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【発明の名称】 少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置
【発明者】 【氏名】ローラント バウアー

【要約】 【課題】部品と組立てステップの数が大幅に減らされ、乗員の安全性と動作の信頼性が高められるように、少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置を改良する。

【解決手段】本発明は、少なくとも1個のリッド10が透明なリッド板23とこの透明なリッド板23を支持するための支持体26を備えている、少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置に関する。リッド10は1個の二成分射出成形品であり、支持体26とリッド板23はそれぞれ合成樹脂で作られ、リッド板23と支持体26は少なくともほぼ同じ熱膨張係数を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1個のリッド(10)が透明なリッド板(23)とこの透明なリッド板(23)を支持するための支持体(26)を備えている、少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置において、リッド(10)が1個の二成分射出成形品であり、支持体(26)とリッド板(23)がそれぞれ合成樹脂で作られ、リッド板(23)と支持体(26)が少なくともほぼ同じ熱膨張係数を有することを特徴とする装置。
【請求項2】 装置がチルトスライドルーフであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】 装置がスライドルーフであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】 リッド板(23)が色つきであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】 少なくとも1個の排水ガター(11)が車両後部寄りの支持体(26)の端部に取付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】 少なくとも1個の排水ガター(11)の少なくとも一端(12)が開放していることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】 少なくとも1個の排水ガター(11)が少なくとも一方の開放した端部(12)に、少なくとも1個の水切りエッジ(20)を備えていることを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】 少なくとも1個の排水ガター(11)と少なくとも1個の水切りエッジ(20)と支持体(26)が1個の部品として製作されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】 支持体(26)がシールを収容するための溝(21)を備え、溝(21)を画成する壁部(22)が同時に、少なくとも1個の排水ガター(11)を画成する壁部(22)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1個のリッドが透明なリッド板とこの透明なリッド板を支持するための支持体を備えている、少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスリッドとして形成されたリッドが公知である(例えば特許文献1、2、3参照)。このリッドの場合、破損の危険が比較的に大きい。これは第1に、乗客の危険につながり、第2に機能障害につながる。
【0003】防眩板構造体を製作するための方法が公知である(例えば特許文献4参照)。そのためには内側の合成樹脂リッド板と外側のガラス板を備えた比較的に複雑な板構造体が必要である。この板構造体はかなりコストのかかる製作方法を必要とする。更に、ガラス板と合成樹脂板の異なる熱膨張係数が問題である。
【0004】リッドに固定されたチルトリンクが水切りガターを支持するキャリッジに連結されたスライドルーフ装置が公知である(例えば特許文献5、6参照)。それによって、水切りガターはキャリッジ上で車両縦方向に摺動可能であり、したがってルーフを開放する際にこのルーフに追従可能である。チルトリンクによって、リッドをチルトアップしたときに、水切りガターは雨水を収容するために所望な揺動位置を占める。しかし、この構造の場合、比較的に多数の部品を備えた比較的にコストのかかる機構と、比較的に高い組立てコストが必要であるという欠点がある。
【0005】スライドルーフの水ガター保持装置が公知である(例えば特許文献7参照)。この保持装置は、スライドルーフを組み込んだ際に取外し可能であるように形成されている。この装置も比較的に多数の部品からなり、したがって組立てが比較的に面倒である。
【0006】更に、フレーム構造体に一体化された雨ガターが公知である(例えば特許文献8、9参照)。この雨ガターはフレーム構造体の一方の側方部分からフレーム構造体の前側を経てフレーム構造体の他方の側方部分に延びている。したがって、雨ガターは、リッドの開放時に車両後部の方に流れる雨水を収容するために適していない。
【0007】金属薄板によって成形されたリッドが公知である(例えば特許文献10参照)。このリッドはそれに固定された雨ガターを備えている。この雨ガターはリッドに一体形成可能である。しかし、リッドと雨ガターを金属薄板から形成することにより、面倒でコストのかかる変形作業が必要である。
【0008】層板が成形された水ガターを備えた層板ルーフが公知である(例えば特許文献11参照)。この水ガターを備えた層板は押出し成形品であるので、この層板には押出し成形中に複雑なアンダーカットを形成することはできず、アンダーカットは、後で、若干のコストのかかる切削加工によって制限された範囲でのみ形成可能である。
【0009】
【特許文献1】独国特許第19637793号明細書【0010】
【特許文献2】独国実用新案登録第9016831号明細書【0011】
【特許文献3】独国特許第4238714号明細書【0012】
【特許文献4】独国特許出願公開第19630813号明細書【0013】
【特許文献5】独国特許出願公開第19827106号明細書【0014】
【特許文献6】独国特許第4405742号明細書【0015】
【特許文献7】独国特許第19623945明細書【0016】
【特許文献8】独国特許出願公開第3727720号明細書【0017】
【特許文献9】独国特許第3727719号明細書【0018】
【特許文献10】独国特許出願公告第1181076号明細書【0019】
【特許文献11】独国特許第4217151号明細書【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、部品と組立てステップの数が大幅に減らされ、乗員の安全性と動作の信頼性が高められるように、冒頭に述べた種類の装置を改良することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】この課題は、少なくとも1個のリッドが透明なリッド板とこの透明なリッド板を支持するための支持体を備えている、少なくとも1個のリッドを有する車両ルーフの少なくとも1つの開口を開閉する装置において、本発明により、リッドが1個の二成分射出成形品であり、支持体とリッド板がそれぞれ合成樹脂で作られ、リッド板と支持体の合成樹脂が、リッドの熱応力とそれに伴う装置の機能障害を回避するために、少なくともほぼ同じ熱膨張係数を有することによって解決される。それによって、多数の個々の部品の将来の在庫管理と、連続するいろいろな組立てステップが不要となり、したがって装置の製作コストが大幅に低減される。更に、慣用のガラスルーフの金属−ガラス−構造体と比較して、リッドの重量、ひいては車両全体の重量が低減される。合成樹脂はガラスのように脆くないので、本発明による装置によって、リッドの安定性と耐破損性が向上する。これは乗員の安全性と装置の運転にプラスに作用する。リッド板の材料としては、ポリカーボネートまたは専門家に知られているできるだけ耐衝撃性を有する他の合成樹脂が考えられ、支持体の材料としては例えば耐衝撃性を有するポリアミドが考えられる。
【0022】装置がチルトスライドルーフとしてあるいはスライドルーフとして形成されていると有利である。
【0023】リッドのガラスは色つきであってもよいし、専門家に知られている、太陽光線を遮断するための他の構造を有していてもよいので、乗員は太陽光線から保護される。
【0024】少なくとも1個の排水ガターを車両後部寄りの支持体の端部に取付けることができる。なぜなら、雨ガターを有するフレームが、リッドを収容するルーフ開口のエッジ範囲において、一般的に車両後部寄りの端部に形成されていないからである。勿論、少なくとも1個の排水ガターを、専門家にとって適当であると思われるリッドの他の範囲にも取付けることができる。
【0025】排出すべき雨水がガイドレールに設けた排出ガターに最適に流れるようにするために、少なくとも1個の排水ガターの少なくとも一端を開放することができる。
【0026】排出すべき水が少なくとも1個の排水ガターからガイドレール内に設けた雨ガターに正確に流れ、意図しない方法で、ガイドレール内に取付けた排出ガター以外に、ひいては車両内部に達しないようにするために、少なくとも1個の排水ガターは少なくとも一方の開放した端部に、少なくとも1個の水切りエッジを備えている。
【0027】少なくとも1個の排水ガターと少なくとも1個の水切りエッジと支持体が1個の部品として製作されているときわめて低コストである。なぜなら、その場合組立てコストと倉庫管理が大幅に低減されるからである。
【0028】支持体はシールを収容するための溝を備えている。この場合、溝を画成する壁部は同時に、少なくとも1個の排水ガターを画成する壁部である。それによって、支持体はその構造が簡単になる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、図を参照してスライドルーフ装置の有利な実施の形態を詳しく説明する。
【0030】図1のaとbは、詳しく示していないスライドルーフ装置のリッド10を示している。このリッド10は透明なリッド板23を支持する支持体26(図3)を備えている。リッド板23と支持体26は二成分射出成形品として形成されている。透明なリッド板23は、好ましくはポリカーボネートまたはできるだけ耐衝撃性を有する他の合成樹脂から作られ、支持体26は、例えばガラス繊維強化されたポリアミドから作られている。リッド10は更に、排水ガター11を備えている。雨水はこの排水ガター11を通って、ガイドレール内に配置された詳しく示していない排出ガター内に流れる。排水ガター11は、好ましくは車両後部寄りのリッド10の端部に取付けられている。なぜなら、雨水ガターを有するフレームが、リッドを収容するルーフ開口のエッジ範囲において、一般的に車両後部寄りの端部に形成されていないからである。壁部13は、リッド10のエッジの排水ガター11を画成し、したがって排出すべき雨水がリッドエッジから溢れないようにする。排出すべき水が排水ガター11からガイドレール内に取付けられた排出ガターに最適に流れるようにするために、排水ガター11は一端12が開放している。支持体26が排水ガター11と共に合成樹脂部品、特に射出成形された熱可塑性合成樹脂からなる合成樹脂部品として製作されると、リッド10をきわめて低コストで製作することができる。
【0031】図2のaは図1のaの詳細図であり、図2のbは図1のbの詳細図である。図2のaにおいて、排水ガター11はその開放した端部12に、水切りエッジ20を備えている。この水切りエッジ20は、流出する水を、排水ガター11からガイドレール内の図示していない排出ガターに滴下させる。それによって、水は排水ガター11から車両の内部範囲内に達しない。水切りエッジ20は上記の理由から、支持体26(図3)と排水ガター11と同様に、1個の部材として、特に熱可塑性合成樹脂から製作すると好都合である。更に、支持体26には、図示していないシールを収容するための溝21が設けられている。このシールによって、リッド10と車両ルーフがシールされる。溝21は壁部22によって画成されている。この壁部22は同時に排水ガター11の一方の側を画成する。したがって、壁部22が同時に2つの機能を発揮するので、リッド10は簡単な構造となる。
【0032】図2のbはリッド10を下側から見た詳細図である。リッド10を補強するための図示していない補強板が固定手段24を介して固定可能である。固定要素25は、補強板を所望な個所に収容および固定する働きをする。固定手段24と固定要素25は更に、リッド10を調節するために必要なリッド機構をリッド10に固定する働きをする。
【0033】図3は、本発明によるリッド10のいろいろな機能を2つだけの部品によって実現する態様をきわめて明瞭に示している。リッド板23を収容する支持体26は、排水ガター11と、溝21と、溝21と排水ガター11を画成する壁部22と、固定要素25と、固定手段24とを備えている。透明なリッド板23が同様に1個の合成樹脂部品であるので、支持体26と透明なリッド板23のすべての機能を有するリッド10の全体を、二成分射出成形方法で製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000108889
【氏名又は名称】ベバスト ジャパン株式会社
【出願日】 平成15年1月23日(2003.1.23)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
【公開番号】 特開2003−267055(P2003−267055A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2003−14587(P2003−14587)