| 【発明の名称】 |
車両用空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】畠山 淳 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソニックカンセイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】コンプレッサ及び冷媒サイクルの保護や吸熱用車室内熱交換器の凍結防止を図りつつコンプレッサを連続的に作動させ、さらに吹き出し温度を安定させることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】可変容量コンプレッサ2の吐出冷媒圧力を検出するセンサ9の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度になるように可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量を制御すると共に、エバポレータ7の出口側の空気温度を検出するセンサ18の検出結果に基づいてエバポレータの出口側の空気温度が所定温度になるようにインテークドア32を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内外気が導入される車室内空気流路内に配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手段と、前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱させて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コンプレッサと、吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値を検出する吹き出し温度検出手段と、前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を調節する内外気調節手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する出口側温度検出手段と、前記出口側温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度になるように前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段と、を備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項2】 前記出口側温度検出手段は、前記車室内空気流路内の湿度を検出するセンサであることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。 【請求項3】 前記出口側温度検出手段は、前記コンプレッサの吸入冷媒圧力を検出するセンサであることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。 【請求項4】 内外気が導入される車室内空気流路内に配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手段と、前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱させて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コンプレッサと、吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値を検出する吹き出し温度検出手段と、前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を調節する内外気調節手段と、前記放熱用車室内熱交換器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱温度又は該加熱温度と相関関係を有する数値を検出する加熱温度検出手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する入口側温度検出手段と、前記加熱温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度にするための前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の目標空気温度を算出すると共に、前記入口側温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度が前記目標空気温度になるように前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段と、を備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項5】 前記加熱手段は、車両駆動系冷却水の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させる放熱器であることを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車室内における温度環境を調整するための車両用空調装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車室内における温度環境を調整するための車両用空調装置としては、冷媒を循環させて冷媒と空気との間で熱交換を行う冷媒サイクルと、エンジンの排熱により温められたエンジン冷却水を循環させてエンジン冷却水と空気との間で熱交換を行う温水ラインとを備えるものが一般的である。 【0003】このような空調装置では、内外気が導入される車室内空気流路内に、冷媒サイクル中に組み込まれる吸熱用車室内熱交換器としてのエバポレータと、温水ライン中に組み込まれる放熱器としてのヒータコアとが配設される。 【0004】車室内空気流路内を流れる空気の熱がエバポレータ内の冷媒に吸熱されることにより冷風が生成され、車室内空気流路内を流れる空気がヒータコアにより加熱されることにより温風が生成される。そして、これら冷風と温風の割合がエアミックスドアにより調整されることで車室内の温度が調整されることになる。 【0005】なお、エバポレータで吸熱して蒸発した冷媒は、エンジンにより駆動されるコンプレッサで圧縮されて車室外熱交換器としてのメインコンデンサに向けて吐出され、メインコンデンサで放熱して凝縮した後、膨張手段としての膨張弁で膨張されてエバポレータに流れ込む。 【0006】ところで、このような車両用空調装置においては、エンジン冷却水を熱媒体として温風を生成するようにしているため、例えばエンジン起動直後や走行負荷が少ない場合等、エンジン冷却水の水温があまり高温になっていない状態では、車室内の温度を速やかに昇温させることができないという問題がある。 【0007】このような問題点に鑑みて、特開平9−175140号公報や特開平10−44742号公報に開示された車両用空調装置では、車室内空気流路内に放熱用車室内熱交換器としてのサブコンデンサを配設し、暖房運転時には、冷媒がメインコンデンサを迂回してサブコンデンサ、膨張弁、エバポレータ、及びコンプレッサの間を循環し、サブコンデンサで車室内空気流路内を流れる空気に放熱させるようにしている。 【0008】このような構成の車両用空調装置では、エンジン冷却水を熱媒体とするヒータコアに加えて、冷媒を熱媒体とするサブコンデンサでも温風が生成されるので、エンジン起動直後や走行負荷が少ない場合等のように、エンジン冷却水が十分に高温になっていない場合であっても、車室内の温度を比較的速やかに昇温させることができる。 【0009】また、サブコンデンサを加熱する加熱手段を設けるようにすると、サブコンデンサの温度負荷を高めることができ、これによって冷媒吐出圧力を速やかに上昇させることができるので、車室内の温度をより速やかに昇温させることができる。 【0010】なお、この種の空調装置では、省動力のため、車室内が設定温度に達した時点で、コンプレッサクラッチをOFFにしてコンプレッサとエンジンとを分離し、ヒータコアのみの暖房に移行するようにしている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の空調装置では、エバポレータ負荷(吸入空気温度、風量等)やエンジン回転数の変化に伴って、エバポレータの凍結防止のため、あるいはコンプレッサや冷媒サイクルの保護を目的として高圧側の圧力上昇を抑えるためにコンプレッサを停止させる場合があり、吹き出し温度が安定しないという問題点がある。 【0012】本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンプレッサ及び冷媒サイクルの保護や吸熱用車室内熱交換器の凍結防止を図りつつコンプレッサを連続的に作動させ、さらに吹き出し温度を安定させることができる車両用空調装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内外気が導入される車室内空気流路内に配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手段と、前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱させて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コンプレッサと、吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値を検出する吹き出し温度検出手段と、前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を調節する内外気調節手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する出口側温度検出手段と、前記出口側温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度になるように前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段と、を備えることを特徴とする車両用空調装置である。 【0014】このような構成によれば、吹き出し温度が変化すると、可変容量コンプレッサが作動しつつ吐出冷媒容量が調節されて吹き出し温度が所定温度に保たれる。また、可変容量コンプレッサがこのように制御されることで、高圧側の圧力が過大になることがないので、コンプレッサや冷媒サイクルを保護することができる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が変化すると、内外気調節手段により内気と外気の割合が調節されて吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれる。したがって、吸熱用車室内熱交換器が凍結することがなく、除湿性能の低下を防ぐことができる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれることにより、コンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、前記出口側温度検出手段が、前記車室内空気流路内の湿度を検出するセンサであることを特徴としている。 【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、前記出口側温度検出手段が、前記コンプレッサの吸入冷媒圧力を検出するセンサであることを特徴としている。 【0017】また、請求項4記載の発明は、内外気が導入される車室内空気流路内に配設され、圧縮されたガス状の冷媒の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させて冷媒を凝縮させる放熱用車室内熱交換器と、前記放熱用車室内熱交換器で凝縮させた冷媒を膨張させる膨張手段と、前記車室内空気流路内に配設され、前記膨張手段で膨張させた冷媒に前記車室内空気流路内の空気の熱を吸熱させて冷媒を蒸発させる吸熱用車室内熱交換器と、前記吸熱用車室内熱交換器で蒸発させた冷媒を圧縮して前記放熱用車室内熱交換器に向けて吐出する可変容量コンプレッサと、吹き出し温度又は吹き出し温度と相関関係を有する数値を検出する吹き出し温度検出手段と、前記吹き出し温度検出手段の検出結果に基づいて吹き出し温度が所定温度になるように前記可変容量コンプレッサの吐出冷媒容量を制御するコンプレッサ制御手段と、前記車室内空気流路内に導入される内気と外気の割合を調節する内外気調節手段と、前記放熱用車室内熱交換器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱温度又は該加熱温度と相関関係を有する数値を検出する加熱温度検出手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度又は該空気温度と相関関係を有する数値を検出する入口側温度検出手段と、前記加熱温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度にするための前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の目標空気温度を算出すると共に、前記入口側温度検出手段の検出結果に基づいて前記吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度が前記目標空気温度になるように前記内外気調節手段を制御する内外気制御手段と、を備えることを特徴とする車両用空調装置である。 【0018】このような構成によれば、吹き出し温度が変化すると、可変容量コンプレッサが作動しつつ吐出冷媒容量が調節されて吹き出し温度が所定温度に保たれる。また、可変容量コンプレッサがこのように制御されることで、高圧側の圧力が過大になることがないので、コンプレッサや冷媒サイクルを保護することができる。また、加熱手段の加熱温度が変化すると、それに対応した吸熱用車室内熱交換器の入口側の目標空気温度が算出されると共に、内外気調節手段により内気と外気の割合が調節されて吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度が目標空気温度にされ、これによって吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれる。したがって、吸熱用車室内熱交換器が凍結することがなく、除湿性能の低下を防ぐことができる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度気が所定温度に保たれることによりコンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の車両用空調装置において、前記加熱手段は、車両駆動系冷却水の熱を前記車室内空気流路内の空気に放熱させる放熱器であることを特徴としている。 【0020】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コンプレッサ制御手段で高圧側の冷媒圧力を制御して吹き出し温度を所定温度に保つと共に、内外気制御手段で内外気調節手段を制御して吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度に保つようにしたことにより、コンプレッサを作動させつつ吹き出し温度を安定させることができると共にコンプレッサや冷媒サイクルを保護することができ、さらに吸熱用車室内熱交換器の凍結を防止して除湿性能も確保することができるので、暖房性能と除湿性能を両立させることができる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれることにより、可変容量コンプレッサの圧縮比が安定するので、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0021】請求項4記載の発明によれば、コンプレッサ制御手段で高圧側の冷媒圧力を制御して吹き出し温度を所定温度に保つと共に、内外気制御手段で内外気調節手段を制御して吸熱用車室内熱交換器の入口側の空気温度を目標空気温度になるようにし、これによって吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度を所定温度に保つようにしたことにより、コンプレッサを作動させつつ吹き出し温度を安定させることができると共にコンプレッサや冷媒サイクルを保護することができ、さらに吸熱用車室内熱交換器の凍結を防止して除湿性能も確保することができるので、暖房性能と除湿性能を両立させることができる。また、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度が所定温度に保たれることにより、可変容量コンプレッサの圧縮比が安定するので、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態の車両用空調装置1の概略構成図である。この車両用空調装置1は、冷媒を循環させて冷媒と空気との間で熱交換を行う冷媒サイクルと、エンジンの排熱により温められたエンジン冷却水を循環させてエンジン冷却水と空気との間で熱交換を行う温水ラインとを備えている。 【0023】冷媒サイクルは、コンプレッサ2と、メインコンデンサ3と、放熱用車室内熱交換器としてのサブコンデンサ4と、リキッドタンク5と、膨張手段としての膨張弁6と、吸熱用車室内熱交換器としてのエバポレータ7とを配管部材を介して連通接続し、コンプレッサ2によって運動エネルギが与えられた冷媒がこれらの間を循環するように構成したものである。 【0024】コンプレッサ2は、エンジンルームのような車室外に配設され、吸入した低圧のガス状冷媒を圧縮して高圧のガス状冷媒として吐出する。このコンプレッサ2は、例えばエンジン10のクランクシャフトの動力がコンプレッサクラッチ8を介して伝達されることで駆動される。このコンプレッサ2は斜板式のもので、その斜板の傾きが外から電気信号で制御できるようになっている。 【0025】つまり、このコンプレッサ2は、図示しないが、電気信号による外部制御が可能な電磁弁等の電子操作式コントロールバルブ(ECV)を有している。例えば、このECVとして、高圧側と通じている電磁弁を用いた場合、クランクケース内と低圧側とは所定の開度の通路で連通しており、クランクケース内の圧力は低圧側へ逃げるようになっている。よって、かかる電磁弁をON/OFFして高圧側圧力を導入・遮断することでクランクケース内の圧力を制御することにより、ピストンに加わる圧力のバランスを変化させて斜板の傾きを変化させ、これによってコンプレッサ2の吐出容量を制御することができる。 【0026】このとき、電磁弁には、外部からの電気信号として、車両用空調装置1全体の動作を制御する制御ユニットから適当な値のデューティ比を持ったデューティ信号が与えられる。容量を小さくする必要があるときは、大きなデューティ比を持ったデューティ信号を与えて電磁弁の開弁時間を長くしてクランクケース内の圧力を上昇させ、容量を大きくする必要があるときは、小さなデューティ比を持ったデューティ信号を与えて電磁弁の開弁時間を短くしてクランクケース内の圧力を低下させる。 【0027】メインコンデンサ3は、車室外に配設され、コンプレッサ2から吐出された高温高圧のガス状冷媒の熱を外気に放熱させるものである。このメインコンデンサ3には、例えば電動ファン等の送風手段11が駆動されることで、外気が吹き付けられるようになっている。メインコンデンサ3は、当該メインコンデンサ3内を通る高温高圧のガス状冷媒と当該メインコンデンサ3に吹き付けられる外気との間で熱交換を行わせることで、高温高圧のガス状冷媒の熱を外気に放熱させる。 【0028】サブコンデンサ4は、後述する車室内空気流路P1内に配設され、コンプレッサ2から吐出された高温高圧のガス状冷媒の熱を車室内空気流路P1内を流れる空気に放熱させるものである。車室内空気流路P1内を流れる空気は、このサブコンデンサ4によって放熱された冷媒の熱を吸熱することで温風となって車室内空気流路P1の下流側へと流れてゆくことになる。 【0029】ところで、この車両用空調装置1においては、メインコンデンサ3とサブコンデンサ4が並列に接続されており、これらメインコンデンサ3とサブコンデンサ4とが選択的に使用されるようになされている。即ち、コンプレッサ2から吐出される冷媒が流れる流路は、三方コネクタ12を介して、メインコンデンサ3を通過する第1の冷媒ラインL1と、サブコンデンサ4を通過する第2の冷媒ラインL2とに分岐されている。そして、リキッドタンク5の前段で、これら第1の冷媒ラインL1と第2の冷媒ラインL2とが三方コネクタ13を介して合流するようになっている。なお、三方コネクタ12とコンプレッサ2の間には、コンプレッサ2の吐出冷媒圧力を検出する吹き出し温度検出手段としてのセンサ9が設けられている。 【0030】第1の冷媒ラインL1には、メインコンデンサ3の前段に電磁弁14が設けられ、メインコンデンサ3の後段に逆止弁15が設けられている。同様に、第2の冷媒ラインL2にも、サブコンデンサ4の前段に電磁弁16が設けられ、サブコンデンサ4の後段に逆止弁17が設けられている。そして、第1の冷媒ラインL1に設けられた電磁弁14の開閉状態及び第2の冷媒ラインL2に設けられた電磁弁16の開閉状態が制御ユニットによって切り替えられることで、第1の冷媒ラインL1又は第2の冷媒ラインL2が選択されるようになされている。 【0031】具体的には、冷房運転時においては、制御ユニットが、第1の冷媒ラインL1に設けられた電磁弁14を「開」に設定し、第2の冷媒ラインL2に設けられた電磁弁16を「閉」に設定する。これにより、第1の冷媒ラインL1が選択されて、コンプレッサ2から吐出された冷媒がメインコンデンサ3へと供給されることになる。一方、暖房運転時においては、制御ユニットが、第1の冷媒ラインL1に設けられた電磁弁14を「閉」に設定し、第2の冷媒ラインL2に設けられた電磁弁16を「開」に設定する。これにより、第2の冷媒ラインL2が選択されて、コンプレッサ2から突出された冷媒がサブコンデンサ4へと供給されることになる。 【0032】以上のように、この車両用空調装置1においては、制御ユニットが、第1の冷媒ラインL1と第2の冷媒ラインL2とを選択的に切り替える切り替え手段として機能し、コンプレッサ2から吐出された冷媒の流路が冷房運転時と暖房運転時とで切り替えられて、メインコンデンサ3とサブコンデンサ4とが選択的に使用されるようになっている。 【0033】リキッドタンク5は、メインコンデンサ3あるいはサブコンデンサ4により放熱されることで低温となり液化した冷媒を一時的に貯留するものである。このリキッドタンク5は除塵フィルタを備えており、貯留した液状冷媒中に混在する塵埃を除去する機能も有している。なお、リキッドタンク5は三方コネクタ13の後段に配設されることが望ましいが、エンジンルーム内の配管レイアウトによる制限を受けて三方コネクタ13の後段に配設することが困難な場合には、図1中に破線で示すように、メインコンデンサ3の直後、あるいはメインコンデンサ3と一体に配設するようにしてもよい。この場合には、サブコンデンサ4により放熱されて液化した冷媒は、リキッドタンク5を介さずに直接膨張弁6に供給されることになる。 【0034】膨張弁6は、メインコンデンサ3あるいはサブコンデンサ4により放熱されてリキッドタンク5に一時的に貯留された液状冷媒を急激に膨張させることで、低温低圧の霧状の冷媒としてエバポレータ7に供給するものである。 【0035】エバポレータ7は、車室内空気流路P1内におけるサブコンデンサ4よりも上流側に配設され、車室内空気流路P1内を流れる空気の熱を、膨張弁6から供給された低温低圧の霧状の冷媒に吸熱させるものである。 【0036】膨張弁6により低温低圧の霧状となってエバポレータ7に供給された冷媒は、エバポレータ7を通過する際に、車室内空気流路P1内を流れる空気の熱を奪って気化する。そして、このガス状冷媒がコンプレッサ2に吸入され、再度圧縮されて吐出される。一方、エバポレータ7内の冷媒により吸熱された空気は除湿されて冷風となって車室内空気流路P1の下流側へと流れることになる。なお、エバポレータ7の出口の近傍には、エバポレータ7を通過した空気の温度を検出する出口側温度検出手段としてのセンサ18が配設されている。 【0037】冷媒サイクルは、以上のように冷媒を循環させて、メインコンデンサ3やサブコンデンサ4、エバポレータ7において熱交換を行うことで、車室内空気流路P1内に温風や冷風を発生させるようにしている。 【0038】温水ラインは、エンジン冷却水を循環させることで、エンジン10の排熱によって高温となったエンジン冷却水を利用して熱交換を行うものであり、ヒータコア21が組み込まれている。 【0039】ヒータコア21は、サブコンデンサ4と共に、車室内空気流路P1内のエバポレータ7よりも下流側に配設され、エンジン10のウォータージャケットから配管部材を介して供給される冷却水、即ち、エンジンの排熱によって高温となったエンジン冷却水を熱媒体とし、このエンジン冷却水の保有熱により放熱するものである。車室内空気流路P1内を流れる空気は、上述したサブコンデンサ4により放熱される冷媒の熱に加えて、このヒータコア21からの熱を吸熱することになる。これにより、車室内空気流路P1内で効果的に温風が生成されることになる。 【0040】なお、エンジン10のウォータージャケットからヒータコア21へとエンジン冷却水を供給する配管部材にはウォーターバルブ22が設けられており、上述した制御ユニットによりこのウォーターバルブ22が調整されることで、ヒータコア21に供給されるエンジン冷却水の流量、即ち、ヒータコア21の放熱量が調整されるようになされている。 【0041】車室内空気流路P1の上流側にはブロワファン31が設けられている。このブロワファン31が駆動されることで、外気導入口から車室内空気流路P1内に外気が導入され、あるいは内気導入口から車室内空気流路P1内に内気が導入される。なお、外気導入口及び内気導入口の近傍には内外気調節手段としてのインテークドア32が設けられており、このインテークドア32が駆動制御されることで、車室内空気流路P1内に導入される外気と内気の割合が調節されるようになされている。 【0042】外気導入口あるいは内気導入口から車室内空気流路P1内に導入された空気は、まず、車室内空気流路P1の上流側に配設されたエバポレータ7を通過することになる。このとき、上述したように、エバポレータ7を通過する空気が、このエバポレータ7内の冷媒に吸熱されることで除湿され、冷風となって下流側へと流されることになる。 【0043】車室内空気流路P1では、エバポレータ7の下流側が、ヒータコア21やサブコンデンサ4が配設された温風流路R1と、ヒータコア21やサブコンデンサ4を迂回する迂回流路R2とに分岐されている。温風流路R1に流された空気は、上述したように、ヒータコア21を通過する際に、ヒータコア21からの熱を吸熱し、更にサブコンデンサ4を通過する際に、サブコンデンサ4内の冷媒から放熱される熱を吸熱して温風となり、下流側へ流されることになる。一方、迂回流路R2に流された空気は、エバポレータ7内の冷媒に吸熱された冷風のままの状態で下流側へ流されることになる。 【0044】ここで、温風流路R1と迂回流路R2とに分岐される分岐点には、温風流路R1に流される空気の流量と迂回流路R2に流される空気の流量との割合を調整するためのエアミックスドア33が設けられている。そして、このエアミックスドア33が駆動制御されて温風流路R1に流される空気の流量と迂回流路R2に流される空気の流量との割合が調整されることで、最終的に、デフロスタ吹出口やベント吹出口、フット吹出口から吹き出される空気の温度が調整されるようになっている。 【0045】車室内空気流路P1の温風流路R1や迂回流路R2の更に下流側には、温風流路R1からの温風と迂回流路R2からの冷風とを混合するためのエアミックスチャンバ34が設けられている。そして、このエアミックスチャンバ34には、温風と冷風とが混合されて温度調整された空気をフロントウィンドウガラスに向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口、乗員の上半身に向けて吹き出すためのベント吹出口、乗員の足下に向けて吹き出すためのフット吹出口がそれぞれ設けられている。各吹出口の近傍には、デフロスタドア35、ベントドア36、及びフットドア37がそれぞれ設けられており、これらのドアが駆動制御されることによって、各吹出口から吹き出される空気の流量が調整されるようになされている。 【0046】以上のように構成された車両用空調装置1においては、エバポレータ7を通過することで除湿された空気をヒータコア21やサブコンデンサ4により加熱して温風を生成するようにしているので、暖房運転時に除湿を行うこともできる。 【0047】また、この車両用空調装置1においては、放熱用車室内熱交換器であるサブコンデンサ4を車室内空気流路P1内に配設して、ヒータコア21だけでなく、サブコンデンサ4でも温風を生成するようにしているので、エンジン冷却水の温度が十分に高温となっていない場合であっても車室内の温度を比較的速やかに昇温させることができる。なお、省動力のため、エンジン冷却水が所定温度に達した時点で、コンプレッサクラッチ8をOFFにしてヒータコア21のみの暖房に移行するようになっている。 【0048】そして、この車両用空調装置1は、暖房時の吹き出し温度を安定させるためのコンプレッサ制御手段を有しており、このコンプレッサ制御手段は、制御ユニットのメモリに格納されたプログラムにより構成されている。図2は、このコンプレッサ制御手段100によるコンプレッサ2の制御手順を示すフローチャートである。 【0049】同図に示すように、プログラムがスタートすると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満たすか否かが判断される(ステップS10)。この制御前提条件は、例えば、イグニッションスイッチのON/OFF状態、エアコンスイッチのON/OFF状態、及びECVの作動許否状態のデータに基づいて行われる。具体的には、イグニッションスイッチがON状態にあり、かつエアコンスイッチがON状態にあり、かつECVが作動許可状態にあるときには制御前提条件を満たすものと判断され、以下の制御が実行される。なお、制御前提条件を満たさない場合には制御が終了する。 【0050】制御前提条件を満たす場合には、目標吹き出し温度TAOが算出される(ステップS20)。このTAOは、車室内の温度を、図示しない操作パネルを介して入力された設定温度(乗員が希望する車室内の温度)にするためのもので、外気温センサ、室温センサ、日射量センサ等が検出した値に基づいて算出される。次いで、制御実施条件を満たすか否かが判断される。即ち、エンジン冷却水の水温を検出するセンサ(図示せず)が検出した水温とTAOの差が算出され、この値が所定値以下である場合には制御実施条件を満たすものと判断されて(ステップS30)、TAOに対応した目標吐出冷媒圧力が算出される(ステップS40)。 【0051】この値は、サブコンデンサ4の出口側の空気の温度がTAOになるように設定される。TAOは30〜60℃、目標吐出冷媒圧力は10〜20kg/cm2Gの範囲で設定される。一例として、TAOが30℃の場合には目標吐出冷媒圧力が10kg/cm2G、TAOが55℃の場合には目標吐出冷媒圧力が18kg/cm2Gに設定される。 【0052】次いで、センサ9が検出するコンプレッサ2の吐出冷媒圧力が目標吐出冷媒圧力となるようにコンプレッサ2のECVが制御される(ステップS50)。さらに、エアミックスドア33が、実線で示すように、車室内空気流路P1内を流れる空気を温風流路R1のみに導入する位置(フルHOT)に固定される(ステップS60)。 【0053】そして、ステップS10に戻って上記処理が繰り返される。なお、エンジンの温度が上昇し、ステップS30でエンジン冷却水の水温とTAOの差が所定値よりも大きくなった場合には、コンプレッサクラッチ8がOFFにされてヒータコア21のみの暖房に移行し(ステップS70)、さらに、エアミックスドア33の角度が調節されて車室内空気流路P1内を流れる空気が温風流路R1と迂回流路R2とに流れ込んでエアミックスチャンバ34で混合されるエアミックス制御に移行する(ステップS80)。 【0054】この車両用空調装置1では、エバポレータ負荷やエンジン回転数の変化によりコンプレッサ2の吐出冷媒圧力が変化したとしても、コンプレッサ2の吐出冷媒容量が制御されてすぐに目標吐出冷媒圧力に戻るので、吹き出し温度を安定させることができる。 【0055】また、車室内が設定温度に達しても、エンジン冷却水が所定温度に達するまではヒータコア21のみの暖房に切り替えることがないので、吹き出し温度が急激に低下することはない。なお、コンプレッサ2の駆動時間は長くなるが、エンジン冷却水の水温の上昇に従ってコンプレッサ2の吐出冷媒容量が減少するので、省動力化を実現することができる。 【0056】さらに、この車両用空調装置1は、エバポレータ7の出口側の空気の温度を所定温度に保つための内外気制御手段を有しており、この内外気制御手段は、制御ユニットのメモリに格納されたプログラムにより構成されている。図3、4は、この内外気制御手段200によるインテークドア32の制御手順を示すフローチャートである。 【0057】同図に示すように、プログラムがスタートすると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満たすか否かが判断される(ステップS110)。この制御前提条件は、コンプレッサ制御手段100のステップS10と同様のものであり、制御前提条件を満たすものと判断された場合には以下の制御が実行され、制御前提条件を満たさない場合には制御が終了する。 【0058】制御前提条件を満たす場合には、エバポレータ7の出口側の空気の目標温度Tofintと、センサ18が検出した実際のエバポレータ7の出口側の空気の温度Tintとの差θintが算出される(ステップS120)。なお、Tofintは、エバポレータ7が凍結せず、かつ適切な除湿性能を確保できるように設定され、−1〜2℃程度、好ましくは0〜1℃程度に設定される。 【0059】次いで、算出されたθintに基づいて、インテークドア32の移動量dXintが設定される(ステップS130)。Xintはインテークドア32による内気導入口及び外気導入口の開閉状態を表す数値で、0〜100(%)の間で変動し、インテークドア32が内気導入口を完全に閉鎖し、かつ外気導入口を完全に開放した状態を100とし、その逆の状態を0とする。 【0060】θintが0以上(即ち、TintがTofintよりも低い)の場合には、内気の割合を増加させる必要があるので、インテークドア32が内気導入口を開放する方向に移動するように、dXintは負の値に変換される(ステップS150)。一方、θintが0未満(即ち、TintがTofintよりも高い)の場合には、外気の割合を増加させる必要があるので、インテークドア32が外気導入口を開放する方向に移動するように、dXintは正の値のままとされる(ステップS160)。 【0061】次いで、XintにdXintを加算して新しいXintとし(ステップS170)、このXintが100以上であるか否かを判定し(ステップS180)、100以上である場合にはXintを100とする(ステップS190)。また、Xintが0以下であるか否かを判定し(ステップS200)、0以下である場合にはXintを0とする(ステップS210)。このようにして得られたXintに基づいてインテークドア32が駆動制御された後(ステップS220)、ステップS110に戻って上記処理が繰り返される。 【0062】このように、コンプレッサ2で高圧側の冷媒圧力を制御してサブコンデンサ4の出口側の空気の温度をTAOに保ちつつ、エバポレータ7の出口側の空気の温度を目標温度Tofintに保つようにしたことにより、コンプレッサ2を作動させつつ吹き出し温度を安定させることができると共にコンプレッサ2や冷媒サイクルを保護することができ、さらにエバポレータ7の凍結を防止して適切な除湿を行うことができるため、暖房性能と除湿性能を両立させることができる。また、エバポレータ7の出口側の空気の温度が目標温度Tofintに保たれることで、コンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0063】次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図5は本発明の第2の実施形態の車両用空調装置51の概略構成図である。なお、本実施形態において、第1の実施形態と対応する部分には同一の符号を付してあり、同一の部分については説明を省略してある。 【0064】本実施形態では、サブコンデンサ4がヒータコア21の熱を受熱可能な位置に配設されている。ここで、ヒータコア21の熱を受熱可能な位置とは、車室内空気流路P1内に空気が流れていない状態においても、ヒータコア21の熱が伝達される位置のことをいう。具体的には、例えば、サブコンデンサ4がヒータコア21に極めて近い位置に配設されている場合や、サブコンデンサ4とヒータコア21とが一体構造とされている場合には、サブコンデンサ4はヒータコア21の熱を受熱可能である。 【0065】このように、放熱用車室内熱交換器であるサブコンデンサ4を、ヒータコア21の熱を受熱可能な位置に配設するようにしたことにより、加熱手段としてのヒータコア21によりサブコンデンサ4の温度負荷を高めて冷媒吐出圧力を速やかに上昇させることができるので、極めて良好な急速暖房性能を発揮することができる。なお、急速暖房性能を更に良好なものとするためには、ヒータコア21を、車室内空気流路P1内の放熱用車室内熱交換器であるサブコンデンサ4よりも上流側に配設することが望ましい。 【0066】即ち、ヒータコア21がサブコンデンサ4よりも下流側に配設された場合には、車室内空気流路P1内に導入されてエバポレータ7を通過することで冷風とされた空気がサブコンデンサ4に直接当たることになり、サブコンデンサ4の温度負荷が低くなって冷媒吐出圧が上昇しにくい。これに対し、ヒータコア21がサブコンデンサ4よりも上流側に配設された場合には、エバポレータ7により冷風とされた空気がヒータコア21を介してサブコンデンサ4に当たることになるので、サブコンデンサ4の温度負荷がそれほど低くならず、冷媒吐出圧を更に速やかに上昇させることが可能となる。また、この場合には、ヒータコア21の熱を、車室内空気流路P1内を流れる空気を媒介としてサブコンデンサ4に伝達することもできるので、ヒータコア21からサブコンデンサ4へ伝達される熱の伝達効率がより良好となり、更に良好な急速暖房性能を発揮することができる。 【0067】また、急速暖房性能を更に良好なものとするためには、放熱用車室内熱交換器であるサブコンデンサ4とヒータコア21とを一体構造とすることが望ましい。このように、サブコンデンサ4とヒータコア21とを一体構造とした場合には、ヒータコア21の熱が直接サブコンデンサ4に伝達されることになるので、ヒータコア21からサブコンデンサ4へ伝達される熱の伝達効率が更に良好となり、極めて良好な急速暖房性能を発揮することができる。 【0068】また、サブコンデンサ4とヒータコア21とを一体構造とすれば、装置全体の小型化や低コスト化等の観点からも非常に有利である。ここで、サブコンデンサ4とヒータコア21とを一体構造とする方法としては、例えば、サブコンデンサ4のフィンとヒータコア21のフィンとを一体とすること等が考えられる。 【0069】このように、サブコンデンサ4がヒータコア21の熱を受熱可能な位置に配設されていると、エンジン冷却水の水温の上昇によってサブコンデンサ4の放熱量が低下してエバポレータ7の吸熱量が低下する。第1の実施形態のように、エバポレータ7の出口側の空気温度を検出してインテークドア32を制御してエバポレータ7の出口側の空気温度を目標空気温度に近づけようとすると、エンジン冷却水の水温変動に対するエバポレータ7の出口側の空気温度の応答が遅いため、インテークドア32の開度がオーバーシュートしてハンチングしてしまう。よって、エバポレータ7の出口側の空気温度が目標空気温度に収束せず、突曇が発生したり、適切な暖房が行えなくなる等の問題が生じる。 【0070】そこで、本実施形態では、エバポレータ7の入口の近傍に、エバポレータ7に導入される空気の温度を検出する入口側温度検出手段としてのセンサ19を配設すると共に、エバポレータ7の入口側の空気の温度を目標空気温度に保つための内外気制御手段を設けている。この内外気制御手段は、制御ユニットのメモリに格納されたプログラムにより構成されている。図6、7は、この内外気制御手段300によるインテークドア32の制御手順を示すフローチャートである。 【0071】同図に示すように、プログラムがスタートすると、まず、車両用空調装置1の制御前提条件を満たすか否かが判断される(ステップS310)。この制御前提条件は、コンプレッサ制御手段100のステップS10と同様のものであり、制御前提条件を満たすものと判断された場合には以下の制御が実行され、制御前提条件を満たさない場合には制御が終了する。 【0072】制御前提条件を満たす場合には、エバポレータ7の入口側の空気の目標空気温度Tofsucが算出される(ステップS320)。この値は、エバポレータ7の出口側の空気温度を第1の実施形態で説明したTofintにするためのもので、ヒータコア21を流れるエンジン冷却水の水温を検出する加熱温度検出手段としてのセンサ20に基づいて設定される。図8に示すように、Tofsucはエンジン冷却水の水温が高くなるほど小さくなってゆく。 【0073】次いで、Tofsucと、センサ19が検出した実際のエバポレータ7の入口側の空気の温度Tsucとの差θsucが算出され(ステップS330)、これに基づいてインテークドア32の移動量dXintが設定される(ステップS340)。上述したように、Xintはインテークドア32による内気導入口及び外気導入口の開閉状態を表す数値で、0〜100(%)の間で変動し、インテークドア32が内気導入口を完全に閉鎖し、かつ外気導入口を完全に開放した状態を100とし、その逆の状態を0とする。図9に示すように、dXintはθsucの絶対値に基づいて段階的に設定される。 【0074】θsucが0以上(即ち、TsucがTofsucよりも低い)の場合には、内気の割合を増加させる必要があるので、インテークドア32が内気導入口を開放する方向に移動するように、dXintは負の値に変換される(ステップS360)。一方、θsucが0未満(即ち、TsucがTofsucよりも高い)の場合には、外気の割合を増加させる必要があるので、インテークドア32が外気導入口を開放する方向に移動するように、dXintは正の値のままとされる(ステップS370)。 【0075】次いで、XintにdXintを加算して新しいXintとし(ステップS380)、このXintが100以上であるか否かを判定し(ステップS390)、100以上である場合にはXintを100とする(ステップS400)。また、Xintが0以下であるか否かを判定し(ステップS410)、0以下である場合にはXintを0とする(ステップS420)。このようにして得られたXintに基づいてインテークドア32が駆動制御された後(ステップS430)、ステップS310に戻って上記処理が繰り返される。 【0076】このように、コンプレッサ2で高圧側の冷媒圧力を制御してサブコンデンサ4の出口側の空気の温度をTAOに保ちつつ、エバポレータ7の出口側の空気の温度を目標温度Tofintに保つようにしたことにより、コンプレッサ2を作動させつつ吹き出し温度を安定させることができると共にコンプレッサ2や冷媒サイクルを保護することができ、さらにエバポレータ7の凍結を防止して適切な除湿を行うことができるため、暖房性能と除湿性能を両立させることができる。また、エバポレータ7の出口側の空気の温度が目標温度Tofintに保たれることで、コンプレッサの圧縮比が安定するため、コンプレッサの耐久性が損われることがない。 【0077】なお、上記第1、第2実施形態では、コンプレッサの吐出冷媒圧力を検出してコンプレッサの吐出冷媒容量を制御するようにしているが、これに代えて、コンプレッサの吐出冷媒温度や放熱用車室内熱交換器の出口側の空気温度を検出してコンプレッサの吐出冷媒容量を制御するようにしてもよい。 【0078】また、上記第1実施形態では、吸熱用車室内熱交換器の出口側の空気の温度を検出して内外気調節手段を制御するようにしているが、これに代えて、車室内空気流路内の湿度やコンプレッサの吸入冷媒圧力を検出して内外気調節手段を制御するようにしてもよい。 【0079】また、上記実施形態では、放熱器がエンジン冷却水の熱を車室内空気流路内の空気に放熱させるようにしているが、これに代えて、エンジン冷却水以外の車両駆動系冷却水、例えば、電気自動車のモータの冷却水、燃料電池車のスタック冷却水等の熱を放熱させるようにしてもよい。 【0080】また、サブコンデンサを加熱する加熱手段は、車両駆動系冷却水の熱を放熱させる放熱器に限られるものではない。 【0081】その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の変形を施すことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004765 【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−267035(P2003−267035A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72793(P2002−72793) |
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