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【発明の名称】 レジスタにおけるダンパの開閉装置
【発明者】 【氏名】福井 康敬
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1 豊和化成株式会社内

【要約】 【課題】車両内への送風を停止する際に、送風入口部を確実に閉鎖するとともに、操作完了を把握で切るレジスタにおけるダンパの開閉装置を提供すること。

【解決手段】レジスタ1には、リテーナ2の後方にダクト4から送風される空気を開閉するダンパ6を設けている。ダンパ6は連結レバー7に連結された操作ダイヤル5を操作することによって開閉可能に配置する。操作ダイヤル5の外周面に突起部51を形成し、ベゼル3の中央壁部31に形成するボス部35と係合可能に構成する。そして、突起部51をボス部35に係合させることによって、ダンパ6の閉位置を確実にロック維持するとともに操作ダイヤル5の操作終了位置を手で感知できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両室内への送風を開閉するダンパを備え、前記ダンパの開閉を操作する操作ダイヤルが、ベゼルの中央部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置であって、前記ダンパを閉じる際に、前記操作ダイヤルのロック位置を設定する留め手段が配設され、前記留め手段が、前記操作ダイヤルの外周面に配置される突起部と、前記操作ダイヤルを支持する前記ベゼルの内壁部に設けられた干渉部とを備え、前記突起部と前記干渉部とが係合することによって前記操作ダイヤルがロックされることを特徴とするレジスタにおけるダンパの開閉装置。
【請求項2】 前記干渉部が、前記ベゼルの内壁部に一体的に形成されたボス部であることを特徴とする請求項1記載のレジスタにおけるダンパの開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両室内の送風流路を形成するレジスタにおけるダンパの開閉装置に関し、特にダンパの開閉操作を行う操作ダイヤルがベゼルの中央部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のごとく、車両のレジスタは、車両室内への空気噴出し装置として装着され、空気を送風するためにダクトに接続されたリテーナを有し、リテーナの前部には、車両内に取り付けるために配置されるとともに意匠用ケースとなるベゼルが装着されている。リテーナ内に送風された空気は、出口部付近に配置された複数の調節羽根によって上下方向と左右方向に風向きが調節されて送風される。これによって、搭乗者の希望する位置に合わせて送風することができて快適感を与えることが可能となる。
【0003】さらに、リテーナの後部には、車両室内に空気を送給するための開閉可能に配置されたダンパを備えている。通常、ダンパは、レジスタのベゼル側に配置された操作ダイヤルを回転操作することによって開閉可能に構成され、これによって、レジスタには、ダンパを開閉する開閉装置が構成されることとなっていた。一方、レジスタは、レジスタの意匠的な形状あるいは操作位置を考慮することによって各種のタイプを構成することとなり、それぞれのレジスタの構成によって、操作ダイヤルの装着位置が異なっている。例えば、送風出口部の横幅寸法が、比較的長く形成されているレジスタの場合には、送風出口部の中央部に送風出口部を2分割するように中央壁部を設け、中央壁部に支持されて操作ダイヤルが配置されていた。従って、ダンパの開閉装置もそれぞれのタイプのレジスタによってその構成が異なることとなっていた。
【0004】例えば、図8に示す従来のレジスタ40の開閉装置は、ベゼル41の中央壁部42に配置された操作ダイヤル43と、リテーナ44後部に揺動可能に配置されたダンパ45とを、連結レバー46で連結し、連結レバー46をそれぞれの端部で軸支することによって、操作ダイヤル43を回転させたときにダンパ45を開閉できるように構成されていた。なお、この種のレジスタ40では、送風方向を調整する前ブレード・奥ブレードは、リテーナ44あるいはベゼル41と別体に構成したバレルユニットとして構成されて、リテーナ44の送風出口付近に挿入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の操作ダイヤル43は、ダンパ45を閉じる際に、操作ダイヤル43を回転操作することによってダンパ45の開閉を行なうことができるものの、回転終了時点において、ロックされるようには構成されていないことから、ダンパ45を閉じたとしても、ダンパ45がその時点で停止したままの状態であることを確認することができない。つまり、ダンパ45が閉じていても、送風の強さによって、閉じていたダンパ45が開いてしまう虞れが生じる。又、操作ダイヤル43の回転終了位置が確認しにくいことから、ダンパ45を閉じる際に、ダンパ45の最終位置に達する前にダンパ45を停止させることがあり、ダンパ45をリテーナ44内に密封した状態で閉じることなく送風状態にする虞れがあった。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するものであり、ダンパを閉じる際に、ダンパの閉じた位置で確実にロックできるとともに、ロックしたことを確認することができるレジスタにおけるダンパの開閉装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダンパの開閉装置は、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、請求項1記載の発明では、車両室内への送風を開閉するダンパを備え、前記ダンパの開閉を操作する操作ダイヤルが、ベゼルの中央部に配置されるレジスタにおけるダンパの開閉装置であって、前記ダンパを閉じる際に、前記操作ダイヤルのロック位置を設定する留め手段が配設され、前記留め手段が、前記操作ダイヤルの外周面に配置される突起部と、前記操作ダイヤルを支持する前記ベゼルの内壁部に設けられた干渉部とを備え、前記突起部と前記干渉部とが係合することによって前記操作ダイヤルがロックされることを特徴とするものである。
【0008】この発明によれば、ダンパを閉じて車両室内への送風を停止する際には、操作ダイヤルを一方の方向に回転操作することによってダンパを閉じることとなる。操作ダイヤルが回転終了位置に達すると、操作ダイヤルに形成された突起部と、ベゼル内壁部に設けられた干渉部とで構成する留め手段によって操作ダイヤルをロックすることができることから、操作ダイヤルに連結されたダンパは閉じた位置で停止状態を維持することが可能となり確実にダンパを閉じることができる。しかも、操作ダイヤルを操作する際に、突起部と干渉部との係合によって、操作ダイヤルの終了位置を、手で感知できることから操作完了をわかりやすくすることができる。
【0009】さらに、請求項2記載の発明に示すように、前記干渉部が、前記ベゼルの内壁部に一体的に形成されたボス部であることから、ボス部をベゼルと一体成形にて製作することができて、低コストを維持できるレジスタを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明にあたっては、レジスタは、風向きを調整する羽根体を備えるバレルユニットが別体で構成されてレジスタに挿入されるタイプのレジスタで説明するものであるが、これに限定するものではない。そして、レジスタの送風方向の流出側、つまりベゼルを配置する側を前部とし、送風方向における流入側、つまりベゼルと反対側の方向を後部という。
【0011】実施形態のレジスタ1は、図1〜3に示すように、前部(図2中、下方)及び後部(図2中、上方)を開口して略角筒状に形成されるリテーナ2と、リテーナ2の前部に係止するベゼル3と、を備え、リテーナ2に風向き調節用のバレルユニット10を内蔵して構成されている。
【0012】リテーナ2は、図2に示すように、後部の開口部を入口部21(図3又は図4参照)とし前部の開口部を出口部22(図3又は図4参照)として形成して、レジスタ1の後方に接続されたダクト4から流入する空気を入口部21から出口部22に向かって送風案内するための流路を形成するものであり、硬質の樹脂材で形成されるとともに、後部に、開閉可能なダンパ6を装着している。ダンパ6をリテーナ2における送風方向と同一方向となるように回転することによって、リテーナ2の入口部21を開放して送風可能とし、ダンパ6をリテーナ2における送風方向と直交となるように回転することによって、リテーナ2の入口部21を閉鎖して送風遮断としている。
【0013】リテーナ2の出口部22は横方向に幅広に形成され、出口部22を覆うベゼル3の中央部には、出口部22を2分割するように中央部縦方向に中央壁部31が形成されている。なお、風向き調節用バレルユニット10は、2分割されたリテーナ2の開口部内にそれぞれ分割して内蔵されている。
【0014】ベゼル3は、出口部22からの送風流路を案内するために設けるものであって、硬質の樹脂材で形成されるとともに、図2に示すように、リテーナ2に装着するための取付け枠部32が四方全周にわたって形成され、取付け枠部32の内側が、空気を流出するための開口部33、33が中央壁部31を間にして2分割で形成されている。
【0015】中央壁部31には、縦方向に長孔状に形成された窓部34と、図4に示すように、窓部34の上部内壁面に、内方に突出するボス部35が形成されている。窓部34内には、中央壁部31の側壁部に軸支された操作ダイヤル5が、操作ダイヤル5の前部の一部を中央壁部31から前方に突出するように縦方向に装着され、連結レバー7を介してダンパ6に連結されてダンパ6の開閉装置を構成している。
【0016】操作ダイヤル5は、図4に示すように、後部側を切断するように略半円板状に形成され、中央壁部31内に配置された操作ダイヤル5の外周面の一箇所には、中央壁部31の内壁部に形成されたボス部35に係合可能な突起部51が操作ダイヤル5の外周面から突出して形成されるとともに、後部の一端(例えば、上端)に、操作ダイヤル5とダンパ6とを連結する連結レバー7の一端を軸支させている。
【0017】一方、ダンパ6は、矩形板状に形成されて全周端面に弾性部材8を装着してリテーナ2の側壁面に密着できるようにするとともに、リテーナ2の側壁部に軸支されて回動可能にリテーナ2内に配置されている。また、ダンパ6の操作ダイヤル5と対向する面には、ダイヤル5側に向かって突出するレバー支持部61が配置され、操作ダイヤル5の一端(例えば、上端)に軸支された連結レバー7の他端を軸支するように連結レバー7と連結されている。
【0018】これによって、操作ダイヤル5をいずれか一方に回動させると、連結レバー7がダンパ6を牽引あるいは押圧することとなり、ダンパ6が軸支された部位を中心にして回動可能に作用され、ダンパ6の開閉作用を行うこととなる。
【0019】この際、ダンパ6を閉じる方向に操作ダイヤル5を、例えば、下方に向かって回転させると、回転完了時に、操作ダイヤル5に形成された突起部51と中央壁部31に設けられたボス部35とが係合して留め手段を構成することとなる。
【0020】この留め手段を構成する第1の形態は、図5に示すように、操作ダイヤル5の突起部51を、突起部51の外周面に円弧面51aを備える山形状に形成し、中央壁部31のボス部35を、突起部51の円弧面51aとの係合の際に、わずかな食い込み状となる平面部35aを形成することによって構成する。これによって、突起部51がボス部35に係合する際に、お互いの係合面で圧接する状態となってロックできるようにする。なお、操作ダイヤル5側の突起部51の前端面は、中央壁部31に当接する当接部51bを有して、回転を規制するストッパとして構成する。
【0021】又、第2の形態では、図6に示すように、操作ダイヤル5の突起部を、間に隙間を有して並設する2個の突起部52、52とし、中央壁部31側のボス部36を、並設する突起部52、52間の隙間内に挿入可能とする。突起部52、52、の対向する側面に円弧状のわずかな凸面52a、52aを形成し、ボス部36の両側面35a、35aに円弧状のわずかな凹面あるいは平面状に形成して、お互いの対向面で係合してロックできるようにする。なお、この形態においても、突起部52の前端面52bは中央壁部31に当接可能なストッパとして構成される。
【0022】さらに、第3の形態では、図7に示すように、中央壁部31と別体で形成された干渉部37を上下方向に揺動可能に中央壁部31の内壁面に軸支して装着する。そして装着された干渉部37を、例えばコイルばね38で所定位置まで下方に付勢するようにする。操作ダイヤル5側の突起部55は、第1の形態のように、山形状に形成して干渉部37と係合可能に形成する。これによって、突起部55が干渉部37に当接して、干渉部37を一旦上方に傾倒させた後、コイルばね38によって干渉部37を上方から押圧できるように構成する。この形態においても、前方突起部56が、中央壁部31に当接するストッパとして構成される。
【0023】上記のように、突起部と干渉部を係合して、ロック状態を維持できるようにすれば、上記の形態以外でも留め手段として構成することができる。
【0024】なお、実施形態の風向き調節用バレルユニット10は、図2に示すように、ケース体11を有し、ケース体11内で横方向に複数配置された前ブレード12と、縦方向に複数配置された奥ブレード13とを有して構成されている。前ブレード12は、バレルユニット10のケース体11に一体的に形成されてケース体11の左右の側壁に突設された回動軸15によって上下方向に回動され、奥ブレード13は、前ブレード12を通って奥ブレード13の1枚に装着された操作ノブ14によって左右方向に回動され、これによって風向きを自由に調節するように構成されている。
【0025】次に、上記のように構成されたレジスタ1及びレジスタにおける開閉装置の作用について説明する。
【0026】車両室内に空気を送風する場合には、操作ダイヤル5を、例えば、上方に回転操作することによって、操作ダイヤル5の上端に一端が軸支されている連結レバー7を後方に押圧し、それに伴って連結レバー7の他端をレバー支持部61で軸支しているダンパ6が、リテーナ2の軸支部を中心にリテーナ2の送風方向と同一方向となるように回転してリテーナ2の入口部21を開放する。これによってダクト4から送られてきた空気は、リテーナ2内の入口部21から出口部22に向かって流れる。この際、風向き調節用バレルユニット10の前ブレード12・奥ブレード13を、操作ノブ14によって左右方向あるいは上下方向の自由な位置に向けるように調節することによって、車内の要求された部位に送風することができる。
【0027】車両室内への送風を停止する場合には、操作ダイヤル5を、例えば、下方に向けて回転する。操作ダイヤル5が下方に回転することによって、連結レバー7が前方に牽引され、それに伴って、ダンパ6がリテーナ2の軸支部を中心にリテーナ2の送風方向に対して直交となる方向に回転してリテーナ2の入口部を閉鎖する。
【0028】この際、操作ダイヤル5を回転し続けると、操作ダイヤル5上に形成された突起部51(又は52、55)が、中央壁部31に設けられたボス部35(又は36、干渉部37)に向かって前進し、その後、ボス部35(又は36、干渉部37)の先端部に干渉する。操作ダイヤル5の更なる回転により、突起部51の円弧面51a(又は突起部52の凸面52a、突起部55)が、ボス部35の平面部35a(又は36の両側面36a、干渉部37)上に沿って、わずかな抵抗を受けながら移動される。この抵抗が、操作ダイヤルを操作する手に感触を持たせることとなる。
【0029】その後、突起部51の先端の当接部51b(又は突起部52先端の前端面52b、前方突起部56)が中央壁部31の内壁面に当接することによって、操作ダイヤル5の回転が停止される。操作ダイヤル5は、突起部51(又は52、55)とボス部35(又は36、干渉部37)との係合による抵抗を受けていることから、ロックされて停止状態が維持される。
【0030】上述のように、実施形態のレジスタ1によれば、操作ダイヤル5を回転終了位置に達するまで回転操作することによって、操作ダイヤル5の突起部51(又は52、55)とベゼル3の中央壁部31に配置されたボス部35(又は36、干渉部37)とが係合され、両者の係合により操作ダイヤル5が抵抗を受けることになるから、操作ダイヤル5を回転終了位置でロックすることができる。従って、操作ダイヤル5に連結されたダンパ6は閉じた位置で停止状態を維持することが可能となり確実にダンパ6を閉じることができる。しかも、操作ダイヤル5がボス部35(又は36、干渉部37)に干渉する際に、干渉することを手で感知できることから、クリック感を感じることができ、操作完了を操作者自信で把握することができる。
【0031】しかも、ボス部35(又は36)がベゼル3の中央壁部31と一体成形で形成されていることから、低コストを維持した状態で、クリック感を出すことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】595058336
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1
【出願日】 平成14年5月23日(2002.5.23)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−341355(P2003−341355A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−149566(P2002−149566)