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【発明の名称】 車両用ドアスイッチ
【発明者】 【氏名】笠川 則行
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】小坂 博之
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】倍野 光広
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】重山 成生
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【要約】 【課題】ケースと取付板との係止部等の一体化部分に破損等が生じ難く、動作の安定した車両用ドアスイッチを提供する。

【解決手段】ドア側に開口部を有するケース1と、ケース1内に摺動可能に収容され、プッシュロッド部3aが前記開口部から突出するよう付勢される摺動体5と、プッシュロッド部3aが挿通される貫通孔6bを有し、ケース1に係止して一体化される取付板6とを備え、ドアの開閉によって摺動体5が押圧されるに伴い、プッシュロッド部3aが退入・突出することによって電気的オンオフが行われる車両用ドアスイッチであって、摺動体5がケース1内底面まで押圧された状態のプッシュロッド部3aの頂面3a1 よりもややドア側に突出する位置に頂面9aが位置するスペーサ9を、取付板6の貫通孔6b近傍に配する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドア側に開口部を有するケースと、このケース内に摺動可能に収容され、プッシュロッド部が前記開口部から突出するよう付勢される摺動体と、前記プッシュロッド部が挿通される貫通孔を有し、前記ケースに係止して一体化される取付板とを備え、ドアの開閉によって摺動体が押圧されるに伴い、プッシュロッド部が退入・突出することによって電気的オンオフが行われる車両用ドアスイッチであって、摺動体がケース内底面まで押圧された状態のプッシュロッド部の頂面よりもややドア側に突出する位置に頂面が位置するスペーサを、前記取付板の前記貫通孔近傍に配したことを特徴とする車両用ドアスイッチ。
【請求項2】 スペーサを取付板に一体に形成した請求項1記載の車両用ドアスイッチ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車のドアの開閉に連動して電気的オンオフを行う車両用ドアスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のドア部の車体側に車両用ドアスイッチを取付け、ドアの開閉に連動して電気的オンオフを行うことによって、車室内の照明等の点灯や消灯をコントロールすることが一般に行われている。
【0003】このような従来の車両用ドアスイッチについて、図5および図6を用いて説明する。
【0004】図5は従来の車両用ドアスイッチの1例を示す断面図、図6はその分解斜視図であり、同図において、1はドア側に開口部を有する絶縁樹脂製のケースで、内周壁には端部2aが外方に突出した固定接片2が配されると共に、外周壁には係止爪1aが設けられている。
【0005】5はケース1内に摺動可能に収容された摺動体であり、摺動体本体3の底部に可動接片4が装着され一体化される。摺動体本体3は、頂面3a1 が押圧操作されるプッシュロッド部3aと、その底部中央にて突出する突軸3b(図5)を有し、突軸3bで後記コイルばね8の端部を保持している。可動接片4は、突軸3bを挿入する挿入孔4cと、その両側に1対の接触端4a、4bを有し、接触端4aは後記固定接片6dに、接触端4bは前記固定接片2にそれぞれ弾接され、接触端4aと固定接片6dとの電気的オンオフを、ドアの開閉によって摺動体5が押圧されるに伴い、プッシュロッド部3aが退入・突出することによって行うように構成されている。
【0006】8はコイルばねで、ケース1内底面と摺動体本体3の突軸3b周りで可動接片4の内周側にやや撓んだ状態で装着され、摺動体5を前記プッシュロッド部3aがケース1の開口部から突出するように、図5での上方向(オン方向)に付勢される。
【0007】6は鋼板製の取付板で、ドア部の車体側に取付けるためのビス(図示せず)用の取付孔6aと摺動体本体3のプッシュロッド部3aが挿通される貫通孔6bが設けられると共に、ケース1内に垂下する折曲片には係止孔6cが設けられ、この係止孔6cにケース1の係止爪1aが嵌め込まれて、ケース1が取付板6に係止されて一体化される。
【0008】さらに、取付板6には可動接片4の接触端4aが弾接する固定接片6dがケース1内に垂下して設けられると共に、ゴムやエラストマー等の防水カバー7が摺動体本体3のプッシュロッド部3aや取付板6の表面を覆って、車両用ドアスイッチが構成されている。
【0009】以上のように構成された車両用ドアスイッチは、係止爪2bをケース1の孔1bに係止してケース1内に配される固定接片2の端部2aが、自動車の電子回路(図示せず)を介して室内灯等に接続されると共に、取付板6の取付孔6aから前記ビスを用いて締め付けることによって、ドア端部に対向する車体側(ドアロックストライカ近傍やドアヒンジ側等)に取付けられる。
【0010】そしてドアが閉じられると、ドア端部によって防水カバー7を介して摺動体5が押圧されてプッシュロッド部3aが退入し、摺動体5がコイルばね8をその弾性力に抗して撓めながら図5での下方向に摺動し、摺動体本体3に装着された可動接片4の接触端4aが取付板6の固定接片6dから離開されてオフ状態になって、室内灯は消灯となる。
【0011】また、ドアを開いた場合には、ドア端部による防水カバー7を介した摺動体5への押圧が解除され、コイルばね8の弾性復元力によって摺動体5が図5での上方向(オン方向)へ摺動してプッシュロッド部3aが突出し、可動接片4の接触端4aが取付板6の固定接片6dに弾接するためオン状態となって、室内灯が点灯する。尚、可動接片4の接触端4bは外部に突出して室内灯等に接続される固定接片2に常時接触している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の車両用ドアスイッチにおいては、車体側へのスイッチ取付け時の位置ズレ等によって、ドア端部等が摺動体5を所定の移動量以上に押圧した場合、その強い押圧力が摺動体5を通してケース1内底面に伝わり、ケース1と取付板6との一体化部分であるケース1の係止爪1aや取付板6の係止孔6c等に破損が生じ易く、甚だしくはケース1が取付板6から外れてしまうという問題があった。
【0013】そこで本発明は上記のような問題点を解決し、多少位置ズレした状態で車体に取付けられても、ケースと取付板との係止部等の一体化部分に破損等が生じ難く、動作の安定した車両用ドアスイッチを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、ドア側に開口部を有するケースと、このケース内に摺動可能に収容され、プッシュロッド部が前記開口部から突出するよう付勢される摺動体と、前記プッシュロッド部が挿通される貫通孔を有し、前記ケースに係止して一体化される取付板とを備え、ドアの開閉によって摺動体が押圧されるに伴い、プッシュロッド部が退入・突出することによって電気的オンオフが行われる車両用ドアスイッチであって、摺動体がケース内底面まで押圧された場合のプッシュロッド部の頂面よりもややドア側に突出する位置に頂面が位置するスペーサを、前記取付板の前記貫通孔近傍に配したことを特徴とするものである。
【0015】本発明によれば、ドアが開かれ摺動体が押圧されていない状態では、摺動体のプッシュロッド部がケースの開口部よりドア側に突出してオン状態になる点は従来例と同様である。また、ドアが閉じられてドア端部等によって摺動体が押圧されると、摺動体のプッシュロッド部が退入してオフ状態になるが、その際に、車両へのスイッチ取付時の位置ズレ等によって、ドア端部等が摺動体を所定の移動量以上の押圧力つまり、摺動体がケース内底面まで押圧されるような強い押圧力で押圧された場合でも、その押圧された状態のプッシュロッド部頂面よりもややドア側に突出する位置にあるスペーサの頂面が、ドア端部に当接してストッパー機能を果たすので、それ以上は摺動体が押圧されず摺動がストップする。したがって、ケースと取付板の一体化部分である両者の係止部等に破損等が生じ難く、動作の安定した車両用ドアスイッチを得ることができるという作用を奏する。
【0016】また上記発明において、スペーサを取付板に一体に形成することによれば、使用部品点数を減らし、車両用ドアスイッチを安価なものとすることができるという作用を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4を用いて具体的に説明する。
【0018】なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、説明を簡略化する。
【0019】(第1実施形態)図1は第1実施形態の車両用ドアスイッチの断面図、図2はその分解斜視図であり、同図において、ドア側に開口部を有する絶縁樹脂製のケース1の内周壁に、端部2aが外方に突出した固定接片2が配されると共に、外周壁に係止爪1aが設けられていることや、このケース1内に、可動接片4を摺動体本体3の底部に装着して一体化した摺動体5が摺動可能に収容されていることは、従来の技術の場合と同様である。
【0020】また、摺動体本体3が、押圧操作されるプッシュロッド部3aとその底部中央にて突出する突軸3b(図3)を有し、可動接片4が挿入孔4cを有してその両側の接触端4aが固定接片6dに、接触端4bが固定接片2にそれぞれ弾接され接触端4aと固定接片6dとの電気的オンオフを、ドア端部10(図3)により摺動体5が押圧されるに伴い、プッシュロッド部3aが退入・突出することによって行うように構成されていることや、コイルばね8がケース1内底面と摺動体本体3の突軸3b周りで可動接片4の内周側にやや撓んだ状態で装着され、摺動体5を前記プッシュロッド部3aがケース1の開口部から突出するように、ケース1の図1での上方向(オン方向)に付勢していることも、従来の技術の場合と同様である。
【0021】また鋼板製の取付板6に、ドア取付部の車体に取付けるためのビス(図示せず)用の取付孔6aと摺動体本体3のプッシュロッド部3aが挿通される貫通孔6bが設けられると共に、ケース1内に垂下する折曲片に係止孔6cが設けられ、この係止孔(被係止部)6cにケース1の係止爪(係止部)1aが嵌め込まれて、ケース1が取付板6に係止されて一体化されること、さらに、取付板6に可動接片4の接触端4aが弾接する固定接片6dがケース1内に垂下して設けられていることも、従来の技術の場合と同様である。
【0022】第1実施形態では、摺動体本体3のプッシュロッド部3aや取付板6の表面を覆うゴムやエラストマー等の防水カバー7と取付板6との間に、取付板6とは別体に形成されたスペーサ9が配されている。このスペーサ9は図3の断面図に示すように、摺動体5がケース1内の底面まで押圧される状態(図3ではスペーサ9が介在しているので摺動体5底面とケース1内底面間に隙間が空いているが、この隙間の無い状態)のプッシュロッド部3aの頂面3a1 よりもややドア側(本実施形態では図1での上方向)に突出する位置に頂面9aが位置するように、取付板6の貫通孔6b近傍に配されている。そして図2に示すようにスペーサ9は、取付板6の貫通孔6bとほぼ同形状の貫通孔9bを有し、防水カバー7の内形状に合わせて取付板6の半部を覆う形状に形成されている。
【0023】以上のように構成された車両用ドアスイッチは、係止爪2bをケース1の孔1bに係止してケース1内に配される固定接片2の端部2aが、自動車の電子回路(図示せず)を介して室内灯等に接続されると共に、取付板6の取付孔6aから前記ビスを用いて締め付けることによって、ドア端部10に対向する車体側(ドアロックストライカ近傍やドアヒンジ側等)に取付けられる。
【0024】そしてドアが閉じられると、図3に示すように、ドア端部10によって防水カバー7を介して摺動体5が押圧されてプッシュロッド部3aが退入し、摺動体5がコイルばね8をその弾性力に抗して撓めながら図1での下方向に摺動し、摺動体本体3に装着された可動接片4の接触端4aが取付板6の固定接片6dから離開されてオフ状態になって、室内灯は消灯となる。この際、第1実施形態では、車両へのスイッチ取付時の位置ズレ等によって、ドア端部10が摺動体5を所定の移動量以上に押圧した場合でも、ドア端部10が取付板6の貫通孔6b近傍にドア側に突出する位置にあるスペーサ9の頂面9aに当接することにより、それ以上は摺動体5が押圧されず摺動が停止されるように構成されている。
【0025】また、ドアを開いた場合には、ドア端部10による防水カバー7を介した摺動体5への押圧が解除され、コイルばね8の弾性復元力によって摺動体5が図1での上方向(本実施形態ではオン方向)へ摺動してプッシュロッド部3aが突出し、可動接片4の接触端4aが取付板6の固定接片6dに弾接するためオン状態となって、室内灯が点灯する。尚、可動接片4の接触端4bは外部に突出して室内灯等に接続される固定接片2に常時接触している。
【0026】このように第1実施形態によれば、ドアが閉じられてドア端部10によって摺動体5を所定の移動量以上で押圧した場合でも、ドア端部10がスペーサ9の頂面9aに当接し、そのスペーサ9がドア端部10と取付板6に介在してストッパー機能を果たし、それ以上は摺動体5が押圧されず摺動が停止されるので、ケース1と取付板6の一体化部分である両者の係止部(ケース1の係止爪1aや取付板6の係止孔6c)等に破損等が生じ難く、動作の安定した車両用ドアスイッチを得ることができる。
【0027】(第2実施形態)図4は第2実施形態の車両用ドアスイッチの要部を示す分解斜視図である。第2実施形態では第1実施形態のスペーサ9と同様に、プッシュロッド部3aの頂面3a1 よりもややドア側に突出する位置にスペーサ頂面が位置するように、取付板6の貫通孔6bの両側をドア側に向けて2箇所隆起させることにより、スペーサ部6eを取付板6に一体に形成している。このことにより、第1実施形態と同様に、図3に示すようにドアが閉じられてドア端部10によって摺動体5を所定の移動量以上で押圧した場合でも、ドア端部10がスペーサ部6eの頂面6e1 に当接し、そのスペーサ部6eがドア端部10と取付板6に介在してストッパー機能を果たすので、同様の作用効果を奏することができる。そして第2実施形態はこの作用効果に加え、スペーサ部6eを取付板6に一体形成することによって使用部品点数を減らし、車両用ドアスイッチを安価なものとすることができるという作用効果も奏する。
【0028】本発明は上記実施形態に示すほか種々の態様に構成することができ、例えば、オンオフのスイッチ動作が、ドアの開閉に伴う摺動体のプッシュロッド部の退入・突出により行われる限り、その他のスイッチ構造を採用できるし、またスペーサは、上記のように摺動体がケース内底面まで押圧された状態のプッシュロッド部の頂面よりもややドア側に突出する位置に頂面が位置するように取付板に配している限り、その形状や構造は上記実施形態に示すものに限定されない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、多少位置ズレした状態で車体に取付けられ、ドア端部からの強い押圧力を受けた場合でも、取付板とドア端部等との間に介在するスペーサがストッパー機能を果たし、ケースと取付板との係止部等の一体化部分に破損等が生じ難く、動作の安定した車両用ドアスイッチを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成13年11月15日(2001.11.15)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
【公開番号】 特開2003−146077(P2003−146077A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−349801(P2001−349801)