| 【発明の名称】 |
車両用空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 公彦 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】三浦 伸裕 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】小村 正人 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】ハイブリッド自動車やアイドルストップ機能付き自動車において、エンジンの稼働率を低減する。
【解決手段】車両停止時において、エンジン駆動時とモータ駆動時とを切り換えるしきい値となる切換基準冷凍能力を、除霜運転時と除霜運転時以外とで相違させる。つまり、除霜運転時の切換基準冷凍能力Aを除霜運転時以外の切換基準冷凍能力Bより大きくすることによって電動モータ5の稼働率をエンジン1の稼働率より大きくする。したがって、エンジン1で圧縮機6を駆動する頻度を低減することができるので、燃費を向上させることができるとともに、乗員が予期していないエンジン1の始動回数を低減することができるので、乗車フィーリングの悪化を未然に防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用の第1駆動源(1)又は前記第1駆動源(1)と異なる第2駆動源(5)から動力を得て冷媒を吸入圧縮する圧縮機(6)を有し、室内に吹き出す空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍機(6、10、11、12)と、前記圧縮機(6)を前記第1駆動源(1)にて駆動する場合と前記第2駆動源(5)にて駆動する場合とを、必要とする冷凍能力及び車両の走行状態に基づいて切換制御する動力制御手段(8)とを備え、車両停止時において、前記圧縮機(6)を前記第1駆動源(1)にて駆動する場合と前記第2駆動源(5)にて駆動する場合とを切り換えるしきい値となる切換基準冷凍能力が、除霜運転時と除霜運転時以外とで相違することを特徴とする車両用空調装置。 【請求項2】 前記動力制御手段(8)は、必要とする冷凍能力(Q)が前記切換基準冷凍能力未満であるときには、前記第2駆動源(5)にて前記圧縮機(6)を駆動させ、前記必要とする冷凍能力(Q)が前記切換基準冷凍能力以上であるときには、前記第1駆動源(1)にて前記圧縮機(6)を駆動させ、さらに、除霜運転時の前記切換基準冷凍能力(A)は、除霜運転時以外の前記切換基準冷凍能力(B)より大きいことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 【請求項3】 除霜運転を実行させるための除湿スイッチが操作パネルに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置。 【請求項4】 窓ガラスに向けて吹き出す空気量が所定風量を超えたときに、除湿運転が開始されたものとみなす除湿運転判定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置。 【請求項5】 吸い込み空気の湿度、及び吹出空気の湿度のうち少なくとも一方に基づいて除霜運転時の前記切換基準冷凍能力(A)を変化させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機を第1駆動源(例えば、走行用エンジン)にて駆動する場合と第2駆動源(例えば、電動モータ)にて駆動する場合と切り換えることができる車両用空調装置に関するもので、走行用動力源として、内燃機関と電動モータと備えるハイブリッド自動車や車両停止時にエンジンを停止させるアイドルストップ機能付き自動車に適用して有効である。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般的な車両用空調装置では、走行用エンジンから動力を得て圧縮機を駆動しているので、エンジンが停止してしまうと、圧縮機が停止してしまい、空調装置が停止してしまう。 【0003】そこで、特開平11−30182号公報に記載の発明では、走行用エンジンが停止したときには電動モータで圧縮機を駆動することにより、アイドルストップ運転時は勿論のこと、ハイブリッド自動車においては、エンジンの停止と同時に空調装置が停止してしまうことを防止している。 【0004】また、特開平10−291415号公報に記載の発明では、必要空調能力が所定値より小さい場合のみ電動モータで圧縮機を駆動することにより、圧縮機駆動用の電動モータの小型化を図っている。 【0005】しかし、例えば除湿運転時には、空調ケーシング内に吸い込んだ空気を吹出空気の温度より大幅に低下させて水分を凝縮させた後、ヒータにて加熱して吹出空気の温度が目標温度となるようにするので、除湿運転時には、単純な冷房運転時に比べて多くの冷凍能力(冷房能力)を必要とする。 【0006】したがって、特開平10−291415号公報に記載の発明のごとく、エンジンにて圧縮機を駆動する場合と電動モータにて圧縮機を駆動する場合とを、運転モードによらず、一定のしきち値に基づいて決定すると、例えばエンジンで圧縮機を駆動する頻度が増大して燃費の低下を招くおそれがある。 【0007】また、ハイブリッド自動車等においては、エンジンで圧縮機を駆動する頻度が増大すると、これに連動して乗員が予期していないエンジンの始動回数が増大するので、乗車フィーリングの悪化を招くおそれがある。 【0008】本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来の異なる新規な車両用空調装置を提供し、第2には、走行用エンジン等の第1駆動源の稼働率を低減することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、走行用の第1駆動源(1)又は第1駆動源(1)と異なる第2駆動源(5)から動力を得て冷媒を吸入圧縮する圧縮機(6)を有し、室内に吹き出す空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍機(6、10、11、12)と、圧縮機(6)を第1駆動源(1)にて駆動する場合と第2駆動源(5)にて駆動する場合とを、必要とする冷凍能力及び車両の走行状態に基づいて切換制御する動力制御手段(8)とを備え、車両停止時において、圧縮機(6)を第1駆動源(1)にて駆動する場合と第2駆動源(5)にて駆動する場合とを切り換えるしきい値となる切換基準冷凍能力が、除霜運転時と除霜運転時以外とで相違することを特徴とする。 【0010】これにより、例えば除霜運転時の切換基準冷凍能力(A)を除霜運転時以外の切換基準冷凍能力(B)より大きくすれば、第2駆動源(5)の稼働率を第1駆動源(1)の稼働率より大きくすることができる。 【0011】したがって、従来の異なる新規な車両用空調装置を得ることができ、かつ、第1駆動源(1)で圧縮機(6)を駆動する頻度を低減することができ得るので、燃費を向上させることができるとともに、乗員が予期していない第1駆動源(1)の始動回数を低減することができ得るので、乗車フィーリングの悪化を未然に防止することが可能となる。 【0012】請求項2に記載の発明では、動力制御手段(8)は、必要とする冷凍能力(Q)が切換基準冷凍能力未満であるときには、第2駆動源(5)にて圧縮機(6)を駆動させ、必要とする冷凍能力(Q)が切換基準冷凍能力以上であるときには、第1駆動源(1)にて圧縮機(6)を駆動させ、さらに、除霜運転時の切換基準冷凍能力(A)は、除霜運転時以外の切換基準冷凍能力(B)より大きいことを特徴とするものである。 【0013】請求項3に記載の発明では、除霜運転を実行させるための除湿スイッチが操作パネルに設けられていることを特徴とするものである。 【0014】請求項4に記載の発明では、窓ガラスに向けて吹き出す空気量が所定風量を超えたときに、除湿運転が開始されたものとみなす除湿運転判定手段を備えることを特徴とするものである。 【0015】請求項5に記載の発明では、吸い込み空気の湿度、及び吹出空気の湿度のうち少なくとも一方に基づいて除霜運転時の切換基準冷凍能力(A)を変化させることを特徴とするものである。 【0016】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0017】 【発明の実施の形態】本実施形態は、アイドルストップ機能付き自動車に本発明に係る車両用空調装置を適用したものであって、図1は本実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。 【0018】エンジン1は走行用の内燃機関であり、発電機2はVベルト3を介してエンジン1から動力を得て発電する。 【0019】圧縮機6は、Vベルト3を介してプーリ4に伝達されたエンジン1の駆動力にて冷媒を吸入圧縮する場合(以下、エンジン駆動時と言う。)と電動モータ5で発生する駆動力にて冷媒を吸入圧縮する場合(以下、モータ駆動時と言う。)とを切り換えることができるハイブリッド駆動型コンプレッサであり、電子制御装置8にてエンジン駆動とモータ駆動とを切換制御する。 【0020】なお、本実施形態では、圧縮機6は、クランク室内の圧力を制御することにより吐出容量を変化させることができる連続可変容量式の斜板型圧縮機を採用しており、電子制御装置8は、クランク室内の圧力を制御する制御バルブ7を介して圧縮機6の吐出容量を制御している。 【0021】因みに、バッテリ9は充電可能な二次電池であり、発電機2にて発電された電力はバッテリ9を介して電子制御装置8等の車載電気機器に供給される。 【0022】また、放熱器10は圧縮機6から吐出した高圧冷媒と外気とを熱交換する高圧側熱交換器であり、膨脹弁11は放熱器10から流出した高圧冷媒を減圧する減圧器であり、蒸発器12は空調ケーシング14内に収納されて室内に吹き出す空気と減圧された冷媒とを熱交換して室内に吹き出す空気を冷却する低圧側熱交換器である。そして、圧縮機6、放熱器10、膨脹弁11及び蒸発器12により周知の蒸気圧縮式冷凍機が構成されている。 【0023】また、空調ケーシング14内のうち蒸発器12より風下側には、エンジン1の冷却水を熱源として蒸発器12を通過した空気を加熱するヒータ13が収納されているとともに、エアミックスドア15によりヒータ13を迂回して流れる風量を調節して、実際に室内に吹き出す空気の温度を調節している。 【0024】次に、圧縮機6の制御、つまりエンジン駆動する場合とモータ駆動する場合との切換制御について、図2に基づいて述べる。 【0025】図2は電子制御装置8で行われる制御フローを示すものであり、空調装置の始動スイッチ(例えば、オートエアコンではAUTOスイッチ)が投入されると、外気温度センサや内気温度センサ等の空調センサの信号、及び乗員が設定入力した希望室内温度を読み込むとともに、エアコンスイッチ、つまり圧縮機6を稼動させるスイッチが投入されているか否かを判定する(S100、S110)。 【0026】なお、本実施形態では、圧縮機6として可変容量型の圧縮機を採用しているとともに、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達する動力伝達装置を採用していないので、エアコンスイッチがOFFとは吐出容量を略0とすることを意味し、エアコンスイッチがONとは、空調負荷及びエンジン1の回転に基づいて吐出容量を制御することを意味する。 【0027】そして、エアコンスイッチがOFFの場合には、吐出容量を略0(最小容量)とし(S120)、一方、エアコンスイッチがONの場合には、エンジン1が停止しているか否かを判定し(S130)、エンジン1が稼動している場合には、空調負荷及びエンジン1の回転に基づいて吐出容量を制御する(S140)。 【0028】また、エンジン1が停止している場合には、空調装置が除湿運転モード状態にあるか否かを判定し(S150)、除湿運転モード状態にあるときには、必要冷凍能力Qが切換基準冷凍能力A未満であるときには、電動モータ5にて圧縮機6を駆動させ(S160、S170)、必要冷凍能力Qが切換基準冷凍能力A以上であるときには、エンジン1を始動させてエンジン1にて圧縮機6を駆動させる(S160、S180)。 【0029】一方、エンジン1が停止している場合であって、除湿運転モード状態でない場合(例えば、冷房運転モード時)には、必要冷凍能力Qが切換基準冷凍能力B未満であるときには、電動モータ5にて圧縮機6を駆動させ(S190、S170)、必要冷凍能力Qが切換基準冷凍能力B以上であるときには、エンジン1を始動させてエンジン1にて圧縮機6を駆動させる(S190、S180)。 【0030】このとき、除霜運転時の切換基準冷凍能力Aは、除霜運転時以外の切換基準冷凍能力Bより大きい値が設定されている。 【0031】なお、本実施形態では、除霜運転を実行させるための除湿スイッチをなすデフスイッチが投入されているか否かによって、空調装置が除湿運転モード状態にあるか否かを判定している。 【0032】つまり、デフスイッチがONであれば、窓ガラスに向けて吹き出す空気量が所定風量を超えて空調装置が除湿運転モード状態になったものと見なし、逆に、デフスイッチがOFFであれば、窓ガラスに向けて吹き出す空気量が所定風量を未満となり空調装置が除湿運転モード以外になったものと見なす。 【0033】なお、S140で行う吐出容量制御は、空調負荷及びエンジン1の回転に基づいて吐出容量を制御するのに対して、S200で行う吐出容量制御は、圧縮機6での消費動力が所定値以下となるように吐出容量を制御する。 【0034】次に、本実施形態の作用効果を述べる。 【0035】車両停止時において、エンジン駆動時とモータ駆動時とを切り換えるしきい値となる切換基準冷凍能力を、除霜運転時と除霜運転時以外とで相違させるので、除霜運転時の切換基準冷凍能力Aを除霜運転時以外の切換基準冷凍能力Bより大きくすることによって電動モータ5の稼働率をエンジン1の稼働率より大きくすることができる。 【0036】したがって、エンジン1で圧縮機6を駆動する頻度を低減することができるので、燃費を向上させることができるとともに、乗員が予期していないエンジン1の始動回数を低減することができるので、乗車フィーリングの悪化を未然に防止できる。 【0037】(その他の実施形態)上述の実施形態では、デフスイッチが除湿運転判定手段を構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、室内に吹き出す空気の方向を制御する吹出モードドアの位置、又は吹出モードドアを駆動するサーボモータの回転位置等により、窓ガラスに向けて吹き出す空気量を判定し、窓ガラスに向けて吹き出す空気量が所定風量を超えたときに、除湿運転が開始されたものとみなしてもよい。 【0038】また、上述の実施形態では、圧縮機6として可変容量型圧縮機を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、固定容量型の圧縮機を採用し、電磁クラッチのON−OFF制御により単位時間当たり吐出される冷媒量を制御して擬似的に吐出容量を制御してもよい。 【0039】また、図1では電動モータ5とプーリ4とが同軸上に配置されているが本発明はこれに限定されるものではない。 【0040】また、湿度センサを設けて空調ケーシング14に吸い込まれる空気の湿度、及び室内に吹き出される空気の湿度のうち少なくとも一方が小さくなるほど、除霜運転時の切換基準冷凍能力Aを大きくするように、吸い込み空気の湿度、及び吹出空気の湿度のうち少なくとも一方に基づいて除霜運転時の切換基準冷凍能力Aを変化させてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月29日(2002.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341336(P2003−341336A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−155161(P2002−155161) |
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