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【発明の名称】 空気吹出調整用レジスタ
【発明者】 【氏名】石黒 英司
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1 豊和化成株式会社内

【氏名】近藤 康夫
【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨタ車体株式会社内

【要約】 【課題】通風抵抗や圧力損失が少なく、リンクバーを正面側から視認しにくくすると共に、リンクバーを外側に突出させずに配設することができる空気吹出調整用レジスタを提供する。

【解決手段】この空気吹出調整用レジスタは、通風路21内に複数の横フィン31を回動可能に並設した前可動ルーバ3が配設され、複数の横フィン31の偏位軸36を連結するリンクバー35が設けられている。通風路21を形成するリテーナ2の内側に凹部22が形成され、凹部22内にリンクバー35が配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通風路内に複数のフィンを回動可能に並設した可動ルーバが配設され、該複数のフィンの偏位軸を連結するリンクバーが設けられてなる空気吹出調整用レジスタにおいて、前記通風路を形成するリテーナの内側に凹部が形成され、該凹部内に前記リンクバーが配設されたことを特徴とする空気吹出調整用レジスタ。
【請求項2】 前記通風路内に相互に直交方向に且つ前後して前可動ルーバと後可動ルーバとが設けられ、該前可動ルーバの各フィンの偏位軸を連結するリンクバーが前記リテーナの凹部内に配設されたことを特徴とする請求項1記載の空気吹出調整用レジスタ。
【請求項3】 前記前可動ルーバの各フィンの回動軸を軸支する軸受部材が前記リテーナの前縁部に嵌着され、該軸受部材の背面側に前記凹部が位置すると共に、前記リンクバーが該凹部内に配設されたことを特徴とする請求項2記載の空気吹出調整用レジスタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車内等の換気や空調の空気吹出口に使用される空気吹出調整用レジスタに関し、特に通風路内に配設された可動ルーバの各フィンを連結するリンクバーの配設位置を改善した空気吹出調整用レジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空気吹出調整用レジスタとして、通風路を形成するベゼル内に、横可動ルーバと縦可動ルーバを前後して配設し、前方に位置する横可動ルーバには複数の横フィンを並行に並べて軸支すると共に、後方に位置する縦可動ルーバにも複数の縦フィンを並行に並べて軸支し、各横フィンおよび各縦フィンにはルーバの回動操作時に同じ方向を向くように、リンクバーが各フィンの偏位軸に連結された構造の空気吹出調整用レジスタが、知られている(例えば実開平4−82645号公報等参照)。
【0003】この従来の空気吹出調整用レジスタは、操作ノブが、横可動ルーバの中央部のフィン上に、その軸方向(横方向)に摺動可能に嵌合されると共に、その横可動ルーバのフィンと共に上下に回動可能に設けられ、操作ノブの先端に係合部が形成され、その係合部が後方に位置する縦可動ルーバのフィンの縦軸(フィンの回動軸とは偏位した軸)に係合する構造である。そして、風の向きを左右に調整する場合、操作ノブを横可動ルーバのフィン上で左又は右に摺動させて、後の縦可動ルーバの向きを左右に変え、風の向きを上下に調整する場合、操作ノブを横可動ルーバのフィンと共に上又は下に回動させて風の向きを調整する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の従来の空気吹出調整用レジスタは、前方に位置する横可動ルーバの各横フィンを連結するリンクバー及び後方に位置する縦可動ルーバの各縦フィンを連結するリンクバーが通風路内に位置するため、通風路内の通風抵抗や圧力損失が増大する問題があった。また、前方に位置する横可動ルーバのリンクバーにあっては、レジスタの正面からリンクバーが容易に見えてしまい、意匠性が悪化する問題があった。
【0005】一方、上記のような問題を解消するために、各フィンの回動軸を通風路の外側に突出させ、その突出した各フィンの回動軸にクランク部材を連結し、各フィンのクランク部材の偏心軸にリンクバーを連結した構造のレジスタが、知られているが、この種のリンクバーを可動ルーバの各フィンに設けたレジスタでは、リンクバーがりテーナの外側に突出するため、外側の部材との干渉を避けるために、レジスタの外側のスペースをある程度広くあける必要があり、レジスタの収納性が悪化するなどの問題があった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、通風抵抗や圧力損失が少なく、リンクバーを正面側から視認しにくくすると共に、リンクバーを外側に突出させずに配設することができる空気吹出調整用レジスタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の空気吹出調整用レジスタは、通風路内に複数のフィンを回動可能に並設した可動ルーバが配設され、複数のフィンの偏位軸を連結するリンクバーが設けられてなる空気吹出調整用レジスタにおいて、通風路を形成するリテーナの内側に凹部が形成され、凹部内にリンクバーが配設されたことを特徴とする。
【0008】ここで、請求項2のように、通風路内に相互に直交方向に且つ前後して前可動ルーバと後可動ルーバとが設けられ、前可動ルーバの各フィンの偏位軸を連結するリンクバーをリテーナの凹部内に配設することができる。
【0009】また、請求項3のように、前可動ルーバの各フィンの回動軸を軸支する軸受部材をリテーナの前縁部に嵌着し、軸受部材の背面側に前記凹部と前記リンクバーを配設することができる。
【0010】
【作用】このような構成の空気吹出調整用レジスタでは、通風路を形成するリテーナの内側に凹部が形成され、その凹部内に可動ルーバの各フィンを連結するリンクバーが配設されているから、リンクバーがリテーナ内に配置されていても、通風路を通過する空気流の通風抵抗や圧力損失がリンクバーによって増大することを防止することができる。また、リンクバーがリテーナ内に配設され、リテーナの外側に突出しないため、外側の部材との干渉を避けるために、レジスタの外側のスペースを広くあける必要がなく、レジスタの収納性が良好となる。
【0011】さらに、前可動ルーバの各フィンの偏位軸を連結するリンクバーをリテーナの凹部内に配設し、前可動ルーバの各フィンの回動軸を軸支する軸受部材をリテーナの前縁部に嵌着し、その軸受部材の背面側に凹部とリンクバーを配設するように構成すれば、レジスタの正面側から、凹部内のリンクバーが極めて見にくくなり、レジスタの意匠性が悪化することを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は空気吹出調整用レジスタの正面図を示し、図2はその断面図を示し、図4はベゼル1を外した状態のリテーナ2の斜視図を示している。ベゼル1の正面には空気吹出口11が形成され、その空気吹出口11の内側にリテーナ2が接続される。
【0013】リテーナ2は、矩形のダクト状に形成され、内部に通風路21が形成される。通風路21内には後可動ルーバ4が配設され、リテーナ2の前縁部には、図5に示すように、前可動ルーバ3が嵌め込まれる。さらに、リテーナ2内側の右側壁の前部には、後述のリンクバー35を配設するための凹部22が縦に形成されている。
【0014】前可動ルーバ3は、両側に長尺板状の軸受部材33,34を縦に配置し、両側軸受部材33,34の間に、複数の横フィン31を一定の間隔で配置し、それらの各回動軸32を両側の軸受部材33,34に回動可能に支持し、それらの横フィン31の偏位軸36をリンクバー35で相互に連結して構成される。
【0015】すなわち、各横フィン31の両側には回動軸32が突設され、その回動軸32は両側の軸受部材33,34の軸受孔に回動可能に嵌合される。更に、各横フィン31の一方の端部に、回動軸32と偏位して偏位軸36が形成され、各偏位軸36はリンクバー35により相互に連結される。リンクバー35は、一方の側の軸受部材34の背後に位置し、正面から見た場合、少し幅広に形成された軸受部材34の背後に隠れるように配置されている。
【0016】このような前可動ルーバ3の軸受部材33,34はリテーナ2の前縁部に嵌め込まれ、それによって、リンクバー35はリテーナ2内側の凹部22内に配設され、凹部22の前面は軸受部材34で覆われるから、リンクバー35は、正面から見た場合、軸受部材34の背面に良好に隠され、極めて見えにくい状態になると共に、通風路21の壁面より内側には退避した状態となる。
【0017】後可動ルーバ4は、複数の縦フィン41を一定の間隔で回動可能に配置し、それらをリンクバー44で相互に連結して構成される。各縦フィン41の上部と下部には回動軸42が突設され、それらの回動軸42は上記リテーナ2の上壁と下壁に穿設した軸受孔に回動可能に嵌合される。更に、各縦フィン41の上端の縁部には、偏位軸45が突設され、それらの偏位軸45がリンクバー44により相互に連結される。
【0018】上記前可動ルーバ3と後可動ルーバ4の向きを調整するための操作ノブ6が、前可動ルーバ3の略中央位置の横フィン31に、摺動可能に取り付けられる。そして、操作ノブ6の内側に突設した係合突部61が、後可動ルーバ4の略中央部の縦フィン41の係合部43に係合し、操作ノブ6を左右に動かすと、係合突部61が縦フィン41の係合部43に係合して縦フィン41を左右に回動させ、後可動ルーバ4の左右の向きを変える。また、操作ノブ6を上下に回動させると、同様に横フィン31が回動軸32を軸に回動し、その上下の向きを変える。
【0019】上記構成の空気吹出調整用レジスタは、自動車の車内のインストルメントパネルやダッシュボードの部分に、そのリテーナ2の末端を図示しない通風ダクトに接続するようにして装着される。通風ダクトから送られる空気は、リテーナ2内の通風路21から空気吹出口11を通して吹き出される。
【0020】通風路21内では、空気が流通するが、リテーナ2の内側に凹部22が形成され、その凹部22内に前可動ルーバ3の各横フィン31を連結するリンクバー35が配設されているから、前可動ルーバ3のリンクバー35がリテーナ2内に配置されていても、通風路21内の通風抵抗や圧力損失がリンクバー35によって増大することを防止することができる。
【0021】さらに、リンクバー35がリテーナ2の凹部内に配設され、前可動ルーバ3の各横フィン31の回動軸32を軸支する軸受部材34がリテーナ2の前縁部に嵌着され、その軸受部材34の背面側に凹部22とリンクバー35が配設されているから、レジスタの正面側から、凹部22内のリンクバー35が極めて見にくくなり、レジスタの意匠性が悪化することを防止することができる。
【0022】空気の吹出向きを上または下に調整する場合、操作ノブ6を上または下に回動させて調整する。操作ノブ6を持って上または下に回動させると、操作ノブ6の嵌挿された横フィン31が回動軸32を軸に回動し、その回動が偏位軸36とリンクバー35を介して全ての横フィン31に伝達され、全ての横フィン31がその回動軸32を支点に回動し、これにより、横フィン31の上下方向の向きが回動軸32を軸にして変化し、空気の吹出方向が上下に調整される。
【0023】一方、空気の吹出向きを左右に調整する場合、操作ノブ6を左または右に移動させて調整する。操作ノブ6を持って左または右に動かすと、横フィン31上を摺動し、操作ノブ6が水平方向(横方向)に移動し、操作ノブ6の先端の係合突部61が後方の後可動ルーバ4の縦フィン41の係合部43に係合する。これに伴い、縦フィン41が回動軸42を軸に回動し、その回動が偏位軸45とリンクバー44を介して、他の縦フィン41に伝達され、後可動ルーバ4の全ての縦フィン41が、その回動軸42を軸に回動し、その向きが所定の角度範囲で回動調整される。
【0024】このように、通風路21内の通風抵抗や圧力損失がリンクバー35によって増大することを防止することができ、前可動ルーバ3のリンクバー35がリテーナ2内に配設され、リテーナ2の外側に突出しないため、外側の部材との干渉を避けるために、レジスタの外側のスペースをある程度広くあける必要もなくなる。さらに、上述のように、凹部22内にリンクバー35が配設されその正面側に軸受部材34が位置しているから、レジスタの正面側から、凹部22内のリンクバー35が極めて見にくくなり、レジスタの意匠性が悪化することを防止することができる。
【0025】なお、上記実施例では、前可動ルーバ3に横フィン31を設け、後可動ルーバ4に縦フィン41を設けたが、それらを90度回転させた状態とし、前可動ルーバに縦フィンを設け、後可動ルーバに横フィンを設けるように構成することもできる。また、上記実施例では、前可動ルーバ3のリンクバー35をリテーナの凹部22内に配置したが、後可動ルーバ4のリンクバーを、同様にリテーナの内側に設けた凹部内に配置することもできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気吹出調整用レジスタによれば、通風路内の通風抵抗や圧力損失がリンクバーによって増大することを防止することができる。また、レジスタの正面側から、通風路内の凹部のリンクバーが極めて見にくくなり、レジスタの意匠性が悪化することを防止することができる。また、前可動ルーバのリンクバーが、リテーナ内に配設されて、リテーナの外側に突出しないため、外側の部材との干渉を避けるために、レジスタの外側のスペースを広くあける必要がなく、レジスタの収納性が良好となる。
【出願人】 【識別番号】595058336
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
【住所又は居所】愛知県西加茂郡藤岡町大字西中山字西宮前45番地1
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地
【出願日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−341353(P2003−341353A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−148133(P2002−148133)