| 【発明の名称】 |
車両用空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】尾関 幸夫 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソニックカンセイ株式会社内
【氏名】恩田 正治 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソニックカンセイ株式会社内
【氏名】黒川 充博 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソニックカンセイ株式会社内
【氏名】山上 通夫 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソニックカンセイ株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】エンジン始動直後において窓曇りを防止しつつも吹出温度を向上できる車両用空調装置の提供を図る。
【解決手段】デフロスタ吹出通路17とブロア3上流とを連通する帰還通路23を設けるとともに、該帰還通路23を開閉するドア24を設けた。そのため、エンジン始動直後でヒータコア7による加熱量が小さいときには、帰還通路23を通じて空調風の一部を帰還させて再加熱することで、内気混入量を増やすことなく吹出温度を上げることができる。つまり、窓曇りを防止しつつも吹出温度を上げることができる。しかも、帰還通路23がフット吹出通路20以外の吹出通路(デフロスタ吹出通路17)に設けられているため、暖房運転における主風通路を構成するフット吹出通路20から吹き出される空調風への悪影響(温度分布に偏りなど)を最小限に抑えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブロア(3)と、ブロア(3)からの空気を加熱する加熱用熱交換器(7)と、この加熱用熱交換器(7)を通過する温風通路(P1)と、この加熱用熱交換器(7)をバイパスするバイパス通路(P2)と、これら温風通路(P1)およびバイパス通路(P2)への通風量の割合を調節するエアミックスドア(6)と、温風通路(P1)を通過した空気およびバイパス通路(P2)を通過した空気を混合するエアミックスチャンバ(P3)と、該エアミックスチャンバ(P3)の下流に分岐形成されたデフロスタ吹出通路(17,36)およびベント吹出通路(18,37)およびフット吹出通路(19)と、これら吹出通路(17、18、19,36、37、19)を選択的に開閉する複数のモード切換ドア(20、21、22,33、34、22)と、を備え、前記加熱用熱交換器(7)がエンジン冷却水を利用するタイプの車両用空調装置(1,31)において、前記フット吹出通路(19,19)以外の吹出通路(17、18,36、37)とブロア(3)上流と連通する帰還通路(23,40)を設けるとともに、該帰還通路(23,40)を開閉するドア(24,41)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の車両用空調装置は、ユニットケース内に、ブロアと、ブロアからの空気を除湿冷却する冷却用熱交換器と、この冷却用熱交換器からの空気を加熱する加熱用熱交換器と、この加熱用熱交換器を通過する空気とバイパスする空気との通風割合を調節するエアミックスドアと、を備えて構成されている。 【0003】ユニットケース内には、加熱用熱交換器を通風した空気が流れる温風通路と、加熱用熱交換器をバイパスして冷却用熱交換器を通風した冷風がそのまま流れるバイパス通路と、これら温風通路からの温風および冷風通路からの冷風を混合するエアミックスチャンバと、該エアミックスチャンバの下流に分岐形成された吹出通路と、が形成されている。 【0004】吹出通路はデフロスタ吹出通路およびベント吹出通路およびフット吹出通路からなり、この吹出通路の内外にはこれら吹出通路を選択的に開閉する複数のモード切換ドアが設けられていて、乗員の要求に応じて吹出通路が選択されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この種の車両用空調装置にあっては、一般に、加熱用熱交換器としてエンジン冷却水を利用したヒータコアが用いられるため、エンジン始動直後にはエンジン冷却水温度が低く、加熱用熱交換器による加熱が期待できず速暖房性は必ずしも良好とは言い難い。 【0006】ここで、エンジン始動直後の室内の冷え感を緩和するためより内気の混入量を多くすることが好ましいが、外気に対して湿度の高い内気の混入量を多くしすぎると窓が曇ってしまうため、一般には内気混入量を20〜30%と低く保つ必要がある。そのため、エンジン始動直後において窓曇りを防止しつつ吹出温度を向上するには限界があった。 【0007】本発明はこのような前記従来技術を背景に為されたものであって、その目的は、エンジン始動直後において窓曇りを防止しつつも吹出温度を向上できる車両用空調装置の提供である。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にあっては、ブロアと、ブロアからの空気を加熱する加熱用熱交換器と、この加熱用熱交換器を通過する温風通路と、この加熱用熱交換器をバイパスするバイパス通路と、これら温風通路およびバイパス通路への通風量の割合を調節するエアミックスドアと、温風通路を通過した空気およびバイパス通路を通過した空気を混合するエアミックスチャンバと、該エアミックスチャンバの下流に分岐形成されたデフロスタ吹出通路およびベント吹出通路およびフット吹出通路と、これら吹出通路を選択的に開閉する複数のモード切換ドアと、を備え、前記加熱用熱交換器がエンジン冷却水を利用するタイプの車両用空調装置において、前記フット吹出通路以外の吹出通路とブロア上流とを連通する帰還通路を設けるとともに、該帰還通路を開閉するドアを設けたことを特徴とするものである。 【0009】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、帰還通路およびこの帰還通路を開閉するドアを設けたため、エンジン始動直後でヒータコアによる加熱量が小さいときには、帰還通路を通じて温風の一部を再加熱することで内気混入量を増やすことなく、つまり窓曇りを防止しつつも吹出温度を上げることができる。 【0010】しかも、この請求項1記載の発明によれば、前記帰還通路はフット吹出通路以外の吹出通路(デフロスタ吹出通路またはベント吹出通路)に設けられているため、暖房運転における主風通路を構成するフット吹出通路から吹き出される空気の温度分布に偏りなどの悪影響を最小限とすることができる。つまり、エアミックスチャンバに帰還通路を設ける場合には、温風および冷風の混合中にその一部が抜き取られることになりフット吹出通路からの吹き出される空気の温度分布に偏りが生じるおそれがあるが、この請求項1記載の発明にあってはそのような悪影響を最小限に抑えて、上記効果を得ることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用空調装置の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0012】第1実施形態:図1〜図7は第1実施形態の車両用空調装置を示すもので、図1はこの第1実施形態の車両用空調装置を示す斜視図、図2は同車両用空調装置の正面図、図3は図2中III−III線に沿う断面図、図4は図2中IV−IV線に沿う要部断面図、図5はエンジン始動直後の暖房運転(フットモード)における空調風の流れを示す図、図6は通常の暖房運転(フットモード)における空調風の流れを示す図である。 【0013】車両用空調装置1は、ユニットケース2内に、ブロア3と、エアフィルタ4と、冷却用熱交換器としてのエバポレータ5と、エアミックスドア6と、加熱用熱交換器としてのヒータコア7と、を備えて構成される。 【0014】ブロア3は、ユニットケース2内の送風経路の上流端部に形成されたスクロール室9と、このスクロール室9に収容されたファン10と、該ファン10を駆動する図示せぬ電動モータと、から構成される。このブロア3の接続部には、内気導入口13と外気導入口14とこれら内気導入口13及び外気導入口14を選択的に開閉するドア15とを備えて構成されるインテークボックス12が接続されていて該ブロア3に吸入する内外気の吸入割合を調節できるようになっている。 【0015】エアフィルタ4は、エバポレータ5の上流側に配設され、エバポレータ5の図示せぬフィンおよびヒータコア7の図示せぬフィンに異物が堆積して冷房能力,暖房能力が落ちてしまうことを防止するとともに、車室内に塵,埃が吹き出されないようにしている。 【0016】冷却用熱交換器としてのエバポレータ5は図示せぬ冷凍サイクルに介装され、内部に低温低圧状態の冷媒を循環させて該冷媒に熱を吸熱させるものである。一方、加熱用熱交換器としてのヒータコア7は図示せぬ温水ラインに介装され、エンジンの排熱によって高温になったエンジン冷却水を熱源として発熱するものである。 【0017】エアミックスドア6は、エバポレータ5の下流側且つヒータコア7の上流側に配設され、エバポレータ5によって冷却除湿された空気をヒータコア7に流す温風通路P1とヒータコア7をバイパスするバイパス通路P2とに流れる風量を調節して、温風通路P1とバイパス通路P2との合流部に設けられたエアミックスチャンバP3で所定の吹き出し温度になるようにするものである。なお、この実施形態のエアミックスドア6は、スライド式であり、ドアケース61とドア本体62とを備えて構成されている。 【0018】エアミックスチャンバP3の下流側には、該ミックスチャンバP3から分岐されたデフロスタ吹出通路17およびベント吹出通路18およびフット吹出通路19が設けられている。上記デフロスタ吹出通路17の下流端部には、車両前面窓ガラスに空調風を吹き出すため図示せぬデフロスタダクトが接続され、ベント吹出通路18の下流端部には、乗員胸部に向けて空調風を吹き出すための図示せぬセンタベントダクトおよび車両側面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すための図示せぬサイドベントダクトが接続され、フット吹出通路19の下流端部には、乗員足下に向けて空調風を吹き出すための図示せぬフロントフットダクトおよび図示せぬリアフットダクトが接続されている。 【0019】各吹出通路17の流入端部には、モード切換ドアとしてのデフロスタドア20およびベントドア21およびフットドア22が設けられている。デフロスタドア20はデフロスタ吹出通路17を開閉し、ベントドア21はベント吹出通路18を開閉し、フットドア22はフット吹出通路19を開閉するものであり、これら各モード切換ドア20、21、22は吹き出しモードの設定または室内温度の設定などにより制御手段を介して開閉制御される。 【0020】そして、デフロスタ吹出通路17には、該デフロスタ吹出通路17とブロア3上流のインテークボックス12とを連通して空調風の一部を帰還させるための帰還通路23が設けられている。また、デフロスタ吹出通路17内には、上述の帰還通路23を開閉するドア24が設けられている。つまり、このドア24を開くと、デフロスタ吹出通路17内に流れ込む空調風の一部または全部をブロア3上流のインテークボックス12に帰還させることができ、空調風の一部をヒータコア7で再加熱することができる。 【0021】以上のように構成された車両用空調装置1のフットモードの空調風の流れを図5および図6を参照しつつ説明する。 【0022】フットモードはフット吹出通路19から空調風を吹き出すモードである。乗員によりまたは温度センサなどによりフットモードに設定されると図示せぬ制御手段によって、図6に示すようにデフロスタドア20が閉,ベントドア21が閉,フットドア22が開となり、フット吹出通路19から空調風が吹き出される。なお、このフットモードでは、ベントドア21にはサイドベント吹出通路と常時連通する図示せぬ連通孔が設けられており、全体の15〜20%の空調風が吹き出されて車両側面窓ガラスの曇り止め性が確保されるとともに乗員上半身の暖房感が確保される。 【0023】ここで、通常のフットモードは、上述のようにフット吹出通路19から全温風が吹き出されることとなるが、エンジン始動直後などエンジン冷却水が所定値以下の場合には上記制御手段によって図5に示すようにベントドア21がベント吹出通路18を開くとともに、ドア24が帰還通路23を開くようになっている。これにより、エンジン冷却水が十分な温度でなくヒータコア7の十分な加熱が期待できないときには、内気吸込量を多くすることなく、空調風の一部を帰還させてヒータコア7で再加熱することで、窓曇りを防止しつつも吹出温度を高めることができる。 【0024】このように、帰還通路23およびこの帰還通路23を開閉するドア24を設けたこの第1実施形態の車両用空調装置1によれば、エンジン始動直後でヒータコア7による加熱量が小さいときであっても帰還通路23を通じて空調風の一部を再加熱することで、内気混入量を増やすことなくつまり窓曇りを防止しつつも吹出温度を上げることができる。 【0025】しかも、この第1実施形態の車両用空調装置1によれば、帰還通路23は、暖房運転(フットモード)における主風経路としてのフット吹出通路19以外の吹出通路17(なお、この例ではデフロスタ吹出通路17であるがベント吹出通路18であってもよい)に設けられているため、フット吹出通路19からの空調風の温度分布の偏りを最小限にとどめることができる。つまり、仮にエアミックスチャンバP3またはフット吹出通路19に帰還通路23を設けたとすると、温風および冷風の混合中にその一部が抜き取られることになりフット吹出通路19から吹き出される空調風の温度分布に偏りが生じてしまうおそれがあるが、この第1実施形態にあってはそのような悪影響を最小限に抑えて、上記効果を得ることができる。 【0026】第2実施形態:図7〜図11は第2実施形態の車両用空調装置を示すものであり、図7はこの第2実施形態の車両用空調装置の正面図、図8は図7中VIII−VIII線に沿う断面図、図9は図7中IX−IX線に沿う要部断面図、図10はこの第2実施形態の車両用空調装置に用いるデフロスタ・ベント一体型ドア示す斜視図、図11はエンジン始動時の暖房運転(フットモード)における空調風の流れを示す図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。 【0027】この第2実施形態の車両用空調装置31は、帰還通路40をベント吹出通路37に設けた点が第1実施形態との主な相違点である。 【0028】デフロスタドア33およびベントドア34は、同一の回動軸35に異なる角度で取り付けられたデフロスタ・ベント一体型ドア32であって、このドア32の回動軸35の回動角に応じて、(1):デフロスタ吹出通路36およびベント吹出通路37が共に閉、(2):デフロスタ吹出通路36が開で且つベント吹出通路37が閉、(3):デフロスタ吹出通路36が閉で且つベント吹出通路37が開、(4):デフロスタ吹出通路36およびベント吹出通路37が共に開、という4態様を実現できるようにデフロスタ吹出通路36およびベント吹出通路37には対向配置された流入口および流出口を有する円筒状シール面39が形成されている。なお、図7〜図11は(1):デフロスタ吹出通路36およびベント吹出通路37がともに閉じられて、フット吹出通路20のみが開かれたフットモードに対応する図である。 【0029】この実施形態では、デフロスタ吹出通路36の前記円筒状のシール面39に、該デフロスタ吹出通路36とブロア3上流のインテークボックス12とを連通する帰還通路40を設けた構造であって、この帰還通路40を開閉するドア41は、円筒状のシール面39に沿って円弧状に形成され且つベントドア34と干渉しないように帰還通路40内を回動するようになっている。 【0030】この第2実施形態の車両用空調装置30よれば、エンジン始動直後でヒータコア7による加熱量が小さいときであっても帰還通路40を通じて空調風の一部を帰還させて再加熱することで、第1実施形態と同様に、内気混入量を増やすことなく吹出温度を上げることができる。つまり、窓曇りを防止しつつも吹出温度を上げることができる。 【0031】しかも、帰還通路40は、暖房運転(フットモード)における主風経路としてのフット吹出通路19以外の吹出通路(この例ではベント吹出通路37)に設けられているため、第1実施形態と同様に、フット吹出通路19から吹き出される空調風の温度分布の偏りを最小限にとどめることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004765 【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社 【住所又は居所】東京都中野区南台5丁目24番15号
|
| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−267032(P2003−267032A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72808(P2002−72808) |
|