| 【発明の名称】 |
車両用サイドバイザ |
| 【発明者】 |
【氏名】石倉 邦彦
|
| 【要約】 |
【課題】視界を遮らずに雨水の侵入等を防止でき、かつ、必要な場合には遮光の機能を果たすこともできる車両用サイドバイザを提供する。
【解決手段】車両用サイドバイザ1のバイザ本体2は、サイドウィンド4の窓枠5の上縁部に沿って装着される。バイザ本体2は、略平行に配設された2枚の透明プラスチック板の間に、透明導電膜及びポリマー層が積層状に担持されることによって調光ガラスを構成している。2枚の透明導電膜の間には、車両のバッテリから配設された導線11a、11bがそれぞれ接続されている。2枚の透明導電膜の間に電圧が印加されてない状態では、バイザ本体2は不透明となって光を遮光する。2枚の透明導電膜の間に電圧が印加された状態では、バイザ本体2は透明となって乗員等の視界を確保する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サイドウィンドの窓枠上縁部に沿って装着されるバイザ本体を備えた車両用サイドバイザであって、前記バイザ本体の全部もしくは一部が光の透過率を調整する調光手段により構成された車両用サイドバイザ。 【請求項2】 請求項1に記載の車両用サイドバイザであって、調光手段は、電圧が印加されることによる液晶分子の配向性の変化を利用することを特徴とする車両用サイドバイザ。 【請求項3】 請求項1に記載の車両用サイドバイザであって、調光手段は、エレクトロクロミック材料とフォトクロミック材料とサーモクロミック材料のうち少なくとも1つを含む材料で構成されていることを特徴とする車両用サイドバイザ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、サイドウィンドの窓枠上縁部に沿って装着され、雨水の侵入防止や遮光等を目的として設置される車両用サイドバイザに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、サイドウィンドから射し込む光の遮光や、サイドウィンドを開いた際の雨水の侵入等を防ぐことを目的として設置される車両用サイドバイザとして、図8に示すような車両用サイドバイザ100が知られている。 【0003】図8に示す従来の車両用サイドバイザ100は、サイドウィンド110の窓枠120の上縁部に沿って装着され、これによって車両天井からの雨水の侵入等が防止される。このように車両用サイドバイザ100が窓枠120の上縁部に沿って装着された場合、例えば運転席や助手席に着座した乗員等は、車外上方を仰ぎ見たときにその車両用サイドバイザ100によって視界の一部を遮られてしまう場合がある。このため、従来は、車両用サイドバイザ100を透明なプラスチック等で形成し、これによって乗員等の視界が遮られないような対策がなされていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、車両用サイドバイザ100が透明なプラスチック等で形成された場合、雨水の侵入等を防ぐことができたとしても、車室内に射し込む日光を十分に遮光することはできなくなる。このため、例えば晴天時には日光を遮光することができ、雨天時には乗員の視界を遮らずに雨水の侵入を防止できるといった機能性の高い車両用サイドバイザが望まれていた。 【0005】本願発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、視界を遮らずに雨水の侵入等を防止でき、かつ、必要な場合には遮光の機能を果たすこともできる車両用サイドバイザを提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段として、本発明の車両用サイドバイザは各請求項に記載された通りの構成を備えている。請求項1に記載の車両用サイドバイザは、サイドウィンドの窓枠上縁部に沿って装着されるバイザ本体を備えている。このバイザ本体は、窓枠上縁部に沿って装着されることで車室内に射し込む光を遮光するだけでなく、車室天井より滴り落ちる雨水の侵入等をも防止するために設けられるものである。このようなバイザ本体としては、車外側に向けて延出する庇状の部材として形成された一般的なバイザ本体が含まれるだけでなく、窓枠上縁部に沿って装着され、あたかもサイドウィンドガラスの上側部分を構成するかのように平板状に形成されたバイザ本体をも含むものとする。また、請求項1に記載の車両用サイドバイザによれば、光を遮光をするバイザ本体の全部もしくは一部が光の透過率を調整できる調光手段により構成される。「調光手段」としては、例えば、エレクトロクロミズム、フォトクロミズム、サーモクロミズム等の物理化学的現象を利用して、透明、不透明、あるいは半透明の状態に切り替えが可能な調光ガラスや調光パネル、あるいは、電圧を印加することで配向性が変化する液晶分子に入射光を散乱させることで、透明、不透明、あるいは半透明の状態に切り替えが可能な調光ガラスや調光パネル等が用いられる。ここでいう「調光ガラス」とは、液晶分子、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料、エレクトロクロミック材料等を2枚の透明ガラス間で担持させることによって、電圧の印加、光の照射、温度変化等の外部干渉をきっかけに透明、不透明、あるいは半透明の状態に切換えが可能なガラスのことを指している。ただし、ここでいう「ガラス」は、非結晶質の無機化合物(珪酸塩等)で構成されたいわゆる「ガラス」に限らず、例えばポリカーボネートやアクリルなどの、合成樹脂やその他の材料で構成された透明プラスチック板や有機ガラス等をも広く含むものとする。このような構成により、請求項1に記載の車両用サイドバイザによれば、バイザ本体の全部もしくは一部を透明にして視界を遮らない状態としたり、あるいは、バイザ本体の全部もしくは一部を不透明にして遮光をさせたりといった機能の切替えを行うことが可能となる。 【0007】請求項2に記載の車両用サイドバイザによれば、バイザ本体の全部もしくは一部を構成する調光手段は、電圧が印加されることによる液晶分子の配向性の変化を利用することで光の透過率を調整する。これにより、例えば簡単な電気回路のスイッチ動作のみで、バイザ本体を透明にして乗員等の視界を確保したり、あるいは、バイザ本体を不透明にして遮光をさせたりといった機能の切替えを行うことができる。 【0008】請求項3に記載の車両用サイドバイザによれば、バイザ本体の全部もしくは一部を構成する調光手段は、エレクトロクロミック材料、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料のうち少なくとも1つを含む材料で構成される。これにより、電圧の印加、光の照射、温度変化等により、バイザ本体の全部もしくは一部を透明にして乗員等の視界を確保したり、あるいは、バイザ本体の全部もしくは一部を不透明にして遮光をさせたりといった機能の切替えが容易となる。 【0009】 【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、車両用サイドバイザ1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る車両用サイドバイザ1は、車室内に射し込む日光を遮光したり、あるいは、車両天井から滴り落ちる雨水の侵入等を防止するために設置されるものであり、横長の庇状に形成された遮光部分であるバイザ本体2を主体として構成されている。バイザ本体2は、フロントドア3に設けられたサイドウィンド4の窓枠5の上縁部に沿って装着される。ここで、バイザ本体2が窓枠5の「上縁部」に沿って装着されるとは、バイザ本体2によってサイドウィンド4を上方から覆うことができるように、サイドウィンド4の周囲に沿って略台形状に形成された窓枠5のほぼ上底に相当する部分に沿って、バイザ本体2が装着されることを意味している。また、窓枠5の上縁部に「沿って」バイザ本体2が装着されるとは、窓枠5の長手方向に沿ってある程度の長さをもってバイザ本体2が固定されることを意味している。したがって、例えばバイザ本体が支軸によって一点で固定されるサンバイザのごとき遮光装置等は本発明から除かれる。本実施の形態では、サイドウィンド4の窓枠5に対し、バイザ本体2が両面テープによって接合されることにより「装着」される。なお、本実施の形態における車両用サイドバイザ1は、フロントドア3に設けられたサイドウィンド4の窓枠5に沿って装着されるものであるが、リアドアのサイドウィンドに対しても同様に装着することが可能である。 【0010】図2は、図1に示す車両用サイドバイザ1のA−A線断面図である。図2に示すように、車両用サイドバイザ1は庇状に形成されたバイザ本体2を主体にして構成されている。この庇状のバイザ本体2は、透明な板状体が下方に向けて湾曲するように形成されたものであり、透明導電膜やポリマー層が積層状に担持されることによって「調光ガラス」を構成している。この「調光ガラス」として機能するバイザ本体2の詳細な構成については後述する。 【0011】また、図2に示すように、バイザ本体2の上縁部にはフランジ部6が形成されている。このフランジ部6は、窓枠5の車外側部分を構成するアウタパネル5aに対して面接触するように形成されており、本実施の形態では、アウタパネル5aに対してフランジ部6が両面テープ7によって接合されている。アウタパネル5aに対してフランジ部6を装着するためには、両面テープ7のような接合手段以外の手段が用いられてもよく、例えば、アウタパネル5aに対してフランジ部6をボルトで固定したり、あるいは、アウタパネル5aに対してフランジ部6をクリップ等の挟持具を用いて装着するようにしてもよい。 【0012】図3は、バイザ本体2のフランジ部6を拡大して表した断面図である。図3に示すように、バイザ本体2は、2枚の透明プラスチック板8a、8bが略平行に配設され、その2枚の透明プラスチック板8a、8bの間に、2枚の透明導電膜9a、9bと、ポリマー層10とが積層状に担持されて構成されている。2枚の透明導電膜9a、9bには、窓枠5の中空内部12を通して配設された導線11a、11bの一端部が接続されており、この導線11a、11bの他端部が車両のバッテリの正極(+)及び負極(−)にそれぞれ接続されることによって、2枚の透明導電膜9a、9bの間に所定の電圧が印加されるようになっている。図1及び図3に示すように、車両のバッテリに接続された導線11a、11bは、窓枠5の中空内部12を通してバイザ本体2の上端付近にまで配設されているが、窓枠5の車外側部分を構成するアウタパネル5aには連通孔13が設けられており、この連通孔13を通して導線11a、11bが外部に引き出されている。これにより、2本の導線11a、11bを極力外部に露出させることなく、2枚の透明導電膜9a、9bに対してそれぞれ接続することができるようになっている。 【0013】図4は、図3に示すバイザ本体2の断面をさらに拡大して模式的に表した図である。ここで、図4(A)は、2枚の透明導電9a、9bの間に電圧が印加されていない状態でのバイザ本体2の断面を表しており、図4(B)は、2枚の透明導電膜9a、9bの間に電圧が印加された状態でのバイザ本体2の断面を表している。図4(A)に示す状態と、図4(B)に示す状態との切換えは、2枚の透明導電膜9a、9b間に電圧を印加するためのスイッチSW1のON/OFF動作によって実現されるようになっている。このスイッチSW1は、車両の乗員が自由に操作することができるように、例えば車室内の装飾パネル等に切換スイッチとして設けられる。 【0014】図4(A)及び図4(B)に示すように、2枚の透明導電膜9a、9bに挟まれたポリマー層10の内部には、ネマティック液晶分子18の小滴(カプセルと呼ぶ)が分散している。図4(A)に示すように、スイッチSW1がOFFに操作されて2枚の透明導電膜9a、9b間に電圧が印加されていない状態では、棒状の分子である液晶分子18はカプセルの内壁に沿って並んだ状態となっている。この状態で、バイザ本体2に日光等の光を入射させると、入射光Pは液晶分子18によってランダムな方向へ散乱される。つまり、2枚の透明導電膜9a、9b間に電圧が印加されていない状態では、バイザ本体2は不透明あるいは半透明な状態となって光の透過率を減少させる。反対に、スイッチSW1をONに操作して、2枚の透明導電膜9a、9bの間に電圧を印加した状態では、図4(B)に示すように、液晶分子18は電圧が印加された方向に沿って略平行に並んだ状態となる。この状態で、バイザ本体2に日光等の光を入射させると、入射光Pは液晶分子18によって散乱されずに、そのままバイザ本体2の裏面へ向けて突き抜けることになる。つまり、2枚の透明導電膜9a、9b間に電圧を印加した状態では、バイザ本体2は透明な状態となり、光の透過率をあまり減少させずに表裏両面からの透視が可能となる。尚、このような液晶分子の配向性の変化を利用した「調光ガラス」自体は公知技術であるので、更に詳細な説明は省略する。 【0015】このように、第1の実施の形態に係る車両用サイドバイザ1によれば、バイザ本体2が「調光ガラス」として構成され、スイッチSW1のON/OFF操作のみによって、透明、不透明、あるいは、半透明な状態への切り替えが可能となる。これにより、例えば晴天時には、バイザ本体2を不透明な状態として光の透過率を低く調整し、サイドウィンド4に射し込む日光等の遮光をさせることができる。また、例えば雨天時には、バイザ本体2を透明な状態として乗員等の視界を確保することができ、かつ、車両天井から滴り落ちる雨水の侵入等を防止することができる。 【0016】この他にも、例えば液晶シャッターを用いてバイザ本体2を構成し、その液晶シャッターを動作させることによって、第1の実施の形態に示した車両用サイドバイザ1と同様な機能を達成させることも可能である。例えば、液晶シャッターを動作させて光を通過させない状態とした場合には、バイザ本体2によって日光等を遮光することができる。反対に、液晶シャッターを不動作にして光を通過させる状態とした場合には、バイザ本体2が透明となるので、乗員の視界を確保しつつ雨水の侵入等を防止することができる。 【0017】〔第2の実施の形態〕本発明の第2の実施の形態を図5を参照しながら説明する。第2の実施の形態に係る車両用サイドバイザは、第1の実施の形態に係る車両用サイドバイザ1とほぼ同様の構成を有するものである。ただし、第2の実施の形態に係る車両用サイドバイザでは、液晶分子の配向性の変化を利用した「調光ガラス」によってバイザ本体2が構成されるのではなく、図5に示すようなエレクトロミック材料を利用した「調光ガラス」によってバイザ本体13が構成される。 【0018】図5は、第2の実施の形態に係る車両用サイドバイザのバイザ本体13の断面図である。図5に示すバイザ本体13は、2枚の透明プラスチック14a、14bの間に、2枚の透明導電膜15a、15b、及び、液体電解質16、及び、還元発色膜17が積層状態で担持されたものである。液体電解質16は、2枚の透明導電膜15a、15bの間に封入されており、一方の透明導電膜15aの内側面に還元発色膜17が接した状態となっている。2枚の透明導電膜15a、15bには、車両のバッテリの正極及び負極に連結された導線がそれぞれ接続されており、スイッチSW2をONに操作すると、その2枚の透明導電膜15a、15bの間に所定の電圧が印加されるようになっている。尚、本実施の形態では、液体電解質16として、過塩素酸リチウム(LiClO4)をプロピレンカーボネイトで溶かしたものが用いられ、還元発色膜17として、酸化チタン(TiO2)の薄膜が用いられる。 【0019】スイッチSW2をONに操作し、2枚の透明導電膜15a、15bの間に所定の電圧を印加すると、還元発色膜17上では、以下に示すような酸化還元反応が生ずる。 TiO2 + xM+ + xe- ⇔ MxTiO2(M:Li+,H+など) 【0020】上式の反応は可逆反応であり、右方向に進行すると還元発色膜17は青色に発色する。反対に、左方向に反応が進行すると、還元発色膜17は無色に戻る。還元発色膜17が青色に発色した場合、バイザ本体13に入射した光の少なくとも一部が吸収されるので、バイザ本体13の光の透過率が低くなる。反対に、還元発色膜17が無色である場合、バイザ本体13に入射した光はほとんど吸収されないので、バイザ本体13の光の透過率は高くなる。なお、このようなエレクトロミック技術(電気化学的な反応により物質の色が変化する現象を利用する技術)を利用して光の透過率を調整する技術(例えば調光ガラス)自体は公知技術であるので、更に詳細な説明は省略する。 【0021】このように、第2の実施の形態に係る車両用サイドバイザによれば、バイザ本体13がエレクトロミック材料を含む「調光ガラス」として構成され、スイッチSW2のON/OFF操作のみによって、透明、不透明、あるいは、半透明な状態への切り替えが可能となる。これにより、例えば晴天時には、バイザ本体13を不透明な状態として光の透過率を低く調整し、サイドウィンド4に射し込む日光等を遮光させることができる。また、例えば雨天時には、バイザ本体13を透明な状態として乗員等の視界を確保することができ、かつ、車両天井から滴り落ちる雨水の侵入等を防止することができる。 【0022】第2の実施の形態では、エレクトロクロミック材料としてTiO2の薄膜を用いたが、その他のエレクトロクロミック材料を利用することもできる。例えば、WO3(酸化タングステン)を用いて調光ガラスを構成し、本発明におけるバイザ本体に適用することもできる。WO3を用いた場合には、以下に示す酸化還元反応が利用される。 WO3 + M+ + e- ⇔ MWO3【0023】上式の反応は可逆反応であり、反応が右に進行すると青色に発色し、バイザ本体13が不透明な状態となる。反対に、反応が左に進行すると無色になり、バイザ本体13は透明な状態となる。 【0024】また、第2の実施の形態では、エレクトロクロミック材料を用いてバイザ本体13を構成した例を示したが、この他にも、フォトクロミック材料やサーモクロミック材料を用いてバイザ本体を構成し、第2の実施の形態におけるバイザ本体13と同様な機能を持たせることができる。ここで、フォトクロミック材料とは、フォトクロミズムを発現させる物質のことである。フォトクロミズムとは、物質に光を照射すると変色し、逆にその変色した物質に他の光を照射または加熱すると退色し元に戻る一種の可逆的な現象のことである。例えば、フォトクロミック材料としてAgCl(塩化銀(I))を用いてバイザ本体を構成し、本発明の車両用サイドバイザに適用することもできる。この場合には、光を照射することによってバイザ本体を透明にしたり、不透明にしたりすることができる。なお、フォトクロミック材料としては、AgCl以外にも、種々の公知のフォトクロミック材料を適用することができる。サーモクロミック材料とは、サーモクロミズムを発現させる物質のことである。サーモクロミズムとは、温度変化により物質が変色する現象のことである。例えば、サーモクロミック材料としてバナジウム、タングステン等を含む酸化物の薄膜を用いてバイザ本体を構成し、本発明の車両用サイドバイザに適用することもできる。この場合には、熱を供与あるいは除去することによってバイザ本体を透明な状態としたり、あるいは不透明な状態としたりすることができる。なお、サーモクロミック材料としては、これ以外にも種々の公知のサーモクロミック材料を適用することができる。 【0025】〔第3の実施の形態〕本発明の第3の実施の形態を図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、第3の実施の形態に係る車両用サイドバイザ20の外観を示す斜視図である。図6に示すように、本実施の形態に係る車両用サイドバイザ20では、バイザ本体22が、フロントドア23に設けられたサイドウィンド21の一部を構成するかのように装着される。すなわち、サイドウィンド21は窓枠24に沿って上下方向に開閉されるが、その窓枠24の略上半分の部分にバイザ本体22が装着され、窓枠24の略下半分の部分においてのみサイドウィンド21が上下方向に開閉されるようになっている。つまり、サイドウィンド21が上下にスライドして開閉することのない窓枠24の略上半分の部分が本発明における「窓枠上縁部」に対応している。この「窓枠上縁部」に沿って「バイザ本体が装着される」とは、窓枠24の内側に沿って一体状に設けられたレール部材25に対し、バイザ本体22の上縁部が挿入され、硬質ゴム26がさらに封入されることにより固定されることを意味している(詳しくは後述する)。なお、本実施の形態における車両用サイドバイザ20は、フロントドア23に設けられたサイドウィンド21の窓枠24に沿って装着されるものであるが、リアドアのサイドウィンドに対しても同様に装着することが可能である。 【0026】図7は、図6に示す車両用サイドバイザ20のB−B線断面図である。図7に示すように、車両用サイドバイザ20は、平板状に形成されたバイザ本体22を主体にして構成されている。この平板状のバイザ本体22は、略平行に配設された2枚の透明プラスチック板と、この2枚の透明プラスチック板によって積層状に担持された2枚の透明導電膜及びポリマー層によって構成される。これにより、平板状のバイザ本体22は「調光ガラス」として機能する。このような「調光ガラス」として機能するバイザ本体22の詳細な構成は、第1の実施の形態におけるバイザ本体2とほぼ同様であるので、さらに詳細な説明を省略する。 【0027】図7に示すように、バイザ本体22の上縁部は、窓枠24と一体状に配設されたレール部材25に沿って装着される。すなわち、窓枠24は、アウタパネル24aとアウタパネル24bとが閉じ状態に接合して構成されるが、そのアウタパネル24aとインナパネル24bとの接合部27a、27bの間に断面略コの字型のレール部材25が配設され、そのレール部材25の長手方向に沿ってバイザ本体22の上縁部が固定されている。レール部材25は、その略コの字型の断面が下方に向けて開口するように配設されるが、この下方に向けて開口した略コの字型断面の内部にバイザ本体22の上縁部が挿入され、さらに硬質ゴム26が周囲に封入されることによって、バイザ本体22が振動等しないように強固に固定されている。また、レール部材25の上部には連通孔28が穿たれており、窓枠24の中空内部30に沿って配設されたバッテリからの導線がこの連通孔28に通されるようになっている。これにより、車両のバッテリからの導線を極力外部に露出させることなく、バイザ本体22を構成する2枚の透明導電膜に対してそれぞれ接続することができるようになっている。 【0028】また、図6及び図7に示すように、平板状のバイザ本体22の下端部には、断面略H字型のロープ状に形成されたゴムパッキン29が取付けられている。これにより、サイドウィンド21が窓枠24に沿って最上部の位置にまで閉じられた場合であっても、バイザ本体22とサイドウィンド21とが上下に直接的に接触する不具合の発生が防止されている。また、サイドウィンド21が最上部の位置まで閉じられた場合において、サイドウィンド21の上端部とバイザ本体22の下端部との間がゴムパッキン29によって確実にシールされるようになっている。 【0029】上述のように構成された本実施の形態に係る車両用サイドバイザ20において、バイザ本体22を構成する2枚の透明導電膜の間に所定の電圧が印加されていない状態では、バイザ本体22は不透明あるいは半透明となるので光の透過率を減少させる。反対に、バイザ本体22を構成する2枚の透明導電膜の間に所定の電圧が印加された状態では、バイザ本体22はほぼ透明な状態となるので光の透過率をあまり減少させることがない。これにより、例えば晴天時には、バイザ本体22を不透明な状態として光の透過率を低く調整し、車室内に射し込む日光等の遮光をさせることができる。また、例えば雨天時には、バイザ本体22を透明な状態として乗員等の視界を確保することができ、かつ、車両天井から滴り落ちる雨水の侵入等を防止することができる。さらに、本実施の形態に係る車両用サイドバイザ20は、上述したように窓枠24の略上半分の部分にサイドウィンド21の一部分を構成するかのように装着される。これにより、第1の実施の形態における庇状に形成されたバイザ本体2よりも広い遮光面積を確保することができる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、視界を遮らずに雨水の侵入等を防止でき、かつ、必要な場合には遮光の機能を果たすこともできる車両用サイドバイザを提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】599041329 【氏名又は名称】共和産業株式会社 【識別番号】390017248 【氏名又は名称】株式会社ティムエンタープライズ
|
| 【出願日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064344 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 英彦 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−146072(P2003−146072A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−347654(P2001−347654) |
|