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【発明の名称】 車両用空調ダクト
【発明者】 【氏名】徳永 隆行
【住所又は居所】神奈川県平塚市大神2909番地 株式会社エヌエスデザイン内

【要約】 【課題】重量増加、コストアップ、および通風抵抗を抑えて剛性を確保できる車両用空調ダクトを提供する。

【解決手段】車両用空調ダクトを構成する配風ダクト2は、フロアカーペット20の下側に沿って配設された配風ダクト本体5と、配風ダクト本体5の内部51を左右に仕切る仕切板6とから構成されている。この仕切板6は、配風ダクト本体5の取込口54から内部51に挿入して配風ダクト本体5の左右吹出口間に位置する吹出口間部の内側側面に当接して設けられ、この内側側面から取込口54の間で内部51を左右に仕切っているとともに、その上下に左右に延在して配風ダクト本体5の内側上面59cと内側下面59dとにそれぞれ面接する上側フランジ部63および下側フランジ部64とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂で管状に形成され、車両のフロアカーペットの下側に沿って配設されたダクト本体と、このダクト本体の内部を左右に仕切る仕切板とを備え、前記ダクト本体は、一端部が前記車両の空調装置に接続して、その端面に前記空調装置から吹き出された空調空気を前記内部に取り込む取込口が形成され、他端部が前記車両のシートの下側に向かって左右に分岐した複数の分岐部から構成されて、各分岐部の端面に前記内部に取り込まれた前記空調空気を吹き出す吹出口がそれぞれ形成されている一方、前記仕切板は、前記ダクト本体の前記取込口から前記内部に挿入して隣接する両吹出口間に位置する吹出口間部の内側側面に当接して設けられ、この内側側面から前記取込口の間で前記内部を左右に仕切るとともに、その上下側に左右に延在して前記ダクト本体の内側上面と内側下面とにそれぞれ面接する上側フランジ部と下側フランジ部とを備えたことを特徴とする車両用空調ダクト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワンボックスカー等の車両のフロア下には、樹脂によって形成された空調ダクトが設けられており、例えば図11に示すような車両用空調ダクト101が提案されている(特開平9−99727号公報参照)。このダクト101は、車両のフロアFの中央を前後方向Pに延在する通路に敷かれたフロアカーペットの下側に沿ってダクト本体102が配設されている。
【0003】このダクト本体102は、一端部103が車両の空調装置に接続しているとともに一端部103の端面には空調装置から吹き出された空調空気Qをダクト本体102の内部104に取り込む取込口105が形成されている。
【0004】一方、ダクト本体102の他端部106は車両のシートに向かって左右方向に分岐した複数の分岐部107から構成されており、各分岐部107の端面にはダクト本体102の内部104に取り入れた空調空気Qを吹き出す吹出口108が形成されている。
【0005】また、ダクト本体102の内部104には、ダクト本体102の内側下面109から内側上面110に当接した複数のリブ111が内部104全体に渡って一体形成されている。このリブ111によりダクト101は内側から上下方向に支持されて剛性が確保されているので、フロアカーペットを介して乗員に踏まれても変形するのを防止している。
【0006】また、ダクト本体102の内部104において前後側には、整流板と兼用したリブ112、112が一体形成されている。これにより、ダクト101は取込口105から内部に取り込まれた空調空気Qがリブ112にガイドされて各吹出口108へ流れていき、シートへの配風がスムーズに行われようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなダクト101おいては、ダクト本体102の内部104全体に渡ってリブ111を設けたことから、このリブに111により空調空気Qの流れが妨げられて通風抵抗が上がっていた。
【0008】そこで、ダクト本体102にリブ111、112を設けるかわりにダクト本体102の板厚を厚くした場合には、剛性を確保しながら通風抵抗が抑えられるものの、ダクト全体の重量が増加してしまい、またダクト本体の成形時間が増加してしまうためコストアップとなっていた。
【0009】本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、重量増加、コストアップ、および通風抵抗を抑えて剛性を確保できる車両用空調ダクトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明の請求項1記載の車両用空調ダクトにおいては、樹脂で管状に形成され、車両のフロアカーペットの下側に沿って配設されたダクト本体と、このダクト本体の内部を左右に仕切る仕切板とを備え、前記ダクト本体は、一端部が前記車両の空調装置に接続して、その端面に前記空調装置から吹き出された空調空気を前記内部に取り込む取込口が形成され、他端部が前記車両のシートの下側に向かって左右に分岐した複数の分岐部から構成されて、各分岐部の端面に前記内部に取り込まれた前記空調空気を吹き出す吹出口がそれぞれ形成されている一方、前記仕切板は、前記ダクト本体の前記取込口から前記内部に挿入して隣接する両吹出口間に位置する吹出口間部の内側側面に当接して設けられ、この内側側面から前記取込口の間で前記内部を左右に仕切るとともに、その上下側に左右に延在して前記ダクト本体の内側上面と内側下面とにそれぞれ面接する上側フランジ部と下側フランジ部とを備えたものとしている。
【0011】かかる構成において、ダクト本体は仕切板の上下フランジ部により内側から上下方向で支持されるため、フロアカーペットを介して乗員に踏まれても剛性を確保できる。
【0012】また、仕切板によりダクト本体の内部には取込口と各吹出口とをそれぞれ繋ぐ複数の通風路が形成されることから、取込口から内部に取り込まれた空調空気は各通風路にガイドされながら各吹出口に通される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0014】図1は本発明の第1の実施の形態を示す車両用空調ダクト1の配置関係を示す斜視図であり、図2は車両用空調ダクト1の配置関係を示す平面図である。この空調ダクト1は7人乗りの車両10(コーチ)のフロア下のリヤ側に設けられている。
【0015】また、この空調ダクト1は車両10左側から見た逆F字型であって、後輪11より後方側で車幅方向Xに延在し、フロア下で左側に設けられた空調装置であるヒータユニット12に左端が接続された配風ダクト2と、配風ダクト2の前端にシール(図示せず)を介して接続されるとともに左右に分岐して前後に並列したシート7、7の下側に設けられた右側分岐ダクト3および左側分岐ダクト4とから構成されている。
【0016】図3は、配風ダクト2の設置状態の要部を示す縦断面図である。この配風ダクト2は、フロアカーペット20の下側に沿って配設された配風ダクト本体5と、配風ダクト本体5の内部51を左右に仕切る仕切板6とから構成されている。
【0017】配風ダクト本体5は、フロアパネル13の後端部14において車両のフロア面の一部を構成している上面15から下方に凹んで形成された凹部16内に、後面5aを凹部16の後面17に面接して載置されている。
【0018】そして、凹部16内において配風ダクト本体5の前側には配風ダクト本体5と同じ高さの樹脂製の詰物18が詰められており、詰物18の上面19および配風ダクト本体5との上面5bと凹部16との間にフロアカーペット20が敷かれている。
【0019】また、フロアカーペット20の後端部20aには、キッキングプレート20bの一端側が押しつけられており、キッキングプレート20bの他端側はフロアパネル13の後端縁と溶接された図外のバックドア開口部下部パネルにビス止めされ車体に取り付けられている。
【0020】また、配風ダクト本体5は、図1や図2に示すように、樹脂により車両左側から見た逆F字型の管状にブロー成形されており、配風ダクト本体5の一端部を構成する左端部52がヒータユニット12に接続している。
【0021】また、図4に示すように配風ダクト本体5の左端部52の端面53には、ヒータユニット12から吹き出される温風Hを配風ダクト本体5の内部51に取り込む取込口54が形成されている。
【0022】また、配風ダクト本体5の前方側には、シート7、7の下側に向かって左右(車幅方向X)に分岐して配風ダクト本体5の他端部を構成している右側分岐部55、左側分岐部56が形成されており、図4に示すように各分岐部55、56の端面55a、56aには、配風ダクト本体5の内部51に取り込まれた温風Hを吹き出す吹出口57、58がそれぞれ形成されている。
【0023】そして、図1、図2にも示すようにこの右側分岐部55および左側分岐部56には、前記右側分岐ダクト3および前記左側分岐ダクト4がそれぞれ前記シールを介して接続されている。
【0024】右側分岐ダクト3および左側分岐ダクト4は管状にブロー成形されており、両分岐ダクト3、4の各後面には、対応する配風ダクト本体5の分岐部55、56の吹出口57、58から吹き出された温風Hを内部に取り込む取込口31、41がそれぞれ形成され、両分岐ダクト3、4の各上面32、42の各シート7、7に対応する位置には内部に取り込んだ温風Hを吹き出す吹出口33、43が形成されている。
【0025】そして、両シート7、7の左右方向Xの長さ、着座定員(3人)が同じであることから、左右分岐ダクト3、4の吹出口33、44から各シート7、7の座席に配される温風Hの配風量を均一にするために、左右分岐ダクト3、4の前後方向Zの長さは同じ長さに設定されているとともに、吹出口33、43は同数に設定されている。
【0026】一方、前記仕切板6は、図4に示すように配風ダクト本体5の取込口54から内部51に挿入して、先端61が隣接する両吹出口、すなわち左右吹出口57、58間に位置する配風ダクト本体5の吹出口間部59の内側側面59aの右端部59bに当接して設けられ、この内側側面59aから取込口54の間で内部51を左右に仕切っている。
【0027】また、この仕切板6はアルミで前後方向に長いI型に押し出し成形されており、図3に示すように、配風ダクト本体5の取込口54から吹出口間部59の内側側面59aの間で上下方向Yに延在して内部51を左右に仕切る仕切壁部62と、仕切壁部62の上下側で左右(車両10の前後方向Z)に延在して設けられ、配風ダクト本体5の内側上面59cと内側下面59dとにそれぞれ面接する上側フランジ部63と下側フランジ部64とから構成されている。
【0028】また、仕切板6の長さ寸法65は、図4に示すように先端61が吹出口間部59の内側側面59aに当接した状態で基端66が取込口54の縁と一致するように設定されており、仕切板6の高さ寸法67(図3参照)は、仕切板6の挿入前の配風ダクト本体5の内部51の高さ(図示せず)と同じか極僅か大きく設定されている。
【0029】また、各シート7、7へ配される温風Hの配風量を均一にするために、左右分岐ダクト3、4が同じ長さに設定されているとともに吹出口33、43が同数に設定されていることから(図2参照)、配風ダクト2から左右分岐ダクト3、4への配風比を1:1、すなわち配風ダクト本体5の取込口54から左右吹出口57、58への配風比が1:1となる。
【0030】このため、仕切板6は、図4に示すように、配風ダクト本体5の取込口54を左右に1:1に仕切る仕切位置Aで治具により位置決めされており、位置決め後、内部51に挿入して組み付けられている。
【0031】かかる構成においては、配風ダクト本体5は仕切板6の上下フランジ部63、64で内側から上下方向Yで支持されるため、フロアカーペット20を介して乗員に踏まれても剛性を確保できる。
【0032】よって、配風ダクト2の剛性確保のために配風ダクト本体5の板厚を厚くする必要がないので重量増加を抑えて剛性を確保できる。また、配風ダクト本体5の成形時間も増加しないのでコストアップを抑えて剛性を確保できる。
【0033】また、仕切板6の上下フランジ部63、64は仕切板6の上下で左右に延在しているため、本実施の形態のような幅広い配風ダクト本体5に使用しても十分に内側から支持することが可能となるので配風ダクト2の剛性を容易に上げることができる。
【0034】また、図3で示したように配風ダクト本体5は、フロアカーペット20を介してキッキングプレート20bに押しつけられているため、配風ダクト2の位置のずれを防止できる。
【0035】また、仕切板6の仕切壁部62が、配風ダクト本体5の取込口54から吹出口間部59の内側側面59aに向かって内部51を左右に仕切ることから、図3に示すように内部51には、取込口54と各吹出口57、58とをそれぞれ繋ぐ通風路51A、51Bが形成される。
【0036】このため、取込口54から内部51に取り込まれた温風Hは各通風路51A、51Bにガイドされて各吹出口57、58へ通されるので、スムーズに温風Hを通すことができる。よって、この配風ダクト2は通風抵抗を抑えるとともに風漏れを防ぎながら剛性を確保できる。
【0037】また、仕切板6は配風ダクト2から左右分岐ダクト3、4への配風比を決めるとともに配風ダクト本体5とは別体で設けられることから、配風ダクト2の開発時に仕切板6を動かして配風ダクト2の配風比を微調整できる。よって、現物に合った最適な配風比を安価に得ることができる。また、シート7、7への配風量の均一化を容易に図ることもできる。
【0038】また仕切板6は、高さ寸法67が挿入前の配風ダクト本体5の内部51の高さと同じか極僅か大きく設定されているとともに配風ダクト本体5は樹脂製であることから内部51に圧入して組み付けられるので、仕切板6が配風ダクト2から外れてしまうのを防ぐことができる。
【0039】また、配風ダクト2と左右分岐ダクト3、4とは別体に構成したことから、この配風ダクト2を、図5に示す9人乗りの車両(マイクロバス)200にも使用することができる。
【0040】この車両200では、温風Hが配される前後方向Zに3つに並列したシート201、202、203の内、前側の2つのシート201、202が着座定員2人で、かつ、乗降スペースを確保して右側寄りに設けられ、最後尾のシート203のみが着座定員3人で左右側に渡って設けられていることから、シート201、202、203全体で、右側の前後方向Zの長さが左側の前後方向Zの長さよりも3倍長くなっている。
【0041】したがって、この車両200に使用される空調ダクト210は、最後尾のシート203の後方に設けられた配風ダクト2の前側に接続する右側分岐ダクト211の前後方向Zの長さが左側分岐ダクト212の前後方向Zの長さよりも3倍長く設定されているとともに、右側分岐ダクト211の上面211aに形成された吹出口213の数は左側分岐ダクト212の上面212aに形成された吹出口214の数の3倍に設定されている。
【0042】これにより、左右分岐ダクト211、212の各吹出口213、214からのシート201、202、203への配風量を均一にするために配風ダクト2から右側分岐ダクト211と左側分岐ダクト212への配風比を3:1、すなわち配風ダクト本体5の取込口54から右側吹出口57と左側吹出口58への配風比が3:1となる。
【0043】このことから、図6に示すように、仕切板6を配風ダクト本体5の取込口54の左側(左側吹出口58に近い側)から1:3で仕切る仕切位置Bに治具で位置決めしている。
【0044】このように、配風ダクト2を別体にすれば、車両の仕様差に応じて仕切板6を移動させることにより分岐ダクトへの配風比を容易に変更できるため、配風ダクト本体5を車両の仕様に関係なく一つの型で間に合わせることができる。よって、車両の仕様差に伴う空調ダクトの製造コストパフォーマンスを高くすることができる。
【0045】なお、本実施の形態では、図4や図6に示すように仕切板6の先端61の位置を配風比に関係なく配風ダクト本体5の吹出口間部59の内側側面59aにおいて右端部59bに当接するように設定したが、図7の実線で示した仕切板6と二点鎖線で示した仕切板600に示すように、先端61、601を吹出口間部59の内側側面59aに当接する範囲59Aで設定すれば良い。
【0046】また、仕切板6をアルミで押し出し成形したが、他の金属や樹脂で成形しても良い。また、仕切板6の形状は、仕切板6の上下に左右に延在して配風ダクト本体5の内側上面59cと内側下面59dとにそれぞれ面接する上下フランジ部63、64を有していれば本実施の形態のI型の他にZ型やコ型等でも良い。
【0047】また、仕切板6の位置決めを治具で行っていたが、仕切板6の位置を決めるために、例えば第2の実施の形態として図8に示す配風ダクト301を使用しても良い。以下、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
【0048】この配風ダクト301は、配風ダクト本体302において取込口54(二点鎖線で図示)の周縁部303の内側上下面59c、59dに、配風ダクト本体302の内方へ突出して仕切板6の上下フランジ部63、64の左右端63a,63b、64a,64bに当接するビードを設けている。
【0049】このビードは、配風ダクト本体302の前記内側上面59c、59bにおいて右側に設けられ、取込口54を1:1で仕切る実線で示した仕切板6の上下フランジ部63、64の右端63a、64aに当接する右側上下ビード311、312と、右側上下ビード311、312よりも左側に設けられ、取込口54の左側から1:3で仕切る二点差線で示した仕切板6の上下フランジ部63、64の左端63b、64bに当接する左側上下ビード313、314と、右側上下ビード311、312と左側上下ビード313、314との間に設けられ、取込口54を1:1で仕切る仕切板6の上下フランジ部63、64の左端63b、64bおよび取込口54を1:3で仕切る仕切板6のフランジ部63、64の右端63a、64aの両方に当接する中間上下ビード315、316とから構成されている。
【0050】かかる構成において、配風ダクト本体302の取込口54から図外の左右吹出口57、58(図4参照)への配風比を1:1に設定する場合には、右側上下ビード311、312と中間上下ビード315、316との間に仕切板6を挿入することにより、仕切板6は右側上下ビード311、312と中間上下ビード315、316とに左右側から挟まれて位置が決まる。
【0051】また、配風ダクト本体302の取込口54から前記左右吹出口57、58(図6参照)への配風比を左側から1:3に設定する場合には左側上下ビード313、314と中間上下ビード315、316との間に仕切板6を挿入することにより、仕切板6は左側上下ビード313、314と中間上下ビード315、316とに左右側から挟まれて位置が決まる。
【0052】このように本実施の形態においては、配風ダクト本体302にビード311〜316を設けることにより仕切板6の位置決めを容易に行うことができる。よって、第1の実施の形態のように仕切板6の位置決めに治具を必要としないので、仕切板6の位置決めに伴うコストアップを抑えることができる。
【0053】また、中間上下ビード315、316は、配風ダクト301の配風比が1:1と1:3の両方の場合の仕切板6の位置決めに使用されるため、配風比の変更に必要なビードの数を抑えることができる。よって、配風比の変更に伴うコストアップも抑えることができる。
【0054】また、治具を使用しないで仕切板の位置決めを行うために、本実施の形態の配風ダクト301の他に、例えば第3の実施の形態として図9に示すような配風ダクト401を使用しても良い。以下、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
【0055】この配風ダクト401は、前述した配風ダクト2、301と同様に配風ダクト本体402と仕切板411とから構成されており、配風ダクト本体402の取込口54の周縁部303の内側下面59dには、取込口54を1:1で仕切る仕切位置Aと取込口を1:3で仕切る仕切位置Bとの中間位置Cに上方(配風ダクト本体402の内方)へ突出するビード403が設けられている。
【0056】これに対し配風ダクト本体402の取込口54を1:1で仕切る仕切板411の上下フランジ部412、413の左側部414、415は、取込口を1:3で仕切る仕切位置Bまで延在して形成されているとともに、下側フランジ413の左側部415の中間部には上方へ屈曲してビード403に下側で当接する凹部416が形成されている。
【0057】かかる構成において、配風ダクト本体402の取込口54から図外の左右吹出口57、58(図4参照)への配風比を1:1に設定する場合には、仕切板411の下側フランジ部413の凹部416に、ビード403を通すことにより仕切板411の位置が決まる。
【0058】また、配風ダクト本体402の取込口54から前記左右吹出口への配風比を左側から1:3に設定する場合には、図9中の二点差線で示すように仕切板411を左右反対にしてから下側フランジ部413の凹部416にビード403を通すことにより仕切板411の位置が決まる。
【0059】このように本実施の形態においては、配風ダクト本体402にビード403を設けるとともに仕切板411にビード403に当接する凹部416を設けたことにより仕切板411の位置決めを行うことができる。よって、第1の実施の形態のように仕切板411の位置決めに治具を必要としないので、仕切板411の位置決めに伴うコストアップを抑えることができる。
【0060】さらに、このビード403一個で、配風比が1:1と1:3の両方の場合の仕切板411の位置決めを行えるため、配風比の変更に必要なビードの数を第2の実施の形態の場合よりも、さらに少なく抑えることができる。よって、配風比の変更に伴うコストアップをさらに抑えることができる。
【0061】なお、第2の実施の形態および第3の実施の形態では、配風ダクト本体の内方へ突出して仕切板の位置決めを行う突起部としてビードを配風ダクト本体に設けていたが、ビードの他に例えばエンボスを配風ダクト本体に設けても良い。
【0062】図10は、本発明の第4の実施の形態を示す配風ダクト501の要部を示す横断面図である。以下、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。この配風ダクト501は、前述した配風ダクト2、301、401と同様に配風ダクト本体502と仕切板511とから構成されている。
【0063】配風ダクト本体502の吹出口間部59の内側側面59aには、配風ダクト本体502の対向する内側側面503に向かって突出する突起部504が設けられている一方、挿入した際に吹出口間部59の内側側面59aと対向する仕切板511の仕切璧部62の対向面512には、突起部504に当接する当接部として樹脂製の仕切ブロック513が設けられている。
【0064】また、前記突起部504は、吹出口間部59において左側吹出口58に近い側に吹出口間部59を対向する内側側面503に向かって屈曲させることにより形成されており、その突出量は、吹出口間部59の内側側面59aから対向する内側側面503に向かって取込口54を左側から1:3に仕切る仕切位置B以下になるように設定されている。
【0065】かかる構成において、仕切板511を、配風ダクト本体502の取込口54から真っ直ぐに挿入することにより、仕切板511の仕切ブロック513が突起部504に当接するので、取込口54を1:1または1:3に仕切った状態で配風ダクト本体502の内部51で真っ直ぐに延在させることができる。
【0066】このため、第1の実施の形態で図7に示したように、仕切板6、600の先端61、601を吹出口間部59の内側側面59aに当接させるため、内部51に仕切板を斜めに配設することになるものよりも、本実施の形態の方が仕切板511を配風ダクト本体502の内部51に内側側面59aと平行に配設することになるので、配風ダクト本体502の補強が、配風ダクト本体502の左右方向Xに亙って平均に行え、配風ダクト501の剛性をより向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記載の車両用空調ダクトにおいては、ダクト本体は仕切板の上下フランジ部により内側から上下方向で支持されるため、フロアカーペットを介して乗員に踏まれても剛性を確保できる。よって、ダクトの剛性を確保するためにダクト本体の板厚を厚くする必要がないので重量増加を抑えて剛性を確保できる。また、ダクト本体の成形時間も増加しないのでコストアップを抑えて剛性を確保できる。
【0068】また、仕切板によりダクト本体の内部には取込口と各吹出口とをそれぞれ繋ぐ複数の通風路が形成されることから、取込口から内部に取り込まれた空調空気は各通風路にガイドされながら各吹出口に通される。よって、通風抵抗を抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000226611
【氏名又は名称】日産車体株式会社
【住所又は居所】神奈川県平塚市天沼10番1号
【出願日】 平成14年5月30日(2002.5.30)
【代理人】 【識別番号】100088100
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 千明
【公開番号】 特開2003−341341(P2003−341341A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−156961(P2002−156961)