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【発明の名称】 車両用空調装置
【発明者】 【氏名】高佐 良和
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】田中 輝久
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【要約】 【課題】デフロスタ開閉部材の軸方向の両端部外側に空調空気の通過する隙間を形成させることで、クールデフロスタの少なく、かつ車両の前面窓ガラスに向けて吹き出す空気量の可変を可能とした車両用空調装置を実現する。

【解決手段】デフロスタドア22は、デフロスタ開口部21の上流側に配設され、かつデフロスタドア22の両端部と空調ケース11の内壁面との間に隙間28が形成され、デフロスタドア22は、デフロスタドア22の開度が所定の開度を下回るときに、隙間28を通過した空調空気がデフロスタ開口部21から吹き出すように構成した。これにより、クールデフロスタの少なく、かつ車両の前面窓ガラスに向けて吹き出す空調空気の空気量を可変できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気通路を形成する空調ケース(11)と、前記空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(18)と、前記空調ケース(11)内に形成され、前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、前記空調ケース(11)内に設置され、前記温風通路(18)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、前記空調ケース(11)内に形成され、前記温風通路(18)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、前記空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、前記デフロスタ開口部(21)を開閉するデフロスタ開閉部材(22)とを備える車両用空調装置において、前記デフロスタ開閉部材(22)は、前記デフロスタ開口部(21)の上流側に配設され、かつ前記デフロスタ開閉部材(22)の両端部と前記空調ケース(11)の内壁面との間に隙間(28)が形成され、前記デフロスタ開閉部材(22)は、前記デフロスタ開閉部材(22)の開度が所定の開度を下回るときに、前記隙間(28)を通過した空調空気が前記デフロスタ開口部(21)から吹き出すように構成したことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】 前記空調ケース(11)は、前記デフロスタ開閉部材(22)の開度が所定の開度と下回る領域では前記隙間(28)が前記デフロスタ開口部(21)に向かって狭くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に関するもので、特に、車両の前面窓ガラスに向けて吹き出す空気量の可変ができるデフロスタ開閉部材の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用空調装置として、暖房用熱交換器を通過する温風と暖房用熱交換器をバイパスする冷風との風量割合をエアミックスドアによって吹出温度を調整して、車室内へ空調空気を吹き出す。いわゆるエアミックスタイプの温度制御方式が多く採用されている。
【0003】そして、吹出モードがバイレベルモードおよびフットモードのときに、主となる吹出口から温度調節された空調空気を吹き出すとともに、デフロスタ吹出口から窓ガラスの曇りを晴らすために一部の空調空気が吹き出すように構成されている。
【0004】例えば、特開2000−296711号公報に記載されたものが開示されている。この公報では、乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出すフェイス開口部と、車両の前面窓ガラスに向かって空調空気を吹き出すデフロスタ開口部と、フェイス開口部を開閉するフェイス開閉部材と、デフロスタ開口部を開閉するデフロスタ開閉部材とを備え、フェイス開閉部材がデフロスタ開口部の上流側に配設され、デフロスタ開閉部材は、デフロスタ開口部を閉鎖する位置にあるとき、デフロスタ開口部の一部領域を開口状態としたままでデフロスタ開口部周縁に当接し、フェイスモード時に、フェイス開閉部材がデフロスタ開閉部材より上流位置でデフロスタ開口部を閉鎖するように構成されている。
【0005】これにより、デフロスタ開閉部材は、デフロスタ開口部を閉鎖する位置にあるとき、デフロスタ開口部の一部領域を開口状態としたままでデフロスタ開口部周縁に当接するので、デフロスタ開閉部材を微少開度開くことなく、車両の前面窓ガラスへと空調空気を洩らすことができるようになっている。
【0006】さらに、フェイスモード時は、フェイス開閉部材がデフロスタ開閉部材より上流位置でデフロスタ開口部を閉鎖するので、デフロスタ開閉部材がデフロスタ開口部を閉鎖する位置にあるとき、デフロスタ開口部の一部領域を開口状態としたままでも、車両の前面窓ガラスに空調空気が洩れることなく、全風量を車室内乗員の上半身へと吹き出すことができるようになっている。
【0007】なお、デフロスタ開閉部材は、一部領域を開口状態とするために、例えばデフロスタ開閉部材の一部に開口部を形成するなどして、デフロスタ開閉部材の面積をデフロスタ開閉部材の回動軸の垂直方向においてデフロスタ開口部よりも小さくするように形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成によれば、デフロスタ開閉部材がデフロスタ開口部を閉鎖する位置にあるときに一部領域を開口状態としてあるため車両の前面窓ガラスに吹き出す空気量は、デフロスタ開閉部材がデフロスタ開口部を閉鎖する位置であるため開口面積に基づいた一定の空気量しか設定できず、この空気量を可変させることができない。
【0009】また、デフロスタ開閉部材の開口部を、例えばデフロスタ開閉部材の回動軸の長手方向に開口を形成させてこの開口から空調空気を洩らすようにすると、冷風と温風とが混合する空気混合部の近傍にデフロスタ開閉部材が設けられるこの種のエアミックスタイプの空調ユニットにおいては、特に温風は暖房用熱交換器を通過した分、圧力が低下して風速が低下して入るため、上記空気混合部では、一般的に風速の強い冷風が空調ケースの幅方向の中央部周辺に流れやすく、温風が空調ケースの幅方向の両側部側に流れやすくなる。これにより、長手方向に開口を形成したデフロスタ開閉部材は、空調空気の冷風と温風との混合が悪くなるため、デフロスタ吹出口から低い温度の空調空気が吹き出すクールデフロスタの不具合がある。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたことであり、デフロスタ開閉部材の軸方向の両端部外側に空調空気の通過する隙間を形成させることで、クールデフロスタの少なく、かつ車両の前面窓ガラスに向けて吹き出す空気量の可変を可能とした車両用空調装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記、目的を達成するために、請求項1および請求項2に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、空気通路を形成する空調ケース(11)と、この空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)を通過して温風が流れる温風通路(18)と、空調ケース(11)内に形成され、暖房用熱交換器(13)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(15)と、空調ケース(11)内に設置され、温風通路(18)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風との風量割合を調節するエアミックスドア(16)と、空調ケース(11)内に形成され、温風通路(18)を通過する温風と冷風バイパス通路(15)を通過する冷風とを混合する空気混合部(20)と、この空気混合部(20)の下流側に形成され、車両の前面窓ガラスに空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(21)と、デフロスタ開口部(21)を開閉するデフロスタ開閉部材(22)とを備える車両用空調装置において、デフロスタ開閉部材(22)は、デフロスタ開口部(21)の上流側に配設され、かつデフロスタ開閉部材(22)の両端部と空調ケース(11)の内壁面との間に隙間(28)が形成され、デフロスタ開閉部材(22)は、デフロスタ開閉部材(22)の開度が所定の開度を下回るときに、隙間(28)を通過した空調空気がデフロスタ開口部(21)から吹き出すように構成したことを特徴としている。
【0012】請求項1に記載の発明によれば、冷風と温風とが混合する空気混合部(20)の近傍にデフロスタ開閉部材(22)が設けられるこの種のエアミックスタイプの車両用空調装置においては、特に温風は暖房用熱交換器(13)を通過した分、圧力が低下して風速が低下しているため、上記空気混合部(20)では、一般的に風速の強い冷風が空調ケース(11)の幅方向の中央部周辺に流れやすく、温風が空調ケース(11)の幅方向の両側部側に流れやすくなる。
【0013】そこで、本発明では、デフロスタ開閉部材(22)の開度が所定の開度を下回るときに、デフロスタ開閉部材(22)の両端部外側に隙間(28)を形成し、その隙間(28)を通過した空調空気がデフロスタ開口部(21)から吹き出すように構成したことにより、概して温風が流れやすいデフロスタ開閉部材(22)の両端部外側の隙間(28)を通過した空調空気を吹き出すことでデフロスタ吹出口から低い温度の空調空気が吹き出すクールデフロスタの不具合をなくすことができる。
【0014】請求項2に記載の発明では、空調ケース(11)は、デフロスタ開閉部材(22)の開度が所定の開度と下回る領域では隙間(28)がデフロスタ開口部(21)に向かって狭くなるように形成したことを特徴としている。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、隙間(28)がデフロスタ開口部(21)に向かって狭くなるように形成したことにより、吹出モードがバイレベルモードおよびフットモードにおいて、主となる吹出口からの空調空気を吹き出すとともに、デフロスタ開口部(21)から窓ガラスの曇りを晴らすための空調空気を吹き出すことができる。しかも、その空調空気の空気量を可変できる。
【0016】これにより、一定の空気量しか設定できなかった従来と比較して、少なくとも2パターン以上の開度に応じて窓ガラスの曇りを晴らすための空調空気の空気量を可変できる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施形態の車両用空調装置の通風系は、大別して、図示しない送風機ユニットと、図1に示す空調ユニット10との2つの部分に分かれている。
【0019】送風機ユニット(図示せず)は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。
【0020】送風機ユニットは周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱を通して空気を吸入して送風する送風機とから構成されている。空調ユニット10部は、1つの共通の空調ケース11内に冷房用熱交換器である蒸発器12と暖房用熱交換器であるヒータコア13とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。
【0021】空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなる。空調ケース11は具体的には複数の分割ケースからなり、この複数の分割ケースは、上記熱交換器12、13、後述のドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ユニット10を構成する。
【0022】空調ユニット10部は、車室内の計器盤下方部の略中央部に、車両の前後、左右および上下方向に対して、図1に示す形態で配置され、そして、空調ケース11の、最も車両前方側の部位には空気入口14が形成されている。この空気入口14には、前述の送風機ユニットから送風される空調空気が流入する。
【0023】空調ケース11内において空気入口14直後の部位に蒸発器12が配置されている。この蒸発器12は車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器12の車両上下方向に延びる前面に空気入口14からの送風空気が流入する。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して空調空気を冷却するものである。
【0024】そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。このヒータコア13は空調ケース11内の下方側において、車両後方側に傾斜して配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0025】空調ケース11内の空気通路において、ヒータコア13の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路15と、このヒータコア13を通過して温風が流れる温風通路18とが形成されている。
【0026】そして、冷風バイパス通路15、温風通路18のそれぞれには、ヒータコア13で加熱される温風と、冷風バイパス通路15を通ってヒータコア13をバイパスする冷風との混合割合を調整する平板状のエアミックスドア16が配置されている。
【0027】ここで、このエアミックスドア16は、水平方向に配置された回動軸17、と一体結合されており、この回動軸17とともに車両上下方向に回転可能になっている。このエアミックスドア16は上記混合割合の調整により車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段をなす。また、回動軸17は空調ケース11に回動自在に支持され、かつ回動軸17の一端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリンク機構に結合されて、空調装置の温度制御機構(サーボモータなどのアクチュエータ等)により回動駆動されるようになっている。
【0028】そして、空調ケース11内において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる壁面19が空調ケース11に一体成形されている。この壁面19によりヒータコア13の直後から温風通路18を流通して上方に温風が導かれる。
【0029】また、空調ケース11内において、冷風バイパス通路15および温風通路18の空気下流側(上方側)には、冷風と温風の混合を行う空気混合部20が形成されている。そして、空気混合部20の下流端、かつ空調ケース11の上方部において、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部21が車両前方向の上方側に開口して形成されている。このデフロスタ開口部21は空気混合部20から温度制御された空調空気が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から車両前面窓ガラスの内面に向けて空調空気を吹き出す。
【0030】また、デフロスタ開口部21は、平板状のデフロスタ開閉部材であるデフロスタドア22により開閉される。本実施形態のデフロスタドア22は、詳しくは後述するが、吹出モードがバイレベルモードおよびフットモードのときに、主となる吹出開口部から空調空気を吹き出すとともに、デフロスタ開口部21から窓ガラスの曇りを晴らすために一部の空調空気が吹き出すように構成されている。
【0031】なお、このデフロスタドア22は、デフロスタ開口部21の上流側に設置され、空調ケース11の上面部近傍でデフロスタ開口部21の上端部に隣接して水平方向に配置された回動軸23により回動自在に支持されている。
【0032】次に、デフロスタ開口部21よりも車両後方側(乗員寄り)の部位にフェイス開口部24が形成されており、このフェイス開口部24には温度制御された空調空気が空気混合部20を通して流入される。
【0033】また、このフェイス開口部24は図示しないフェイスダクトを介して、計器盤左右方向中央部の上方側に配置されているフェイス吹出口に接続され、この吹出口から車室内中央部の乗員頭部に向けて空調空気を吹き出す。
【0034】なお、フェイス開口部24は、平板状のフェイスフットドア25により開閉される。このフェイスフットドア25は、フェイス開口部24の上流側に設置され、水平方向に配置された回動軸26により回動自在に支持されている。また、このフェイスフットドア25は、フェイス開口部24またはフット開口部27(後述する)のいずれかを閉塞するように回動させる。
【0035】次に、空調ケース11内で、フェイスフットドア25の動作範囲より車両後方側の部位にフット開口部27が開口している。このフット開口部27には空気混合部20から温度制御された空調空気が流入する。そして、フット開口部27の空気下流側に図示しないフット用通路が形成され、このフット用通路の途中部位に前席用フット通路が開口している。この前席用フット通路からの空調空気は図示しない前席用フットダクト、前席用フット吹出口を経て前席の乗員足元に吹き出す。また、フット用通路の末端部には、図示しない後席用フットダクト、後席用フット吹出口を接続し、この後席用フット吹出口を経て後席の乗員足元に風を吹き出す。なお、このフット開口部27の開閉は、上述したフェイスフットドア25によって開閉される。
【0036】次に、本発明の要部であるデフロスタドア22の開度パターンについて図2および図3に基づいて説明する。図2はデフロスタドア22の開度パターンを示したもので、全閉から全開まで回動軸23の回動によってデフロスタ開口部22を開閉させてデフロスタ吹出口から吹き出す空調空気の空気量を調整するものである。
【0037】そこで、本発明では、デフロスタドア22の開度が所定の開度を下回るとき、例えば、図2に示す開度パターン■および開度パターン■のときは、デフロスタドア22の両端部と空調ケース11の内壁面との間に隙間28を形成し、その隙間28を通過した空調空気がデフロスタ開口部21から吹き出すように空調ケース11を形成している。
【0038】因みに、図3(a)ないし図3(c)に示すように、デフロスタドア21の開度に応じて、隙間28の開口面積が変化するようにデフロスタ開口部21に向けて隙間28が狭くなるように空調ケース11に形成してある。具体的には、図3(a)は、デフロスタドア22が全閉の状態であり、このときには、デフロスタ開口部21からの空調空気の吹き出しは閉塞する。
【0039】図3(b)は、デフロスタドア22が開度パターン■の状態であり、このときには、隙間28の開口面積S1に空調空気が通過してデフロスタ開口部21から吹き出される。
【0040】図3(c)は、デフロスタドア22が開度パターン■の状態であり、このときには、隙間28の開口面積S2に空調空気が通過してデフロスタ開口部21から吹き出される。なお、開度パターン■の開度が所定の開度であって、この所定の開度を下回る開度パターン■および開度パターン■の状態のときは、回動軸23と対向するデフロスタドア22の先端部外側と空調ケース11の内壁面との間に形成される第2隙間29(図2参照)を通過する空調空気と上述の隙間28を通過する空調空気がデフロスタ開口部22から吹き出されるが、第2隙間29は、僅かな隙間であるため大部分は隙間28を通過した空調空気が占めるように形成している。
【0041】これにより、開度パターン■よりも開度パターン■の方が隙間28の開口面積(S1<S1)が大きくなることで、開度パターン■の方が空気量を多く吹き出すことができる。従って、開度に応じて空気量の可変ができる。
【0042】なお、デフロスタドア22およびフェイスフットドア25は、吹出モード切り換え用の制御ドア部材であって、回動軸23、26の一端部は空調ケース11の外部に突出され、図示しないリンク機構に連結されて、吹出モード切換機構(サーボモータなどのアクチュエータ)により連動操作されるようになっている。
【0043】また、エアミックスドア16、デフロスタドア22およびフェイスフットドア25は、各回動軸17、23、26と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームなどの弾性シール材を貼着した構造である。
【0044】次に、上記構成の本実施形態の作動を説明する。車両用空調装置は、周知のように、図示しない空調操作パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および空調制御用の各種センサからのセンサ信号が入力される電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置の出力信号により各制御ドア部材16、22、25の回動位置が制御される。
【0045】また、車室内への吹出空気温度の調整は、蒸発器12で冷却されて直接冷風バイパス通路15側に流れる冷風と、ヒータコア13で加熱される温風との風量割合をエアミックスドア16にて調整して行われる。そして、冷風と温風は、空気混合部20で混合されたのち、吹出モードに応じて車室内の所定の部位に吹き出される。
【0046】次に、吹出モード別にデフロスタドア22の開度パターンを図1および図4ないし図6に基づいて説明する。図1は吹出モードがフットモードの形態を示しており、フェイス開口部24は、フェイスフットドア25にて閉塞され、デフロスタドア22が図1の実線で示す開度パターン■の位置にあるときであって、それぞれの開口部21、27が、例えばデフロスタ吹出口から20%、フット吹出口から80%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0047】そして、温度調整領域では、エアミックスドア16が冷風バイパス通路15および温風通路18を適宜量開放し、蒸発器12から冷風バイパス通路15側に流れる冷風とヒータコア13を通過する温風とが、空気混合部20で混合され、こうして所望の温度に調整された空調空気は、デフロスタ開口部21を通して前面窓ガラスに向けて吹き出されるとともに、フット開口部27を通して乗員の足元側に吹き出される。
【0048】ところが、この冷風と温風が混合する空気混合部20においては、特に温風はヒータコア13を通過した分、圧力が低下して風速が低下して入るため、この空気混合部20では、一般的に風速の強い冷風が空調ケース11の幅方向の中央部周辺に流れやすく、温風が空調ケース11の幅方向の両側部側に流れやすくなる。従って、デフロスタドア22の幅方向に対して中央部側に冷風が流れやすくデフロスタドア22の幅方向に対して両端部側に温風が流れやすい。
【0049】本実施形態では、デフロスタドア22が開度パターン■の位置であるため、デフロスタ開口部21に導かれる空調空気はデフロスタドア22の両端部外側に形成された隙間28を通過した空調空気が大部分を占めており、この隙間28を通過する空調空気の大部分が概して温風が占められている。これにより、デフロスタ吹出口から低い温度の空調空気が吹き出すクールデフロスタの不具合をなくすことができる。
【0050】また、デフロスタドア22が図1の破線で示す開度パターン■の位置のときには、デフロスタドア22の両端部外側に形成された隙間28の開口面積が狭くなることにより、例えばデフロスタ吹出口から10%、フット吹出口から90%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0051】次に、吹出モードがバイレベルモードでは、図4に示すように、フェイス開口部24およびフット開口部27が開口するように、フェイスフットドア25を図4に示す実線の位置にあり、デフロスタドア22が図4の実線で示す開度パターン■の位置にあるときであって、それぞれの開口部21、24、27が、例えばデフロスタ吹出口から20%、フェイス吹出口30%、フット吹出口から50%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0052】このモードのときにおいても、デフロスタドア22が開度パターン■の位置であるため、デフロスタ開口部21に導かれる空調空気はデフロスタドア22の両端部外側に形成された隙間28を通過した空調空気が吹き出される。
【0053】また、同様に、デフロスタドア22が図4の破線で示す開度パターン■の位置のときには、デフロスタドア22の両端部外側に形成された隙間28の開口面積が狭くなることにより、例えばデフロスタ吹出口から10%、フェイス吹出口40%、フット吹出口から50%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0054】次に、吹出モードがフットデフロスタモードでは、図5に示すように、フェイス開口部24は、フェイスフットドア25にて閉塞され、デフロスタドア22が所定の開度を超えたほぼ半開状態の位置にあるときであって、それぞれの開口部21、27が、例えばデフロスタ吹出口から50%、フット吹出口から50%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0055】このモードのときは、デフロスタドア22が所定の開度を超えている位置であるため、回動軸23に対向するデフロスタドア22の先端部外側からも空調空気を通過させてデフロスタ開口部21に導いており、所定の開度を超えたときは、隙間28側よりもむしろデフロスタドア22の先端部外側の方を通過した空調空気が占めるため、隙間28を小さくしても良い。
【0056】次に、吹出モードがフェイスモードでは、図6に示すように、デフロスタ開口部21はデフロスタドア22にて閉塞され、フット開口部27はフェイスフットドア25にて閉塞されている。従って、このときはフェイス吹出口から100%の風量比で空調空気が吹き出されるように設定されている。
【0057】以上の一実施形態の車両用空調装置によれば、冷風と温風とが混合する空気混合部20では、特に温風はヒータコア13を通過した分、圧力が低下して風速が低下して入るため、この空気混合部20では、一般的に風速の強い冷風が空調ケース11の幅方向の中央部周辺に流れやすく、温風が空調ケース11の幅方向の両側部側に流れやすくなる。
【0058】そこで、本発明では、デフロスタドア22の開度が所定の開度を下回るときに、デフロスタドア22の両端部外側に隙間28を形成し、その隙間28を通過した空調空気がデフロスタ開口部21から吹き出すように構成したことにより、概して温風が流れやすいデフロスタドア22の両端部外側の隙間28を通過した空調空気を吹き出すことでデフロスタ吹出口から低い温度の空調空気が吹き出すクールデフロスタの不具合をなくすことができる。
【0059】また、この隙間28がデフロスタ開口部21に向かって狭くなるように形成したことにより、吹出モードがバイレベルモードおよびフットモードにおいて、主となる吹出口からの空調空気を吹き出すとともに、デフロスタ開口部21から窓ガラスの曇りを晴らすための空調空気を吹き出すことができる。しかも、その空調空気の空気量を可変できる。
【0060】これにより、一定の空気量しか設定できなかった従来と比較して、少なくとも2パターン以上の開度に応じて窓ガラスの曇りを晴らすための空調空気の空気量を可変できる。
【0061】(他の実施形態)以上の一実施形態では、バイレベルモードでは、デフロスタ吹出口から20%、フェイス吹出口30%、フット吹出口から50%の風量比で空調空気が吹き出すように説明したが、一般に良く知られるフェイス吹出口50%、フット吹出口から50%の風量比のときは、デフロスタドア22を全閉の位置にすれば良い。
【0062】以上の実施形態では、デフロスタ開口部21から窓ガラスの曇りを晴らすための空調空気を吹き出すパターンを開度パターン■および開度パターン■の二つのパターンを説明したが、これに限るものではない。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】 【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
【公開番号】 特開2003−267027(P2003−267027A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−75584(P2002−75584)