トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 車両用空調装置
【発明者】 【氏名】小池 隆夫
【住所又は居所】埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセルヴァレオクライメートコントロール内

【氏名】古城 浩隆
【住所又は居所】埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセルヴァレオクライメートコントロール内

【要約】 【課題】デフロスト側開口部とベント側開口部との両方からの送風を可能とする車両用空調装置において、ベント側開口部から送風される空気の温度とデフロスト側開口部から送風される空気の温度との差を小さくし、違和感のない快適な空調状態を得る。

【解決手段】エアミックスドア8の下流側において空調ケース3の上部に開口されたデフロスト開口部9とサイドベント開口部10bとの両方から送風する状態が形成される場合に、エアミックスドア8の下流側からデフロスト開口部9へ流入する空気の一部を連通路32を介してサイドベント開口部10bへ導く。連通路32は、デフロスト開口部9とサイドベント開口部10bとの境界を形成する空調ケース3に形成された仕切部16に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に空気流路が形成された空調ケースと、前記空調ケース内に配されて該空調ケース内に導入された空気を加熱可能とする加熱用熱交換器と、前記加熱用熱交換器の上方をバイパスして下流側へ導かれる空気と前記加熱用熱交換器を通過して下流側へ導かれる空気との割合を調節するエアミックスドアと、前記エアミックスドアの下流側において前記空調ケースの上部に開口されたデフロスト側開口部およびベント側開口部と、これら開口部の開度を調節するモードドアとを有して構成され、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との両方から送風する状態が形成可能である車両用空調装置において、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との両方から送風する状態が形成されている場合に、前記エアミックスドアの下流側から前記デフロスト側開口部へ流入する空気の一部を前記ベント側開口部へ導く連通路を設けるようにしたことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】 前記ベント側開口部は、センタベント開口部と、その脇に設けられたサイドベント開口部とを有して構成され、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との両方から送風する状態は、前記デフロスト側開口部と前記サイドベント開口部とから送風する状態であることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項3】 前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部とは、前記空調ケースの隣り合う位置に形成されており、前記連通路は、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との境界を形成する前記空調ケースに形成された仕切部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項4】 前記仕切部は、前記空調ケースを構成するケース部材を契合させるために形成された中空部分を有しており、前記連通路は、前記中空部分を閉塞した上でこの中空部分を過ぎるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項5】 前記モードドアは、前記デフロスト側開口部の開度を調節するデフロストドアと、前記ベント側開口部の開度を調節するベントドアとを有して構成され、前記連通路は、前記デフロストドアが前記仕切部にシートするシート部よりも上流側と前記ベントドアが前記仕切部にシートするシート部よりも下流側とを連通させるものである請求項3又は4記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デフロスト開口部とベント開口部との両方から同時に送風する状態を可能としている車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用空調装置として、車室上方へ空調空気を供給するベント開口部をセンタベント開口部とサイドベント開口部とに分けて形成し、吹出モードに拘わらず、サイドベント開口部から空調空気を吹き出すようにした構成が考えられている(特開平9−263120号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成を、空調ケース内に配設される加熱用熱交換器の上方側にバイパス通路が形成され、その下流側においてデフロスト開口部とベント開口部とが空調ケースの上部に形成される一般的な車両用空調装置に適用すると、吹出モードがデフロストモードに設定された場合に、デフロスト開口部から吹き出す空気の温度よりサイドベント開口部から吹き出す空気の温度が高くなり、窓ガラスの曇りを晴らしたいだけであるのに、乗員の顔が火照ってしまい、乗員に違和感や不快感を与えてしまう不都合が指摘されている。これは、一般的な車両用空調装置においては、デフロスト開口部がベント開口部よりもバイパス通路寄りに形成されているため、デフロスト開口部にはバイパス通路を通過した空気が流入しやすくなり、また、サイドベント開口部には温度の高い空気が流入しやすくなるという構造上の問題であると考えられている。
【0004】そこで、この発明においては、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方からの送風を可能とする車両用空調装置において、ベント側開口部から吹き出す空気温度がデフロスト側開口部から吹き出す空気温度よりも高くなることによる上述した不都合を解消し、ベント側開口部から送風される空気の温度とデフロスト側開口部から送風される空気の温度との差を小さくし、違和感のない快適な空調状態を得ることができる車両用空調装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、この発明に係る車両用空調装置は、内部に空気流路が形成された空調ケースと、前記空調ケース内に配されて該空調ケース内に導入された空気を加熱可能とする加熱用熱交換器と、前記加熱用熱交換器の上方をバイパスして下流側へ導かれる空気と前記加熱用熱交換器を通過して下流側へ導かれる空気との割合を調節するエアミックスドアと、前記エアミックスドアの下流側において前記空調ケースの上部に開口されたデフロスト側開口部およびベント側開口部と、これら開口部の開度を調節するモードドアとを有して構成され、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との両方から送風する状態が形成可能である構成において、前記デフロスト側開口部と前記ベント側開口部との両方から送風する状態が形成されている場合に、前記エアミックスドアの下流側から前記デフロスト側開口部へ流入する空気の一部を前記ベント側開口部へ導く連通路を設けるようにしたことを特徴としている(請求項1)。
【0006】したがって、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方から送風する状態が形成された場合には、連通路を介してエアミックスドアの下流側からベント側開口部へ流入する空気の一部がベント側開口部へ導かれるので、このベント側開口部へ導かれた空気により、ベント側開口部から送風される空気の温度を低下させることが可能となり、デフロスト側開口部から送風される空気の温度とベント側開口部から送風される空気の温度との差を小さくすることが可能となる。
【0007】ここで、ベント側開口部は、センタベント開口部と、その脇に設けられたサイドベント開口部とを有して構成される車両用空調装置にあっては、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方から送風する状態を、デフロスト側開口部とサイドベント開口部とから送風する状態とすることで、吹出モードに拘わらず、サイドベント開口部から空調空気を吹き出すようにしている空調装置に適用することが可能となる。
【0008】また、デフロスト側開口部とベント側開口部とは、空調ケースの隣り合う位置に形成される構成においては、連通路を、デフロスト側開口部とベント側開口部との境界を形成する空調ケースに形成された仕切部に形成することが好ましい(請求項3)。
【0009】特に、仕切部が空調ケースを構成するケース部材を契合させるために形成された中空部分を有している場合には、連通路を中空部分を閉塞して該中空部分を過ぎるように形成するようにしてもよい(請求項4)。
【0010】さらに、モードドアを、デフロスト側開口部の開度を調節するデフロストドアと、ベント側開口部の開度を調節するベントドアとを有して構成する場合においては、連通路を、デフロストドアが仕切部にシートするシート部よりも上流側の部分とベントドアが仕切部にシートするシート部よりも下流側の部分とを連通させるように形成するとよい(請求項5)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1及び図2おいて、車両のセンターコンソール部に搭載されるセンター置きタイプの空調装置1が示されている。この空調装置1は、エンジンルームと車室とを区画する仕切板よりも車室側に配されているもので、内部に空気流路2が形成された空調ケース3に、エバポレータ4、温水ヒータ5が車幅方向のほぼ同位置に収納されており、図示しない送風機から供給される空気が空調ケース3の最上流側に設けられた空気導入口6を介して導入されるようになっている。
【0012】エバポレータ4は、空調ケース3内において導入される全ての空気が通過するように立設して配置され、また、温水ヒータ5は、エバポレータ4よりも下流側(車室側)に位置する空調ケース3の下部に立設されている。空調ケース3内には、エバポレータ4を通過した空気を温水ヒータ5をバイパスして下流側へ導くバイパス通路2aが形成されており、このバイパス通路2aを通過する空気と、温水ヒータ5を通過する空気との割合が該温水ヒータ5の上方に設けられたエアミックスドア8によって調節されるようになっている。
【0013】エアミックスドア8の下流側には、バイパス通路2aを通過した空気と温水ヒータ5を通過した空気との混合を可能にする混合エリア2bが形成され、この混合エリア2bを介して、フロントガラスへ向けて空気を吹き出すデフロスト開口部9、車室上方へ空気を吹き出すベント開口部10(車両の前方中程から車室上方へ空気を吹き出すセンタベント開口部10a、及びセンタベント開口部10aよりも車両の両側部から車室上方へ空気を吹き出すサイドベント開口部10b)、車室下方へ空気を吹き出すフット開口部11が形成されている。
【0014】ここで、デフロスト開口部9とベント開口部10とは、空気流路2の最下流端に位置する空調ケース3の上部に形成されている。デフロスト開口部9は、ベント開口部10よりもバイパス通路寄りとなる空調ケース3の前方側に形成されており、混合エリア2bから前方側へ分岐したデフロスト通路2cを介して混合エリア2bの空気が流入されるようになっている。また、ベント開口部10は、混合エリア2bから後方側へ分岐したベント通路2dを介して混合エリア2bから供給される空気が流入されるようになっている。フット開口部11は、空調ケース3の車室側に向けられる側面の下端部に形成されており、空調ケース3の車室側に向けられる側面に沿って上方へ延びる隔壁14で画定されるフット通路2eを介して混合エリア2bに連通されている。
【0015】前記空調ケース3は、エバポレータ4及び温水ヒータ5を載置するように設けられたロアケース部材3aと、このロアケース部材3aの上部に着脱自在に組み付けられた左右縦割りの2分割構造をなすアッパーケース部材3b,3cとを有して構成され、これらケース部材3a,3b,3cをタッピングスクリューなどを用いて契合するようにしている。特に、アッパーケース部材3b,3cのデフロスト開口部9とベント開口部10との間に位置する部分には、これら開口部の境界を形成する仕切部16が形成されている。この仕切部16は、図3にも示されるように、それぞれのアッパーケース部材3b, 3cの車幅方向に形成されているもので、それぞれのアッパーケース部材3b, 3cの側面に開口された中空部分16aを有する有底の筒状体によって構成され、それぞれの底部16bを突き合わせると共にタッピングスクリュー17によって契合することで車巾方向に一体的に形成されている。
【0016】そして、デフロスト開口部9の開度は、この開口部の手前に設けられたデフロストドア20によって調節され、センタベント開口部10a及びサイドベント開口部10bの開度は、この開口部の手前に設けられたベントドア21によって調節され、フット開口部11の開度は、この開口部の手前に設けられたフットドア22によって調節されるようになっている。
【0017】これらデフロストドア20、ベントドア21、フットドア22によって吹出モードを切り換えるモードドアが構成されており、デフロストドア20は、空調ケース3の内面に形成されたシート部23と前記仕切部16の車両前方側の端部に形成されたシート部24とに当接してデフロスト開口部9を閉塞する位置からデフロスト通路2cを流れる空気と略平行となる位置にかけて回動するようになっている。
【0018】また、ベントドア21は、センタベント開口部10aの開口量を調節するセンタドア部21aと、サイドベント開口部10bの開口量を調節するサイドドア部21bとによって構成され、これらセンタドア部21aとサイドドア部21bとは同じ回転軸21cに位相を一致させて固装されており、一体に回動するようになっている。ここで、センタドア部21aは、周縁に緩衝材25が施されてセンタベント開口部10aを完全に閉塞できる大きさに形成されているのに対し、サイドドア部21bは、吹出モードに拘わらず、サイドベント開口部10bから空調空気を吹き出すことができるよう、サイドベント開口部10bの開口面積よりも小さい面積に形成されている。このため、センタドア部21aは、空調ケース3の後方側の側壁の内面に形成されたシート部26と仕切部16の下端部に形成されたシート部27とに当接してセンタベント開口部10aを閉塞する位置からベント通路2dを流れる空気と略平行となる位置にかけて回動するようになっており、また、サイドドア部21bは、センタドア部21aに伴って動くものの、センタドア部21aがセンタベント開口部10aを閉塞する場合でも、サイドベント開口部10bが完全に閉塞されることはなく、隙間28が形成されるようになっている。
【0019】さらに、フットドア22は、フット通路2eの内壁に形成されたシート部29と当接してフット開口部11を閉塞する位置からフット通路2eを流れる空気と略平行となる位置にかけて回動するようになっている。
【0020】したがって、送風機から送られる空気は、エバポレータ4を通過する際に冷却され、エアミックスドア8の開度に応じて、温水ヒータ5を通過して流れる空気とバイパスして流れる空気との割合が調節され、エアミックスドア8の下流側において適宜混合された後に吹出モードに応じて開放された開口部から吹き出されるようになり、また、吹出モードに拘わらず、サイドベント開口部10bから送風されるようになっている。
【0021】前記仕切部16には、デフロストドア20がシートする部分よりも上流側の部分でデフロスト通路2cと中空部分16aとを連通する開口部30と、ベントドア10がシートする部分よりも下流側の部分でベント通路2dと中空部分16aとを連通する開口部31とが形成され、デフロストドア20のシート部24よりも上流側の部分とベントドア21のシート部27よりも下流側の部分との間に、デフロスト開口部9へ流入する空気の一部をベント開口部10へ導く連通路32を形成するようにしている。そして、この仕切部16の中空部分16aは、図4にも示されるように、空調ケース3の側方から装着される蓋体33によって閉塞されるようになっている。
【0022】尚、上述の構成において、各吹出モードと各開口部から送風される全送風量に対する風量割合は、概ね図5に示されるように設定されている。即ち、ベントモード時においては、センタベント開口部10aから送風される風量割合を約50%、サイドベント開口部10bから送風される風量割合を約50%とし、デフロスト開口部9及びフット開口部11から送風される風量割合を0%とする。また、バイレベルモード時においては、センタベント開口部10aから送風される風量割合を約30%、サイドベント開口部10bから送風される風量割合を約30%、フット開口部11から送風される風量割合を約40%とし、デフロスト開口部9から送風される風量割合を0%とする。ヒートモード時においては、サイドベント開口部10bから送風される風量割合を約25%、フット開口部11から送風される風量割合を約55%とし、デフロスト開口部9から送風される風量割合を約20%とし、センタベント開口部10aから送風される風量割合を0%とする。デフフットモード時においては、サイドベント開口部10bから送風される風量割合を約25%、フット開口部11から送風される風量割合を約45%とし、デフロスト開口部9から送風される風量割合を約30%とし、センタベント開口部10aから送風される風量割合を0%とする。デフロストモード時においては、サイドベント開口部10bから送風される風量割合を約25%、デフロスト開口部9から送風される風量割合を約75%とし、センタベント開口部10a及びフット開口部11から送風される風量割合を0%とする。
【0023】上述の構成において、吹出モードがデフロストモードに設定されると、図1に示されるように、デフロストドア20が全開位置に設定され、フットドア22が全閉位置に設定され、センタドア部21aも全閉位置に設定される。この状態においては、サイドドア部21bは、サイドベント開口部10bの開度が最も小さくなる位置に設定されるが、サイドドア部21bと空調ケース3の内面との間に形成される隙間28を介して、エアミックスドア8の下流側からの空気がサイドベント開口部10bから送出されることとなる。このような状態においては、仕切部16に形成された連通路32を介してデフロスト開口部9へ流入する空気の一部がサイドベント開口部10bへ導かれるので、バイパス通路2aから回り込む温度の低い空気がサイドベント開口部10bへ導かれやすくなる。このため、デフロストモード時において、サイドベント開口部10bから送風される空気の温度を低下させることができ、デフロスト開口部9から送風される空気の温度とサイドベント開口部10bから送風される空気の温度との差を小さくすることが可能となる。
【0024】実際、上述の構成の空調装置において、デフロスト開口部9の左右から吹き出す空気温度と左右のサイドベント開口部10bから吹き出す空気温度とを、仕切部16に連通路32を設けなかった場合と設けた場合とでエアミックスドア8の位置を変化させて測定すると、図6及び図7に示される結果が得られた。尚、図中、▼はデフロスト開口部9から送出されてフロントガラスの右側(右ハンドル車であれば運転席側)寄りに吹き出す空気の温度、▽はデフロスト開口部9から送出されてフロントガラスの左側(右ハンドル車であれば助手席側)寄りに吹き出す空気の温度、●は右側(右ハンドル車であれば運転席側)のサイドベント開口部10bから送出される空気の温度、○は、左側(右ハンドル車であれば助手席側)のサイドベント開口部10bから送出される空気の温度をそれぞれ示す。また、これらの測定結果は、上述の空調装置において、運転席側に送風機を配置し、運転席側から空調ケースの最上流側に空気を導入するようにした構成に関するものである。
【0025】この結果から明らかなように、連通路32を設けた場合には、連通路32を設けない場合に比べて、エアミックスドア8の位置がフルホット側にある場合(温水ヒータを通過する空気量がバイパス通路2aを通過する空気量よりも多くなる場合)において、サイドベント開口部10bから送風される空気の温度が低くなり、サイドベント開口部10bから送風される空気とデフロスト開口部9から送風される空気との温度差が小さくなる傾向にある。また、この結果から判るように、連通路32を設けたことにより、エアミックスドア8の位置がフルホット側にある場合に、デフロスト開口部9から送風される空気の平均温度が高められる傾向にある。本来、デフロスト開口部9から送風する空気は、窓ガラスの曇りを晴らすために温度が高い方が好ましく、上述の結果は、連通路32を設けたことで、曇り晴らしの性能を向上させることができることをも示している。
【0026】したがって、上述した連通路32をデフロスト開口部9とサイドベント開口部10bとの間に設けたことにより、デフロスト性能の向上を図ることができると共に、乗員へ向って送風される空気の温度を低下させ、乗員に違和感や不快感を与える不都合を低減できることが確認された。
【0027】尚、上述の構成例においては、特に、センター置きの車両用空調装置に採用した場合の例を示したが、空調ケース内に配設される温水ヒータの上方側にバイパス通路が形成され、その下流側においてデフロスト開口部とベント開口部とが空とつ調ケースの上部に形成され、デフロスト開口部がベント開口部よりもバイパス通路寄りに形成されている他の空調装置においても、同様の構成として、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方から送風する状態において、デフロスト側開口部から送風される空気の温度とベント側開口部から送風される空気の温度との差を小さくするようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上、述べたように、この発明によれば、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方から送風する状態が形成可能である車両用空調装置において、デフロスト側開口部とベント側開口部との両方から送風する状態が形成されている場合に、エアミックスドアの下流側からデフロスト側開口部へ流入する空気の一部をベント側開口部へ導く連通路を設けるようにしたので、デフロスト側開口部から送風される空気の温度とベント側開口部から送風される空気の温度との差を小さくすることが可能となり、違和感のない快適な空調状態を得ることが可能となる。
【0029】特に、車室上方へ空調空気を供給するベント側開口部を、センタベント開口部とサイドベント開口部とに分けて形成し、吹出モードに拘わらず、サイドベント開口部から空調空気を常時吹き出すようにしている場合には、デフロスト側開口部とサイドベント開口部との両方から送風する状態が形成される場合でも、デフロスト側開口部から送風される空気の温度とサイドベント開口部から送風される空気の温度との差を小さくすることが可能となり、デフロストの要請を満たしつつ、乗員への顔の火照りを緩和することができるなど、違和感のない快適な空調状態を形成することが可能となる。
【0030】また、デフロスト側開口部とベント側開口部とを空調ケースの隣り合う位置に形成する構成においては、連通路をデフロスト側開口部とベント側開口部との境界を形成する空調ケースに形成した仕切部に形成することで、連通路を形成するために格別な構造体を設ける必要がなくなる。特に、仕切部が空調ケースを構成するケース部材を契合するために形成された中空部分を有する場合には、連通路を中空部分を閉塞した上でこの中空部分を過ぎるように形成するようにしてもよく、このような構成とすることで、既存の構成を利用して連通路を形成することが可能となると共に、空調ケースのデッドスペースの有効利用を図ることが可能となる。
【0031】さらに、モードドアを、デフロスト側開口部の開度を調節するデフロストドアと、ベント側開口部の開度を調節するベントドアとを有して構成する場合においては、連通路を、デフロストドアが仕切部にシートするシート部よりも上流側の部分とベントドアが仕切部にシートするシート部よりも下流側の部分とを連通させるように形成することで、デフロスト側開口部をデフロストドアによって閉塞する場合において、ベント側からデフロスト側開口部へ空気が導かれてしまう不都合を避けることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ゼクセルヴァレオクライメートコントロール
【住所又は居所】埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地
【出願日】 平成14年3月15日(2002.3.15)
【代理人】 【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
【公開番号】 特開2003−267030(P2003−267030A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−72182(P2002−72182)