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【発明の名称】 ウエザストリップの取付構造
【発明者】 【氏名】野崎 政博
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【要約】 【課題】自動車ドアの外表面幅を細くするとともに、ドアフレームと車体のドア開口縁との間の隙間幅を狭くすることができるウエザストリップの取付構造を提供すること。

【解決手段】ガラスラン40を嵌着するドアフレーム10の断面ほぼコ字形のチャンネル部11の車内側の隅角部110の外面に断面ほぼコ字形の凹部18を形成し、チャンネル部11の車内側に形成されたドアフレーム10の閉断面部15の上面に沿わせたウエザストリップ50の取付基部51の一端を、上記凹部18に係止してウエザストリップ50を取付け、閉断面部15の上方に位置するウエザストリップ50の中空シール部52を車体のドア開口縁20に圧接させる構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車のドアフレームと車体のドア開口縁との間をシールするウエザストリップの取付構造において、ウエザストリップは、取付基部と、取付基部から膨出する中空シール部を備え、一方、ドアフレームは、ガラスランを嵌着する断面ほぼコ字形のチャンネル部と、チャンネル部の車内側の側壁から膨出する閉断面部を備え、上記チャンネル部には、上記ドア開口縁と対向する底壁の車内側の端部から車内側の側面部に移行する隅角部の外面に、車内方向へ開口する凹部を形成し、該凹部に、ウエザストリップの取付基部の端部を嵌着せしめることを特徴とするウエザストリップの取付構造。
【請求項2】 上記チャンネル部の隅角部に、上記底壁を延長するように車内方向に突出する突出縁を形成し、該突出縁と、これと対向する上記閉断面部の上面との間に、断面ほぼコ字形の上記凹部を形成した請求項1記載のウエザストリップの取付構造。
【請求項3】 上記突出縁の先端には上記凹部内方向へ爪状に突出して上記ウエザストリップの取付基部の抜け止めをする係止突起を形成した請求項2記載のウエザストリップの取付構造。
【請求項4】 上記ウエザストリップの取付基部には、該基部から上記チャンネル部の底壁の外面に沿って車外方向に延出し、先端に、上記中空シール部よりも車外側の位置で上記ドア開口縁に当接するシールリップを形成した延出基部を具備する請求項1記載のウエザストリップの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエザストリップの取付構造、特に自動車のドアフレームに取付けられてドアフレームと車体のドア開口縁との間をシールするウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3および図4に示すように、自動車のドアフレーム10には、これに沿ってウエザストリップ50が取付けられ、ドアフレーム10と車体のドア開口縁20との間をシールする。
【0003】ドアフレーム10は一般に、ドアガラス60の外周部を挟むガラスラン40が嵌着される断面ほぼコ字形のチャンネル部11の車内側の側面に閉断面部15が形成され、チャンネル部11の外周にリテーナ16を設けた基本構造を有している。ウエザストリップ50は、ゴム等のスポンジ材からなり、取付基部51と、取付基部51から膨出する中空シール部52と、中空シール部52よりも車外側の位置で取付基部51から伸出するシールリップ53を備えており、取付基部51がドアフレーム10のリテーナ16に嵌着される。そしてドア閉時、中空シール部52およびシールリップ53が車体のドア開口縁20に圧接する。またドアフレーム10の閉断面部15が、ドア開口縁20の内奥部から突出するフランジ21に取付けられたオープニングウエザストリップ30に圧接する(特開2000−233467)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドアフレーム10の外表面幅を狭くしてドアフレーム10およびドアフレーム10まわりのデザイン自由度を大きくしたいとする要望がある。ドアフレーム10の外側壁は、チャンネル部11の車外側の側壁12から上方へ延出するフレーム突縁12aを備えている。このフレーム突縁12aの突出高さを極端に小さくするか、あるいはこれを完全に廃止すれば、ドアフレーム10の外表面幅を狭くすることができる。
【0005】しかしながら、そのようにするとドアフレーム10と車体のドア開口縁20との隙間幅を狭くする必要があるが、狭くすると、ドア開口縁20と対向するチャンネル部11の外周面に取付けられるウエザストリップ50の中空シール部50の設置スペースが確保できないという問題がある。
【0006】そこで図5に示すように、ドアフレーム10の閉断面部15の上面部をC字形凹状に形成してこれをリテーナ16aとし、リテーナ16aにウエザストリップ50の取付基部51を嵌着する構造にすれば、ドアフレーム10の外表面幅を狭くするとともに、ドアフレーム10と車体のドア開口縁20との隙間幅を狭くし、かつウエザストリップ50の設置スペースを確保することができる(特開平11−48791)。
【0007】しかしながら、このような構造にすると、次のような問題がある。すなわち、ドアフレーム10の閉断面部15の上面にリテーナ16aを形成すると、ドアフレーム10の加工が大変にやりにくくなる。また、閉断面部15の上面が低くなり、その分、閉断面部15の上下幅が狭くなってドアフレーム10の強度が低下する。そこでドアフレーム10の強度を確保するために閉断面部15の下面側を下方へ拡張すると、車室からの視野が狭められることになる。
【0008】本発明はかかる実情に鑑み、ドアフレーム強度を確保しつつ外表面幅を小さくすることができてドアフレームまわりのデザイン自由度を大きくし、かつウエザストリップの設置スペースが制約されないウエザストリップの取付構造を提供することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車のドアフレームと車体のドア開口縁との間をシールするウエザストリップの取付構造において、ウエザストリップは、取付基部と、取付基部から膨出する中空シール部を備え、一方、ドアフレームは、ガラスランを嵌着する断面ほぼコ字形のチャンネル部と、チャンネル部の車内側の側壁から膨出する閉断面部を備え、上記チャンネル部には、上記ドア開口縁と対向する底壁の車内側の端部から車内側の側面部に移行する隅角部の外面に、車内方向へ開口する凹部を形成し、該凹部に、ウエザストリップの取付基部の端部を嵌着せしめる(請求項1)。
【0010】請求項1の発明では、ドアフレームのチャンネル部の車内側の隅角部にウエザストリップを取付けるようにしたから、車体のドア開口縁とドアフレームの外周面との隙間幅によってウエザストリップの設置スペースが制約されることはない。また、ドアフレームの閉断面部上面に凹状のウエザストリップ取付け用リテーナを設けないから、ウエザストリップの取付けによる閉断面部の上下幅への影響が少なくてすみ、かつドアフレームの加工も容易である。
【0011】また本発明は、上記チャンネル部の隅角部に、上記底壁を延長するように車内方向に突出する突出縁を形成し、該突出縁と、これと対向する上記閉断面部の上面との間に、断面ほぼコ字形の上記凹部を形成する(請求項2)。請求項2の発明によれば、ドアフレームのチャンネル部に上記突出縁を形成することで、ウエザストリップ取付け用の上記凹部を容易に形成することができる。
【0012】また本発明は、上記突出縁の先端には上記凹部内方向へ爪状に突出して上記ウエザストリップの取付基部の抜け止めをする係止突起を形成する(請求項3)。請求項3の発明により、ウエザストリップを上記凹部に確実に係止せしめることができる。
【0013】また本発明では、ウエザストリップの取付基部に、該基部から上記チャンネル部の底壁の外面に沿って車外方向に延出し、先端に、上記中空シール部よりも車外側の位置で上記ドア開口縁に当接するシールリップを形成した延出基部を具備せしめる(請求項4)。延出基部のシールリップにより車体のドア開口縁とドアフレームとの間の隙間の外端が閉じられる。延出基部は、取付基部と一体でも、また別体でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のウエザストリップ取付構造の第1の実施形態の図3のY−Y線に沿う位置での断面を示すものである。
【0015】ドアフレーム10は1枚の金属パネルを曲げ加工して形成したもので、チャンネル部11と閉断面部15を一体に備えている。チャンネル部11は断面ほぼコ字形で、ドアガラス60の外周部をその両面から挟むリップ41,42を備えたガラスラン40が嵌着される。
【0016】チャンネル部11は、相対向する車外側の側壁12および車内側の側壁13と、これら両側壁12,13をつなぐ底壁14とで断面ほぼコ字形に形成してある。車内側の側壁13のパネルは先端で車内方向へ屈曲し、パネルは断面ほぼU字形に湾曲して側壁13の上端部に接合し、チャンネル部11の車内側の隅角部110および底壁14に重ね合わされ底壁14の外端まで延びている。そして側壁13とU字形のパネルとでほぼD字形の閉断面部15を形成している。
【0017】一方、チャンネル部11の車外側の側壁12のパネルは、先端で折り返されて2枚重ねとなり、屈曲して2枚重ねにされた底壁14の上に重ねられて底壁14を延長するように車内方向へ上記隅角部110を越えて延び、隅角部110を越えて延出する突出縁16の先端は閉断面部15側へ爪状ないしは釣り針状に突出してウエザストリップ係止用の係止突起17を形成している。
【0018】このようにドアフレーム10のパネルを曲げ成形することで、チャンネル部11の車内側の隅角部110の外面に、該隅角部110から車内側に延出して先端に係止突起17を設けた突出縁16と、隅角部110直下の車内側の側壁13の上端部と、平面状に形成された閉断面部15の上面の突出縁16との対向部とで、車内方向へ開口する断面ほぼコ字形のウエザストリップ取付け用の凹部18を形成する。
【0019】ドアフレーム10に取付けられるウエザストリップ50は、ゴム状弾性体、例えばEPDMゴムやオレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形体で、厚板状の取付基部51と、取付基部51の幅方向のほぼ中間から若干起立して車外方向へ延出する板状の延出基部51aと、取付基部51の車内側の端部と延出基部51aの車内側の端部とをほぼ円弧状につなぐ中空シール部52を備えている。取付基部51および延出基部51aはソリッド材からなり、中空シール部52はスポンジ材からなる。。
【0020】取付基部51の底面にはリップ状の突起511が形成してある。また取付基部51の車外側の端部には、上方へ突出するリップ状の突起512が形成してある。また延長基部51aの先端には上方へ向けて突出する短いシールリップ53が形成してある。
【0021】ウエザストリップ50は、取付基部51の底面を閉断面部15の平面状の上面に沿わせるようにして取付基部15の車外側の端部をドアフレーム10の上記凹部18に嵌入し、突起512を凹部18の開口縁の係止突起17に係合せしめるとともに、延長基部51aの下面をドアフレーム10の底壁14外面に両面接着テープ55で接着することでドアフレーム10に取付けられる。
【0022】ドア閉時、ドアフレーム10の閉断面部15の内端が、車体のドア開口縁20の内奥部に設けたフランジ21に取付けられたオープニングウエザストリップ30のシール部31に圧接する。同時にウエザストリップ50の中空シール部52がドア開口縁20に圧接するとともに延長基部51a先端のシールリップ53がドア開口縁20の外端に圧接する。
【0023】ドアフレーム10の外壁は、上方へ突出するフレーム突縁が形成されていないから、その分、ドアフレーム10とドア開口縁20との隙間幅は小さくしてある。しかしながらウエザストリップ50は、その取付基部51の一端がドアフレーム10の車内側の隅角部110直下の凹部18に係止されて閉断面部15の上面に沿って配設されているから、中空シール部52を、シール性能が充分に発揮される高さに形成することができる。
【0024】また、閉断面部15の上面にC字形凹状のリテーナを形成してこれにウエザストリップを取付ける取付構造に比べ、閉断面部15の上面は平板状であるから、ドアフレーム10の加工が遙かに容易である。また閉断面部15の上面に上記リテーナを形成したものよりも閉断面部15の上面の高さを高くでき、その分、閉断面部15の断面積が大きく、ドアフレーム10の強度が大きい。
【0025】また、ドアフレーム10の外壁にフレーム突縁を設けないからドアフレーム10の外壁を細くすることができる。また細くすることでドア開口縁20の外端にモールを設置することが可能になる等、ドアフレームおよびそのまわりのデザイン自由度が大きくなる。
【0026】またフレーム突縁を省略してドアフレーム10の外壁を細くすれば、ドアフレーム10の塗装も容易となる。また、ドアフレーム10の車体のルーフサイドに沿う上枠部と、センタピラーに沿う縦枠部とをドアフレーム10のコーナ部で溶接する場合、溶接作業が容易になる。
【0027】図2は本発明の第2の実施形態を示すもので、ウエザストリップ50の延長基部51bは、中空シール部52と一体成形された取付基部51に車内側の端末を突き合わせ、ドアフレーム10のチャンネル部11の底壁14に両面接着テープ55、またはクリップにより固定される。ドアフレーム10は、1枚の板金を折曲げてチャンネル部11の車内側の側壁13と、底壁14と、閉断面部15を形成し、別の1枚の板金でチャンネル部11の車外側の側壁12と、突起17を備えた突出縁16を形成し、両板金が底壁14の部分で重合され接合されて構成されている。他の構造は図1に示す第1の実施形態と実質的に同じであり、対応部分は同一符号で示す。
【0028】
【発明の効果】本発明は、断面ほばコ字形のガラスラン取付け用のチャンネル部と、チャンネル部の車内側の側壁から膨出する閉断面部を備えたドアフレームにウエザストリップを取付ける取付構造において、ウエザストリップの取付基部を、チャンネル部の車内側の隅角部の直下位置に形成した凹部に係止せしめる構造としたから、ウエザストリップの中空シール部のドアフレームからの突出高さを低くすることができ、これによりドアフレームの外壁の幅を細くするとともにドアフレームと車体のドア開口縁との間の隙間幅を小さくすることができ、ドアフレームおよびドアフレームまわりのデザイン自由度が大きくなる。
【0029】また、ドアフレームの外壁の幅を細くできるので、ドアフレームの塗装も容易となり、かつフレーム部材をドアフレームのコーナ部で溶接する場合の溶接作業も容易となる。更に、ドアフレームの閉断面部の上面にウエザストリップ取付け用のリテーナを形成する必要がないから、ドアフレームの加工が複雑化することがなく、かつ閉断面部の強度を低下させることがない。
【出願人】 【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
【公開番号】 特開2003−191755(P2003−191755A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−395634(P2001−395634)