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【発明の名称】 レジスタにおけるダンパの開閉装置
【発明者】 【氏名】蟹 鋼冶
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1 豊和化成株式会社内

【要約】 【課題】車両内への送風を停止する際に、送風入口部を確実に閉鎖するとともに、操作完了を把握で切るレジスタにおけるダンパの開閉装置を提供すること。

【解決手段】レジスタ1には、リテーナ2の後方にダクトから送風される空気を開閉するダンパを設けている。ダンパは連結機構部を介して操作ダイヤル10を操作することによって開閉可能に配置する。操作ダイヤル10には突出する爪部14を備えるレバー部12を形成し、リテーナ2から突出するボス部24と係合可能に構成する。そして、爪部14の係止部15をボス部24に係合させることによって、ダンパの閉位置を確実にロック維持するとともに操作ダイヤル10の操作終了位置を手で感知できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両室内への送風を開閉するダンパと前記ダンパの開閉を操作する操作ダイヤルとを備え、前記ダンパと前記操作ダイヤルとは連結機構部で連結され、前記操作ダイヤルは、送風通路を形成するリテーナに回動可能に支持されるとともに、前記リテーナの側部又は下部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置であって、前記ダンパを閉じる際に、前記操作ダイヤルのロック位置を設定する留め手段が、前記操作ダイヤルと前記リテーナとの間に配設され、前記留め手段が、前記操作ダイヤルにおける前記ダンパ側に延設するレバー部に形成された爪部と、前記リテーナから突出するボス部とを備え、前記爪部が前記ボス部に係合することによって前記操作ダイヤルがロックされることを特徴とするレジスタにおけるダンパの開閉装置。
【請求項2】 前記留め手段が、前記操作ダイヤルの回動終了位置両端で一対設けられていることを特徴とする請求項1記載のレジスタにおけるダンパの開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両室内の送風流路を形成するレジスタにおけるダンパの開閉装置に関し、特にダンパの開閉操作を行う操作ダイヤルがリテーナの側部または下部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のごとく、車両のレジスタは、車両室内への空気噴出し装置として車両に装着され、空気を送風するためにダクトに接続されたリテーナを有し、リテーナの前部には、車両内に取付けるために配置されるとともに意匠用ケースとしてのベゼルが装着されている。リテーナ内に送風された空気は、出口部付近に配置された複数の調節羽根(前ブレード又は奥ブレード)によって上下方向と左右方向に風向きが調節されて送風される。これによって、搭乗者の希望する位置に合わせて送風することができて快適感を与えることが可能となる。
【0003】さらに、リテーナの後部には、車両室内に空気を送風するための開閉可能に配置されたダンパを備えている。通常、ダンパは、レジスタのベゼル側に配置された操作ダイヤルを回転操作することによって開閉可能に構成され、これによって、レジスタには、ダンパを開閉する開閉装置が構成されることとなっていた。一方、レジスタは、レジスタの意匠的な形状あるいは操作位置を考慮することによって各種のタイプを構成することとなり、それぞれのレジスタの構成によって、操作ダイヤルの装着位置が異なっている。例えば、レジスタがインストルメントパネルの両サイドに配置されるものであれば、操作ダイヤルは、レジスタの側部又は下部に装着され、ダンパと連結機構部を介して連結されている。
【0004】例えば、図6に示す従来のレジスタ40の開閉装置は、リテーナ41とリテーナ41の前部に係止される図示しないベゼルとを備え、リテーナ41の底面に配置された操作ダイヤル43と、リテーナ41後部に揺動可能に配置された図示しないダンパとを、操作ダイヤル43に延設されたレバー部43aとダンパを回動駆動する回動レバー45とで連結することによって、操作ダイヤル43を回転させたときにダンパを開閉できるように構成されていた。回動レバー45には長尺方向に長溝45aが形成され、長溝45a上を移動可能に配置された操作ダイヤル43側に形成された連結軸43bが、操作ダイヤル43のレバー部43aを軸支して長溝45a内に挿入されている。
【0005】従って、操作ダイヤル43の回動によりレバー部43aが揺動されると、連結軸43bが回動レバー45の長溝45a上を移動しながら回動レバー45を回動することとなる。これによってダンパが開閉可能に構成される。
【0006】なお、この種のタイプのレジスタ40においては、送風方向を調節する前ブレードは、ベゼルに支持されて水平方向に複数配置され、奥ブレードは、リテーナ41に支持されて縦方向に複数配置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の操作ダイヤル43は、ダンパを閉じる際に、操作ダイヤル43を回転操作することによってダンパの開閉を行なうことができるものの、回転終了時点において、ロックされるようには構成されていないことから、ダンパを閉じたとしても、ダンパがその時点で停止したままの状態であることを確認することができない。つまり、ダンパが閉じていても、送風の強さによって、閉じていたダンパが開いてしまう虞れが生じたり、又、操作ダイヤル43の回転終了位置が確認しにくいことから、ダンパを閉じる際に、ダンパの最終位置に達する前にダンパを停止させたりすることがあり、ダンパをリテーナ41内に密封した状態で閉じることなく送風状態にする虞れがあった。
【0008】本発明は、上述の課題を解決するものであり、操作ダイヤルがレジスタの側部又は下部に装着されるタイプのレジスタにおいて、ダンパを閉じる際に、ダンパの閉じた位置で確実にロックできるとともに、ロックしたことを確認することができるレジスタにおけるダンパの開閉装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダンパの開閉装置は、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、請求項1記載の発明では、車両室内への送風を開閉するダンパと前記ダンパの開閉を操作する操作ダイヤルとを備え、前記ダンパと前記操作ダイヤルとは連結機構部で連結され、前記操作ダイヤルは、送風通路を形成するリテーナに回動可能に支持されるとともに、前記リテーナの側部又は下部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置であって、前記ダンパを閉じる際に、前記操作ダイヤルのロック位置を設定する留め手段が、前記操作ダイヤルと前記リテーナとの間に配設され、前記留め手段が、前記操作ダイヤルの前記ダンパ側に延設するレバー部に形成された爪部と、前記リテーナから突出するボス部とを備え、前記爪部が前記ボス部に係合することによって前記操作ダイヤルがロックされていることを特徴とするものである。
【0010】この発明によれば、ダンパを閉じて車両室内への送風を停止する際には、操作ダイヤルを一方の方向に回転操作することによって連結機構を介してダンパを閉じることとなる。この際、レバー部に形成された爪部がリテーナから突出するボス部に干渉する。そして、爪部はボス部に干渉する際にわずかに撓みながらボス部を乗り越えることによってボス部と係合することとなる。従って、操作ダイヤルが回転終了位置に達すると、操作ダイヤルとリテーナとの間に配置された爪部とボス部で構成される留め手段によって操作ダイヤルをロックすることができることから、操作ダイヤルに連結されたダンパは閉じた位置で停止状態を維持することが可能となり確実にダンパを閉じることができる。しかも、留め手段を配置することによって、操作ダイヤルを操作する際に、操作ダイヤルの終了位置を、手で感知できることから操作完了をわかりやすくすることができる。
【0011】さらに、請求項2記載の発明のレジスタにおけるダンパの開閉装置は、前記留め手段が、前記操作ダイヤルの回動終了位置両端で一対設けられていることから、車両内のインストルメントパネルの左右両側いずれに装着する場合でも、兼用して使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明にあたっては、レジスタの送風方向の流出側、つまりベゼルを配置する側を前部とし、送風方向における流入側、つまりベゼルと反対側の方向を後部という。
【0013】実施形態のレジスタ1は、図1〜2に示すように、前部および後部を開口して略角筒状に形成されるリテーナ2と、リテーナ2の前部に係止するベゼル3と、を備え、ベゼル3には、上下方向に風向きを調節する複数の前ブレード4が横方向に配置され、前ブレード4の後方には左右方向に風向きを調節する複数の奥ブレード5がリテーナ2に支持されて縦方向に配置されている。
【0014】リテーナ2は、図2に示すように、後部の開口部を入口部21とし前部の開口部を出口部22として形成して、レジスタ1の後方に接続された図示しないダクトから流入する空気を入口部21から出口部22に向かって送風案内するための流路を形成するものであり、硬質の樹脂材で形成されるとともに、後部に、開閉可能なダンパ6を装着している。ダンパ6をリテーナ2における送風方向と同一方向となるように回転することによって、リテーナ2の入口部21を開放して送風可能とし、ダンパ6をリテーナ2における送風方向と直交となるように回転することによって、リテーナ2の入口部21を閉鎖して送風遮断としている。
【0015】リテーナ2の出口部22には、リテーナ2の出口部22を覆うベゼル3が配置されている。
【0016】ベゼル3は、出口部22からの送風流路を案内するために設けるものであって、硬質の樹脂材で形成されるとともに、図2に示すように、リテーナ2に装着するための取付け枠部32が四方全周にわたって形成され、取付け枠部32の下部に、横方向に長孔状に形成された窓部34が形成されている。
【0017】窓部34内には、リテーナ2の底面部に軸支された操作ダイヤル10が、操作ダイヤル10の前部の一部を下部側の取り付け枠部32から前方に突出するように横方向に装着され、連結機構部を介してダンパ6に連結することによってダンパ6の開閉装置を構成している。
【0018】操作ダイヤル10は、リテーナ2の底面23の下方に配置され、図3〜4に示すように、後部側を切断するように略半円板状の操作部11と、操作部11から後方に向かって延設されたレバー部12とを有して形成され、レバー部12の後端部にレバー部12からリテーナ2の底面側に突出する軸部13を備えている。さらに、レバー部12の一方の側面には、側面から突出するとともに先端部に係止部15を備えた爪部14が形成されている。
【0019】一方、図5に示すように、リテーナ2の底面23からレバー部12側に向かって突出するように長尺ピン状のボス部24が形成され、前述の爪部14の係止部15が係合可能に配置される。このボス部24は、レバー部12を挟んで一対配置され、操作部11の後端面に形成された平面部16に当接可能としてレバー部12の回転を規制するストッパとしての役目も兼用している。
【0020】なお、図例においては、一対のボス部24は、リテーナ2の底面23から立ち上がる円弧状のリブ25に連接されている。リブ25は、操作部11の平面部16がボス部24に当接してストッパとなるときの補強部として形成されている。
【0021】爪部14がボス部24に係合する際には、操作ダイヤル10の回転によって、爪部14の係止部15がボス部24に干渉すると、爪部14側がわずかに撓んだ後、係止部15がボス部24を乗り越えることによって、爪部14の撓みを解消して係止部15がボス部24に係合するように構成されている。そして、爪部14がボス部24と干渉する際に生じるクリック感を、操作している手で感じることができ、レバー部12のロック状態を把握することができる。
【0022】一方、ダンパ6は、図1に示すように、矩形板状に形成されて全周端面に弾性部材7を装着してリテーナ2の両側面に密着できるようにするとともに、リテーナ2の上下壁部に対して回動可能にリテーナ2内に配置されている。ダンパ6はリテーナ2の上下壁部に配置された軸支部で回動可能に支持され、ダンパ6の一方を軸支する軸支部は、リテーナ2に支持された回動レバー8の軸部81で構成される。
【0023】回動レバー8は、軸部81をリテーナ2の底面23に回動可能に支持して、軸部81から操作ダイヤル10側に延設するレバー部82を形成している。レバー部82には長手方向に長溝83が形成され、長溝83に操作ダイヤル10におけるレバー部12の軸部13が挿入される。長溝83は、先端側に屈曲部84を有して略への字形に形成され、自然状態で戻り防止としている。
【0024】これによって、操作ダイヤル10をいずれか一方に回動させると、操作ダイヤル10側の軸部13が長溝83上を移動して回動レバー8のレバー部82を、軸部81を中心にして回動させ、軸部81の回動によりダンパ6を回動させることによって、リテーナ2に対して開閉作用を行うこととなる。
【0025】この際、ダンパ6を閉じる方向に操作ダイヤル10を、一方の方向に向かって回転させると、回転完了時に、操作ダイヤル10に形成された爪部14の係止部15とリテーナ2から突出したボス部24とが係合して留め手段を構成することとなる。
【0026】なお、この留め手段の構成は、図例に限定するものではなく、例えば、ボス部24を、爪部14の係止部15の幅寸法と略同一長さで空間部を有して一対配置させ、空間部に係止部15を係合させるようにしてもよく、また、係止部15がボス部24に干渉する際にボス部24あるいは係止部15を、例えばコイルばね等によって弾性的に一旦回避させた後、係止部15がボス部24を乗り越えた後で再び係合するように構成してもよい。
【0027】上記のように、操作ダイヤル10側の爪部14とリテーナ2側のボス部24とを係合して、ロック状態を維持できるようにすれば、上記の形態以外でも留め手段として構成することができる。
【0028】次に、上記のように構成されたレジスタ1及びレジスタにおける開閉装置の作用について説明する。
【0029】車両室内に空気を送風する場合には、操作ダイヤル10を、例えば、図3中、右方(時計方向)に回転操作することによって、操作ダイヤル10のレバー部12を時計方向に回転し、それに伴って軸部13が回動レバー8の長溝83内を移動して、回動レバー8のレバー部82を反時計方向に回転させる。操作ダイヤル10の回転は、操作ダイヤル10の操作部12後部に形成した平面部16が爪部14と係合可能に配置する側のボス部24に当接することによって、回転が規制される。
【0030】これによって、回動レバー8の軸部81に支持されたダンパ6をリテーナ2の送風方向と同一方向となるように回転してリテーナ2の入口部21を開放する。
【0031】従って、ダクトから送られてきた空気は、リテーナ2内の入口部21から出口部22に向かって流れる。この際、前ブレード4・奥ブレード5を、操作ノブ4aによって左右方向あるいは上下方向の自由な位置に向けるように調節することによって、車内の要求された部位に送風することができる。
【0032】車両室内に空気の送風を停止する場合には、操作ダイヤル10を、例えば、図3中、左方(反時計方向)に向けて回転する。操作ダイヤル10が反時計方向に回転することによって、操作ダイヤル10側のレバー部12を反時計方向に回転し、それに伴って、軸部13が回動レバー8の長溝83内を移動して、回動レバー8のレバー部82を時計方向に回転させる。これによって回動レバー8の軸部81を回転させることとなって、ダンパ6がリテーナ2の送風方向に対して直交となる方向に回転してリテーナ2の入口部21を閉鎖する。
【0033】この際、操作ダイヤル10を回転し続けて、軸部13が長溝83の屈曲部84に移動すると、操作ダイヤル10に形成された爪部14の係止部15が、リテーナ2上に設けられたボス部24に向かって前進し、その後、ボス部24の先端部に干渉する。操作ダイヤル10の更なる回転により、軸部13が長溝83の屈曲部84の終端位置に達すると、係止部14がボス部24に干渉している爪部1が、わずかな抵抗を受けることによって、わずかに撓んでボス部24を乗り越え係止部14とボス部24とが係合される。この係止部14とボス部24との干渉の際に生じる抵抗がクリック感として、操作ダイヤル10を操作する手に感触を持たせることとなる。
【0034】操作ダイヤル10の爪部14がリテーナ2のボス部24と係合すると同時に、操作ダイヤル10の操作部11後部に形成された一方の平面部16が、爪部14と係合されていない他方のボス部24に当接して操作ダイヤル10の回転を停止する。そして、操作ダイヤル10は、爪部14とボス部24との係合による抵抗を受けていることから、ロックされて停止状態が維持される。
【0035】上述のように、実施形態のレジスタ1によれば、以下のような効果を達成することが可能となる。つまり、ダンパ6を閉じて車両室内への送風を停止する際には、操作ダイヤル10を一方の方向に回転操作することによって回動レバー8を介してダンパ6を閉じることとなる。操作ダイヤル10が回転終了位置に達すると、操作ダイヤル10の爪部14とリテーナ2のボス部24との係合によって操作ダイヤル10の回転をロックすることができることから、操作ダイヤル10に連結されたダンパ6は閉じた位置で停止状態を維持することが可能となり確実にダンパ6を閉じることができる。しかも、両者の係合の際に操作ダイヤル10の終了位置を、手で感知できることから操作完了をわかりやすくすることができる。
【0036】また、操作ダイヤル10の回動終了位置両端に、留め手段としての爪部14とボス部24を一対設けることによって、車両内のインストルメントパネルの左右両側いずれに装着する場合でも、兼用して使用することができる。
【0037】なお、本発明のレジスタの開閉装置は、上記形態に限るものではなく、例えば、操作ダイヤルがベゼルの一方の側部に配置されているタイプのレジスタにおいても適用できるものである。
【0038】又、ダンパ6の開閉装置を構成する連結機構部としては、操作ダイヤル10のレバー部12と回動レバー8のレバー部83との間に1個のリンクを接続して構成するものであってもよい。この場合、回動レバー8のレバー部83には、前述と同様に、屈曲84部を備えて略への字形に形成する長溝83を備えていればよい。
【0039】さらに、回動レバー8の長溝83に屈曲部84を形成しないものにおいても適応できるものである。
【出願人】 【識別番号】595058336
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1
【出願日】 平成14年5月28日(2002.5.28)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−341356(P2003−341356A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−154304(P2002−154304)