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【発明の名称】 バン型車両の後部扉のストッパ装置
【発明者】 【氏名】菅原 昭彦
【住所又は居所】神奈川県厚木市上依知上ノ原3034番地 日本フルハーフ株式会社内

【要約】 【課題】1)扉の開放を規制する装置を構成するアームがボディ側に残ってこれが荷物の積み下しの邪魔にならないようにすること、及びドアストッパを壊すことのない構造とすること、2)ドックシェルターやプラットフォームに車両を後退させて着ける際に、回動位置を保持することが容易にできるようにして、効率的かつ安全な作業ができるストッパ装置を提供することを目的とする。

【解決手段】270°開放可能なバン型車両の後部扉を90°の開放角位置で停止させる開き止め装置であって、前記後部扉の内面に取付けられたブラケット1に回動可能かつ車両の側壁内面に向け付勢して取付けたアーム2と、前記車両の側壁内面に設けられ前記アームと係合してその移動を阻止する凹所を形成したアーム移動規制部材5と、前記アームの先端を前記凹所から脱出させてアームの再移動を可能にするアーム移動規制解除部材6とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 270°開放可能なバン型車両の後部扉を90°の開放角位置で停止させる開き止め装置であって、前記後部扉の内面に取付けられたブラケットに回動可能かつ車両の側壁内面に向け付勢して取付けたアームと、前記車両の側壁内面に設けられ前記アームと係合してその移動を阻止する凹所を形成したアーム移動規制部材と、前記アームの先端を前記凹所から脱出させてアームの再移動を可能にするアーム移動規制解除部材とを具備するバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【請求項2】 前記アームは後部扉の裏面に設けたブラケットに鉛直に取付けられた回転軸のまわりに水平方向に回転可能に取付けられ、かつスプリングでバン型車両の内側壁に向って付勢されたアーム取付ブラケットと、該アーム取付ブラケットの一端に取付けたU字型アームとからなる請求項1記載のバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【請求項3】 前記アーム移動規制部材は、バン型車両の内側壁面に取付けられたブラケットで構成され、該ブラケットには前記U字型アームの先端が係合する凹溝と、該凹溝への案内斜面と、前記凹溝と対向する舌片とを有していることを特徴とする請求項1記載のバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【請求項4】 前記アーム移動規制解除部材は、前記アームの回転軸の下方延出部に前記回転軸と直交し、後部扉と平行に設けたチェンジレバーと、前記回転軸の上方延出部に設けた下向U字状折曲部とからなり、該U字状折曲部の先端垂下片を前記アーム取付ブラケットの裏側に設けた傾斜面に当接させてなる請求項1記載のバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【請求項5】 請求項4記載のアーム移動規制解除部材を構成するチェンジレバーが、前記アームの回転軸の下端に前記回転軸を180°回動可能な位置に取付けられ、該180°回動したチェンジレバーの位置を後部扉に取付けたストッパブロックで固定可能にしたバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【請求項6】 前記後部扉に取付けたストッパブロックは断面U字状をなし、後部扉側にピン軸で上下に回転自在に取付けられ、チェンジレバーの位置固定用の切欠凹部を備えている請求項5記載のバン型車両の後部扉のストッパ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】現在、バン型車両は都市配送車として多く使用されている。バン型車両の後部扉(以下、単に扉という)は普通270°側方まで完全開放できるが、路上でこれを行うと他車や人に対し非常に邪魔になるし、又危険でもある。
【0002】そこで本発明は、このようなバン型車両等における270°開放可能な扉の90°開放位置(扉が車両の側部と略平行な位置)で自動的にその90°開放位置を規制することができる扉のストッパ装置に関し、さらには270°開放位置では前記ストッパ装置を構成する部材が作業の邪魔になるのを防ぐ装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来90°開放位置で扉の開放を停止させる装置は存在している。しかしこれはスプリングを用いたりして複雑な構造で、しかも前記スプリングが壊れやすく、機能不全に陥ることがあった。
【0004】図6はバン型車両の扉に設けられた開き止め装置の一例である(特開昭11−301276号公報参照)。これは、図6に示す如く、扉Dの裏面に向けてばねbにより回動付勢されたアームaを有し、このアームaは扉Dの開放に伴い扉Dとは異なる軸cの回りに回動して、先端dが扉Dの裏面上を相対移動する。扉Dの裏面に設けられた移動規制部材eの規制板fには凹所gが形成され、所定の開放角まで車両扉Dが開放された時に、裏面上を相対移動するアームaの先端dを受け入れてその移動を阻止する。ハンドルhを操作すると、規制解除カムiによりアームaの先端dが凹所gから脱出し、先端dの再移動が可能になって、再び扉Dを開閉回動させることができる。
【0005】このような構造の開き止め装置を設けた扉Dにおいて、扉Dが閉じている状態では、図6・bの鎖線で示すように、アームaはその中間位置が扉D上の規制板fの頂部に当接している。扉Dが開くと、その開放にともなってアームaは規制板fの頂部に当接しつつ先端の係止金具dが規制板fに近づくように相対移動し、さらに扉Dが開くにつれて係止金具dの先端が規制板fの頂面上に当接してこれに沿って移動する。そして、扉Dが図6・bに示す90度近くまで開放されると、上記係止金具dが規制板fの凹所g内に進入してこれと係合し、扉Dの回動が規制される。規制板fの凹所g内に進入した係止金具dに対して、凹所gの両側面はその移動方向に略直交する面になっているから、開閉方向への外力が作用しても扉Dは所定の開放位置に確実に保持される。
【0006】扉Dを閉鎖し、あるいは90度以上に開放したい場合には、ハンドルhを手前に引いて規制解除カムiにより係止金具dを凹所g外へ押し出す。なお、ハンドルhを手前に引いた状態で扉Dを開閉すれば、扉Dは90度付近で停止することなく大きく開放回動され、あるいは大きく開放した状態から90度付近で停止することなく閉鎖回動される。
【0007】以上述べた如く、扉のストッパ装置において、アームaの基軸cはボディ側にあるのが普通であった。しかし、アームaがボディ側で枢支されていると、1)アームaが荷物の積み下ろしに邪魔になること、及び2)ドックシェルターやプラットフォームに車両を後退させて付けた時、アームaが後向きに出張り、ドアストッパを壊す恐れがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】1)ドアストッパを構成するアームの回転基軸をボディ側でなく扉側に設けて扉を90°開放したとき、扉の開放を規制する装置を構成するアームがボディ側に残ってこれが荷物の積み下しの邪魔にならないようにすること、及びドアストッパを壊すことのない構造とすること、2)ドックシェルターやプラットフォームに車両を後退させて着ける際には、扉を270°開放するが、この時には手元のレバー操作で、90°開放時の扉の開放を規制する装置を構成するアームを180°回動し、その回動位置を保持することが容易にできるようにして、効率的かつ安全な作業ができるストッパ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】1)270°開放可能なバン型車両の後部扉を90°の開放角位置で停止させる開き止め装置であって、前記後部扉の内面に取付けられたブラケットに回動可能かつ車両の側壁内面に向け付勢して取付けたアームと、前記車両の側壁内面に設けられ前記アームと係合してその移動を阻止する凹所を形成したアーム移動規制部材と、前記アームの先端を前記凹所から脱出させてアームの再移動を可能にするアーム移動規制解除部材とを具備している。
2)前記1)の構成で、前記アームは後部扉の裏面に設けたブラケットに鉛直に取付けられた回転軸のまわりに水平方向に回転可能に取付けられ、かつスプリングでバン型車両の内側壁に向って付勢されたアーム取付ブラケットと、該アーム取付ブラケットの一端に取付けたU字型アームとからなってる。
3)前記1)の構成で、前記アーム移動規制部材は、バン型車両の内側壁面に取付けられたブラケットで構成され、該ブラケットには前記U字型アームの先端が係合する凹溝と、該凹溝への案内斜面と、前記凹溝と対向する舌片とを有している。
4)前記1)の構成で、前記アーム移動規制解除部材は、前記アームの回転軸の下方延出部に前記回転軸と直交し、後部扉と平行に設けたチェンジレバーと、前記回転軸の上方延出部に設けた下向U字状折曲部とからなり、該U字状折曲部の先端垂下片を前記アーム取付ブラケットの裏側に設けた傾斜面に当接させた。
5)前記4)の構成で、前記アーム移動規制解除部材を構成するチェンジレバーが、前記アームの回転軸の下端に前記回転軸を180°回動可能な位置に取付けられ、該180°回動したチェンジレバーの位置を後部扉に取付けたストッパブロックで固定可能にした。
6)前記5)の構成で、前記後部扉に取付けたストッパブロックは断面U字状をなし、後部扉側にピン軸で上下に回転自在に取付けられ、チェンジレバーの位置固定用の切欠凹部を備えた。
【0010】
【発明の実施の形態】図に基いて説明する。図1はバン型車両の扉Dに設けられたドアストッパ装置の90°開いた状態での全体斜視図である。図1において、扉Dの内壁面には断面U字状のブラケット1が固設され、該ブラケット1の上下の垂直壁1a,1aに回転軸3が回転可能に支持され、この回転軸3にアーム2を構成するアーム取付ブラケット2aが回転可能に取付けられている。アーム2は回転軸3に取付けられたアーム取付ブラケット2aと、これの一端に取付けられたU字状アーム2bとで構成されている。
【0011】U字状アーム2bはその先端でバン型車両の内側壁4の上部に固着されたアーム移動規制部材を構成するストッパホルダ5に設けた凹溝5aに係止されるとそれ以上扉Dが回動するのを防止する。ストッパホルダ5の扉D側は断面ハット型凸部5bをなし、断面ハット型凸部5bの反対側は中間に凹溝5aを挾んで車両の前方に向って傾斜する案内傾斜部5cとなっている。
【0012】前記凹溝5aは断面ハット型凸部5bと案内傾斜部5cとの中間位置にあり、断面ハット型凸部5bを横切って上下方向に設けられている。5dは凹溝5aの上部に設けた舌片で、案内傾斜部5cに案内されて上昇しつつ移動してきたU字状アーム2bの先端が、この舌片5dに当接すると、凹溝5aに落ち込んで、それ以上の移動が防止される。
【0013】前記回転軸3は前記U字状ブラケット1の上下の垂直壁1a,1aとアーム取付ブラケット2aを貫通し、回転軸3の上部の垂直壁1aを貫通した部分は、下向U字状に折曲げられていて、この折曲部3bの先端部がアーム取付ブラケット2aの傾斜面2cに当接している。上下部の垂直壁1a,1a間の回転軸3にはコイルスプリング3aが取付けられ、これによって、アーム取付ブラケット2aを介し、U字状アーム2bを常時図1のX方向即ち車両の内側壁4に向って付勢している。
【0014】回転軸3は下部の垂直壁1aを貫通してさらに垂直下方に延び、その下端には、チェンジレバー6が回転軸3と直角(扉Dと平行)に固着されている。7は扉Dの内面に固着されたL字状把手で、図4の如くこの把手7に人指指を添え、親指でチェンジレバー6を矢印方向に押しつけると、前記傾斜面2cに当接している回転軸3の上部折曲部3bを介し、アーム2を手前Y方向(図4)に押し上げ、U字状アーム2bの先端を凹溝5aから外すことができる。
【0015】(270°回転して作業するドックシェルターやプラットフォーム仕様)図2はドックシェルターやプラットフォーム作業仕様図で、図1の90°開放仕様の構成とはチェンジレバー6の取付け方を異にしている。即ちチェンジレバー6は図1の取付位置とは丁度180°反対方向を向いて回転軸3の下端に取付けられている。そして、チェンジレバー6に対応して、さらに前記L字状把手7にストッパブロック8がピン軸9で上下方向に回転可能に取付けられている。ストッパブロック8は、断面U字状をなし、把手7にピン軸9で、上下方向(図2・bの矢印Z)に回動可能に取付けられている。10はストッパブロック8の開口側に設けた切欠凹部で、図2・bの如くチェンジレバー6を180°回転したとき、ストッパブロック8を矢印Zと反対下向に下し、チェンジレバー6の先端に設けた傾斜部11をこの切欠凹部10に係合させる。かくして前記コイルスプリング3aの付勢力がチェンジレバー6に作用しているが、この切欠凹部10でチェンジレバー6が元の位置に戻るのを防ぐようになっている。即ち、扉Dが270°開放してアーム2を図5の符号2Dの位置にしたとき、アーム2がコイルスプリング3aで付勢されても、アーム2は車両の前方に向いており、図5の符号2Cの如く後方に突出しないようになっている。なおストッパブロック8の構成はこの構造に限定するものではなく、要はコイルスプリングの3a付勢力に抗して、チェンジレバー6の位置を保持できるものであればよい。
【0016】〔操作方法〕以上のような構成であって、図1と図5を参照してストッパ装置の操作方法を説明する。
【0017】(扉の閉鎖時)アーム2は図5の符号2Aの状態にある。即ち回転軸3に取付けたコイルスプリング3aの付勢により、アーム2は、バン型車両の内側壁4に向って付勢されている。
【0018】(90°開扉時)扉Dを徐々に開けると、扉Dはその回軸中心O(図5のヒンジ軸)のまわりに回動するが、アーム2もそれにつれて内壁面に沿って移動し、90°開放時には図5の符号2Bの位置にくる。すると、アーム2の先端はストッパホルダ5の案内傾斜面5cを摺動しつつ移動、舌片5dに当接して凹溝5aに落下して係合し、それ以上アーム2が移動するのを阻止し、扉Dはそれ以上開放できない。
【0019】逆に90°開扉状態から再び扉を閉じる際には、図4の如くこの把手7に人指指を添え、親指でチェンジレバー6を矢印方向に押しつけると、前記傾斜面2cに当接している回転軸3の上部折曲部3bを介し、アーム2を手前Y方向に押し上げ、U字状アーム2bの先端を凹溝5aから外すことができる。そして扉Dを徐々に閉じると、アーム2の先端が舌片5dからも外れ、閉じることができる。
【0020】(90°から270°開放して、ドックシェルターやプラットフォーム作業をする時)チェンジレバー6の取付を図2の仕様とする。即ちチェンジレバー6を図2・aの位置にし、さらにL字状把手7にストッパブロック8をピン軸9で取付けたものを使用する。さて図2の仕様で、90°以上開放する時にチェンジレバー6を図2・bの如くA方向に180°回し、ストッパブロック8の切欠凹部10でその位置を固定する。この状態でアーム2はストッパホルダ5の凹溝5aから外れるので、90°〜270°まで扉Dを開放でき、図5の符号2Dの状態にすることができる。
【0021】この図2による仕様での作業時には、チェンジレバー6でアーム2を回転軸3を介し180°回すことにより、アーム2は車両の前方向に回動し、バン型車両の後端より、アーム2の先端が出ない(図5の符号2D参照)。
【0022】このように、この操作が必要な場合には予めチェンジレバー6をドックシェルターやプラットフォーム仕様にしておく。即ち回転軸3の下端にチェンジレバー6を図2・aのように取り付けておき、チェンジレバー6の先端6aをもって図2・bの如く矢印A方向に180°回転させる。このときストッパブロック8をピン軸9の周りに矢印Z方向に回転させて、チェンジレバー6の180°回動の邪魔にならないようにしておく。180°回動したならば図2・bのようにストッパブロック8を図2・bの状態に戻し、チェンジレバー6の先端傾斜部11をストッパブロック8の切欠凹部10に係合させ、その位置に固定させる。かくしてドックシェルターやプラットフォーム等における作業時にアーム2が車両の後方を向かないので、アーム2の破損やドックシェルターの破損、あるいはアーム2が作業の邪魔にならなるのを防ぐことができる。
【0023】
【発明の効果】1)後部扉Dの90°開放時には、アーム2の先端が車両内壁側の移動規制部材の凹溝5aに落ち込んで自動的にストップし、90°開放位置を完全に保持できる。又閉鎖時にはチェンジレバー6の操作でドアストッパの解除を容易に行うことができるので運転手の作業量を軽減し、効率的な作業ができるようになった。
2)ドアストッパ装置を構成するアーム2の回転基軸を扉側に設けたので、扉Dを90°以上に開放したとき、アーム2が扉と反対側のボディ側にあるので、これが前方に突出せず、従ってドアストッパが荷物に接して壊れるようなことがなく安全なドアストッパ装置を提供できる。
3)270°開放して、ドックシェルターやプラットフォーム仕様にて作業する時には、チェンジレバー6の取付方向を変え、ストッパブロック8をさらに付け加えることにより、90°開放時と同様にチェンジレバー6の操作によってアーム2を180°回動し、これを側壁と平行位置に納めかつ、その位置を前向き位置で固定することができるので、これ又アーム2が後方に突出せず、ドックシェルターやプラットフォームにおける作業時でも安心して作業できる。
【出願人】 【識別番号】000229900
【氏名又は名称】日本フルハーフ株式会社
【住所又は居所】神奈川県厚木市上依知上ノ原3034番地
【出願日】 平成14年3月14日(2002.3.14)
【代理人】 【識別番号】100072936
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 勇 (外1名)
【公開番号】 特開2003−267053(P2003−267053A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−69583(P2002−69583)