| 【発明の名称】 |
自動車用ドアの組立方法及びその組立方法に用いる治具 |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 鉱二 【住所又は居所】名古屋市熱田区中出町2丁目64番地 株式会社アンセイ内
【氏名】西尾 貴士 【住所又は居所】名古屋市熱田区中出町2丁目64番地 株式会社アンセイ内
【氏名】安藤 芳広 【住所又は居所】名古屋市熱田区中出町2丁目64番地 株式会社アンセイ内
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| 【要約】 |
【課題】自動車用ドアにガラス板を装着する工程の内、キャリアプレートに対してガラスの下縁を仮止して調整する作業がある。この作業をガラスが最上位置ではなく、上昇の途中にある時点で留め、キャリアプレートに対する調整作業を広々とした場所においてできるようにする。
【解決手段】ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結は、仮止め状態にしておき、ガラス板の上端が上部サッシュに達することのない途中位置に、不安定な状態で止め、ガラス板の後端と、サッシュの対向する溝内との間に離間部材を介設して位置決めし、その後、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結部の位置関係を調節し、固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車におけるドアには、前後及び上部にサッシュを配してなる窓を備えると共に、上昇状態では上記前後及び上部のサッシュにおける溝内に周縁を嵌合させた状態で窓を塞ぎ、窓を開放させるときは上記ドアの腰部内の空間に向けて下降させるようにしている上下動自在のガラス板を備え、さらに上記ドアの腰部内の空間にはドアガラス駆動装置を備え、そのドアガラス駆動装置は、窓枠に連なる枠部材と、その枠部材の上下の位置に対して配設されたプーリーと、上記枠部材に装着されている駆動部と、駆動部におけるドラムに巻付けされると共に上記のプーリーに張設されたワイヤーと、上記ドラムを回動させることによって往復動するワイヤーに対して装着することにより上下往復動させるようにしてあるキャリアプレートとを備えており、上記ガラス板の下部を上記キャリアプレートに連結することによって、上記ドラムを回動させて上記ワイヤーを移動させ、そのワイヤーに連なるキャリアプレートを介して上記ガラス板を前後のサッシュによって案内しながら上下動させるようにしてある自動車用ドアの組立方法において、上記ガラス板の下部と、キャリアプレートとの連結は、上記ガラス板の上端が上部サッシュに達することのない途中位置に止める工程と、上記ガラス板の前端(又は後端)の両側面を、前側(又は後側)のサッシュの溝の両側壁面の中間に位置させる為に前側(又は後側)サッシュの溝の両側壁面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記ガラス板の前端面(又は後端面)を、前側(又は後側)のサッシュの溝底面から一定の距離だけ離間させる為に前側(又は後側)サッシュの溝底面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記二つの位置決めする工程の次に、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結部の位置関係を調節する工程を含むことを特徴とする自動車用ドアの組立方法。 【請求項2】 断面がコの字形に形成された本体部分の両外面間の厚み寸法は、自動車におけるドアの前側(又は後側)のサッシュの溝内に挿入できるように、サッシュの溝幅に対応する厚みに設定され、本体部分の内側に形成された溝の幅寸法は、自動車におけるドアの窓を塞ぐ為のガラス板の板厚に対応する厚みに設定され、溝底の厚さ寸法は、本体部分をサッシュの溝内に挿入し、本体部分の溝底背面がサッシュの溝底面に当接した状態に於いて本体部分の溝底内面の位置が、設計上予定されているガラス板側端の上下動軌跡に対応するような厚みに設定され、さらに上記本体部分には、サッシュの溝内に挿入された状態の本体部分を引き出すことが出来るように摘み部が備えさせてあること特徴とする治具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両におけるヒンジドアや、スライドドア等の自動車用ドアに設けられる窓にガラス板を装着する場合に利用することのできる自動車用ドアの組立方法及びその組立方法に用いる治具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より広く知られている自動車用ドアの構成としては、例えば図1,図8に示されるようにガラス板を上昇させて上部に設ける窓を塞ぐようにしたものがある(例えば特開2001−1756号公報参照)。よって図1,図8を用いて従来の自動車用ドアの窓にガラス板を装着する場合の組立方法を説明する。なお、図1,8のものはガラス板の形状において後側が高く、前側が低く図のような略不等辺四角形になっているが、従来例にあっては前後の高さが略同じ矩形、梯形、菱形の形である場合もある。この場合も以下の組み立て方法と同じような組み立て方法が採用されている。 【0003】自動車用ドア1は、ドアパネルユニットと、ドアモジュールとを備えている。ドアパネルユニットは、ドア1の外壁面を構成するアウタパネル13と、アウタパネル13の車両内側に設けた補強部材と、ドア1を車体に取付けるためのヒンジ部材と、アウタパネル13の車両内側の周縁部に設けたインナパネルなどを備えている。一方、ドアモジュールは、ドアモジュールの骨格をなす枠構体を備えている。この枠構体は、車両前側に位置する前サッシュ6aと、車両後側に位置する後サッシュ6bと、ドアモジュールの最上部に位置する上部サッシュ6cと、上部サッシュ6cの下方に位置して水平方向に延びる中間枠6dと、ドアモジュールの最下部に位置する下枠6eなどからなる。上部サッシュ6cは、後述するドアガラス10の上縁10aに沿う形状となっている。枠構体にはドアガラス駆動装置20や、ドアラッチ機構、ラッチ操作機構(ドアインサイドハンドル)などが取付けられている。サッシュ6a,6b,6cとドアガラス駆動装置20およびドアガラス10などにより、ドアガラス昇降装置を構成している。ドアモジュールをドアパネルユニットに組込むには、周知のようにドアモジュールの後端部をアウタパネル13と後部インナパネルとの間に挿入したのち、ドアモジュールの前端部を車両内側からドアパネルユニットの前部インナパネルに重ねる方向に動かし、ドアモジュールの下端部をアウタパネル13と下部インナパネルとの間に落とし込む。そしてドアモジュールの前端部をボルトによって固定し、ドアモジュールの後端部をボルトによってドアパネルユニットに固定する。 【0004】図に示すようにドアガラス駆動装置20は、周知のように中間枠6dと下枠6eとの間に配された枠部材としてのベースプレート21と、このベースプレート21に固定一体化されて上下方向に延びる前後一対のフレーム22,23などを備えている。フレーム22,23の下端部は、下枠6eに固定されている。フレーム22,23の上端部と下端部に、それぞれ上プーリ26,28と下プーリ27,29が設けられている。またベースプレート21に、駆動プーリ(ドラムとも称される)25と、駆動プーリ25を回転させるためのモータ24から成る駆動部が設けられている。周知のモータは、車載バッテリ(図示せず)を電源とする正逆回転可能な減速ギヤ付DCモータである場合が多い。 【0005】これらの左右上下に配置されるプーリに、ワイヤケーブル等からなる1本(又は複数本)の索条体(ワイヤーとも称される)33〜35が上下方向及びX状にクロスした状態で巻掛けられている。即ちこの索条体は、図示のように後側の上プーリ26の前後に上下方向に張り渡された移動部33と、前側の上プーリ28の前後及び下プーリー27の前後に張り渡された移動部35と、下プーリ29の前後に張り渡された移動部34とを有している。プーリー26と29との間、プーリ27と28との間に位置する索条は図示のごとくX状になっている。30は索状33と、34に対して、図示のように、索条体全体に適度な張力を与えることによって索条体の伸びや弛みを吸収する周知のテンション部材(テンショナーとも称される)を示す。 【0006】ワイヤーの移動部33と移動部35及び移動部34の各々の一端部33a,35a,34aは、キャリアプレート38の両端に止着されている。そのキャリアプレート38は、ドアガラス10の下端10bをガラス受け39を介して支持するためにおおむね水平となるように固定されている。索条体33及び34の他端側は駆動プーリ(ドラム)25に係止され、かつ、ドアガラス10の昇降ストロークを許容できる長さ分が駆動プーリ25に巻取られている。索条体35の他端側35bも上記キャリアプレート38に図示の如く止着されている。従って駆動プーリ25が矢印57a方向に回転したときに、索条体は実線で示す矢印57方向に移動する。即ち、索条体33が駆動プーリ25から繰出されるとともに、ワイヤー34が駆動プーリ25の螺旋溝に巻取られ、索条の両側の移動部が互いに同期して下降することにより、キャリアプレート38とドアガラス10が一体となって下降する。また、駆動プーリ25が矢印57a方向とは逆方向に回転したときに、斜状部33が駆動プーリ25に巻取られるとともに、斜状部34が駆動プーリ25から繰出され、移動部が互いに同期して上昇することにより、キャリアプレート38とドアガラス10が一体に上昇することになる。 【0007】次に、ドアガラス10をキャリアプレート38に固定する手順について説明する。ドアガラス10の下端部10bをU字状のガラス支持部39に差し込むことにより、ガラス支持部39の底面によってドアガラス10の下端10bを仮受状に支持する。このとき、キャリアプレート38におけるガラス連結部としての透孔38aにねじ部材としてのナットを装着するが、これは完全には締付けずに弛めた状態にしておく。即ち、ドアガラス10がキャリアプレート38に対して上下左右方向にある程度移動でき、調節可能な状態にしておく。そしてドアガラス10を上昇させる方向にモータ24を回転させ、ドアガラス10を上部サッシュ6cに向かって上死点に至るまでいっぱいに上昇させる。 【0008】こうすることによりドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝の内に入り、溝の内の部材に当接する。このときガラス連結部の透孔38aの各ねじ部材は弛められている為、ドアガラス10がガラス支持部39を支点として、ガラス面に沿って上下方向に動きうるから、ドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝の内に入り両側から押付けられると、ドアガラス10の上縁10a全体が上部サッシュ6cの溝内のクッション部材に対して隙間なく当たるようにドアガラス10の姿勢(ガラス面に沿う上下方向の傾き)が自動的に調整される。 【0009】この状態、即ちドアガラス10の姿勢調整がなされた状態で、ガラス連結部の透孔38aにおいて、左右の寄りを調整した上で各ねじ部材としてのボルトとナットを締付ける。このボルトとナットを締付ける作業は中間枠6dと重合する位置で行う為、予め中間枠6dには図8に示されるようなガラス締付用の作業用の大きな孔6kを空けておき、その孔を利用して作業を行う。このような締め付け作業を行うことにより、ドアガラス10をキャリアプレート38に固定する。こうしてドアガラス10をキャリアプレート38に固定したのちは、ドアガラス10を降下させてもドアガラス10の姿勢は調整後の正規の状態に維持され、再びドアガラス10を全閉位置まで上昇させれば、ドアガラス10は設計上を予定された軌跡を通ってドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝内に対して隙間無く均等に接するように上昇することができるようになる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】この従来の自動車用ドアの組立方法では、ドアガラス10をキャリアプレート38に固定する場合、U字型のガラス支持部39の底面によってドアガラス10の下端10bを支持し、ガラス連結部の透孔38aにねじ部材としてのナットを装着するが、これは締付けずに弛めた状態にしておき、ドアガラス10を上部サッシュ6cに向かっていっぱいに上昇させ、ドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝の内に入り、溝内においては両側から押え付けられことによってドアガラス10の姿勢(ガラス面に沿う上下方向の傾き)を自動的に調整するようにする。従ってドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝の内に入った状態においてはキャリアプレート38は自動車用ドアに対して固有的に設けられる中間枠(ベルトラインとも称される)6dに重なる位置において停止する。このようにキャリアプレート38が中間枠6dに重なる位置において停止すると、キャリアプレート38に対してドアガラス10の下端部10bの左右の寄りを調整した上で各ねじ部材としてのボルトとナットを用いてキャリアプレート38にドアガラス10の下端部10bを最終的に締付ける作業は困難を伴う問題点があった。 【0011】本件出願の自動車用ドアの組立方法及びその組立方法に用いる治具は、上記従来技術の問題点を解決する為に提供するものである。本件出願の目的は、駆動装置におけるドラムを回動させることによって往復動するワイヤーに対して予めキャリアプレートを装着しておき、上記キャリアプレートによってガラス板を上下動させるようにする自動車用ドアの組立方法を提供しようとするものである。他の目的は、上記キャリアプレートに対してガラスの下縁を止着して調整する作業を広々とした場所においてできるようにした自動車用ドアの組立方法を提供しようとするものである。他の目的は、上記のように、上記キャリアプレートに対してガラスの下縁を装着する作業を広々とした場所においてを行うためには、上記ガラスの上縁を最上位置ではなく、上昇の途中、即ち、不安定な中間位置で留めなければならないが、そのようにガラスが不安定な状態で留めたものであっても、キャリアプレートとガラス板の下縁との装着が容易正確に行えるようにした自動車用ドアの組立方法を提供しようとするものである。他の目的は、上記キャリアプレートとガラス板の下縁との装着の時点において、上記のようにガラス上縁が上部サッシュに支えられない不安定な位置において留めるものであっても、その位置の修正は簡単な手段を施すことによって、設計上予定されたガラスの上下動軌跡位置に修正維持できるようにした自動車用ドアの組立方法を提供しようとするものである。他の目的は、上記ガラスの修正位置をガラス上昇の途中に定めるものであっても、極めて簡易な治具でもってガラスの位置を正しく修正ができるようにした自動車用ドアの組立方法を提供しようとするものである。他の目的は、ガラスを上昇途中において停止させて、その停止位置が設計上予定された軌跡より外れる状態であっても、これを正しく位置決めできることのできる自動車用ドアの組立方法に用いる治具を提供しようとするものである。他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。 【0012】 【課題を解決するための手段】本願発明における自動車用ドアの組立方法は、自動車におけるドアには、前後及び上部にサッシュを配してなる窓を備えると共に、上昇状態では上記前後及び上部のサッシュにおける溝内に周縁を嵌合させた状態で窓を塞ぎ、窓を開放させるときは上記ドアの腰部内の空間に向けて下降させるようにしている上下動自在のガラス板を備え、さらに上記ドアの腰部内の空間にはドアガラス駆動装置を備え、そのドアガラス駆動装置は、窓枠に連なる枠部材と、その枠部材の上下の位置に対して配設されたプーリーと、上記枠部材に装着されている駆動部と、駆動部におけるドラムに巻付けされると共に上記のプーリーに張設されたワイヤーと、上記ドラムを回動させることによって往復動するワイヤーに対して装着することにより上下往復動させるようにしてあるキャリアプレートとを備えており、上記ガラス板の下部を上記キャリアプレートに連結することによって、上記ドラムを回動させて上記ワイヤーを移動させ、そのワイヤーに連なるキャリアプレートを介して上記ガラス板を前後のサッシュによって案内しながら上下動させるようにしてある自動車用ドアの組立方法において、上記ガラス板の下部と、キャリアプレートとの連結は、上記ガラス板の上端が上部サッシュに達することのない途中位置に止める工程と、上記ガラス板の前端(又は後端)の両側面を、前側(又は後側)のサッシュの溝の両側壁面の中間に位置させる為に前側(又は後側)サッシュの溝の両側壁面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記ガラス板の前端面(又は後端面)を、前側(又は後側)のサッシュの溝底面から一定の距離だけ離間させる為に前側(又は後側)サッシュの溝底面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記二つの位置決めする工程の次に、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結部の位置関係を調節する工程を含むようにしたものである。 【0013】また自動車用ドアの組立方法に用いる治具は、断面がコの字形に形成された本体部分の両外面間の厚み寸法は、自動車におけるドアの前側(又は後側)のサッシュの溝内に挿入できるように、サッシュの溝幅に対応する厚みに設定され、本体部分の内側に形成された溝の幅寸法は、自動車におけるドアの窓を塞ぐ為のガラス板の板厚に対応する厚みに設定され、溝底の厚さ寸法は、本体部分をサッシュの溝内に挿入し、本体部分の溝底背面がサッシュの溝底面に当接した状態に於いて本体部分の溝底内面の位置が、設計上予定されているガラス板側端の上下動軌跡に対応するような厚みに設定され、さらに上記本体部分には、サッシュの溝内に挿入された状態の本体部分を引き出すことが出来るように摘み部が備えさせてあるものであればよい。 【0014】 【発明の実施の形態】以下本願発明の実施の形態を示す図1乃至図7について説明する。図1乃至図6の説明に当り、前述の図1、8と同符号を用いた構成、部材、取り扱い等の機能、性質、特徴、取扱い、操作等は、以下に於て加える新規な部材構成、組合せ等の説明に係わる部分の構成を除き、前述した説明と同旨と理解できるので、重複する説明は省略する。 【0015】自動車におけるドア1には、従来より広く知られているように前後及び上部にサッシュと称される窓枠6(6a、6b、6c)を配してなる窓5を備えると共に、上昇状態では上記前後及び上部のサッシュ(6a、6b、6c)における夫々の断面がコの字状に形成されている溝60内に周縁を嵌合させた状態で窓5を塞ぐようにしてあるガラス板10を備える。ガラス板10は窓を開放させるときは上記ドアの腰部3内の空間4に向けて下降させるようにしてある。さらに上記ドアの腰部3内の空間4には、従来より広く知られているようにドアガラス駆動装置20を備え、そのドアガラス駆動装置20は、パネル13に連なるように装着されている枠部材21と、この枠部材21におけるフレーム22、23の上下の位置に対して図示のように装着されているプーリー26,27,28,29と、上記枠部材21に図示のように装着されているワイヤー駆動部としてのモータ24により、又は周知のように手動ハンドルに連結されて回動されるドラム25と、これに巻付けされると共に上記のプーリーに張設されたワイヤー33,34,35とを備えており、更にモータ24を回動させて上記ドラム25を回動させ、その回動によって往復動する上記ワイヤー33,34,35に対して装着することにより上下往復動させるようにしてあるキャリアプレート38とを備えている。さらに上記ガラス板10の下部10bは上記キャリアプレート38に連結してある。この連結により、上記ドラム25を回動させて上記ワイヤー33,34,35を移動させ、そのワイヤーに連なるキャリアプレート38を介して上記ガラス板10を前後のサッシュ6a、6bによって案内しながら上下動させるようにしてある(以上の構成については前述の図1、8についての説明も参照)。 【0016】次に図2、図3、図4、図7に現れている治具について説明する。この治具70は、合成樹脂、金属など任意の硬質材で形成されており、これの本体部分70aの断面は図4に現れているようにコの字形に形成されている。本体部分70aの両外面間の厚み寸法Wは、自動車におけるドアの前又は後側のサッシュ(6a、6b)の溝60内に挿入できるように、サッシュの溝内の幅(介在物63の内側)W1に対応する厚みに設定されている。サッシュの溝内には、周知のように必要に応じて図4に示されるランチャンネルが図示のように配設される。即ち、両側にランチャンネルとも称されている弾力性のある周知の部材で形成された側部材63と、その側部材63から突出させた弾力性のある幅寄せ部材63aが介在物として配置され、底側には弾力性のある周知の部材で形成され、かつ、側部材63と一体材で形成された底部材62が介在物として配置されている。 【0017】本体部分70aの内側にはガラス挿入部73が備えられ、そこに形成された溝W2の幅寸法は、自動車におけるドアの窓を塞ぐ為のガラス板10の挿入、抜け脱を可能に板厚W3に対応する厚みに設定されている。溝底72の厚さ寸法W4は、本体部分70aをサッシュの溝60内に挿入し、本体部分の溝底72の背面72aがサッシュの溝底面62aに当接した状態に於いて、本体部分の溝底72の内面72bの位置が、装着完了状態において設計上予定されているガラス板側端10eの上下動軌跡11に対応存置できるような厚みに設定されている。さらに上記本体部分70aには、サッシュの溝内に対して図3、4に示す如く挿入され、両側の側面71aを広い面積に渡って、弾力性のある幅寄せ部材63a等の介在物に弾力的に当接させ、当接状態を均等化させた状態の本体部分を引き出すことが出来るように、摘み部74が一体的(一体成型)に備えさせてある。74aは指の差し込みを可能にする大きさの透孔を示す。 【0018】上記構成のものにおいて、自動車用ドアの組立方法を説明するまず上記ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結する手順について説明する。前記従来の場合と同様にドアガラス10の下端部10bをキャリアプレート38のU字状のガラス支持部39に差し込むことにより、ガラス支持部39の底面によってドアガラス10の下端10bを仮受状に支持する。このとき、ガラス連結部の透孔38aにねじ部材としてのナットを装着するが、これは完全には締付けずに弛めた状態にしておく。即ち、ドアガラス10がキャリアプレート38に対して上下、左右方向にある程度移動でき、調節可能な状態にしておく。そしてドアガラス10を上昇させる方向にモータ24を回転させ、ドアガラス10を上部サッシュ6cに向かって上昇させる。 【0019】この場合の上昇位置は、上記ガラス板10の上端が上部サッシュに達することのない途中位置(中間位置)10dに止める。これは上昇の途中であって上部サッシュ6cと、ベルトライン6dとの間の任意の位置に停止させる(図2参照)。その停止の場所の決定は、キャリアプレート38に対してガラスの下縁10bを止着して調整する作業を広々とした場所においてきる位置を選定する。この状態においては、ガラスの下縁10bにおけるガラス連結部の透孔38aの各ねじ部材は弛められていてキャリアプレート38に対して正式に止着されていないので、ドアガラス10の上縁10aは不安定な状態になっている。 【0020】次に(又は予め先に)上記ガラス板の前端(又は後端)10eの両側面(内外の両面)を、前側(又は後側)のサッシュ6a、6bの断面がコ字状の溝60の両側壁面61の中間に位置させる為に、前側(又は後側)サッシュの溝の両側壁面61の内側に離間部材であるところの側当部材71を夫々挿入して、溝の両側壁面の内側とガラス板の両側面との間に介設するようにする(図4参照)。側当部材71を介設する為の手段としては、ドアガラス10を上部サッシュ6cに向かって上昇させる過程において一旦停止させ、図3、4に示される位置において治具70の一部分を溝の内側に装着し、再びドアガラス10を上部サッシュ6cに向かって上昇させるとよい。そうするとドアガラス10の縁部10eは、図3、4に示されているように治具70における2つの側当部材71、71の内側に位置することになる。この状態では、ガラス板10は設計上予定されている位置よりも僅かに前側に寄せられる。他の介設する為の手段としては、ガラス板10の上端を上昇の途中であって上部サッシュ6cと、ベルトライン6dとの間の任意の位置に停止させ(図2参照)、その停止状態にあるガラス板の上端の前側(又は後側)サッシュの溝の両側壁面の内側に挿入されている部分に対して、上方より、治具70(離間部材であるところの側当部材71)の一部を溝の内側に図3、4に示される状態(背当部材72が底面の部材62に当たる状態)に挿入した状態でもってスライド状に下降させ、図3、4に示されるような位置関係にしてもよい。 【0021】こうすることによりドアガラス10の縁部10eは、図3、4に示されているように治具70における2つの側当部材71、71の内側と、背当部材72の内側に夫々当接して一体状態となる。また治具70の周囲も、夫々上記介在物63、62が存在する場合はそれを介在して、上記介在物63、62が存在しない場合は直接的にサッシュ6a、6bにおける溝の内側に当接して、サッシュにおける溝の内側とドアガラス10の縁部10eにおける周囲との位置関係を予定された通りのものに位置決めする。サッシュにおける溝の内側と、その溝の内側に挿入されているドアガラス10の縁部10eにおける周囲との位置関係を位置決めするときの作業状態は、ガラス連結部の透孔38aの各ねじ部材は弛められている為、ドアガラス10がガラス支持部39を支点として、ガラス面に沿って上下左右方向に動きうるから、ドアガラス10の縁部10eがサッシュ6a、6bの溝の内に入り両側周囲から治具70の側当部材71、71の内側と、背当部材72により押付けられると、ドアガラス10の縁部10e全体がサッシュ6a、6bの溝に対し予定されている位置に対応一致し、ドアガラス10の姿勢(ガラス面に沿う上下方向の傾き)が調整される。 【0022】この状態、即ちドアガラス10の姿勢調整がなされた状態で、ガラスの連結部に周知のように設けられている透孔と、キャリアプレート38の両側に設けられている透孔38a(図示の如く縦方向に長い長孔と、横方向に長い長孔)との間において、左右と上下の寄りを調整する等してガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結部38aの位置関係を調節する工程を施した後、各ねじ部材としてのボルトとナットを用いて両者を締付けることにより、ドアガラス10をキャリアプレート38に固定する。こうしてドアガラス10をキャリアプレート38に固定したのちは、摘み部74を指先で持って治具70をサッシュの溝に沿って上方へ引抜き、取外す。こうすることによりドアガラス10はサッシュから拘束が解かれ、自然な位置に戻る。この自然な状態では、ドアガラス10を降下させてもドアガラス10の姿勢は調整後の正規の状態に維持され、再びドアガラス10を全閉位置まで上昇させれば、ドアガラス10は設計上を予定された軌跡11を通ってドアガラス10の上縁10aが上部サッシュ6cの溝内に対して隙間無く均等に接するように上昇することができるようになる。 【0023】なお図5はガラス板10の上端を上昇させる途中において仮に停止させ、その状態においてガラス板10の後側に対して図2に示されるように治具70を装着した状態を示すものである。この状態にあっては、キャリアプレート38のガラス支持部39の底面によってドアガラス10の下端10bを仮受状に支持するものであるから、ガラス板10の上部は前後方向に動きやすく、治具70の影響を受けて前側サッシュ6aの溝の内に深く入り込む。従ってキャリアプレート38はその偏った状態を受けて図5の左方向に寄せられる状態となる。上記の状態においてガラス板10と、キャリアプレート38とを固着したのちは、治具70を抜き取る。すると上記サッシュ6a、6bにおける溝の内側と、ドアガラス10の前後の夫々の縁部10eにおける周囲との位置関係は設計上予定された通りの正確なものになる。即ち、ガラスの位置決めがなされた後はキャリアプレート38が図6に示されるように正常な位置に復帰し、その後のガラス板の上下方向の移動は、設計上予定された正しい軌跡を上下動するようになる。上記のような事情を考慮すると、治具70を用いての調整は前枠6a又は後枠6bいずれにおいても可能であるが、図2に示されるようにガラス板の重量が加わる後枠6bの方が作業しやすいように思われる。 【0024】前記自動車用ドアの組み立て方法の説明においては、図2に示されるように治具70をガラスの後側に挿入させた状態で組み立て作業を行わせたが、サッシュの傾きの具合、例えばサッシュが垂直になっている場合(ガラスの形状が矩形の形状或いは梯形形状になっている場合)によってはガラスの前側に挿入させた状態で組み立て作業を行ってもよい。或いは前後の両側に夫々1つの治具70を挿入させる状態で行っても良い。またキャリアプレート38のガラス支持部39の位置は、一般的には図6に示されるように中間位置であるがガラスの形状、特に重心位置が前又は後側にある場合は、そのことを考慮して前側又は後側に偏在させて設ける場合もある。なお図2に示される治具70の形状としては、車種、窓の大きさによって種々のものが構成されるが、本例においては、例えば、Wは5.5mm、W2は3.5mm、W4は3.5mm位に夫々設定される。W4の寸法はサッシュ6a,6bにおける底面相互間の寸法から、その間に位置するガラス板前縁と後縁相互間の寸法を差し引いた残りの隙間寸法(ほぼ3.5mm前後の寸法)に対応させてある。従って、図2の状態では、ガラス板の前縁10eはサッシュ6aの底面に接し、図1の状態では、ガラス板の前縁10eとサッシュ6aの底面との間には隙間が発生しており、後縁10eとサッシュ6bの底面との間には隙間が生じないようになっている。 【0025】 【発明の効果】以上のように本願発明は、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結を行う場合に、上記ガラス板の上端が上部サッシュに達することのない途中位置に止め、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結作業を行う為の場所が、中間枠よりも下方位置に止まるようにするものであるから、上記キャリアプレートに対するガラスの下縁を止着して調整する作業が広々とした場所において能率良く行える作業上の効果がある。 【0026】さらに本願発明にあっては、ガラス板の前端(又は後端)の両側面を、前側(又は後側)のサッシュの溝の両側壁面の中間に位置させる為に前側(又は後側)サッシュの溝の両側壁面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記ガラス板の前端面(又は後端面)を、前側(又は後側)のサッシュの溝底面から一定の距離だけ離間させる為に前側(又は後側)サッシュの溝底面の内側に離間部材を介設して位置決めする工程と、上記二つの位置決めする工程の次に、ガラス板の下部と、キャリアプレート38との連結部の位置関係を調節する工程を備えるものであるから、上記のように、上記キャリアプレートに対してガラスの下縁を装着する作業を広々とした場所においてを行うため、上記ガラスの上縁を最上位置ではなく、上昇の途中、即ち、不安定な中間位置に留めるものであるが、そのようにガラスが不安定な状態で留めたものであっても、上記のようにガラス板の側方の端部と、サッシュにおける側方の溝の内側とは一定の位置関係に止められるものであるから、キャリアプレートとガラス板の下縁との装着は極めて容易な場所で行っても、ガラス板の上下動軌跡は正確なものが得られるという画期的効果がある。 【0027】さらに本願発明にあっては、上記のようにガラス板の側方の端部と、サッシュにおける側方の溝の内側とを一定の位置関係に止める作業を行う場合に、ガラス板の側方の端部における形状と、サッシュにおける側方の溝の内側の形状等を考慮し、両者が設計上予定された一定の位置関係になるような補完的な部材を用いるものであるからその作業はきわめて手軽で迅速に行える作業上の効果が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591038587 【氏名又は名称】株式会社アンセイ 【住所又は居所】愛知県大府市北崎町大島30
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| 【出願日】 |
平成14年5月29日(2002.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066131 【弁理士】 【氏名又は名称】佐竹 弘 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341358(P2003−341358A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−156247(P2002−156247) |
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