| 【発明の名称】 |
サンルーフ構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉浦 巧 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士重工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】サンルーフとしての機能を何ら阻害することなく、車室側からの見栄えを向上させることのできるサンルーフ構造を提供すること。
【解決手段】このサンルーフ構造は、サンルーフ閉時に車両ルーフパネル10上に開口されたサンルーフ用開口部を閉塞し、サンルーフ開時にルーフ内部に収納される可動リッド1と、可動リッド1を車両前後方向に移動させるルーフ移動手段と、可動リッド1の移動経路の両側に沿って配置された一対のサイドレール2とを有しており、可動リッド1の下面後端縁に沿って、下方に垂下された弾性体9が取り付けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サンルーフ閉時に車両ルーフパネル上に開口されたサンルーフ用開口部を閉塞し、サンルーフ開時にルーフ内部に収納される可動リッドと、前記可動リッドを車両前後方向に移動させるルーフ移動手段と、前記可動リッドの移動経路の両側に沿って配置された一対のサイドレールとを備えたサンルーフ構造において、前記可動リッドの下面の少なくとも後端縁に沿って、下方に垂下された弾性体が取り付けられていることを特徴とするサンルーフ構造。 【請求項2】 前記移動手段が、サンルーフ開動作時に前記可動リッドを下方及び後方に移動させるものであり、前記可動リッドと共に後方に移動可能なドレインプレートが、一対の前記サイドレールにほぼ直角となるように前記可動リッドの後端縁下方に配設されており、前記弾性体が、サンルーフ開動作時に前記ドレインプレート上面に押圧されて変形することを特徴とする請求項1に記載のサンルーフ構造。 【請求項3】 前記弾性体の両端部が、前記可動リッドの側縁側にまで回り込むように延設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンルーフ構造。 【請求項4】 前記移動手段が、前記可動リッドを下方より支持しつつ前記サイドレールに沿って移動させる少なくとも一対のブラケットを有しており、前記弾性体の両端部が、最後方寄りの前記ブラケットの裏側に位置していることを特徴とする請求項3に記載のサンルーフ構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両のルーフ部に設けられているサンルーフの構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両のルーフ部に開閉可能なサンルーフが設けられている車両が存在する。このサンルーフは車室内への採光や空気循環口として用いられている。サンルーフの開閉部分は、屋根と同じ金属板で構成されたり、ガラスで構成される。サンルーフの開閉形態としては、後端のみを上方に上昇させる形態(チルトアップ)や、後方にスライドしてルーフ内部に引き込む形態などがある。 【0003】後者のルーフ内部に引き込む形態では、図9に示されるように、ルーフ(アウター)パネル110と車室側のルーフトリム(または、ルーフインナーパネル)111との間にサンルーフの可動リッド101を収納する隙間が形成されることとなる。サンルーフの可動リッド101は、サンルーフ閉時にはその上面をルーフ外面と一致させており、サンルーフ開時には一段下げられてから(あるいは下げられつつ)スライドされてルーフ内部に収納される。このため、上述した隙間はどうしても必要である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、車室側からこの隙間を通してルーフパネル裏側の車体塗装面やスポット痕などが見えてしまい(図9中の矢印参照)見栄えを低下させることがあり、見栄えを向上させるためのさらなる改良が望まれていた。特に、サンルーフ開口部周辺でも、可動リッド101が収納される方向(通常は車両後方側)にはその収納を阻害するものを配置できないので隙間から内部が見えやすくなってしまう。 【0005】本発明の課題は、サンルーフとしての機能を何ら阻害することなく、車室側からの見栄えを向上させることのできるサンルーフ構造を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載のサンルーフ構造は、サンルーフ閉時に車両ルーフパネル上に開口されたサンルーフ用開口部を閉塞し、サンルーフ開時にルーフ内部に収納される可動リッドと、可動リッドを車両前後方向に移動させるルーフ移動手段と、可動リッドの移動経路の両側に沿って配置された一対のサイドレールとをており、可動リッドの少なくとも下面後端縁に沿って、下方に垂下された弾性体が取り付けられていることを特徴としている。 【0007】この請求項1に記載のサンルーフ構造によれば、可動リッドの下面後端縁に沿って取り付けられた弾性体によって、車室側からルーフ内部への視線を遮り、ルーフ内部が見えなようにして見栄えを向上させることができる。 【0008】また、請求項2に記載のサンルーフ構造は、請求項1に記載のサンルーフ構造において、移動手段が、サンルーフ開動作時に可動リッドを下方及び後方に移動させるものであり、可動リッドと共に後方に移動可能なドレインプレートが、一対のサイドレールにほぼ直角となるように可動リッドの後端縁下方に配設されており、弾性体が、サンルーフ開動作時にドレインプレート上面に押圧されて変形することを特徴としている。 【0009】この請求項2に記載のサンルーフ構造によれば、弾性体がサンルーフ開動作時にドレインプレート上面に押圧され、弾性体とドレインプレートとの間の隙間がなくなるため、ルーフ内部への視線を完全に遮ることができ、更なる見栄えの向上を実現することがができる。 【0010】また、請求項3に記載のサンルーフ構造は、請求項1又は2に記載のサンルーフ構造において、弾性体の両端部が、可動リッドの側縁側にまで回り込むように延設されていることを特徴としている。 【0011】この請求項3に記載のサンルーフ構造によれば、弾性体がは可動リッドの側方まで回り込んで取り付けられているため、サンルーフ閉時に可動リッドの後ろ寄り側方に形成される隙間からルーフ内部への視線をも遮って、更なる見栄えの向上を実現することができる。 【0012】また、請求項4に記載のサンルーフ構造は、請求項1に記載のサンルーフ構造において、移動手段が、可動リッドを下方より支持しつつサイドレールに沿って移動させる少なくとも一対のブラケットを有しており、弾性体の両端部が、最後方寄りのブラケットの裏側に位置していることを特徴としている。 【0013】この請求項4に記載のサンルーフ構造によれば、弾性体の両端部が最後方寄りのブラケットの裏側に位置しているため、弾性体の連続した表面が突然途切れることによる違和感をなくすことができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明のサンルーフ構造の実施の形態について説明する。図1には、本実施の形態のサンルーフ構造を有するサンルーフモジュールが示されている。図1には、ルーフパネルや車室側のルーフトリムなどは示されていない。図1に示されるサンルーフモジュールは、開閉される可動リッド1を除いてルーフ内部に収納されている。可動リッド1は、サンルーフ閉時にはルーフ表面と同一平面を形成し、サンルーフ開時にはルーフ内部に収納される。 【0015】図1に示されるように、サンルーフモジュールは、一対のサイドレール2と、この一対のサイドレール2に対してほぼ直角となるように結合されたフロントフレーム3、センターフレーム4及びリヤフレーム5とからなる梯子状の構造を有している。フロントフレーム3、センターフレーム4及びリヤフレーム5は、それぞれその両端が各サイドレール2に固定されている。一対のサイドレール2間には、上側に可動リッド1がスライド可能に配置され、下側にシェード6がスライド可能に配置されている。シェード6は車室側から乗員によって直接開閉されるが、可動リッド1はリヤフレーム5に取り付けられたモータ5a及びワイヤ5bによって後述するブラケット7を介して開閉される。モータ5a、ワイヤ5bサイドレール2及びブラケット7とそれに付随するリンク機構などは、可動リッド1を車両前後方向に移動させる移動手段として機能している。 【0016】本実施の形態のサンルーフは、可動リッド1がガラスで構成されたガラスサンルーフである。可動リッド1は、主として、板ガラス(合わせガラス)1aとリテーナ1bとからなる。板ガラス1aの下面外周には後述するブラケット7などとの結合を容易にするために金属製のリテーナ1bが取り付けられている。板ガラス1aとリテーナ1bとは、両者間に充填されるシール剤やリッド外周に取り付けられるストリップやモールなどで一体化されている。可動リッド1の外周には、ウェザーストリップも取り付けられている。そして、リテーナ1bの後方寄り及び前方寄りの各両側部(計四ヵ所)には、ブラケット7が結合されている。 【0017】ブラケット7は、下方のリンク機構(図5〜図8参照)と連結されており、サンルーフ開時には可動リッド1を下方に降下させつつルーフ内部方向(車両後方)に移動させる。また、可動リッド1の後端縁下方には、ドレインプレート8が配置されている。ドレインプレート8は、サンルーフ開時などに可動リッド1の上面に溜まっていた水滴などが下方に滴下した際に、これらを捕集してサイドレール2のドリップ部(排出溝部)まで案内するものである。ドレインプレート8は、上述したブラケット7やリンク機構と共に後方に移動可能で、常に可動リッド1の後端縁下方に位置している。 【0018】そして、本実施の形態の特徴ともいえる弾性体9が、図1及び図2に示されるように、可動リッド1の後端に沿って取り付けられている。図2には、図1には示されていないルーフパネル10や車室側のルーフトリム11が示されている。弾性体9は、可動リッド1の側面側にまで回り込んで取り付けられており、その両端部は最後方寄りの一対のブラケット7の裏側(車両外側)にそれぞれ位置されている。弾性体9は、上下方向に多少の高さを持って形成されており、可動リッド1の下面から下方に向けて垂下されている。 【0019】このような弾性体9を取り付けることによって、車室側からルーフ内部への視線を遮り、ルーフ内部が見えなようにして見栄えを向上させることができる。弾性体9は、ルーフ内部への視線を遮ることによって見栄えを向上させるだけでなく、それ自体の凹凸のない(少ない)表面を見せることでも見栄えを向上させている。本実施の形態の弾性体9の表面は、内装色と統一のとれた色彩を施されており、ここではルーフトリム11と同色とされている。 【0020】また、弾性体9は可動リッド1の側方まで回り込んで取り付けられているので、サンルーフ閉時に可動リッド1の後ろ寄り側方に形成される隙間からルーフ内部への視線をも遮って、さらなる見栄えの向上を実現している。また、弾性体9が可動リッド1に対してU字形に取り付けられているので、弾性体9の可動リッド1への結合強度が向上され、その形状保持性が向上されている。さらに、この側方まで延設された弾性体9の両端部は、上述したように最後方のブラケット7の裏側にそれぞれ位置されている。このため、弾性体9の連続した表面が突然とぎれることによる違和感(面の不連続性)がブラケット7によって隠されるため、見栄え感のさらなる向上を実現している。なお、弾性体9がブラケット7の裏側でとぎれても、ブラケット7自体もルーフ内部への視線を遮る効果を有しているのでルーフ内部への視線を遮る効果は連続している。 【0021】なお、この弾性体9を設けることによってサンルーフとしての機能が損なわれることはない。上述したように、このサンルーフ開時には、可動リッド1は下方に降下された後(あるいは、降下されつつ)車両後方(可動リッド1のルーフ内部への収納方向)にスライドされる。このため、弾性体9が可動リッド1の降下を阻害することが懸念されるが、このようなことはない。以下、サンルーフ開時の可動リッド1の動きと共に、このとき弾性体9がどのようになるかを図3〜図8を参照しつつ説明する。 【0022】図3及び図4は、車両中央における車両前後方向に平行な平面を切断線とした場合の端面図である。図3及び図4は、車両左側から見た図であり、図中右方が車両後方である。図5及び図6は、車両左側のブラケット部を車両外側から見た側面図である。図7及び図8は、図5におけるVII-VII線を切断面とする端面図である。図7及び図8も、車両左側のブラケット部を示しており、図中奥側が車両前方である。図3、図5及び図7がサンルーフ閉時の状態を示しており、図4、図6及び図8がサンルーフ開時において可動リッド1が最下位置に降下された状態を示している。 【0023】図3及び図4に示されるように、ドレインプレート8の前方側縁部には、両端近傍部を除いてゴム製のストリップ8aが取り付けられている。ストリップ8aは、ドレインプレート8内から捕集した水滴が車室内にさらに滴下・飛散するのを防止している。このストリップ8aは、上方から押されることによって図4に示されるように潰れることができるようになっている。このため、初期状態(サンルーフ閉状態)での可動リッド1とドレインプレート8との間の隙間の寸法を当初から小さく設定することができる。 【0024】本実施の形態では、さらに弾性体9が可動リッド1の下面に取り付けられている。この結果、車室側からの視線は弾性体9によって遮られ、ルーフ内部の露出を防止できている。そして、可動リッド1が下方に降下されると、図4に示されるように弾性体9はドレインプレート8の内部に押しつけられて潰れるように変形する。弾性体9が変形するので、可動リッド1の降下量が減るようなことはなく、十分な降下量が確保でき、可動リッド1はルーフ内部に収納され得る。なお、このときストリップ8aも潰れるように変形し、可動リッド1の降下量を十分に確保することに寄与している。 【0025】弾性体9は、可動リッド1の側方にまで回り込むように設定されている。このため、弾性体9が可動リッド1の側方に回り込んでいる部分では、図5及び図6に示されるように弾性体9とドレインプレート8の前端縁とが干渉する。しかし、この場合も弾性体9は、図6に示されるように容易に変形し、可動リッド1の降下量を減じさせてしまうようなことはない。なお、最後方のブラケット7は、第一リンク部材13に揺動可能に取り付けられ、この第一リンク部材13はさらに下方の第二リンク部材14のスリット(カムプロフィール)にカム軸を介して取り付けられている。また、第一リンク部材13の後端には第三リンク部材15の前端が取り付けられており、第三リンク部材15の後端がドレインプレート8に連結されている。 【0026】サンルーフ開時には、上述したモータ5aが駆動され、ワイヤ5bを介して第二リンク部材14がサイドレール2上を車両後方に向けて移動される。これに伴って、第一リンク部材13が第二リンク部材14のスリットに従って下方に移動されると共に、ブラケット7は後端を下げつつ図6に示される状態まで降下される。実際には、前側の一対のブラケット7(図1参照)も協働して可動リッド1を降下させる。 【0027】図6の状態からさらにワイヤ5bによって第二リンク部材14が後方にスライドされると、可動リッド1がルーフ内に収納されていく。このとき、第一リンク部材13と第三リンク部材15を介して連結されたドレインプレート8も可動リッド1と共にルーフ内部に収納される。なお、図7及び図8に示されるように、弾性体9の可動リッド1の側方に回り込んだ部分は、これらのリンク部材よりも車両外側のサイドレール2のドリップ部の上方に位置しており、弾性体とリンク機構とが干渉することはない。ドリップ部は、ドレインプレート8によって捕集した水滴などを捕集して車外に排出する際に雨樋のような役目を果たす部分である。このように、弾性体9を設置することによって可動リッド1の降下やスライド動作が阻害されることはない。 【0028】本発明のサンルーフ構造は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態においては、弾性体9が可動リッド1と共にスライドするドレインプレート8に押しつけられた。しかし、弾性体が押しつけられるのはドレインプレートに限定されるものではない。また、可動リッド1の降下及びスライドに関しても、種々の形態が考えられる。例えば、サンルーフ開動作開始後、可動リッドの後端側のみが降下し、可動リッドのスライド動に連動して徐々に前端側が降下されるようになっていても良いし、可動リッド全体が降下した後、スライドが開始されても良い。あるいは、可動リッドの降下とスライドがほぼ同時に開始され、最下方位置に降下した後はスライドのみが行われるようであっても良い。 【0029】 【発明の効果】本発明のサンルーフ構造によれば、上述した弾性体を設けることによって、サンルーフの機能を何ら阻害することなくルーフ内部への視線を遮断して良好な見栄え感を実現することができる。このとき、視線を遮るのに弾性変形可能な弾性体を用いて、可動リッドの降下量を十分に確保することと、弾性体の高さを高くして視線遮蔽効果を十分に得ることとを両立することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月28日(2001.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112427 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 芳洋
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| 【公開番号】 |
特開2003−191754(P2003−191754A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月9日(2003.7.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−398891(P2001−398891) |
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