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【発明の名称】 車両用空調装置
【発明者】 【氏名】清水 浩治
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【要約】 【課題】風量の調整及び温度制御性を両立した車両用空調装置を提供する。

【解決手段】送風機と、送風機よりも空気の流れの下流側に着脱自在に装着されるエバポレータと、エバポレータよりも空気の流れの下流側に配置されたヒータコアと、エバポレータの非装着時にエバポレータ装着位置に装着される、空気の流れを整える整流手段とを備えた車両用空調装置において、エバポレータの非装着時において、整流手段は、エバポレータの装着時の空気の流れ及び風量とほぼ同じ空気の流れ及び風量を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送風機と、前記送風機よりも空気の流れの下流側に着脱自在に装着されるエバポレータと、前記エバポレータよりも空気の流れの下流側に配置されたヒータコアと、前記エバポレータの非装着時に前記エバポレータ装着位置に装着される、空気の流れを整える整流手段とを備えた車両用空調装置において、前記エバポレータの非装着時において、前記整流手段は、前記エバポレータの装着時の空気の流れ及び風量とほぼ同じ空気の流れ及び風量を実現することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】 前記整流手段は、前記送風機から出てくる空気流を整えるために前記エバポレータの装着位置の上流側において部分的に延びているガイド部材と、複数の通風孔を備え、かつ前記エバポレータの装着位置の下流側に配置された風量調整板とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】 前記ガイド部材は板状であることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】 前記整流手段は、前記送風機から出てくる空気流を整えるために前記エバポレータの装着位置の上流側において全体的に延び、かつ複数の通風孔を備えたガイド部材と、複数の通風孔を備え、かつ前記エバポレータの装着位置の下流側に配置された風量調整板とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置として、エバポレータを着脱自在に装着するタイプのものがある。このような車両用空調装置は、重量を軽くするなどのユーザーの要求により、ダクト内に配置されたエバポレータを取り外して使用することがある。このようにエバポレータを装着しない場合には、エバポレータの装着位置には何もなく、単なるダクトとして使用されていた。その結果、エバポレータ装着時と比較して空調装置のダクト内の空気抵抗が著しく増大し、必要以上に車室内へ空気が流されてしまうという問題点があった。
【0003】これに対し、エバポレータを装着しない場合においてエバポレータ装着時と同じ風量に調整するために、従来では、図6に示すように、車両用空調装置100において、多数の通風孔が設けられた風量調整板6をダクト10内のエバポレータ2の装着位置の上流側に配置し、送風機1とエバポレータ2装着位置の間の空間Aにおいて空気を一方向(図6においてFで示される)にガイドしつつ風量を調整する方法が採用されていた。
【0004】しかしながら、この方法によれば、確かに風量調整板6近傍ではエバポレータ2装着時と同じ風量に調整することができるが、風量調整板6の下流側では、エバポレータ2の装着時とは異なる空気流となり、渦が発生するなどして、ヒータコア3で加熱した空気をエバポレータ装着時と同じように流すことができず、温度制御性を悪化させていた。そのため、従来の風量調整方法では、風量の調整と温度制御性を両立させることができないという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本発明の目的は、風量の調整及び温度制御性を両立した車両用空調装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る車両用空調装置によれば、送風機と、送風機よりも空気の流れの下流側に着脱自在に装着されるエバポレータと、エバポレータよりも空気の流れの下流側に配置されたヒータコアと、エバポレータの非装着時にエバポレータ装着位置に装着される、空気の流れを整える整流手段とを備えた車両用空調装置において、エバポレータの非装着時において、整流手段は、エバポレータの装着時の空気の流れ及び風量とほぼ同じ空気の流れ及び風量を実現する。これにより、本発明の車両用空調装置によれば、エバポレータの非装着時において、風量のみならず、温度調整について重要な要因である空気流れをもエバポレータの装着時のそれと同じくすることができ、風量の調整と温度制御性を両立することができる。
【0007】請求項2に係る車両用空調装置によれば、請求項1に係る車両用空調装置において、整流手段は、送風機から出てくる空気流を整えるためにエバポレータの装着位置の上流側において部分的に延びているガイド部材と、複数の通風孔を備え、かつエバポレータの装着位置の下流側に配置された風量調整板とを備えている。これにより、請求項2において、請求項1の構成をさらに特定した。
【0008】請求項3に係る車両用空調装置によれば、請求項1に係る車両用空調装置において、ガイド部材は板状である。これにより、請求項3において、請求項2の構成をさらに特定した。
【0009】請求項4に係る車両用空調装置によれば、請求項1に係る車両用空調装置において、整流手段は、送風機から出てくる空気流を整えるためにエバポレータの装着位置の上流側において全体的に延び、かつ複数の通風孔を備えたガイド部材と、複数の通風孔を備え、かつエバポレータの装着位置の下流側に配置された風量調整板とを備えている。これにより、整流手段のガイド部材の構成として、請求項2のガイド部材の構成と異なる構成を特定した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の車両用空調装置の断面図である。図1に示すように、車両用空調装置100は、ケーシング11の内部にエバポレータ2とヒータコア3の両方を一体的に内蔵するタイプのものである。このケーシング11内にはダクト10が形成されており、このダクト10には、空気流れの上流側から、送風機1と、エバポレータ2と、エアミックスドア4と、ヒータコア3と、フット吹出口7と、フェイス吹出口8と、デフロスタ吹出口9とが配置されている。
【0011】送風機1は、例えば遠心多翼ファン(シロッコファン)からなる送風ファンであり、電動モータ(図示せず)によって駆動される。送風機1によって送風される空気は、ダクト10内で矢印Fの方向に送風される。
【0012】エバポレータ2は、公知のように、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させ、その周囲の空気から蒸発潜熱を吸熱することにより、周囲の空気を冷却するものであり、ユーザーの要求によってはこのエバポレータ2を装着しないことも可能である。
【0013】ヒータコア3は、公知のように、内部に流れる高温の温水(エンジン冷却水)を熱源として、ヒータコア3の周りを通過する空気を常に加熱するものであり、ケーシング11内のダクト10を横断するように配置されている。
【0014】また、エアミックスドア4は、エバポレータ2とヒータコア3の間に配置されている。ドア4には、ケーシング外部に延びた回転軸12が接続されており、この回転軸12はサーボモータなどのアクチュエータ機構により回転させられる。エアミックスドア4は、ヒータコア3がダクト10内に完全に配置された全開位置(点線)と、ヒータコア3がダクト10から遮断されている全閉位置(実線)との間で位置決めされる。このエアミックスドア4により、エバポレータ2の下流の空気流は、ヒータコア3、空間Bを通る空気流と、直接的に吹出口7、8、9に流れる空気流とに分割される。ヒータコア3で加熱された空気と、そのため、ヒータコア3で加熱されない空気の割合を調整するためにドア4の開度が決定される。
【0015】次に吹出口7、8、9について説明する。フット吹出口7は、ケーシング11の前方部、車両下方側に形成されている。このフット吹出口7を通して、車室内の乗員の足元に向けて空調風が吹き出される。また、フェイス吹出口8は、ケーシング11の前面部、車両上方側の中央に形成されている。このフェイス吹出口8を通して、車室内の乗員の頭部に向けて空調風が吹き出される。あるいは、フェイス吹出口8は車両上方側の左右に分岐されてもよい。この場合、フェイス吹出口8を通して乗員の頭部側又は側面窓ガラスに向けて空調風が流される。また、デフロスタ吹出口9は、ケーシング11の上面部、車両後方側に形成されている。このデフロスタ吹出口9を通して車両全面窓ガラスの内面に向けて空調風が吹き出される。フット吹出口7、フェイス吹出口8及びデフロスタ吹出口9は、それぞれの吹出モードに応じて独立して開閉が切り替えられる。
【0016】次にエバポレータ2を装着しない場合について説明する。エバポレータ2が装着されていない場合には、ダクト10内の空気抵抗が極端に小さくなって各吹出口7、8、9からの吹出風量が多くなってしまう他、エバポレータ装着位置におけるダクト11の形状の変化により、この部分において渦が発生するなどの不慮の空気流れが形成されてしまい、温度制御性が悪化してしまう。そこで、本発明では、以下に詳細に説明するように、エバポレータ2を装着した時と同じ風量及び空気流れを形成することにより風量調整及び温度制御性を実現した整流手段をダクト10に配置する。
【0017】整流手段は、ガイド部材5と風量調整板6とを備えている。エバポレータ2が装着されていた位置(以下、エバポレータ装着位置と呼ぶ)の上流側には、渦の発生を防止しつつ送風機1の下流の空気の流れを整流するためのガイド部材5が配置され、エバポレータ装着位置の下流側には、空気流の風量を調整する風量調整板6が配置される。
【0018】図1に示すように、ガイド部材5は、送風機1の出口付近からケーシング11の内壁とほぼ平行にエバポレータ2の全長の一部分延びた平板である。このように、エバポレータ装着時とほぼ同じように送風機1の下流側(送風機1の出口付近の空間A)にガイド部材5を配置することにより、送風機1の下流の空気流をガイドして整流することができる。これにより、エバポレータ2を装着した時とほぼ同じ空気流を形成することができる。
【0019】一方、風量調整板6は、エバポレータ2の全長と同じ長さにわたって延びている平板である。図3に示すように、風量調整板6は、エバポレータ装着時の風量と同じ風量を流すようにその大きさ及びその数が決定された複数の通風孔が板全体にわたって設けられている。また、風量調整板6は、エバポレータ2の装着位置の下流側に設けられているので、風量調整板6とエアミックスドア4の位置関係をエバポレータ2の装着時のエバポレータ2とエアミックスドア4の位置関係と同じにすることができる。これにより、風量調整板6を通過した後の空気流をエバポレータ2の装着時とほぼ同じくすることができ、温度制御性を高めることができる。
【0020】以上の構成により、風量の点では、エバポレータ装着位置の上流側に配置したガイド部材5によって送風機1の下流の空気流を整流させることによって風量を時間に関して一定にし、通風孔の設けられた風量調整板6によって、風量を調整することができる。また、温度制御性の点では、上記のように風量調整した風量調整板6をエバポレータ2の装着位置とほぼ同じ位置に風量調整板6を配置することによって、風量調整板6の下流において、エバポレータ2装着時とほぼ同じ空気流を形成することができるので、温度制御性を高めることができる。このように、本発明により、風量調整と温度制御性を両立することができる。
【0021】次に第二の実施例について説明する。図2は本発明のガイド部材5の変形例の断面図である。図2に示すように、ガイド部材5は、第一実施例のような平板状でなく、凸状である。このような構成でも、同様に、送風機1の出口付近の空間Aにおいて、送風機1からの空気流をガイドして整流することができる。
【0022】また、以上の説明では、整流手段として、ガイド部材5と風量調整板6は別部材であるが、図4に示すように、ガイド部材5と風量調整板6は一体片でもよい。この場合、一つの平板を折り曲げることによって製造することができる。
【0023】また、本発明は、図5に示すように、送風ユニット1が、エバポレータ2とヒータコア3を備えた空調ユニットに対してオフセットしたタイプの車両用空調装置にも適用できる。
【0024】以上の説明では、ガイド部材5は中実で空間Aのみにおいてガイドする構成であるが、ガイド部材5の構成は、風量調整板6と同様に、エバポレータ2の全長と同じ長さにわたって延びた、複数の通風孔が設けられた平板としてもよい。この場合でも、前記実施例と同様に、エバポレータ装着時とほぼ同じように送風機1の下流側で空気が流れるように、送風機1からの空気流をガイドして整流し、渦を発生させない機能を有する。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【公開番号】 特開2003−267046(P2003−267046A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−76461(P2002−76461)