ケーブルを用いることができ、放熱性が向上すると共に、径の小さな電力ケーブルを使用することができる。 【0017】請求項4の発明によれば、導電性の水素配管を電力ケーブルの代替えとして用いることができ、しかも、内部を通る水素ガスによって冷却することができる。このように電力ケーブルが不要となることにより、部品点数を削減することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用配電システムの詳細を図示する実施の形態に基づいて具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。 【0019】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態の全体を示す概略説明図、図2はその水素配管及び電力ケーブルを示す断面図である。 【0020】図1に示すように、車両1には、水素貯蔵タンク2と、燃料電池3と、負荷としてのインバータ4及びモータ5とが搭載されている。水素貯蔵タンク2は水素ガスを貯蔵するものであり、燃料電池3は水素貯蔵タンク2からの水素ガスと図示しない空気供給源からの空気ガスとにより発電を行って、直流電流を発生させる。また、インバータ4は燃料電池からの直流電流を交流電流に変換し、モータ5は車両1の駆動力を発生させる。 【0021】水素ガスを燃料電池3に供給するため、水素貯蔵タンク2と燃料電池3とが水素配管6によって接続されている。また、発電した直流電流をインバータ4に供給するため、インバータ4と燃料電池3とが電力ケーブル7によって接続されている。さらに、インバータ4からの交流電流をモータ5に供給するため、これらが電力ケーブル8によって接続されている。 【0022】電力ケーブル7、8は複数が配線されている。電力ケーブル8は、図2に示すように、銅線からなる導体10と、導体10を被覆する絶縁性の導体被覆11と、導体被覆11の周囲を囲むシールド12と、シールド12を被覆する絶縁性のシールド被覆13とによって形成されている。 【0023】このような構造では、水素貯蔵タンク2内の水素ガスを、水素配管6を通して燃料電池3に供給する。燃料電池3では、供給された水素ガスと空気供給源からの空気ガスとによって発電を行い、直流発電を発生させる。発電された直流電流は、電力ケーブル7を介してインバータ4に供給され、インバータ4で交流電流に変換された後、モータ5に供給され、モータ5の駆動によって車両1が駆動される。 【0024】この実施の形態では、電力ケーブル8を水素配管6に沿わせるように配線している。このため、図2に示すように、電力ケーブル8及び水素配管6がブラケット15に固定されている。この場合、電力ケーブル8は、水素配管6と接触した状態で同配管6と平行に沿わせてもよく、接触することなく水素配管6に接近した状態で同配管6と平行に沿わせてもよい。 【0025】電力ケーブル8は、流れる電流値に応じて発熱量が増大する特性を有しているため、その径寸法は一般に電流値、通電時間、使用雰囲気温度等の使用環境によって設定されるが、この実施の形態では、後述するように電力ケーブル8が効率良く冷却されるため、使用環境に合わせた一般的な径寸法よりも小さな径寸法の電力ケーブル8を使用できる。 【0026】すなわち、この実施の形態においては、電力ケーブル8に大電流を流すとき、流す電流値に応じて水素貯蔵タンク2から水素配管6に水素ガスが流れる。この水素ガスを放出するとき、水素貯蔵タンク2及び水素配管6が吸熱反応を起こすため、水素配管6は雰囲気温度よりも温度が低下する。電力ケーブル8は、この水素配管6に沿っているため、温度が低下した水素配管6によって冷却される。この実施の形態では、水素貯蔵タンク2及び水素配管6において水素ガスが大量に流れると温度が下がると共に大電流が流れるようになっている。 【0027】なお、電力ケーブル8は、導体10及び導体被覆11をシールド12及びシールド被覆13が覆っているため、シールドが覆っていない電力ケーブルに比べて放熱性が悪く、従来では、通電電流による導体10の発熱量と雰囲気温度とを考慮して導体の径を大きめに設定する必要がある。これに対し、この実施の形態では、水素配管6に放熱して雰囲気温度を低下させて冷却を行うことができるため、導体10の径寸法を小さく設定ことができる。これにより、径寸法の小さな電力ケーブル8を用いることができるため、ケーブルの屈曲が容易となり、車載性が向上する。 【0028】なお、この実施の形態では、インバータ4とモータ5とを接続する電力ケーブル8を水素配管6に沿わせているが、燃料電池3とインバータ4を接続する電力ケーブル7を同様にして水素配管6に沿わせることも可能である。 【0029】(第2実施形態)図3は、本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態における電力ケーブル16では、導体10が導体被覆11に被覆されており、シールドには被覆されていない。また、電力ケーブル16及び水素配管6がシールド部材17に囲まれることにより、電力ケーブル16が水素配管6に沿った状態となっている。 【0030】シールド部材17は、金属製の管体からなり、その内部に電力ケーブル16及び水素配管6を挿通することにより、これらを囲んだ状態となっている。これに限らず、水素配管6及び電力ケーブル16を束ねた状態で金属製のプレートを巻き付けてもよい。 【0031】この実施の形態では、電力ケーブル16としてシールド及びシールド被覆に被覆されていない構造としているため、導体10の放熱性が向上する。また、電力ケーブル16が水素配管6に沿っており、水素配管6が雰囲気温度を低下させることを利用して電力ケーブル16が冷却される。このため、第1実施形態に比べて、さらに径寸法の小さな導体10を用いることができ、電力ケーブル16の径寸法も小さくすることができる。 【0032】また、電力ケーブル16が水素配管6と共にシールド部材13によって囲まれているため、シールド電線と同様にノイズを低減させることも可能となる。 【0033】(第3実施形態)図4〜図7は、本発明の第3実施形態であり、図4はその全体を示す概略説明図、図5及び図6はケーブル内蔵水素配管20を示す断面図、図7はケーブル内蔵水素配管2おの側面図である。図4に示すように、水素貯蔵タンク2、燃料電池3、インバータ4及びモータ5がケーブル内蔵水素配管20によって接続されている。 【0034】ケーブル内蔵水素配管20は、図5に示すように、水素配管6の内部に電力ケーブル16を挿通させることにより形成されている。なお、電力ケーブル16は導体10が導体被覆11に被覆され、シールド及びシールド被覆に被覆されていない構造となっている。 【0035】図6及び図7は、この実施形態において、水素配管6内部の電力ケーブル16から電力を取り出すための構造を示す。水素配管6の所定部分に孔を開け、その孔にバスバー21を通してバスバー21を固定する。この固定は、孔に樹脂モールド22を施すことにより行い、これにより、同時に孔を封鎖して水素ガスの漏れを防止する。一方、電力ケーブル16の先端に端子部23を取り付け、この端子部23をバスバー21の電極に接続する。なお、この接続は、溶接、ボルト止め等によって行うことができる。従って、バスバー21の水素配管6から外部に出ている部分に対して、コネクタや端子等によってシールド電線等を接続することにより電力の取り出しが可能となる。 【0036】この実施の形態では、電力ケーブル16を水素配管6の内部に配置するため、これらが別体の場合よりも、配線の本数を1本少なくすることができる。また、水素配管6の内部に電力ケーブル16が挿通することにより、電力ケーブル16は水素雰囲気の内部に配置された状態となっている。水素雰囲気は空気雰囲気に比べて熱伝導率が高く、冷却能に優れているため、電力ケーブル16を充分に冷却することが可能となる。これにより、さらに径の小さな電力ケーブルを使用することができるため、車両、特に電力ケーブルや水素配管を配置する車体フロアの下面での配置の自由度が向上する。また、この実施形態では、水素配管6を金属によって形成した場合には、内部の電力ケーブル16のノイズを低減させることが可能となる。 【0037】なお、水素配管6から水素ガスが漏れても、水素貯蔵タンクから水素ガスが供給されるため、電力ケーブル16に対する冷却能力が低下することがない。漏れた水素ガスは、水素ガスセンサによって検知することができる。 【0038】(第4実施形態)図8及び図9は、本発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、図8に示すように、水素貯蔵タンク2、燃料電池3、インバータ4及びモータ5が水素・電力配管25によって接続されている。 【0039】水素・電力配管25は、図9に示すように、内側から外側に向かって、水素配管6、水素配管6を覆う絶縁性の配管被覆26、シールド27、絶縁性のシールド被覆28が配置されることにより形成されている。水素配管6の内部には、水素貯蔵タンク2からの水素ガスが流れている。この水素配管6としては、導電性金属が使用され、これにより水素配管6を電力ケーブルとして使用することができる。なお、配管被覆26によって水素配管6を覆うことによって絶縁性が確保されている。 【0040】この実施の形態では、水素配管6の電流を流すことによって、燃料電池3、インバータ4、モータ5を電気的に接続することができる。電流を流すことにより、水素配管6が発熱するが、水素配管6の内部に水素ガスが流れているため、水素配管の冷却を行うことができる。 【0041】また、電力ケーブルとしての水素配管6の外側をシールド27が覆っているため、ノイズを低減することも可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−191756(P2003−191756A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月9日(2003.7.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−394277(P2001−394277) |
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