| 【発明の名称】 |
空調装置用圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】野坂 倫保 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】車両運転中で冷房中にハンドル操作をした場合に、パワーステアリング用ポンプの負荷が増大しても空調装置を停止することなく空調装置の運転容量を調整することにより、ユーザーに対して冷房感を損なわない空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置が、車両のエンジンにより駆動される可変容量式圧縮機と、該圧縮機を制御する制御装置と、ハンドルの操舵角を検知して信号に変換し該信号を制御装置に送信する操舵角センサとを具備する。更に該空調装置において前記制御装置は、前記ハンドルの操舵角が変化した場合に車両エンジンの負荷を一定化するように、前記操舵角に応じて前記圧縮機の負荷を増減するように制御することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両のエンジンにより駆動される可変容量式圧縮機と、該圧縮機を制御する制御装置と、ハンドルの操舵角を検知して信号に変換し該信号を制御装置に送信する操舵角センサと、を具備する車両用空調装置において、前記制御装置が、前記ハンドルの操舵角が変化した場合に車両エンジンの負荷を一定化するように、前記操舵角に応じて前記圧縮機の負荷を増減するように制御することを特徴とする空調装置。 【請求項2】 前記制御装置の前記圧縮機の前記操舵角による制御において、前記操舵角が+βから−βの間では、前記圧縮機の運転容量はエアコン環境とエアコン運転条件で決定される一定の値であり、前記操舵角絶対値がβより大きくなる場合に、操舵角の変化に対して反比例で前記圧縮機の運転容量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の空調装置。 【請求項3】 前記圧縮機が斜板式である請求項1または2のいずれかに記載の空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置に係り、より特別には車両用空調装置の圧縮機の制御に関する。 【0002】 【従来の技術】車両用空調装置(カーエアコン)は一般的に、その動力を車両駆動用エンジンから取っている。また最近の車両用空調装置の制御はコンピュータにより行われており、車両室内温度、外気温度、日射、エアコン設定温度、エアコン運転モード、等の信号を演算処理して空調装置を制御する。車両運転時において、ハンドルの操舵角が大きい時には、パワーステアリング用ポンプの負荷が増大する。パワーステアリング用ポンプの動力もエンジンであるから、この際に空調装置が運転されているとエンジンへの負荷が増大する。特に小出力エンジン車両の場合においては、パワーステアリング用ポンプの負荷が増大すると、エンジンのアイドリング回転数の低下、更にはエンジンが停止するといった問題がある。 【0003】この様な問題を解決するために従来は、空調装置運転時にハンドルの操舵角がある所定の角度になると、空調装置の圧縮機の運転を止めたり、あるいは圧縮機を最小容量で運転する等により、空調装置用圧縮機の負荷を大幅に低減することにより対処する制御が行われている。しかしこの様な従来の制御方法は空調装置の機能を停止又は大幅に低下する制御であり、ユーザーにとっては運転中に冷房感が全く損なわれてしまうという問題があった。また、操舵角を元に戻すと、空調装置を再稼動させるために、圧縮機を運転するので圧縮機オン時の騒音が発生するという問題もあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、カーエアコン用の電子制御式容量可変圧縮機において、ハンドルの操舵角が大きい時にコンピュータ等の制御装置から圧縮機への電気信号を徐々に漸減させることで圧縮機の運転容量を徐々に低下させる。これにより、特に小排気量エンジン車等の小出力エンジン搭載車において、ハンドル操舵角が大きく、パワーステアリング用ポンプの負荷が大きい時のエンジン負荷を軽減させ、且つ冷房性能を失うことのない空調装置を提供することを目的としている。 【0005】また本発明の別の目的は、車両運転中で冷房中に、ハンドルを操作した場合においても、空調装置の圧縮機を極力発停しないように制御することにより、運転時ハンドル操作中に従来発生しがちであった前記圧縮機の発停による騒音の発生を回避することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態に係る車両用空調装置は、上述した目的を達成するために、車両のエンジンにより駆動される可変容量式圧縮機と、該圧縮機を制御する制御装置と、ハンドルの操舵角を検知して信号に変換し該信号を制御装置に送信する操舵角センサとを具備しており、この空調装置において、前記制御装置が、前記ハンドルの操舵角が変化した場合に車両エンジンの負荷を一定化するように、前記操舵角に応じて前記圧縮機の負荷を増減するように制御することを特徴としている。 【0007】この様に前記圧縮機を制御することにより、車両運転中にハンドルの操舵角が大きい時に圧縮機の運転容量を適宜調整して、特に小排気量エンジン車等の小出力エンジン搭載車のハンドル操舵角が大きく、パワーステアリング用ポンプの負荷が大きい時のエンジン負荷を軽減させ、且つ冷房性能を失うことのない空調装置を提供する。 【0008】これとは別の本発明の形態は、車両用空調装置の前記圧縮機の前記操舵角による制御において、前記操舵角が+βから−βの間では、前記圧縮機の運転容量はエアコン環境とエアコン運転条件で決定される一定の値であり、前記操舵角絶対値がβより大きくなる場合に、操舵角の変化に対して反比例で前記圧縮機の運転容量を変化させることを特徴とする。この形態により、本発明の第1の形態と同様の効果を有する空調装置を提供する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の空調装置を詳細に説明する。本発明の空調装置の冷媒回路は、公知の一般的な回路であるので本明細書では記載を省略する。また空調装置の冷房容量が圧縮機の容量に比例することは良く知られている。先ず、本発明の対象となる図2に示す圧縮機20の容量制御について説明する。図2に示す本実施の形態の圧縮機20は、可変容量斜板式ピストン圧縮機である。該空調装置用圧縮機20は、車両のエンジン(図示されない)により駆動される。動力はエンジンからベルト等を介してプーリ1に伝達される。ボルト2等で、締結固定されたシャフト3にこの動力は伝達され、シャフト3に圧入等で固定されたプレート3aと隙間嵌合されたガイドピン4aに伝達される。このガイドピン4aは斜板4に圧入等で固定されており、斜板4が回転運動する。一方、図1に示されていて圧縮機20を制御するコンピュータ30からの信号により、圧縮機20に設置された電磁弁9が作動し、フロントケース12内の制御圧力Pcが変化する。Pcが変化することで、斜板4の傾斜角度が変化し、斜板4にシュー7介して接続する数本のピストン11のストロークが変化することで圧縮機20の容量が変化する。 【0010】図1は圧縮機20の容量制御の図解的な図面である。本実施の形態においては、図1に示すように制御装置であるコンピュータ30を備える。コンピュータ30には、図1に示すように、エアコン(A/C)環境情報、エアコン(A/C)運転条件情報、及び車両環境情報が入力される。エアコン環境情報は一般的に、車室内温度、日射、外気温度等を含む。エアコン運転条件は一般的に、エアコンON/OFF情報、エアコンモード情報、設定温度等を含む。更に車両環境情報は一般的にエンジン回転数、アクセル開度等を含んでおり、本発明ではその特徴となる操舵角度が追加して含まれている。操舵角度は、既存のエンコーダ、ポテンショメータ等のセンサにより検出可能であり、この様なセンサについては種々のタイプのものが当業者には知られている。操舵角度以外のエアコン環境情報、エアコン運転条件情報、及び車両環境情報については、その検知又は設定方法、それに必要なセンサについて既知の方法が使用出来る。 【0011】コンピュータ30は、前記の3種類の情報、即ちエアコン環境情報、エアコン運転条件情報、及び車両環境情報を受信し、それらを演算し、その結果として圧縮機20の設定されるべき設定容量を算出する。更にコンピュータ30は、該設定容量に適合する制御電流等の制御信号を出力し、該制御信号により前述のように圧縮機20の容量制御が実施される。このことを図1は概念的に示す。 【0012】次に、車両のハンドル操作、即ち操舵角に係わる空調装置の制御について、従来の方法と本発明の方法を比較して説明する。これについて図3から5に示す。図4,5の例では、制御信号は制御電流である。図4の上のグラフに示すように、従来の制御では、ハンドルの操舵角が+αと−α間にある場合は、一定の制御電流を送るので、図4の中のグラフに示すように、圧縮機20の運転容量は、エアコン環境及びエアコン運転で決定される一定容量に設定される。この時ハンドルを操作すると、その操作のためにパワーステアリング用ポンプは、図4の下のグラフに示すように、操舵角絶対値の増大に伴いその負荷が増大する。空調装置及びパワーステアリング用ポンプは共にエンジンにより駆動されるので、エンジン負荷も操舵角絶対値の増大に従い増大する。そして操舵角絶対値がαを越えると、エンジンのオーバーロード防止の観点から空調装置を停止しエンジン負荷を減少すると共に、パワーステアリング用ポンプの負荷の増大を可能にする。従来の制御はこの様なものである。 【0013】これに対し本発明の本実施の形態の制御は図5に示される。本実施の形態において制御電流は図5の上に示すように台形を形成する。即ちαより絶対値の小さい操舵角+βと−βの間では制御電流は一定であり、空調装置容量も一定であるが、操舵角の絶対値がβを越えると、操舵角絶対値に比例して圧縮機20の容量を漸減するように圧縮機20を制御する。従って圧縮機20の運転容量は図5の中に示すように、図5の上の制御電流と同様に台形を形成する。これによりハンドルが操作されてパワーステアリング用ポンプの負荷が、図5の下に示すように増大しても、圧縮機20とパワーステアリング用ポンプの両者の負荷を加えた負荷は増大せず、概略一定である。従ってエンジンの負荷も増大せず概略一定である。 【0014】この様に圧縮機20が制御されることにより、従来見られたハンドルをきる際の空調装置の突然の停止は生じず、空調装置の運転容量の漸減で対応される。これにより搭乗者は、突然の冷房停止による不快を感ずることなく搭乗できる。また、大きなハンドル操作から直進運転に必ず戻される際には、圧縮機20は漸減された容量の斜板の角度位置から容量が漸増するように斜板角度も変化するので、従来生じていた空調装置の停止からの突然の運転開始による、容量の急変動即ち駆動トルクの急変動は発生せず、従って騒音及び振動が生じることもなく、この問題も解決できる。 【0015】図3には、本発明の本実施の形態における空調装置の制御の主な制御フローが示されており、空調装置(エアコン)運転からハンドル操舵によるエアコン容量の調整までの制御の流れを示す。 【0016】本発明の実施の形態の別の制御例を図6に示す。この制御例において制御電流は図6に示すように台形の斜面の部分が曲線である。即ちαより絶対値の小さい操舵角+βと−βの間では制御電流は一定であり、空調装置容量も一定であるが、操舵角の絶対値がβを越えると、圧縮機20の容量の減少が直線ではなく減少の割合が次第に減少するような曲線で制御電流が漸減して0に近づいても良い。従って圧縮機20の容量も制御電流の変化と同様に制御される。この様な制御によっても、ハンドルが操作される際のパワーステアリング用ポンプの負荷の増大に応じて、圧縮機20とパワーステアリング用ポンプの合計の負荷は増大せず、エンジンの負荷も増大しない。 【0017】図7及び8には本発明の実施の形態の更に別の2つの制御例を示す。これらの制御例において制御電流は図7及び8に示すように段階的に制御されても良い。即ち図7を参照するとやはりαより絶対値の小さい操舵角+βと−βの間では制御電流は一定であり、空調装置容量も一定であるが、操舵角の絶対値がβを越えると、制御電流は段階的に減少する。従って圧縮機20の容量も制御電流の変化と同様に段階的に制御される。図7はこの段階的制御が多数の細かい段階により形成されており、図8はこの段階が一段である例を示している。 【0018】また本発明の実施の形態の別の制御例において、上記の制御例の組み合わせ、即ち図5から図8に示す制御電流の漸減制御方法の内から2つ以上の方法を組み合わせた制御方法を使用しても良い。この場合の制御においても、ハンドルが操作された場合のパワーステアリング用ポンプの負荷の増大に応じて、空調装置容量が漸減されることは同様であり、その結果、圧縮機20とパワーステアリング用ポンプの合計の負荷は増大せず、エンジンの負荷も増大しないように制御することが可能である。 【0019】上記の種々の制御例に従い圧縮機20が制御されることによっても、図5に示す例において述べた本発明の効果は同様に得られる。 【0020】本実施の形態の圧縮機20は斜板式であるが、容量可変式圧縮機であれば別のタイプの圧縮機であっても良い。図5から8において、操舵角に対する圧縮機の運転容量の変化の関係の種々の例を示すが、この関係が示される例以外の変化であっても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267045(P2003−267045A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72449(P2002−72449) |
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