| 【発明の名称】 |
車両の空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】任田 功 【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
【氏名】十亀 克維 【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置し、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置を設けることで、上述の空調風により所定空間を適切に冷暖房することができ、乗員の快適性を向上させ、特にトンネル内の走行時や渋滞時に有効となる車両の空調装置の提供を目的とする。
【解決手段】車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部7と、上記フロントウインド開口部7を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材8によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部7側部の両縦辺部9を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインド部材8の後部縦辺部は車室の側方にラウンドして配置すると共に、上記フロントウインド部材8で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置35,55,57,59を備えたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部と、上記フロントウインド開口部を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部側部の両縦辺部を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインド部材の後部縦辺部は車室の側方にラウンドして配置すると共に、上記フロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置を備えた車両の空調装置。 【請求項2】車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部と、上記フロントウインド開口部を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部側部の両縦辺部を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインド部材の後部縦辺部は車室の側方にラウンドして配置すると共に、空気清浄機能を有する空調ユニットを備え、上記フロントウインド部材で囲まれた所定空間に浄化された空調風を吹出して、該所定空間をナチュラルエアゾーンとする空調装置を備えた車両の空調装置。 【請求項3】上記フロントウインド開口部の下部近傍には空調ユニットが配設され、上記空調ユニットに接続されて上記フロントウインド部材の下辺に沿って延び、空調風を車室内に吹出す空調ダクトが設けられ、上記フロントウインド部材の内側に空調風ゾーンを形成するように構成した請求項1または2記載の車両の空調装置。 【請求項4】上記空調ダクトはフロントウインド部材に空調風を吹出す吹出し口をもったデフロスタダクトに設定された請求項3記載の車両の空調装置。 【請求項5】上記空調ダクトは車室内乗員に向けて空調風を吹出す吹出し口をもったベントダクトに設定された請求項3記載の車両の空調装置。 【請求項6】上記フロントウインド開口部の両縦辺部を構成するフロントピラー部に空調吹出し部を形成した請求項1,2または3記載の車両の空調装置。 【請求項7】上記フロントウインド開口部の上辺部を構成するフロントヘッダ部に空調吹出し部を形成した請求項1,2または3記載の車両の空調装置。 【請求項8】上記フロントウインド開口部の車室側にはトリム部材が設けられ、上記空調吹出し部はトリム部材内の空調風の通路に接続された請求項6または7記載の車両の空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部と、この開口部を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材によって覆ったオープンカーのような車両の空調装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、オープンカーにおいては車室内と車外とが常時連通しているので、汚れた空気等の外気が車室内を満たすことになり、乗員は不快感を覚える問題点があった。このことは、トンネル内の走行時や渋滞時には特に顕著となり、排気ガスを含んだ外気が車室内を満たす問題点があり、また夏場、冬場等においても車室内を適切に冷暖房することができない問題点があった。 【0003】一方、特開平8−58431号公報には、インストルメントパネルを支持して車幅方向に延びるインパネメンバを設け、このインパネメンバの前部にはデフロスタダクトを配設し、インパネメンバの後部にはセンタベントダクトを配設した一般的な空調装置の構造が開示されているが、この空調装置をオープンカーに適用しても上述の問題点の解決には至らない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置し、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置を設けることで、上述の空調風により所定空間を適切に冷暖房することができ、乗員の快適性を向上させ、特にトンネル内の走行時や渋滞時に有効となる車両の空調装置の提供を目的とする。 【0005】この発明はまた、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置し、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間をナチュラルエアゾーン(エアフィルタ等により浄化、清浄化された空気のゾーン)とする空調装置を設けることで、上述の空調風により所定空間を適切にナチュラルエアゾーンと成して、乗員の快適性を向上させ、特にトンネル内の走行時や渋滞時に有効となる車両の空調装置の提供を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明の車両の空調装置は、車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部と、上記フロントウインド開口部を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部側部の両縦辺部を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインド部材の後部縦辺部は車室の側方にラウンドして配置すると共に、上記フロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置を備えたものである。 【0007】上記構成のフロントウインド開口部は、フロントピラーおよびフロントヘッダにより構成してもよい。また上記構成のフロントウインド部材は、ガラスや透明の強化プラスチックにより構成してもよい。さらに上記構成の空調装置は、内部にエバポレータおよびヒータコア等を有する空調ユニットとダクトと吹出し口とで構成してもよい。 【0008】上記構成によれば、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置することにより、このフロントウインド部材で囲まれた空間が形成される。 【0009】そこで、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に上述の空調装置にて温調された空調風を吹出すことで、この所定空間を適切に冷暖房することができ、この結果、乗員の快適性を向上させることができ、特に、トンネル内の走行時や渋滞時において有効となる。 【0010】この発明による車両の空調装置はまた、車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部と、上記フロントウインド開口部を透光性の素材から成る一体のフロントウインド部材によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部側部の両縦辺部を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインド部材の後部縦辺部は車室の側方にラウンドして配置すると共に、空気清浄機能を有する空調ユニットを備え、上記フロントウインド部材で囲まれた所定空間に浄化された空調風を吹出して、該所定空間をナチュラルエアゾーンとする空調装置を備えたものである。 【0011】上記構成のナチュラルエアゾーンは、エアフィルタ等の空気洗浄手段にて浄化、清浄化された空気(フレッシュエア)のゾーンを意味する。上記構成によれば、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置することにより、このフロントウインド部材で囲まれた空間が形成される。 【0012】そこで、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に上述の空気清浄機能を有する空調ユニットにて清浄化されたナチュラルエアを吹出すことで、この所定空間をナチュラルエアゾーンとすることができ、この結果、乗員の快適性を向上させることができ、特に、トンネル内の走行時や渋滞時において有効となる。 【0013】この発明の一実施態様においては、上記フロントウインド開口部の下部近傍には空調ユニットが配設され、上記空調ユニットに接続されて上記フロントウインド部材の下辺に沿って延び、空調風を車室内に吹出す空調ダクトが設けられ、上記フロントウインド部材の内側に空調風ゾーンを形成するように構成したものである。 【0014】上記構成によれば、上述の空調ダクトから車室内に吹出される空調風により、フロントウインド部材の内側つまり車室側に空調風ゾーンを形成して、乗員の快適性向上を図ることができる。 【0015】この発明の一実施態様においては、上記空調ダクトはフロントウインド部材に空調風を吹出す吹出し口をもったデフロスタダクトに設定されたものである。上記構成によれば、上述の空調風ゾーンを形成する空調ダクトと、デフロスタダクトとを兼用することができるので、ダクト構成等の構造の簡素化を図ることができる。 【0016】この発明の一実施態様においては、上記空調ダクトは車室内乗員に向けて空調風を吹出す吹出し口をもったベントダクトに設定されたものである。上記構成によれば、上述の空調風ゾーンを形成する空調ダクトと、ベントダクトとを兼用することができるので、ダクト構成等の構造の簡素化を図ることができる。 【0017】この発明の一実施態様においては、上記フロントウインド開口部の両縦辺部を構成するフロントピラー部に空調吹出し部を形成したものである。上記構成によれば、フロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出すところの空調吹出し部をフロントピラー部に形成したので、乗員の頭部に可及的近い部位から空調風を吹出すことができ、乗員の快適性向上を図ることができる。 【0018】この発明の一実施態様においては、上記フロントウインド開口部の上辺部を構成するフロントヘッダ部に空調吹出し部を形成したものである。上記構成によれば、フロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出すところの空調吹出し部をフロントヘッダ部に形成したので、乗員の頭部に可及的近い部位から空調風を吹出すことができ、乗員の快適性向上を図ることができる。しかも、フロントヘッダ部に空調吹出し部を形成するので、この空調吹出し部を設ける車幅方向の位置を任意に設定することができる。 【0019】この発明の一実施態様においては、上記フロントウインド開口部の車室側にはトリム部材が設けられ、上記空調吹出し部はトリム部材内の空調風の通路に接続されたものである。上記構成によれば、空調風の通路と、空調吹出し部とを容易に形成することができる。 【0020】 【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図面は車両の空調装置を示すが、まず図1、図2を参照して、車両の全体構造を概略的に説明する。この車両は図1、図2に示すようにルーフ部に複数たとえば3分割されたハードルーフ1,2,3から成る可動ルーフ4を備えると共に、この可動ルーフ4を開閉可能かつ取外し可能(図2参照)に構成して、図2に示すように可動ルーフ4を取外した際にはルーフのないオープンカー態様で走行可能に構成されている。 【0021】また上記車両はその側部に左右のドア5,5(サイドドア)によって開閉される乗員乗降用のドア開口部6,6を備えている。さらに車両の乗員着座位置の前方には、車体に形成された連続する単一の開口部から成るフロントウインド開口部7を設け、このフロントウインド開口部7を透光性素材(例えば、ガラスまたは透明の強化プラスチック)から成る一体(非分割)のフロントウインド部材8(以下単にフロントウインドガラスと称する)で覆っている。なお、上述のフロントウインド開口部7は後述する左右のフロントピラーとフロントヘッダとで構成されるものである。 【0022】上述のフロントウインドガラス8は乗員着座位置の前方から乗員着座位置の側方つまり、車室の側方までラウンドして廻り込むように一体形成されており、このフロントウインドガラス8で覆われるフロントウインド開口部7の側部の左右両縦辺部9,9はラウンドして廻り込んだフロントウインドガラス8の後端部と対応するように、ドア開口部6の前辺部よりも後方に配置され、しかも該縦辺部9は可及的垂直に配設されている。 【0023】図3は図1、図2で示した車両の前部車体構造を示す側面図であって、図3においてエンジン11が搭載されたエンジンルーム12と、乗員が乗り込む車室13とが仕切り手段としてのダッシュロアパネル14(ダッシュパネル)を隔てて区画されている。 【0024】上述の車室13の前方に設けられ、かつダッシュロアパネル14にて区画されたエンジンルーム12の上部はボンネット15で開閉可能に覆われる一方、エンジンルーム12内のエンジン11よりも前部にはインタクーラ16、空調用のクーラコンデンサ17、ラジエータ18が前高後低状に傾斜して配置され、またラジエータ18とエンジン11との間には空気浄化手段としてのエアクリーナ19が配置されている。 【0025】上述のエンジン11はシリンダブロック20、シリンダヘッド21、シリンダヘッドカバー22およびオイルパン23を有し、この実施例ではレシプロエンジン(例えば直列4気筒エンジン)を縦置き配置している。 【0026】上述のダッシュロアパネル14の後端部には車室13のフロアを形成するフロアパネル24が設けられるが、上述のエンジン11はそのエンジン回転軸としてのクランクシャフトの軸芯線25が車室13のフロアパネル24の高さよりも高い位置に配設されている。 【0027】また上述のエンジン11の後部には、フロアパネル24のトンネル部26の車外側に位置するようにトランスミッション27が接続され、エンジン11とトランスミッション27とでパワートレイン28を構成し、上述のエンジン11によりトランスミッション27、プロペラシャフトおよびリヤディファレンシャル装置を介して後輪29(図1、図2参照)を駆動すべく構成している。 【0028】上述のダッシュロアパネル14の上部にはカウルアッパパネル30とカウルロアパネル31とを接合して車幅方向に延びる閉断面32構造のカウル部33(車体剛性部材)が設けられており、カウル閉断面32の上部にはフロントウインドガラス8を取付けている。 【0029】さらに上述のダッシュロアパネル14とインストルメントパネル34との間には、可及的エンジン11に近接するように空調ユニット35を配設する一方、上述のカウル部33の車両後方近傍には車幅方向に延びて左右のヒンジピラーを連結し、かつ上述のインストルメントパネル34を支持するインパネメンバ37を設けている。なお、図1、図2、図3において36は前輪である。 【0030】ところで、上述のダッシュロアパネル14は図4,図5にも示すように、その車幅方向中央部14aが同パネル14の両側部つまり乗員に対応する位置の一般面14bよりも車両後方に凹設されて、この中央部14aの前部にエンジン配設空間39を形成し、このエンジン配設空間39内にエンジン11の後端部11Rを配設して、重量物としてのエンジン11を可及的車両の前後方向の中央部に配設すべく構成し、エンジン11を後方にレイアウトして、セントラルミッドシップ化を達成し、ヨー慣性モーメントの低減を図って、操縦安定性を向上させ、かつエンジン11を後退配置したことにより、車両前部にクラッシャブルスペースを確保するように構成している。 【0031】上述のダッシュロアパネル14のエンジン配設空間39と上下方向に対応するように、カウルアッパパネル30とカウルロアパネル31とを備えたカウル部33の車幅方向の中間部にも図4、図5に示す如く凹部30a,31aを形成し、これら各凹部30a,31aには複数たとえば合計4個の取付け部30b,31bを一体形成している。 【0032】また上述の凹部30a,31aを車幅方向に連結する補強パネル40を設け、この補強パネル40には上述の各取付け部30b,31bと対応する取付け部40bを一体形成している。なお、この補強パネル40には上方または下方へ突出するビードを設けてもよい。 【0033】そして、カウルロアパネル31の取付け部31b下面に予めナットを溶接固定し、補強パネル40の取付け部40b、カウルアッパパネル30の取付け部30b、カウルロアパネル31の取付け部31bに上下方向に一致すべく形成されたボルト挿通孔に対して上方からボルトを挿通させ、このボルトを上述のナットに締付けることで、補強パネル40により凹部30a,31aを車幅方向に連結すると共に、該補強パネル40を着脱可能に構成している。 【0034】上述の補強パネル40を設けることにより、カウル部33の剛性向上を図ることができ、しかも、該補強パネル40を着脱構造に成すことにより、エンジン11の点火プラグやエンジンルーム12内の他の補機に対するメンテナンス性、サービス性の向上を図るように構成したものである。 【0035】図6は図3の要部の平面図であって、車両前部において車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム41,41を設け、これらフロントサイドフレーム41,41の前端部相互間には車幅方向に延びるバンパレインフォースメント42を取付けている。 【0036】またバンパレインフォースメント42の後方位置において左右のフロントサイドフレーム41,41間には車幅方向に延びるフロントクロスメンバ43(いわゆるNo.1.5クロスメンバ)を横架している。 【0037】さらにカウル部33の左右両端部から車両の前方に向けて斜め方向に延びるエプロンレインフォースメント44,44を設け、これら左右の各エプロンレインフォースメント44,44の前端部相互間には車幅方向に延びるシュラウドメンバ45を取付けている。上述の各要素41,42,43,44,45は剛性部材である。なお、図6において46はステアリングホイールである。 【0038】上述のフロントウインド開口部7はフロントピラー47とフロントヘッダ48とにより構成されている。すなわち、左右の両フロントピラー47はフロントウインド開口部7の両縦辺部9,9を構成し、フロントヘッダ48はフロントウインド開口部7の上辺部を構成するものである。 【0039】図7は図3の要部拡大図であって、フロンウインド開口部7の下部近傍には空調ユニット35が配設されている。この空調ユニット35にはカウル閉断面32から外気を取り入れる外気導入ダクト50と、空気清浄手段としてのフィルタ51を介して内気を取り入れる内気導入ダクト52とが接続されている。 【0040】また上述の空調ユニット35の内部には熱交換手段としてのエバポレータ53と、ヒータコア54とが内蔵されていて、吹出される空調風の温度を冷房時、暖房時に対応して調整可能とすべく構成している。 【0041】さらに、図6、図7、図8に示すようにフロントウインドガラス8の下辺に沿って延び、空調風を車室内に吹出すデフロスタ吹出し口55がインストルメントパネル34に形成されている。 【0042】上述のデフロスタ吹出し口55はフロントウインドガラス8のラウンド形状に対応して後方に廻り込むように形勢されている。すなわち、運転席側においてはメータフード56の前方部からメータフード56の車外側の外方部に廻り込むように形成されていて、助手席側においてはインストルメントパネル34の上面前方部からインストルメントパネル34の上面車外側の外方部に廻り込むように形成されている。 【0043】上述のデフロスタ吹出口55と空調ユニット35の所定部とを連通接続するデフロスタダクト57は、インパネメンバ37の後部に配設されている。インパネメンバ37の後部にデフロスタダクト57を配設することで、デフロスタ吹出口55のラウンド形成時に両者57,37の干渉を防止することができる。 【0044】また上述のデフロスタダクト57には該ダクト57から分岐された空調ダクト58を一体または一体的に形成し、この空調ダクト58の吹出し口59,59をインストルメントパネル34上面中間の運転席側と助手席側との双方に開口している。 【0045】上述の吹出し口59はフロントウインドガラス8で囲まれた所定空間(図7に示す矢印で囲まれた空間参照)に温度調整された空調風または浄化された空調風としてのナチュラルエア(フレッシュエア)を吹出して、該所定空間を温調ゾーンまたはナチュラルエアゾーンとすべくゾーン空調を行なうものである。 【0046】つまり、上述の吹出し口59から吹出された空調風(温調風またはナチュラルエア)は図7に矢印で示すように、フロントウインドガラス8の前低後高状の傾斜に沿って下方から上方へ流動し、フロントヘッダ48の車室内側を覆うヘッダトリム60の下部から前席乗員の頭部近傍を上方から下方に向けて経由して矢印で示すように前方へ循環し、上述の温調ゾーンまたはナチュラルエアゾーンをゾーン空調し、フロントウインドガラス8の車室内側に空調風ゾーンZ1を形成するものである。 【0047】冷、暖房時にはカウル閉断面32から外気を取り入れ、空調ユニット35で温度コントロールした後の冷風、温風を吹出せばよく、ナチュラルエアゾーンを形成する場合には内気をフィルタ51で浄化した後に、このナチュラルエア(フレッシュエア)を吹出すとよい。なお、図8において61はドアミラー、62はグローブボックス、63はオーディオユニット、64は変速レバーである。 【0048】このように図1〜図8で示した実施例の車両の空調装置は、車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部7と、上記フロントウインド開口部7を透光性の素材から成る一体のフロントウインドガラス8によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部7側部の両縦辺部9,9を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインドガラス8の後部縦辺部は車室13の側方にラウンドして配置すると共に、上記フロントウインドガラス8で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置(各要素35,55,57,58,59参照)を備えたものである。 【0049】この構成によれば、フロントウインドガラス8の後部縦辺部を車室13の側方にラウンドして配置することにより、このフロントウインドガラス8で囲まれた空間が形成される。 【0050】そこで、このフロントウインドガラス8で囲まれた所定空間(空調風ゾーンZ1参照)に上述の空調装置にて温調された空調風を吹出すことで、この所定空間を適切に冷暖房することができ、この結果、乗員の快適性を向上させることができ、特に、トンネル内の走行時や渋滞時において有効となる。 【0051】また図1〜図8で示した実施例の車両の空調装置は、車体に形成された連続した単一開口から成るフロントウインド開口部7と、上記フロントウインド開口部7を透光性の素材から成る一体のフロントウインドガラス8によって覆った車両において、上記フロントウインド開口部7側部の両縦辺部9,9を車両側部後方に位置させ、上記フロントウインドガラス8の後部縦辺部は車室13の側方にラウンドして配置すると共に、空気清浄機能を有する空調ユニット35を備え、上記フロントウインドガラス8で囲まれた所定空間(空調風ゾーンZ1参照)に浄化された空調風を吹出して、該所定空間をナチュラルエアゾーンとする空調装置(各要素35,51,52,55,57,58,59参照)を備えたものである。 【0052】この構成によれば、フロントウインドガラス8の後部縦辺部を車室13の側方にラウンドして配置することにより、このフロントウインドガラス8で囲まれた空間が形成される。 【0053】そこで、このフロントウインドガラス8で囲まれた所定空間に上述の空気清浄機能を有する空調ユニット35にて清浄化されたナチュラルエアを吹出すことで、この所定空間をナチュラルエアゾーン(空調風ゾーンZ1参照)とすることができ、この結果、乗員の快適性を向上させることができ、特に、トンネル内の走行時や渋滞時において有効となる。 【0054】さらに、上記フロントウインド開口部7の下部近傍には空調ユニット35が配設され、上記空調ユニット35に接続されて上記フロントウインドガラス8の下辺に沿って延び、空調風を車室内に吹出す空調ダクト(デフロスタダクト557および空調ダクト58参照)が設けられ、上記フロントウインドガラス8の内側に空調風ゾーンZ1を形成するように構成したものである。 【0055】この構成によれば、上述の空調ダクト58から車室13内に吹出される空調風により、フロントウインドガラス8の内側つまり車室13側に空調風ゾーンZ1を形成して、乗員の快適性向上を図ることができる。 【0056】加えて、上記空調ダクト(各ダクト57,58参照)はフロントウインドガラス8に空調風を吹出す吹出し口55をもったデフロスタダクト57に設定されたものである。この構成によれば、上述の空調風ゾーンZ1を形成する空調ダクト58と、デフロスタダクト57とを兼用することができるので、ダクト構成等の構造の簡素化を図ることができる。 【0057】図9は車両の空調装置の他の実施例を示し、空調風ゾーンZ1(図7参照)を形成する空調ダクト58の吹出し口59を運転席側に2つ、助手席側に2つ形成したものである。 【0058】このように構成すると、運転席側乗員に対して図7に矢印で示す循環風経路が2経路形成されると共に、助手席側乗員に対しても同図に矢印で示す循環風経路が2経路形成されるので、前席乗員の快適性をより一層向上させることができる。 【0059】図9で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。 【0060】図10は車両の空調装置のさらに他の実施例を示し、図7の実施例においては吹出し口59と連通する空調ダクト58をデフロスタダクト57から分岐形成したが、図10に示すこの実施例においては、吹出し口59と連通する空調ダクト58をベントダクト65(図面ではセンタベントダクトを示す)から分岐形成したものである。 【0061】上述のベントダクト65はインストルメントパネル34に設けられたベント吹出し口66(図面ではセンタベント吹出し口を示す)を有し、車室内乗員に向けて空調風を吹出すダクトであって、このベントダクト65と空調ダクト58との分岐部にはドア67を設けている。 【0062】上述のドア67を図10の仮想線位置に切換えた場合には、空調ユニット35からの空調風は車室内乗員に向けて直接吹出され、ドア67を図10の実線位置に切換えた場合には、空調ユニット35からの空調風は空調ダクト58および吹出し口59から車室内に吹出されるので、空調風ゾーンZ2を形成することができる。 【0063】つまり、上述の吹出し口59から吹出された空調風(温調風またはナチュラルエア)は図10に矢印で示すように、フロントウインドガラス8の前低後高状の傾斜に沿って下方から上方へ流動し、フロントヘッダ48の車室内側を覆うヘッダトリム60の下部か前席乗員の頭部近傍を上方から下方に向けて経由して矢印で示すように前方へ循環し、前述の温調ゾーンまたはナチュラルエアゾーンをゾーン空調し、フロントウインドガラス8の車室内側に空調風ゾーンZ2を形成するものである。 【0064】このように図10で示した実施例においては、上記空調ダクト58は車室内乗員に向けて空調風を吹出す吹出し口66をもったベントダクト65に設定されたものである。この構成によれば、上述の空調風ゾーンZ2を形成する空調ダクト58と、ベントダクト65とを兼用することができるので、ダクト構成等の構造の簡素化を図ることができる。 【0065】図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図10において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。 【0066】図11、図12、図13は車両の空調装置のさらに他の実施例を示するものである。この実施例ではフロントウインド開口部7の左右の両縦辺部9,9を構成するフロントピラー47,47の部分に空調吹出し部68を形成している。 【0067】すなわち、フロントピラー47の車室側には図13に示すようにトリム部材としてのピラートリム69を設け、このピラートリム69内に空調風の通路70を形成すべく該ピラートリム69をブロー成形品により構成し、該ピラートリム69の可及的上方位置にピラートリム内の通路70と連通接続された空調吹出し部68を形成したものである。 【0068】またピラートリム69内の空調風の通路70の下部は、車体内に設けられた連通路71を介してデフロスタ吹出口55またはそのダクト57に接続されている。そして、この実施例においては図12、図13に矢印で示すように、空調吹出し部68から吹出された空調風(温調風またはナチュラルエア)は車幅方向内方に向けて斜め下方へ流動し、前席乗員の頭部近傍を上方から下方に向けて経由した後に、一旦前方へ流動し、さらに車幅方向外方に向けて斜め上方へ流動すべく循環して、フロントウインドガラス8の車室内側に空調風ゾーンZ3を形成するものである。なお、図13においてFは車両前方を示し、OUTは車両外方を示す。 【0069】このように、図11〜図13で示した実施例においては、上記フロントウインド開口部7の両縦辺部9,9を構成するフロントピラー47の部分に空調吹出し部68を形成したものである。この構成によれば、フロントウインドガラス8で囲まれた所定空間に空調風を吹出すところの空調吹出し部68をフロントピラー47の部分に形成したので、乗員の頭部に可及的近い部位から空調風を吹出すことができ、乗員の快適性向上を図ることができる。 【0070】また、上記フロントウインド開口部7の車室側にはトリム部材(ピラートリム69参照)が設けられ、上記空調吹出し部68はトリム部材(ピラートリム69参照)内の空調風の通路70に接続されたものである。この構成によれば、空調風の通路70と、空調吹出し部68とを容易に形成することができる。 【0071】図11〜図13で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図11〜図13において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。 【0072】図14は車両の空調装置のさらに他の実施例を示す要部の平面図であって、この実施例では図11〜図13で示した実施例の構造に加えて、ピラートリム69にエアカーテン形成孔72を形成し、ピラートリム69内の空調風の通路70と連通接続された上記エアカーテン形成孔72から吹出される空調風により、前方から後方へ流動するエアカーテン73を形成して、このエアカーテン73により外気が車室13内へ入り込むのを可及的防止すべく構成したものである。 【0073】このように構成すると、空調吹出し部68からの空調風にて空調風ゾーンZ3を形成することができると共に、エアカーテン73により排気ガス等を含む外気が車室内へ侵入するのを可及的防止することができる。 【0074】図14で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図14において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。 【0075】図15、図16は車両の空調装置のさらに他の実施例を示すものである。この実施例ではフロントウインド開口部7の上辺部を構成するフロントヘッダ48の部分に運転席側乗員および助手席側乗員に対応すべく空調吹出し部74を形成している。 【0076】すなわち、フロントヘッダ48の車室側には図16に示すようにトリム部材としてのヘッダトリム60を設け、このヘッダトリム60内に空調風の通路75を形成すべく該ヘッダトリム60をブロー成形品により構成し、車幅方向に延びる上述のヘッダトリム60内の通路75と連通接続された空調吹出し部74を前席乗員と対応させて形成したものである。 【0077】また上述のヘッダトリム60内の空調風の通路75は、ピラートリム69内の空調風の通路70と連通接続され、図15に示すように、連通路71を介してデフロスタ吹出口55またはそのダクト57に接続されている。 【0078】そして、この実施例においては図16に矢印で示すように、空調吹出し部74から吹出された空調風(温調風またはナチュラルエア)は上方から下方に向けて斜め下方へ流動し、前席乗員の頭部近傍を上方から下方に向けて経由した後に、一旦前方へ流動し、さらに下方から上方へと流動すべく循環して、フロントウインドガラス8の車室内側に空調風ゾーンZ4を形成するものである。 【0079】このように図15、図16で示した実施例においては、上記フロントウインド開口部7の上辺部を構成するフロントヘッダ部(ヘッダトリム60参照)に空調吹出し部74を形成したものである。この構成によれば、フロントウインドガラス8で囲まれた所定空間に空調風を吹出すところの空調吹出し部74をフロントヘッダ部(ヘッダトリム60参照)に形成したので、乗員の頭部に可及的近い部位から空調風を吹出すことができ、乗員の快適性向上を図ることができる。しかも、フロントヘッダ部(ヘッダトリム60参照)に空調吹出し部74を形成するので、この空調吹出し部74を設ける車幅方向の位置を任意に設定することができる。 【0080】図15、図16で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図15、図16において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。 【0081】この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明のフロントウインド部材は、実施例のフロントウインドガラス8に対応し、以下同様に、空調装置は、空調ユニット35およびダクトを含む装置に対応して、空調ダクトは、デフロスタダクト57、空調ダクト58に対応し、トリム部材は、ピラートリム69、ヘッダトリム60に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。 【0082】例えば、上述の吹出し口59、空調吹出し部68,74に吹出し方向を変更調整するルーバその他の手段を設けて、空調風ゾーンZ1,Z2,Z3,Z4の位置または/および大きさを可変すべく構成してもよい。 【0083】 【発明の効果】この発明によれば、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置し、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間を所定温度に調整可能な空調装置を設けたので、上述の空調風により所定空間を適切に冷暖房することができ、乗員の快適性を向上させ、特にトンネル内の走行時や渋滞時に有効となる効果がある。 【0084】この発明によれば、フロントウインド部材の後部縦辺部を車室の側方にラウンドして配置し、このフロントウインド部材で囲まれた所定空間に空調風を吹出して、該所定空間をナチュラルエアゾーン(エアフィルタ等により浄化、清浄化された空気のゾーン)とする空調装置を設けたので、上述の空調風により所定空間を適切にナチュラルエアゾーンと成して、乗員の快適性を向上させ、特にトンネル内の走行時や渋滞時に有効となる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003137 【氏名又は名称】マツダ株式会社 【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月29日(2002.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067747 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 良昭 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341346(P2003−341346A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−155699(P2002−155699) |
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